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夕方5時頃、彼女からメールが来た。新千歳空港に着いて、これから飛行機に乗るという。そうか、いよいよだな。6時過ぎ、仕事を切り上げて外に出た。何となく小腹が減ったから近くのソバ屋で天ぷらソバをすする。 夕方ラッシュで混み始めた駅、反対側の空いてる電車に乗ってまずは品川駅まで。品川から京急に乗り換えて羽田空港へ向かった。京急蒲田を過ぎると、電車はガラガラに空いている。これから羽田空港へ行く人は稀なようで、旅行鞄も持たずに手ぶらで乗っているのは、さらに不審者かもしれない。なぜ手ぶらかって、それは彼女のカバンを持つためだ。 8時半、人影もまばらになった空港ロビーで彼女と待ち合わせたが、あまりの広さに早速迷った。メールでお互いどの辺にいるとかのヤリトリを経て、ようやく合流。あなたもしかして痩せた?(反対でなくて良かった) 誰もいない空港ロビーを出ようとすると、なんかおいしそうなロールケーキを売ってる店があるので、それを買ってしまう。売り子さんは、頭からこれから飛行機に乗ると思ってるらしく、「行ってらっしゃいませ!」と言った。んー、これから向かうのは、パリでもロンドンでもない。イタチが出没するほどのバリバリ多摩地方なんだけど、リムジンバスで行けるというのはせめての意地というか、さすが東京だけのことがあると言えようか。 さて、リムジンバスに乗って夜の首都高を旅する。はっきり言ってリムジンバスに乗るのは拙者も初めてだ。湾岸線を経て都心環状線を走っているらしく、東京タワーのライトアップが見えて彼女が喜んでいた。 高層ビルの合間を抜けて、首都高から中央道に入って、「道路より高い建物もほとんど見えなくなり」さらに西へ進むと「街の明かりもセブンイレブンぐらい」 かつて八王子千人同心が闊歩したと伝えられる村々が見えて来たぞよ。バスを降りて鬱蒼とした木々の間を足早に歩いた。いつも砂利道のところが近道だったが、さすがに今日は舗装された方を歩いた(笑)。札幌に居た時分の方が都会暮らしだったね。地下鉄から徒歩数分だったもんなぁ。 アパートに着いて、早速あのロールケーキを食べた。ここで「ドイツ・サロンオーケストラ傑作集」のCDをかける。1曲目の「♪Das gibt's nur einmal」は、映画「風立ちぬ」で、主人公の二郎さんが軽井沢のホテルで出会った謎のドイツ人と共に歌うシーンが印象的だった。札幌シネマフロンティアで二人で見に行ったっけ。忘れがたい思い出だ。二郎さんが菜穂子様のお父様に「交際を認めたください」と棒読み口調で言うところがキモで、この場面でもここまで棒読みかい?って内心おかしかったけど、自分が同じことを言う時になって、実はあの二郎さんの場面が脳裏にあったんだよなあ。【続く・・・】
2015.03.31
大阪市役所から戸籍謄本が届いた。用紙に大阪市公会堂の図柄が印刷されていて、何だか洒落たことするじゃないのと感心したりする。 また先週も、いつものような一週間が始まった。暗くなるまで仕事をし、帰りの電車に乗る前にトンカツ定食か、クイックガストか、ソバ定食を食べる。部屋に戻って、風呂に入って洗濯をし、そして6畳間に布団を敷いて寝る。 札幌に居る彼女からメールが来ていた。年度末の面談で、退職の旨を伝えたという。そうか、いよいよだな。捨てていくモノの選別を始めたら、昔読んだマンガが出て来てついつい読み続けて日が暮れたとのこと。拙者もよくそれをやった。そして捨てようか悩むのだ。 出発は3月31日・・・着くのは夜遅くなるという。役場では結婚届だけは遅くても受け付けるらしいが、キリのいい4月1日でいいだろう。 