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2021.03.23
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カテゴリ: 北中城村



沖縄県北中城村東部の丘陵地域に「渡口(とぐち)集落」があります。「渡口みどり公園」をはじめとする豊かな緑の自然、琉球古民家や細い路地が残る歴史溢れる集落には、ゆったりとした静かな時間が流れています。「渡口集落」には琉球の文化とロマンがたくさん詰まった遺産が多数存在しているのです。


(和仁屋間のテラ/渡口のテラ)

「渡口集落」の東部に「和仁屋間のテラ」があります。「渡口のテラ」とも呼ばれるある南向きの石造建築物の構造は、桁と梁が約3.4m、高さ1.35mの方形造りで、石灰岩の屋根の頂上には宝珠があります。壁は大方切石の布積みで、側面と背面に部分的に野面積みが確認されます。前面入口部分の天井は一枚の琉球石灰岩で、他の天井材は第三紀砂岩と呼ばれる材質で造られています。


(和仁屋間のテラの内部)

「和仁屋間のテラ」の内部には高さ50~80cm程度の砂岩(ニービヌフニ)が四個あり他にも小型の霊石がいくつかあります。これらの石はビジュル、ボージャーブトゥチ(赤子の仏)、クヮンマガハンジュウヌカミ(子孫繁栄の神)などと呼ばれています。祭祀は渡口集落では行わず、一般に子宝に恵まれない婦人が子が授かるように祈っています。


(渡口の梵字の碑/アビラウンケン)

古代インドの梵語(サンスクリット)の文字が記されているこの碑は高さ104cm、幅55cm、厚さ13cmの細粒砂岩(ニービヌフニ)を使用しています。アビラウンケンは「胎蔵界大日如来」の真言の意で、宇宙の生成要素の地、水、火、風、空を表し、梵字五文字に一切の万象を網羅すると言われています。「胎蔵界」は胎児が母の胎内にいるように、真理が内在している事を示しています。


(渡口洞穴遺跡)



「渡口の梵字の碑」がある細流砂岩丘陵の崖面に立地する「渡口洞窟遺跡」です。弥生〜平安時代(約1700年前)からグスク時代初期(約900年前)の遺跡と考えられています。洞窟の上は拝所になっており、かつて洞窟の北側にある家々に火災や精薄児などが続出したのでユタに占ったところ「拝所の下に地位の高い先人の遺骨があるので、それを掘り出して祀りなさい」とお告げがありました。拝所の下を掘ってみると、洞窟が発見されて人骨や石器類とともに「渡口の梵字の碑」が出土したと伝わります。


(渡口の殿)

(渡口の印部土手石/しるべどていし)

「渡口洞窟遺跡」の上部に位置する「渡口の殿」と呼ばれる拝所です。祠の内部には3つの霊石とウコール(香炉)が設置されています。この「渡口の殿」のすぐ裏に「渡口の印部土手石」があります。シルビグァーや原石(ハルイシ)ともいわれ、琉球王府が元文検地(1737~1750年)を行ったときの土地測量の目印と境界に使った図根点です。材質は細粒砂岩(ニービヌフニ)で「とくち原 ニ」と原名と仮名文字が刻まれています。石碑の大きさは高さ39cm、幅25cm、厚さ3.5cmです。


(北東部のムラガー)

(ムラガー入り口の拝所)

渡口集落の北東部に「ムラガー」があります。渡口集落の共同井戸で飲料水として利用されてきました。戦前は旧暦元日の早朝に井戸の水をワカミジ(若水)として汲み、ヒヌカン(火の神)や仏壇に供えて新しい年の家運隆昌と家族の健康を祈願しました。「ムラガー」の入り口には拝所の祠があり、水の神様への祈りと感謝の場となっています。


(北部のムラガー)

(ムラガーの泰山石敢當)

(ムラガーの霊石)

この「ムラガー」は比較的大きな敷地となっている為、集落の飲料水の他にも洗濯や農作物を洗う為にも利用されていたと考えられます。井戸には「泰山石敢當」と刻まれた古い石敢當と魔除けの霊石が供えられています。神聖な水源に悪霊が寄り付かないように設置されたと思われます。この地域で「泰山石敢當」は非常に珍しい石敢當で大変貴重な文化財です。




(ンブガーの石柱)

「ムラガー」の西側にある「ンブガー」で、「ウブガー」や「産ガー」とも呼ばれる井泉です。集落で子供が産まれるとこの井泉から水を汲み産湯に使用しました。また、産まれたばかりの赤ちゃんの額に水をつける「ミジムイ」や「ウビナディ」とよばれる水撫での儀式にも「ンブガー」の水を利用していました。「ンブガー」にも霊石が設置されており、悪霊から貴重な水源を守っているのです。


(上の御嶽/イーヌウタキ)

「和仁屋御嶽」や「和仁屋御願」と呼ばれる渡口みどり公園内にある拝所です。「渡口集落」に隣接する「和仁屋集落」の発祥の地とも言われています。屋根と壁はそれぞれ一枚のサンゴ石灰岩で造られ、東側に向いて建てられています。高さ80cm、幅107cm、奥行き61cmで、祠には三つの神体(砂岩)が安置されています。渡口集落ではハチウビーとウマチー(旧2月15日、旧5月15日、旧6月15日)に拝している重要な拝所です。


(クミシ嶽)



「クシミ嶽」は渡口みどり公園内の南東に位置し、渡ロメーガーラ(前の川)にかかるメンター橋の近くにある拝所で「クバジ嶽」とも呼ばれています。瓦ぶきの祠で高さ145cm、横118cm、奥行き94cmです。天井と左右の壁はそれぞれ一枚の粟石(第四紀段丘性石灰岩)で造られ、後方の壁は二枚積み上げられ、祠の中には霊石が5つ安置されています。さらに、この場所は「渡口集落」の南側にある「熱田集落」の発祥の地と伝わります。


(北東に向けられた石柱)

(東に向けられた石柱)

「渡口集落」には古い石柱が多数散財しています。沖縄は昔から石への信仰が強く、集落の至る場所で石敢當や魔除けの霊石を見つける事が出来ます。拝所の祠には必ず霊石が設置されており、人々は祈りを捧げています。古き良き琉球の暮らしが垣間見れる「渡口集落」では、特に歴史の深い貴重な泰山石敢當や魔除け霊石が遍在し、今もなお効力を発揮して生き続けているのです。






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最終更新日  2023.10.29 19:42:02
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