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昨日のブログでミツバチの「黄色と黒の縞模様」について書き込んだが、もう一つ
『ミツバチの色覚』について学んだことを「備忘録」として書き込んでおきたい。
ミツバチの色覚についてはノーベル医学・生理学賞を受賞したフォン・フリッシュ氏の実験
インターネット情報によると
【ミツバチは波長が300ナノメートルから650ナノメートルの間の光を認識できるという。
300から400の間は紫外線領域なので人間には見えないがハチには見えることになり、
一方650から800は人間には赤と認識できる領域であるがハチには逆に認識できないと
いうことになる。さらにミツバチは400から480ナノメートルの間の人間では青からスミレ
に見える範囲、480から500ナノメートルの間にある青緑の光の色、500から650ナノ
メートルの間の人間では緑、黄、オレンジの範囲について、下図にあるように単に青、
青緑、黄色と三つの色彩しか感じない。すなわち、細かく色を区別することができない
のだ。
現在のミツバチはハチ目のなかで最も新しい類に属し、ここまでくる前にハバチ、
ヤドリバチ、カリバチ、ハナバチという進化をへて、その間色覚の面で大きな変化を経験
してきた。カリバチまでのハチはシダ類や木の葉そして同じ昆虫の死ガイなど何でも
食べ、甲虫とちがうのはより器用に飛べるようになったことであった。
ところが一億年ほど前、突然花が現れたのだ。
花は花びらとオシベ、メシベを最も目立ち、見やすい黄色で飾った。
今までの胞子による種の保存からオスメス交配の種子による種の保存へと、花は大変革
を始めたのだ。ところが、ハチは当初黄色い色を知らなかった。ハチの棲んでいた環境
はほとんど青緑一色で、地面の赤と空の青はほとんど目に入らず、黄色い花はただ少し
明るい緑に見えた。
そこで花はハチを受粉に利用しようと考え、花粉に高い栄養価をもたせ、さらに花弁の
奥にあまい密をほどこしたのだ。いままで木の葉と死骸ばかりを食べていたハチは生活
の糧を花へと移した。それがハナバチ。ハナバチは黄色い花と長い間生活しているうち
に、いつしか黄色を新しい色彩として認識するようになった。ただ、花のオレンジ色とか
黄緑とか、微妙な色の区別は難しく、同じ色と判断した。そして、ハナバチのなかから、
密だけを求めて集団を組む種が現れ、それが今のミツバチとなったのだ。
このころすでに地上には四季が訪れるようになり、野には種子をもった草花が徐々に
その勢力を拡大し、恐竜時代とまったくちがう花と緑の世界が広がりつつあった。
ミツバチはせっせと密を巣に運んだ。ミツバチの見える世界はエサのありかを示す
黄色と、草の葉の青緑と、空の青だけであった。
そしてハナバチの多くはその後も進化を続け、青より若干波長の短い紫も認識できる
ようになった。】のだと。
このように自然はわれわれ人に見える世界だけではなく、見えない世界でも植物や動物
はさまざまな工夫をこらして生存競争をしていることを、『ミツバチの色覚能力』から
今日もまた一つ学んだ『素人養蜂家』なのである。