職場の上司のところへ行って、「ちょっといいですか」と別室へ促した。そして来週結婚します、旨を伝える。そして4月1日は休暇を取る旨も伝えておく。 その日の夕方、仕事が一区切りついたところで、島のみんなに「唐突だけど来週結婚します」旨を伝えた。誰にも言っていないことなので、みんな目が点になっている。しかも相手が北海道人だということも言ったら、みんな雪像のように固まっている。 やっぱり籍を入れてからサプライズ発表すべきだったか、やっぱり今くらいのタイミングで良かったのか、いきなり悩み始めた。悩み始めたら止まらなくなり、それから全く頭が真っ白になった。 明らかにおかしくなり始めたのはその翌日から。やっぱり籍入れてから言うべきだったか。もしこの後「まさか」が起きたらどうするんだ?いや、メールを見ただろう。もうあっちは退職を決めていると・・・。 食欲がない。食べても味を感じない。周囲の出来事に関心が急になくなった。 週末、気晴らしに都心へ出た。おっくうな気持ちだったが、これじゃ駄目だ!と自分に言い聞かせて歩かされているような気分だ。渋谷の雑踏へ出た。明治通り近くの「アンペルマンショップ」で、財布を買い換えることにする。何となく落ち着いて来た(なんでやねん)。そして、帰りに島忠へ寄った。6畳間のレースのカーテンが、札幌時代のままであることに気付き、もっと目の細かいミラーレースに買い換える。さらに落ち着いて来た。 やれやれと6畳間に寝転んでいると、急に拙者のガラケーが鳴った。彼女からだ・・・! あわてて「ガラケー」を掴むと、向こうは「相手が出た!」ことに驚いていた。いつも電源が入っていなくて出たためしがないから、びっくりしたというのだ。 俺は何をやってたんだろうと思う。札幌時代、お互い忙しかったし、悪いから、電話をかけることはほぼ無かった。週末何時ころ会うかなんてメールすればいいし、会った時に一週間分話しておけばいいと思っていた。俺はただ不器用で、ほんまに恐ろしく不器用なだけだったなぁ。そう?予定どおり?・・・だそうです。
2015.03.29
郵便局へ行った。その理由は「結婚するために市役所へ届け出る添付書類として戸籍を取らねばならず、戸籍を大阪市へ申請するのに郵便為替を添付する必要があるため」である。 郵便為替と、ネットで取り出した申請書を封筒に入れて、戸籍を申請した。てっきり阿倍野区役所へ送るのかと思ったら、大阪市の郵送受付センターのようなところへ送ることも分かった。 一仕事終えて、次に考えたのは「新しい籍をどこにするか」である。結婚すると、拙者と嫁が入る新戸籍を作る。いろいろ調べたところ、新戸籍の場所はどこでもいいそうだ。好きな観光スポットでもいいし、小笠原のような離島でもいい。極端な話、北方領土でもいいらしい。戸籍が身分関係のみの形式的な存在だからだそうで。 そうは言っても、具体的にどこにすればいいのか、正直悩む。 手っ取り早いのは、親と同じ場所とすることだ。大阪市阿倍野区北畠・・・阪堺電車上町線の北畠駅近辺で、なんでも南北朝時代の武将、北畠顕家を偲んで付けられた地名らしい。大昔の大河ドラマで、北畠顕家を後藤久美子が男装して演じたことを思い出した。本人はかなりの美青年だったとか・・・。 親と同じ場所と言っても、新戸籍を作ると「場所の見た目が同じ」でも別戸籍だ。別になってしまうのだから、思い切って心機一転・・・と考えてみたものの、妙案が浮かばない。「人気のある場所」というのがあるそうで、断トツの1位は皇居だという・・・。あのなぁ、一臣民に過ぎない立場で、あの場所はおそれ多いでしょ。 