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2022.07.07
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カテゴリ: 浦添市



沖縄本島中南部の浦添市「前田(まえだ)集落」の西部に「前田権現」と呼ばれる拝所があります。「キッチャキ石」と呼ばれる霊石を権現として祀られ、旅の安全や家内安全が祈願される拝所として人々に崇められています。「キッチャキ石」は「つまずき石」を意味する霊石で、四方をコンクリートで囲い正面に2箇所の覗き穴が設けられた祠の内部に「キッチャキ石」が祀られています。「前田権現」の祠には2つの石造りウコール(香炉)が設置されており、ヒラウコー(沖縄線香)と共に小さな霊石も供えられています。祠に向かって右側には中型の霊石も数体祀られており「前田権現」に於ける沖縄の霊石信仰の文化が現在も大切に継承されています。


(前田権現/向かって左側の灯籠)

(前田権現/祀られるウコールと霊石)

(前田権現/向かって右側の灯籠)

「前田権現」の祠には2基の灯籠が建立されており、左側の灯籠の3面にはそれぞれ「奉寄進」「嘉利二拾 庚戌 吉日」「阿氏 佐久田親雲上守祥」と彫られています。「阿氏/あうじ」とは琉球三国時代(南山・中山・北山)の南山王国の王族の血筋であり「佐久田」は前田集落に多く見られる姓です。さらに「親雲上/

「前田権現」には次のような伝承が残されています。

『その昔、首里を往来する人々がこの地を通るたびにキッチャキ(つまずく)する石がありました。いくら片付けても石は元の場所に戻り、再び人々がつまずくので「キッチャキ石」と呼ばれるようになりました。


(前田権現/向かって左側の灯籠)

(前田権現/古井戸)

(ハンタタイガー)

そんな時、ある役人が使者として中国に赴く事になり「もしキッチャキ石の神様が権(かり)の姿であるならば、役目をきちんと果たし、何事もなく無事に帰国できるという私の願いをきっと叶えて下さるに違いない」と一心に祈りを捧げました。その後、役人は中国で役目を果たし、無事に沖縄に帰る事が出来たのです。』

以来「キッチャキ石」は権現として人々が崇拝するようになり、古老によるとこれが「前田権現」の起源となり今も語り継がれています。「前田権現」には古い井戸があり権現の地から湧き出る水として住民に崇められています。井戸には古い石造りのウコール(香炉)と霊石が祀られています。「前田権現」の西側には「ハンタタイガー」と呼ばれる井戸があり「前田権現」の丘陵の地下を通る水源から湧き出ていたと考えられます。


(トゥンチガー)

(トゥンチガー向かいのヒヌカン/火の神)

(トゥンチガー向かいのヒヌカン/火の神祠内部)

「前田権現」から南東に60メートル程の場所に「トゥンチガー」と呼ばれる井戸跡があります。この井戸の北側には1基のウコール(香炉)と1体の霊石と思われる石が祀られています。「トゥンチ/殿内」はドゥンチとも言われ、脇地頭以上の家柄や親方(ウィーカタ)及び士族の家柄の屋敷を意味します。「トゥンチガー」はその屋敷で使われていた井戸の事で、そこから南側に道を挟んだ場所にある古い「ヒヌカン/火の神」は、かつてこの地に建てられていた「トゥンチ/殿内」の敷地に祀られていた「ヒヌカン/火の神」であると考えられます。北側に向けて造られた「ヒヌカン/火の神」の祠は3つの琉球石灰岩を組んで造られており、祠内部には古いウコール(香炉)と霊石が祀られています。


(ナカミーヤーヌメーヌカー/仲新屋ヌ前ヌ川)

(ナカミーヤーヌメーヌカー/仲新屋ヌ前ヌ川の拝所)

「トゥンチガー」から東側に150メートル程の場所に「ナカミーヤーヌメーヌカー/仲新屋ヌ前ヌ川」と呼ばれる古井戸があります。屋号「ナカミーヤー/仲新屋」の屋敷前にあった井戸であると考えられ、井戸の北側に向けて霊石が祀られており古い石造りのウコール(香炉)が設置されています。比較的に井戸の敷地が広いため、水量が豊富で様々な用途に使用されていたと考えられます。沖縄の屋号は「ヤーンナー」と呼ばれ、家の方位、位置、地理、家主の職業、本家か分家、兄弟の何番目など様々な事柄や特徴に因んで名付けられました。「ナカミーヤー/仲新屋」は屋号「ミーヤー/新屋」の一つの呼び名で、他にも「ミーヤーグヮー/新屋小・イリミーヤー/西新屋・ウシミーヤー/牛新屋・メーミーヤーグヮー/前新屋小」など多種に渡ります。


(石川門中/川端の拝所)

(石川門中/川端の仏壇)

(石川門中/川端の位牌/ウチナーイフェー)

(石川門中/川端のヒヌカン/火の神)

「ナカミーヤーヌメーヌカー/仲新屋ヌ前ヌ川」から東に20メートル程の場所に「石川門中/川端の拝所」が建てられています。「石川門中/川端」と記された表札の建物の内部には仏壇があり3基のウコール(香炉)が設置され、それぞれに花瓶、酒椀、水椀が供えられています。向かって一番左端には「石川門中/川端の位牌」が祀られており、中央に『石川家先累代之 霊位』右上から『自得宗寿信士/釋浄徳信士/木覚道全信士』右下から『徳室妙寿信女/貞室豊雲信女』と名前入れされています。沖縄の位牌は「ウチナーイフェー」と呼ばれ、位牌札は上段が男性で下段が女性と決められています。仏壇に向かって左側には「石川門中/川端のヒヌカン/火の神」が祀られ、石造りウコール(香炉)に花瓶、酒椀、水椀が供えられています。


(カーバタガー/川端井戸)

(瑞穂の泉の石碑)

(カーバタガー/川端井戸のウコール)

「石川門中/川端の拝所」敷地の南側に面して「カーバタガー/川端井戸」があります。この井戸はこの土地に昔から住んでいた「川端家」の屋敷で使われていた井戸で、隣接する拝所はその後「旧姓川端の石川門中」として受け継がれたウガンジュであると考えられます。円形コンクリートの蓋が施された井戸には「瑞穂の泉」と彫られた石碑が立っており「昭和十八年四月二十二日改修」とも記されています。さらに、井戸の北側には石造りの古いウコール(香炉)が設置されています。「前田集落」に点在する井戸のウコール(香炉)はいずれも北側を向いており、その北側の先には「舜天王・英祖王・察度王」の3王朝が10代に渡り居住した「浦添グスク」の丘陵が構えています。「前田集落」では井戸からの水の恵みを王様からの恵みと重ね合わせて敬意を込めて拝していたと思われます。







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最終更新日  2022.11.11 21:21:22
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