梅林庵

梅林庵

2024年10月05日
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カテゴリ: 日記
Saturday, October 5, 2024
 曇時々雨。
 田舎暮らしは草木との戦いです。家の周囲にそれらが繁茂。始末しても始末しても、なのです。朝餉を父に届けた後、午前8時過ぎ、襤褸に着替えました。先週末、札幌に遊んだので、野良は2週間ぶり。雑事が溜まっていました。先ずは父に頼まれていた庭先、池袂の木を倒しました。伸びて樋に葉を落とし、困るのだそうでした。



 倒したそれは蒸散、乾いて軽くなるのを待ちます。一部は薪にいいかも。次いで、道路に伸びた栗と柿の枝を切りました。何れもハンディエンジンチェーンソーで、でした。けっこうな量がありました。軽トラ2杯分。それを父の山に捨てました。



 次の写真は杣夫の作業中、栗畑で栗を拾う妻の図。数日おき、この程度の量を収穫なのです。夜に落下のそれは、猪に食べられますが、仕方ありません。棍棒を持って番をするわけにはいきませんから。これらは彼女が渋皮煮、或いは生のまま、友人知人にあげるのです。それが彼女の楽しみなんです。



 午前の作業はそれで終わりました。昼はプシュッとやった後、カレー。食後、包丁を研ぎました。2週間に一度のルーチンです。左の菜切りは有次です。妻の手にはこれが馴染んでいるようです。



 午後も野良に出ました。西瓜畑だったところに草が繁茂。先日、刈ったばかりなのに、です。畜生め。草刈り機を背負い、やっつけました。ついでということで、妻の花壇回りも始末。地下足袋を脱いだのは午後5時前でした。グロッキー。草刈り機の回しすぎが腰に応えました。写真は始末の旧西瓜畑です。


 シャワーを浴び、再びプシュッ。父から酒はないか、TELがありました。酒保が底を突いていました。白鶴のパック酒を届けました。彼の夕餉最中、土地贈与のことを話しました。午後6時を過ぎて水道組合の監査を受けに。幹事は隣家です。200万円足らずの予算規模。直ぐに終わりました。家に戻ったら杣夫の夕餉が食卓に。有り難いことです。カヴァを抜栓。シャンパングラスの一つを割ってしまったので、もう一つのそれは妻用。杣夫は焼酎用のコップにて。興醒めですね。



 はい、その後のウイちゃんを舐める時も、でした。



 さて、以下は札幌2日目のことです。
 9月28日(土)
 未明に目が覚めました。折角この街に来たのです、HBCとSTVラジオを交互、聴きました。道新に目を通して朝食。ビュッフェタイプ、食べ放題です。この手は何処のホテルも変わり映えしませんが、そこは北海道、ホッケの塩焼き、鮭のルイベ、烏賊の塩辛、松前漬け、鱈子に帆立・・・。豚丼やスープカレーなんぞも。勿論スイーツも幾種類か。海産物の種類が多かったです。欲の杣夫は幾度もおかわり、詰め込みました。よし、これで昼を抜いても大丈夫だな。
 さてと、あれこれの先に土産を購入、自宅に送っておくか。地下道を札幌駅方面に向かいました。途中に写真撮影用のベンチがありました。道行くお兄さんにシャッターを頼み、パチリ。



 駅の構内を徘徊しましたが、新千歳空港の土産物店に比べ品揃えの劣る店構えばかりでした。荷物になるけど仕方ない、帰りに空港売店で求め、持って帰ることにしました。少し時間があったので、大丸の食品売り場を冷やかしました。おっ、燻製帆立のつかみ取りがあるぞ。試してみました。30個近くをゲット。しきり役のおばちゃんに、お得だよ、そう言われました。