他の人気スポットは、「ディズニーランド」とか「大阪城」とか挙がってるらしいが、アメリカ嫌いは永年の伝統だし、秀吉も好きじゃないから大阪城もちょっと・・・。阪神甲子園球場はどうだろう。ここも、関西人を中心に人気あるスポットだという。 甲子園にすべきか、北畠顕家のままにするか、もう悩み始めたら止まらなくなってしまった。そして、いろいろ調べたら、何だかややこしいことになってきた。 例えば、阪神甲子園球場の住所だが、一般に公にされているものは「住居表示(西宮市甲子園町1番82号)」であり、地番は全く別の番号だという。そのことを理解していないことで、全く関係ない場所を本籍地にしてしまってる人がいるという。一生モノの戸籍で、ミーハーな感覚で突き進んで失敗するのは痛すぎる。 何だかよく分からなくなってきたので、もう北畠顕家殿に託すとする。
2015.02.21
久々、相模原の実家へ戻った。金曜日の夜、仕事をたたんで一旦自分のアパートに戻り、着替えをして出かける。横浜線に乗る頃にはすっかり遅くなってしまったが、実家へ着いたら母が晩御飯を用意して待ってくれていた。実家というのは有り難い・・・。 翌朝、昔寝起きしていた自室の掃除をする。札幌へ赴任する時に残したままの、古い本や資料などを整理し、もう使わないものは思い切って処分する。実家に帰るたびに、こういうことをやっていたつもりだが、ゴミは次から次へ出て来るものである。 昼過ぎ、親を駅まで送るためにクルマを出した。その帰り、ホームセンターへ寄ろうかなーと、いつもと違う道を進んだところ、渋滞で動かなくなった。動くまで待っていたその瞬間、「ドーン!」と衝撃がきた。なんと、追突されたのじゃな。 一瞬、アタマ真っ白になる。これからどーすればいいのか、皆目分からなくなってしまった。しかも、ケータイを家に置き忘れていた。 幸いだったのは、相手が「まともそうな」人で、「すいません、すぐに警察呼びます。保険会社にも電話します。」と対処してくれたことだ。よく考えたら、追突した方こそ直ちにやらなければならないことで、こっちは何もする必要もない、とも言える。 警察はすぐに来た。現場検証を行い、双方の個人情報などを聞き取り、最後に「クルマの方は保険会社でやってください。」と言い残して警官は去っていった。あとは、へこんだバンパーの修理の問題になる。相手方から、保険会社の連絡先を渡されて、その場は終わった。相手方は、「すいませんすいません、すいませんすいませんすいません・・・」と事あるごとに「すいません」と言ってくるので、当たり前といえば当たり前(だいたい、単なる不注意としか考えられない)なのだが、もう早く終わって欲しいし、面倒くさい。なにせ、全てが終わるまで体がすっかり冷えてしまった。 やれやれ、と家に戻り、すぐに保険会社に連絡する。保険会社で修理の段取りを説明され、いつも車検でお世話になっている工場へ持って行けばいい、ということになった。工場への支払いは、保険会社でやってくれる。当たり前だが・・・。 今年は前厄だからって相模原の村富神社のお札を部屋に飾ったけど、効果の無さに呆れる。不幸中の幸いは、体に差し障りが無いということ。後で異常を感じたら、すぐに保険会社に連絡せねばならない。 翌週、また実家へ行く。工場へクルマを持ち込んで、代車で帰って来る訳だが、触ったこともないクルマの運転が不安だというので立ち会った。代車は・・・確かに触った感覚が全然違うクルマで、ブレーキが効きすぎて怖い。親に、代車のクセをいろいろ説明して、慣れるまでの練習にも同乗する。諸々の出来事で随分時間をロスしたが、今更どうにもならない。とにかく、こちらが事故を起こすことだけは絶対に避けねばならない。
2015.02.15
