今が生死

今が生死

2021.02.10
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テーマ: 薬の情報(404)
カテゴリ: 事件
福井県の製薬会社小林化工で製造した水虫の内服薬「イトラコナゾール」に睡眠薬が混入していた問題で福井県は同社に116日間(約3.8か月)の業務停止を命じた。承認外の製造など様々な違法があったが、中でも品質試験で異常が見つかったのに検証せず出荷してしまったとは言語道断である。それを経営陣は黙認してきた。
会見で小林広幸社長は「現場は法令、ルールより効率を優先した。出荷に間に合わせるため場当たり的な対応が常態化していた」と述べたがそれが分かっていながら改められなったのは今回のような大事故が40年間問題化されなかったからだと思われるが社長や経営陣の基本的心構えが出来ていなかったのだと思う。
国の政策で病院等に特許期間が過ぎた薬はジェネリック(後発医薬品)に切り替えるように指導し、切り替えた場合特典を与えてきた。「先発医薬品と同一成分、同一効果でしかも安い」をキャッチフレーズに先発から後発に切り替えるように促し、後発薬が全体に占める割合は激増し2020年9月の調査では78.9%と急増していた。小林化工も後発品製造に舵をきり、2002年には30億円だった売り上げが2019年度には370億円に急成長した。後発医薬品の需要が一気に高まり、作るそばからどんどん売れて製造が間に合わなかった時もあったかも知れない。しかし忙しいから製造工程で手抜きしていいということはない。末端で働いている人達は製造工程や精度管理などについては知らずに黙々と働くだけである。中心にいる人達がそれをしっかり認識し、徹底していく役割がある。経営陣としては収益も考えなければいけないだろうが、その前に製品の品質である。そこを第一に考えないならその企業の存在価値はないと思う。社長は辞意を表明しているようだが、次期社長は今回の結果を深く受け止めて、社内改革に固い信念をもって取り組んでもらいたいと思う。





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Last updated  2021.02.10 11:04:23
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