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第二五巻　癩王のテラス/LONG AFTER LOVE

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「硫黄島からの手紙」でハリウッド進出を果たされた伊原剛志さん。
美「役者さんでも二通りいて、じっとして喋ったり動いたりしない方がいい人と、
喋ったり動いたりするとcharm（シャルム　魅力）が出てくる人がいるんですよ。
この方は後者の方、なんとも言えない魅力を発散する人よね。」

【スピリチュアルチェック】
☆　自分の性格を一言で→我がまま、緊張しい。
☆　小さい頃なりたかった職業→パイロット、体育の先生
☆　マイブーム→英会話
☆　何か怖いもの→人間
☆　生まれ変わるなら→世の中の平和なことに役立つ人間

上演時に、楽屋で美輪さんにお会いしているそう。
伊「１９歳の頃、僕はプレゼントの役で・・・。」
美「首にリボンをつけて、もらわれる役なの。」
国「どうですか、１９歳の頃、最初に美輪さんを見たときは？」
伊「『 蛇に睨まれた蛙 』☆」

国「伊原さんの印象はどうでしたか？」
美「ものすごくピュアで、よくガブリエルとか、イタリーの天使の絵があるでしょう。
ああいう感じだったの。」

スピリチュアルなことにもご興味があるようです。
伊「以前にこの番組を観ていて、『 大人の方と話をしたいな
国「僕もですか☆よかったです・・・。」
美「ここで大人はただひとり、江原さんだけ☆」

【みんなのいえ】

落ち着いて見える井原さんですが、とても緊張しやすい性格だったそう。
伊「今よりも昔の方が緊張がすごくて、本当に芝居が下手な役者で。

もう悔しくて悔しくて、家に帰っても眠れなくて。
『 何で俺は緊張するんだろう 』と思って次の日に臨むとまた緊張して。
その繰り返しでずっと。」

国「今は落ち着かれましたか？」
伊「今も緊張するんですけど、いろいろ経験して種類が変わってきて。
僕は 何もせずに臨むと、だいたい緊張する 、まあ自意識過剰なんんですね。
準備をちゃんとして、自分で納得いくまでやって
『 もう、これだけやったのであれば、もうしょうがない 』と。
『いまの自分のレベルはそんなもの、ここまでしか努力できないから、
ここまでやってやれば、もうしょうがない』」

たくさんの経験を重ねてきた伊原さんは、今年、 人生最大の緊張感 を味わったそう。
伊「クリンスト・イーストウッドの『 硫黄島からの手紙 』。
初めてのハリウッド映画でオーディションを受けて、決まって現地に行って。
下準備はして行ったんですよ。役になった本人の息子さんに会ったりとか、
いろんな資料を読んだりとか、今までと同じように準備はしていったんですけど。
何が大きく違ったかというと、 テスト（リハーサル）が一回もないんですよ 。
段取りだけ決めて、それでカメラを回す。」

美「クリント・イーストウッドのやり方なのよ。」
伊「台本１５ページぐらいでも、一気に撮る。
日本でのやり方は、助走をつけて役になってゆくパターンが多いけれども、
イーストウッドのやり方は、 そのときに役になっていないとできないんですよね 。
だから緊張して、渡辺謙さんと横で『 ちょっとセリフ合わせしよう 。』って
二人でやったりとか。」

【壬生義士伝】

待遇も日本とは桁違い。
日本の自宅から黒塗りのハイヤーで成田まで送り迎え、
ファーストクラスで現地に着くと空港から一人一台のリムジンでホテルに到着。
撮影所では楽屋としてのトレーラーハウスが一人ずつ与えられ、
さらに食事はホテルのレストラン並。

美「日本だと、ロケ弁でしょう？」
伊「最初はそういうことにびっくりしていたんですけど、人間って慣れるんですよね☆
ただ、撮影は毎回、緊張しましたね。」

国「 クリント・イーストウッド監督 （１９３０～）はどんな方なんですか？」
伊「彼はたしか７６歳なんですけど、ほとんど座らない。ずーっと立って指示をして。
その姿が格好いいんです。『 こんな格好いい年寄りは初めて見たな 』というくらい・・・。
身長も１９０ぐらいあって僕より高いですし・・・。」

美「だってマカロニ・ウェスタンのあたりから出てきて、
それからありとあらゆることをやって、監督賞ももらって。
とにかく何から何まで何でもできる人なのよ。
ピアノは本職並みで、弾き語りも作曲もできて、映画音楽も作れるの。
政治の方もやっていて。凄い人よ。
だから 普通の監督さんとは、違う 。頭も腕も、感覚も。」

英語はこれまでお話になれなかったとのことで、映画出演を機に勉強を始められたようです。
伊「いい機会だし、少しずつ・・・。」
江「マイブームということですが、もともと伊原さんはそういったこと、
要するに 努力をすることを人におっしゃるのは珍しいのではないですか ？
人にあまり見せたくない・・・」
伊「言わないですね、こっそりが好きですね。」
江「一生懸命な自分を見せることは、意味も無く恥ずかしさがあるでしょう？」
伊「そうですね。」

パイロットになりたかったという伊原さんは、とても活発な半面、
大人の顔色をうかがう子供 だったそう。
伊「何を考えているかとか、どんな会話をしているかとか、観察して受け止めるような。
両親の仲が悪かったので、何か察知すると『 だめだ、この場を押さえないと･･･ 。』とか。
今はあまりないと思いますけれど、だいたい、貧乏が原因でケンカしていましたからね。」

小学校のときから強く、番長のように仲間を仕切り、学校の裏でケンカをしていたそうですが、
ある転機が訪れます。
伊「小学校四年生ぐらいのときに、六年生の子をケンカでやっつけたことがあって、
それから『伊原剛志は強い』みたいな。でもその時僕は、ケンカしながら
『 こうやって殴っていたら死んじゃうんじゃないか 』とふっと思って。
自分からはケンカしなくなりましたね。」

【新撰組！】

国「両親がケンカしていたときは、お母さんの方につく方でしたか？」
伊「そうですね。母親は大好きでしたね、今年亡くなったんですけれども。
母親の後姿を見て育ったように思います 。」
美「だいたい子供は、お母さんの側につきますよね。」

伊「兄弟が多かったので、長男の僕は甘える時間がないわけですよ。
だから一緒の時間を過ごすために、中学のときは受験勉強をして、
深夜になると母親が勤め先から帰ってきて、ラーメンを食べに行ったり。
そういう二人で過ごす時間がすごく愉しくて、一生懸命勉強をしていたんです。」

国「今は伊原さんがお父さんですよね。」
伊「そうですね、三人の息子の。自分も母親と父親の背中を見て育ってきたので、
今度は自分が背中とか生き様をどうやって見せるかということを、
意識して、考えていますね。
上の二人は前の女房と一緒に暮らしていて、会う時間も限られているので、
特にその気持ちが強くて。

やはり俺が 人生を愉しく、生き生きとしていないと、
『 子供達はどう俺を見るんだろう 。』という気持ちがすごくありますね。
だから仕事も遊びも、とにかく思いっきり、という・・・。」
美「正解なのよ。学歴、知識、教養、財産とかいうよりも、
親が恥ずかしくない生き様を見せることが、何よりの子供の教育になるの。
それだけですよ。」

明日に続きます。

***
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