 ホテルに戻り、訪札の主目的、A先生への土産を持ちました。地下鉄東西線に乗り、円山公園駅で下車。



 先生の入院する西円山病院は、この駅への無料送迎バスを出しているとHPにありました。しかし土日は運休とのこと。タクシーを拾いました。目的地は大通り公園から西を見て円山の向こう側になります。車は山を右に迂回、直ぐに森の中へ。しばらく進むと動物園が見えてきました。その先に円山球場。勃然、嗚呼、懐かしい。学生時代、野球部でした。先生がその監督、可愛がられました。ちなみ、本業は教育学部の教授でした。
 戻ります。円山球場で試合をしたことがあります。嘗て、札幌ドームのできるまでは、ここでプロ野球の公式戦が行われていました。サウスポー(人はぎっちょと言いますが)、ピッチャーだった杣夫は、ここのマウンドに立って、プレイボール前の投球練習。投げてキャッチャーミットに収まるときの音、パーン!を未だに覚えています。その響き、この球場独特の音響効果と言いましょうか、凄いのです。軟投の杣夫であっても今日は球が走っていると感じました。
 戻ります。思い出が込み上げ、その辺りの写真を撮るのを失念。公園内を抜け、藻岩山麓通りという坂道を車は進みました。この付近は、比較的リッチの世帯なのでしょう、小洒落、素敵な家並みが続きました。渡辺淳一の小説「北都物語」や「リラ冷えの街」に出てくる綺麗な夫人が暮らしていそう、そのシーンが頭を過りました。
 感傷に浸っていて、あっというまに病院へ到着。
 山裾に張り付くよう、5~7階建て、細長いビルが幾つも、でした。予め調べていたのですが、ここは介護医療のサービスが主のようでした。土曜なので、玄関は閉まっていました。通用口を入ると、受付にはカーテンが引かれ閑散。なすすべ無し。用務員と思しき、見た目、杣夫よりかなり年上の男性に入院患者の問い合わせ場所如何?訊くと、長い廊下の先にどうぞ。指を指してくれました。突き当たりは薬剤部でした。其処の若い男性に親切応対を受け、先生の入院する階にエレベーターで。
 その階に足を踏み入れたら、プーン、ある種独特、ほんの僅かですが臭いました。何だろう。そうだ、嘗て、岳父が入院していたホスピスのそれに近い。介護医療の病棟だけに、そうなんでしょう。午後1時半、先生の部屋へ。そろり、顔を見せました。
「おー、Tか、わざわざ九州くんだりからよくも来てくれたな。俺は元気にやっとるぞ。先般はMとS(二人とも杣夫と同学年、野球部)が来よった。いつも葉書をありがとうね。これからも是非続けてほしいぞ。楽しみにしているよ。俺はもう歩くこと能わずだ。心臓にペースメーカーを入れている。酒も煙草も厳禁となって久しい。ばあさん(先生の奥さん)は2日に一度、見舞いにやってくる。彼女も俺と同い年、94だ。札幌の街中からここまでの通いは辛かろうが、仕方が無い。ここには娘婿の関係で入った。定年を迎えた医者だ。今さら個人病院に勤務しても、患者は高齢医師に見向きもしない。介護医療か終末医療担当が関の山だ。その彼が口をきいてくれて此処に入院を決めた。そのうち、彼の世話で別のところに移されるだろう。だから便りはこの病院宛ではなく、自宅の方に頼むぞ。ばあさんが持ってくる。えっ?家族のことか?息子二人は出来が悪く、長男は3浪、次男は大学院を2浪。何れもおまえと一緒の大学だが、兄弟合わせて5浪。俺のサラリーを食い潰した豚息だ。畜生め。ただな、孫は可愛いぞ。其処の写真を見ろ。美人だろ。ひ孫と一緒に写っている。ところでおまえの両親は元気か。そうか、母親は亡くなったのか。父上は幾つになる?95か。俺より一つ上だな。面倒を見ているのか、そうかそうか。奥さんも大変だな。一度おまえの家に泊まったことがあるが、おまえの嫁さん、いい女だったもんな」
 先生は助平なのです。写真は嘗て先生を知覧に案内した折、鹿児島のホテルに一緒、宿泊したときのものです。妙なヘッドライトをした姿に苦笑しました。



 続けます。
「えっ、一緒に写真と撮るのか?



