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(メンビャの井戸のウコール)
(シーシヤー/獅子屋)
「湧川公民館」の西側に「メンビャ」と呼ばれる広場があり、そこにある大木の下には井戸跡がありウコール
(
)
が設置されています。「メンビャ」では「湧川集落」の棒術の演舞や、中国に由来する「路次楽
(
ろじがく
)
」の奉納踊りが行われます。「湧川集落」には今から約
200
年以上前に「與儀家先祖」と「與儀銀太郎」が移り住んだ際に「路次楽」が伝わり、戦時中も避難する壕の中で「路次楽」の楽器や道具が大切に保管されました。「湧川集落」では現在でも「路次楽」の踊り、音楽、楽器、楽器の製法や奏法などが忠実に受け継がれています。「メンジャ」から「按司道
(
あじみち
)
」と呼ばれる道を北に進むと「シシヤー
(
獅子屋
)
」の小屋があり「湧川集落」の守り神である「獅子」が大切に収納されています。
(運天竜宮)
(運天竜宮の祠内部)
「湧川集落」の北東側沿岸に「運天竜宮」と呼ばれる「竜宮神」を祀った祠があります。海の航海安全と豊漁を祈願する拝所で、祠内部には霊石とウコール(香炉)が設置されています。さて「湧川集落」に伝わる有名な民謡に「モーアシビ(毛遊び)の歌」があります。
『村寄しりしり 湧川村寄しり 村ぬ寄しらりみ あん小寄しり』
(ムラをこちらに寄せてこい 湧川のムラを寄せてこい ムラを寄せることなどできるものか そちらこそ娘たちを寄こしなさい)
「湧川集落」から海を挟んだ対岸にある「屋我地島」の若者が、一緒にモーアシビ(毛遊び)ができるように「湧川」のムラを引き寄せてこいと詠います。それに対して「湧川集落」では、そちらこそ「屋我地島」の娘たちを「湧川」に寄せなさいと返している歌です。
(湧川の御嶽)
『湧川美童や 天ぬ星ごころ 拝まりやすしが 自由やならぬ』
(湧川の乙女たちは 天空の星のようなものだ 姿かたちを拝見することはできるが 自由に一緒に遊ぶ事はできない)
これは「屋我地島」や隣接する集落の若者が詠ったとされる歌です。当時の「湧川集落」は地位の高い士族が多く住む集落で「名護市史近代歴史統計資料集」によると、1903年の「湧川集落」の士族戸数は247戸中100戸(約40%)という非常に高い比率となっていました。その為、士族の娘たちは集落の平民が集う「モーアシビ(毛遊び)」になかなか参加することが出来なかったそうです。
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