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2021.11.19
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カテゴリ: 北中城村



沖縄県北中城村「 喜舎場集落」の北側丘陵の中腹に「ウナジャラウハカ」と呼ばれる琉球国王妃の墓があります。琉球石灰岩の岩陰を塞いで造られた墓で「舜天王統」三代目の「義本(ぎほん)王」(在位1249-1259)の妃の墓所と伝えられています。この墓は「EMウェルネス/暮らしの発酵ライフスタイルリゾート(EMウェルネス/コスタビスタ沖縄ホテル&スパ)」の東側に隣接する深い森にあり、このホテルの南側駐車場と森の北側からアクセスする事が出来ます。


(ウナジャラウハカの森)

「義本」は「舜天王統」と同様、存在さえ不明であり実在しない伝説上の人物と伝わりますが「舜天王統」の3代目にして最後の王と言われています。「中山世鑑」によると、2代目の王である「舜馬順煕」の第1王子として1206(開禧2)年に生まれ「舜天」の孫にあたります。「舜馬順煕」の死後、1249(淳祐9)年に44歳で「琉球国中山王」に即位しました。しかし、その翌年に飢餓が起き、更に翌年には疫病が流行り琉球国民の半数が死亡したと伝わります。


(花崎家中古之墓)

この状況を憂いた「義本」は家臣を集め、徳の無い自分の代わりに誰に王位を譲るべきかを問いたところ、皆は「英祖」を推薦しました。試しに「英祖」に政治を行わせると災厄は止み国が治ったので、1259(開慶元)年に54歳の「義本」は在位11年で「英祖」に王位を譲ったとされています。「ウナジャラウハカ」の森を進むと「花崎家中古之墓」が現れます。岩場を掘り込んだ古い墓で「花崎家」は「義本王」の直系の子孫であると言われています。


(花崎家中古之墓の石柱)

(花崎家中古之墓)

「義本」との関わりが深い「花崎家」の伝承によると「義本」は国頭村の辺戸(へど)に隠遁し、時世が落ち着いてから読谷村の瀬名波(せなは)に移り住み、晩年は北中城村仲順(ちゅんじゅん)で没したと伝わります。しかしながら「義本」を祀ったとされる墓は知られている中で沖縄本島北部の国頭村に7箇所、中部の中城村の「ナスの御嶽」に1箇所、更に鹿児島県奄美群島に2箇所と、合計10箇所に点在しています。 退位後の「義本」の消息は不明ですが、それが人々の関心と同情を買い、その後「義本」と由縁があると称する者が墓を設置しています。


(王妃御墓/ウナジャラウハカ)

(王妃御墓/ウナジャラウハカの柱)

ウナジャラウハカの森の丘稜中腹に「王妃御墓/ウナジャラウハカ」があります。「北中城村史」(1971年)には「義本王」の直系の子孫である「花崎家」の口伝として、墓内には「義本王」「真鍋樽按司」「西之按司加那志」「桜尚」の厨子が安置されていると記されています。この記述からこの墓は「義本王」の墓である可能性があり、墓がある森には「花崎家」の古墓が伴っており王妃の墓と共に合祀されている為、県内外に伝わる10箇所の「義本王の墓」よりも、この地こそが「義本王の墓」である信憑性が増します。ちなみに「





(王妃御墓から登る石段)

(王妃御墓の西側にある堀込墓)

ウナジャラウハカの森には古墓が点在しており「義本王」の子孫や血縁関係がある家の墓であると考えられます。「義本」が統治していたとされる時代は、小規模のグスクが沖縄の各地に点在し、沖縄本島全域を統治していた人物はいなかったとされています。「中山世譜」によると「天孫氏王統」が首里に王城を築き、それ以降の王も首里を居城にしていたと言われます。しかしながら「義本」らの「舜天王統」は浦添グスクに居住したと伝えられています。この森も史書に記されていない小さなグスク、あるいは御嶽であった可能性もありますが詳細は不明です。


(ガジュマルのアーチ)

(ガジュマルの下にあるガマ)

(ガジュマルの下にある大岩のトンネル)

「王妃御墓」からさらに森の頂上に向かうと、樹齢の長いガジュマルが地面と平行に育ちアーチ型を造っています。ガジュマルには精霊が宿る言われており、ウナジャラウハカの森の精霊が住んでいるような雰囲気を醸し出しています。ガジュマルの根元にはガマ(洞窟)が大きな口を開けており、入り口には霊石が祀られる拝所となっています。更に、ガジュマルの枝先が到達する岩場の麓には自然に大岩が組まれて出来たトンネルがあり、神が宿る御嶽のような神聖な空気を感じます。


(ウナジャラウハカの森の頂上にある拝所)

(ウナジャラウハカの森の頂上にある拝所)

(ウナジャラウハカの森の頂上)

「義本王」も合祀されていると伝わる「王妃御墓」の森の頂上は見晴らしがよく、周辺地域で最も高い位置となっています。この頂上には拝所がありウコール(香炉)と共に位牌が祀られています。森の頂上に育つソテツの木の間からは米軍の施設「アワセメドウズ」ゴルフコース返還後に開発された「ライカム」エリアが広がっています。「イオンモール ライカム」をはじめ、高層マンションや大規模な病院、更にはコンドミニアムホテルや住宅などが立ち並ぶ新しい街並みと変貌を遂げています。「義本王」も「王妃」も数百年の時を超えて、琉球から沖縄、沖縄戦から現代と、この深い森から見守り続けているのです。







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最終更新日  2022.03.06 22:54:42
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