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2021.04.06
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カテゴリ: 沖縄市



「大里集落」は沖縄市の南側に位置し泡瀬地区の西側にあります。大里集落の最南端に「ウガングヮームイ/御願小森」と呼ばれる小さな森があります。竜宮神を祀っていると言われる拝所で、かつて「ウガングヮームイ」周辺には船着場や防空壕がありました。勝連グスクの阿麻和利を討伐した鬼大城が百度踏揚を連れて首里に向かう前に隠れた場所との伝承があります。


(ウガングヮームイの内部)

「ウガングヮームイ」の内部には宇宙を構成する「地水火風空」を示す5つのウコール(香炉)と霊石か祀られています。昔は海外へ移住した村人たちの健康祈願も行われていた場所で、戦時中は戦地へ出発する兵隊を見送る場所でもありました。「ウガングヮームイ」は地元の住民に「イチバンチ」の名称で呼ばれています。


(ウサチウガンジュ)

(火之神)

「大里集落」の東側に「ウサチウガンジュ」と呼ばれる拝所があります。「ウスクギー」と呼ばれるアコウの木の下に「大里氏地頭」と刻まれた石柱とウコールが設置されています。「ウサチ」とはそのアコウの木に由来しており、この木の樹齢は約100年と言われています。アコウの木の右側に「火之神」の霊石があり、集落の住民は俗に「ウサチヒヌカン」と呼んで拝しています。


(カーウリガー)

(カーウリガーの正面にある石敢當)




(ソーリーガー)

(ヒーゲーシー)

「大里集落」の北東に「ソーリーガー」があります。飲料水や生活用水として利用された他に「大里集落」で死者が出た際に死者の身体を清める水をこの井戸から汲む慣わしがありました。道路に突き出るように造られた井戸は比較的珍しい型で、一般的な井戸に併設しているウコール(香炉)が設置されていない事も特徴があります。大里公民館の北東側に隣接する桃原集落との境目に「ヒーゲーシー」があります。現在のクムイ(溜池)には水は見られませんが、重要なクムイの跡として現存しています。このクムイは村のヒーゲーシー(火を返す魔除け)のために設置されたと言われています。


(地頭火之神)

(地頭火之神の内部)

「大里集落」の北側の坂道にある「地頭火之神」で、祠にはジトゥーヒヌカン(地頭火之神)とカミジー(神の土地)が祀られています。「地頭火之神」と刻まれた石碑と霊石が設置されヒラウコー(沖縄の線香)が供えられていました。集落の土地の守り神として地元住民により大切に拝されています。ちなみに「地頭」とは琉球王朝時代(1429~1879年)に各間切(マギリ/現在の市町村)の地頭(領主)として地方行政を担当した人のことで、間切番所(現在の町村役場)の最高の役で、諸般の行政を監理する役目を担っていました。


(エーヤマ遺跡の案内板)

「地頭火之神」の西側に「エーヤマ」と呼ばれる遺跡の森があります。「大里集落」の6つの拝所がある聖地で、この地の植物を切ったり刈ったりする事は固く禁じられていました。「大里集落」はこの森の周辺で発祥したと言われており、旧暦4月15日の「アブシバレー」と呼ばれる虫払いの儀式では住民が山の森全体を拝んでいます。「エーヤマ」はグスク時代(12〜16世紀頃)の遺跡として永きに渡り「大里集落」を見守っているのです。


(トゥンチナー/殿内庭)

(ウサチガー/御先井)

「大里集落」の「火の神」が祀られておりトゥンチナーやトゥンヤーと呼ばれています。この場所では旧暦3月、5月、6月のウマチー(豊年祈願/感謝祭)の行事、旧暦6月25日の綱引き、旧暦9月9日の菊酒(健康祈願)が行われます。戦前は瓦屋根の建物でしたが沖縄戦で失われました。戦後、他の拝所に先駆けて現在の形に復元されました。「ウサチガー」は初めて大里集落に住んだ人々が使用していたとされる井戸です。戦前は隣接する国道329号線内にありましたが、道路建設に伴い現在の位置に移されました。現在でもカーウガミ(井戸拝み)などの集落の行事で拝まれています。




(ヌンミジガー/飲水井)

「エーガー」は「大里集落」で最も古い井戸の一つです。「ナナヒチヒャーイ」という記録的な大干ばつの時にも水が枯れる事がなく、周辺の集落からも「エーガー」に水を汲みに来たと伝わります。以前は「エーガー」から若水(元旦に初めて汲む水)を汲み茶を沸かし、1年の健康を祈願して飲んでいました。「ヌンミジガー」は大干ばつの際に「エーガー」だけでの水では足りなくなり造られた井戸です。井戸の構造が三日月に似ている事から「ミカヅキガー」の名称で親しまれています。「エーガー」同様、正月にはこの井戸から若水を汲み重宝されていました。現在でもカーウガミ(井戸拝み)などの集落の行事で拝まれています。


(タキグサイ)

(カンジャーガー)

戦前は「エーヤマ」の頂上に香炉が置かれていましたが、戦後に「エーヤマ」が大きく削られた際に香炉や霊石が木の根付近にまとめられていました。その場所は現在のように屋根を付けて復元されました。祠内には天地海を示した3つの香炉と霊石が祀られています。また、海外へ移住した人々の健康祈願も「タキグサイ」で行われていました。「エーヤマ」のこの地で鍛冶屋(カンジャー)を始めた人が使った井戸と伝えられています。戦前は水溜りぐらいの井戸だったそうですが「エーヤマ」が削られた際に失われてしまいました。現在の「カンジャーガー」は実際の場所を探し当てて復元されたものです。




(大里繁座那志の石碑)

「エーヤマ」には「望月按司」の石碑があります。望月(茂知附)按司は9代目の勝連グスク城主で、その後10代目城主になる阿摩和利に追放された人物です。勝連グスクから追放された望月按司がエーヤマに逃れて大里の地で祀られています。「望月按司の石碑」の近くには「大里繁座那志の石碑」が建てられおり、大里の土地神がエーヤマの森に一緒に祀られているのです。


(大里集落の琉球赤瓦屋根と芭蕉)

「大里集落」は「エーヤマ」の聖地に守られている神秘的な集落で、琉球の文化が大切に継承される魅力溢れる土地です。琉球赤瓦屋根の古民家が残る静かでゆったりとした時間が流れる集落です。「大里集落」はかつては海に面していた集落で船着場跡も残っています。比較的小さな集落ですが、古の琉球ロマンがたくさん詰まった聖地として、現在でも集落の住民により神様への祈りが捧げられ続けているのです。






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最終更新日  2023.10.29 19:47:57
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