 オー、まずまずだな。ところで昨今、学生は文章を書くことができない。なにやってんだっということだ。俺はな、未だ、こうしてことあるごと、紙切れにメモをしている。その点、お前の葉書はよくできているぞ。しっかりした文章だ。(赤面し、その後、94歳の先生が褒め言葉、図らずも涙腺が潤みました)



(何を書いているのか、覗き込みました。うーん、意味不明でした。先生のベッド横に、過去、杣夫の認めた葉書が無造作、置いてあり、嬉しかったです)



 しかし、俺も歳をとったもんだ。人間、85まで生きたらそれでいい。後は余分だな。若くして倒れる場合は、それはそれで仕方が無い。如何ともし難いからな。そう、『万事仕方が無い』が俺のモットーなんだ。おまえは、身体を大切にしろ。85までは頑張れよ。おっ、土産があるのか?柿か、嬉しいぞ。ん?臼杵煎餅?煎餅も俺の好物だ。ありがとう。人には分けてやるもんか。俺一人で喰うぞ。おまえの土産だからな。えっ、もう帰るのか。そうか、それじゃー握手しよう」
 小一時間、病室に過ごしました。4人部屋でした。話をしていて、同室、向かいのベッドに横たわる老人が、五月蠅そうにこちらを見ました。幾度も目が合いました。顔色の悪く、そう長くない感じを受けました。嗚呼、ここはそんな病院だったんだ。
 再びエレベーターで1階に戻り、通用口を出ました。細長い駐車場の隅にナナカマドの実が赤かったです。涙が出そうでした。今生の別れと思い定めました。仕方が無いんです。彼への便り、三月に一度程度でしたが、戻ったら毎月にしようかな。
 土曜は運休とあったバスが玄関に横付け。今日は動いているんだな。運転手に問うて、円山公園駅行きと知りました。それに乗りました。来た道をゆっくり下っていきました。次第、街並が賑やか、オシャレの佇まいに変わるにつれ、先生の入院する病院は別世界、異次元から戻り、我に還りつつある心持ちがしました。先生と私は学生時代に野球部監督と選手という出会いで始まりました。その意味では、異次元とは過去のこと、タイムマシンに乗ってその時代を行き来したような見舞いの時間でした。大通り公園駅に戻った時、自身、見舞う前の自分とは違うような感じを覚えました。なんだか、けじめのようなものがついたな、そう独りごちました。



 ぶらり、ホテルまでの地下通路を歩いていて「くしろ最接近」という幟が目に飛び込んできました。



 おっ、釧路?、道東自動車道阿寒ICと釧路西ICが2024年度中に開通するとのこと。亮さん、札幌出撃が一層便利になるな。道の職員がチラシを配り、釧路周辺の特産、乳製品中心の販売が行われていました。



 折角なのでこれを購入。



 標茶町の発酵乳です。杣夫は牛乳を飲むと腹を下します。気をつけないといけませんが、これなら大丈夫かと。午後4時、ホテルに戻り、シャワーを浴びて干しました。ドロリとした食感でした。



 午後5時過ぎ、訪札もう一つの目的は、札幌在住の有志から届いた酔散学部学年同窓会会への出席でした。写真は会場の案内板です。奇しくも宿泊先が会場でした。



 集まった者は40人ほど。同学年は220名ほどだったから、2割弱の出席率でしょう。幹事は最年長、3浪して入学のIさん(一応先輩なので「さん」付け)、司会は某大学の現役講師、正味2時間をきちんと管理してくれました。各自1分間スピーチは時間厳守、60秒経つとチン、ベルが鳴り、強制的に終了させられました。いい措置です。ちょっとした抽選会があり、偶然ですが最遠来の杣夫に、大学マーク入りのステンレス製タンブラーが当たりました。


