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2023.12.07
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カテゴリ: 名護市



「名護市」の「許田/きょだ集落」は沖縄本島南部の東海岸にある名護湾に面した小さな部落です。旧名護間切の南部に位置しており、沖縄の方言で「チューダ」と言われています。17世紀中頃の古文書には『久田』とあり、1713年に琉球王府により編纂された「琉球国由来記」には『許田』と表記されています。現在は大幅に埋め立てられていますが、かつては集落の山地の麓に大きなウチウミ(内海)があり、そこを中心に「ティミジ/手水・フクジ/袋地・クチャマタ/古知屋又・ヒンジュク/湖辺底」という4つのムラで形成されていました。


(許田の手水/クシヌカーの祠)

(許田の手水/クシヌカーの祠内部)

その昔「許田」にたいへん美しい娘がいました。ある日、この娘がムラの後ろにある「クシヌカー」という井泉で水を汲んでいると、馬に乗った首里の殿様が通りかかり娘に「水をください」と声をかけました。娘がニーブ(ひしゃく)を使って水をあげると、殿様は「あなたの手で水を汲んでください」と言ったので、娘は手で水を汲んであげました。その仕草と娘の美しさに惚れた殿様は娘を首里に連れて行ったという話が伝えられています。それから「クシヌカー」の井泉を「手水」と呼ぶようになりました。「許田の手水」の水は洗い物などの生活用水ではなく、飲料水やミーミジ(若水)やウブミジ(産水)に使用されたと言われています。


(許田の手水/クシヌカーの手水鉢)

(許田の手水/クシヌカーの石碑)

「許田集落」の入り口に現在の橋が掛かる前は、大きく入り込んだウチウミの入江沿いに道があり古地又(こちやまた)や福地原(ふくちばる)を通って「許田の手水」の前を通るようになっていました。この道沿いにあった「手水」は昔から村人のみならず、多くの旅人の喉を潤してきました。さらに、この井泉が娘と殿様の伝え話と共に広く知れ渡り「平敷屋朝敏/へしきやちょうびん」作の組踊『手水の縁』の題材に利用されました。その他「許田の手水」にまつわる琉歌も詠まれています。

『馬よ引き返せ しばし行き見ぼしや 音に聞く名護の 許田の手水』ー与那原親方良矩ー




(許田のウバメガシ/ナーナンギー)

「許田の手水」後方の山中に「許田のウバメガシ」という名護市指定天然記念物の古樹があり、地元では「ナーナンギー/ナーナシギ」と呼ばれています。「許田集落」の旧家「寛栄屋」の家主が案内してくれた「ウバメガシ」は戦後台風で倒れた老大樹の萌芽木で、現在は幹の先まで空洞化し名護市の管轄で管理されています。「ウバメガシ」は神奈川県以南、四国、九州、中国の主に沿岸の潮風が厳しい環境に分布し、沖縄では伊平屋島、伊是名島に林があります。「許田のウバメガシ」は分布の南限地となっています。「ウバメガシ」は樹木としての成長は遅く材の目詰まりが著しいため、薪炭材として火持が良く高い温度を発生させる白炭や備長炭として重宝されてきました。


(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の鳥居)

(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の石碑)
(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の階段)

「許田集落」の東側丘陵で「許田の手水」に隣接した場所に「クシヌウタキ/後ヌ御嶽」があります。この御嶽は集落の守護神が祀られており、戦前は小さな拝所でしたが昭和40年に現在の祠に改修されました。「琉球国由来記」に記されている『ヨリアゲマキウノ嶽 神名 イベヅカサ 喜瀬巫崇所』は「クシヌウタキ」に相当すると考えられ「喜瀬ノロ」の管轄として祭祀が執り行われていました。「許田集落」を一望できる「クシヌウタキ」の丘陵麓には「後ヌ御嶽」と彫られた石碑があり、御嶽の入り口には鳥居が建立されています。丘陵の頂上には「クシヌウタキ」の祠があり内部にはウコール(香炉)が祀られており、花瓶、ロウソク、三方が設置されています。


(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の祠)

(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の祠内部)

(クシヌウタキ/後ヌ御嶽の階段)

「許田の手水」は山裾の「ヒージャー/樋川」と呼ばれる湧き水で、昔から飲料水として重宝されていました。この「手水」は琉歌にもよく謳われています。

『面影よ残す許田の玉川に なさけ手にくだる水の鏡』ー玉城親方朝薫ー



『見る人はつめていきかはりがはり いつも流れゆる許田の手水』ー粟国親雲上ー

『手水しゆて代々に名を残す人の いきやしがな行衛たづねぼしやの』ー喜瀬筑登之ー






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最終更新日  2023.12.07 15:22:00
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