 久闊を叙した同窓、うち、親しく会話した者のことを少し。
 北海道南部の中心都市に奉職、部長を最後、リタイアし再雇用のT君。
 道庁を退職、親の介護後、見送り、遺品整理中のI君。
 卒業後も交誼の続くT、商事会社を退職し実家の大阪へ戻り、化粧品販売会社へ。先年、其処を退職、自適とのこと。奥さんが難病を患い大変らしい。
 卒業後、一緒、東京築地の魚河岸に働いたS、先年退職。市場時代はずっと雲丹担当、スピーチもインバウンドのせいで雲丹高騰を嘆く内容。
 道北K市で未だ現役ヨガインストラクターとして働くKさん。
 卒業後、定年まで道都の中学理科教師、今は自適のAさん。
 定年まで化学メーカーの分析部門で働き、今は自適のIさん。
 JAL勤務後結婚退職、神戸、後に横浜暮らしのKさん。
 道水産金融団体を定年退職、腹の出たO君。
 道庁マン、後に幹部を経て退職、魚礁メーカーで働いたS君。
 スキーがプロ級だったO君、札幌女子高に勤務した後、定年退職。バドミントンに嵌まっているとのこと。
 その他、沖縄の自転車レースに老後を燃やす男、大学の教官をしながら東京と札幌暮らしを楽しむ才女、食品メーカーに勤め、定年後も再雇用、やっとローンを終えた男・・・。
 皆、それぞれの人生を生きてきたな、感慨深かったです。
 全体として、北海道在住の者、道と東北各県の水産系職員として働いた者の出席が大半でした。女性はほぼ全員かな。リタイア組が半数以上。目立ったのは、退職し厨房に立ち始めた男が多いこと。いいことです。



 杯盤狼藉。皆、2次会に流れました。杣夫は学生時代、お世話になった方と会う約束を午後8時過ぎ、でした。2次会の終わった後、有志で会おう、そう約して会場を後に。山鼻に暮らすTさん(杣夫の学生時代の保証人、物故)の家族に杣夫の今現在の顔を見せ、九州の片田舎に元気、やっていますと挨拶。喜んでくれました。とって返し、有志の一人TからのTELを待ちました。しかし間に合いません。ひっかけながら待つとするか。
 ホテル近く、鮨角打ち裏・小樽酒商たかの札幌駅前店というところに突っ込みました。階段を降りると、壁に日本酒のラベルがべったり。期待が高まります。



 この店にはルールあり。詳細は写真を見てください。



 禁止事項もありました。


 先ずはビールから。赤星です。付け出しはセルフ。どれだけ装っても無料が嬉しいです。



 冷酒を注いで貰いました。



 当ては鰊の切り込み。いい感じでした。



 無言のまま、熱燗をグビグビ。あー飲んだ飲んだ。



 いつの間にか日付変更線近くになっていました。ホテルに戻り、ベッドへ横になったとき、Tの野郎がTELしてきました。悪いけど、もう限界。飲み直す元気のないことを告げました。電話での別れとなり、ちょっぴり寂しかったです。





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Last updated  2024年10月06日 10時24分07秒
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山本晴望@ Re:纏めて一週間(11/23) 介護のご苦労察します。 母の入所している…
シミ君 @ Re:纏めて一週間(11/23) おはようございます。 九州場所も今日が…
禁玉減酒 @ Re:纏めて一週間(11/23) こんにちは〜。 1週間分の記事をアップ…
nkucchan @ Re:纏めて一週間(11/23) 父上、手強いですね。 若い猫、父上に世…
一人親方杣夫 @ Re[1]:2週間のご無沙汰でした。(11/15) 山本晴望さんへ おはようございます。 …
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