札幌に残してきた彼女が、はるばる東京へやってきた。11月上旬以来のことで、今回は両親との会食も予定されている。いやぁー、盛りだくさんの日々だった。まず羽田空港に彼女を迎えに行ったのが土曜日の昼ごろ。京急羽田空港駅で待ち合わせ、京急蒲田でスイッチバックする電車を選んで横浜へ。横浜そごうをブラブラした後、やることが無くなったので、何となく日産本社のショールームへ入った。最近のスカイラインは西部警察の時代とえらい変わったなーなんて感想が漏れるところが年代を感じさせる。こんなもの沢山持っています!それでも時間が余ったので、原鉄道模型博物館へ入った。すみませんね、拙者の趣味で。いい時間になったので、横浜駅から相鉄線に乗る。大和駅で乗り換えて相模大野駅で下車。伊勢丹相模原店のレストランで両親と会食をした。四人での会食は一年半ぶりのことだ。会食を終えて、相模大野駅から電車を何度も乗り継いで武蔵小金井の拙者のアパートへ着く頃には10時くらいになっていた。あー忙し・・自宅BARも少しずつ出来ています!日曜日はド定番な東京観光を日曜日、ド定番な東京観光として、ずばり東京駅に行くことになった。八重洲口の大丸で食事をする。そう云えば、今から三十年前のことだった。父の転勤で大阪から相模原へ引っ越したのだが、母に連れられて新幹線を降り、待っていた父と夕食を共にしたのが大丸のレストランだった。三十年ぶりの食事を婚約者とすることになり、ここまでの気の遠くなるやうな道程の長さを噛み締める。東京駅はすっかり観光地化されている。地下街のキャラクターグッズショップ群にはたまげた。東京駅と云う存在は、長らくいい大人のための駅だったと思う。相模原に住んでいた時分、東京駅を降りる用事がまるで無かった。勤め先ではないし、新幹線も新横浜や大宮から乗ってしまう。駅前は、大企業の本社が連なるビジネス街で、そんな大企業の勤め人でもない拙者にとって、悲しい程用事のない世界だった。しみじみ思ったのは、丸の内がすっかり高層化されていて、JPタワーのように観光スポットになるような再開発が随所に行われていること。なるほど、これでは普通の人も平気で歩ける。このJPタワー、低層階は旧東京中央郵便局時代の面影を残した重厚なデザインとなっていて、ここから東京駅丸の内口を眺めることも出来た。もちろん観光客でごった返している。時間の許す限り有楽町や銀座を「ブラブラ」し、もちろんブラブラするだけに終わった後は、銀座線から撤収。一人では絶対行く気ないところ最終日、もっと早く起きれば良かったかもしれない。ド定番過ぎる東京観光=東京スカイツリーに行くのだ。浅草寺に行くことを考えて、浅草駅で彼女の荷物をコインロッカーに入れておいたが、浅草で下車したことで時間を食ってしまった。隅田川を渡る先にはあのスカイツリーがよく見える。すぐそこ?と思って歩いたら、けっこう距離がありまして。スカイツリー前に到着したが、改めてその大きさに驚く。見上げ過ぎて首が痛い。スカイツリー入口の待ち時間を確認し、上に登るのを断念した。その代わりにソラマチダイニングで食事をする。30階でも十分高く感じ、まぁいいやと勝手に満足する。後は、時間の許す限りソラマチのショップ群を見て回る。スカイツリー駅から東武電車に乗って、ようやく浅草へ。時間の余裕がなく、浅草寺も次回の楽しみにとっておくことに。最終日はまことに中途半端に終わってしまった。都営浅草線の浅草駅で、羽田空港行きの電車を待つ。行き先が羽田空港と書いてあれば、京急でも京成でも都営でも北総車でも構わない。彼女が乗ったのは京成車だった。乗った本人は、どこの会社の車両かも分からないだろうし、分からなくても構わない。今度、キミが東京に来る時は片道切符で来ることを信じている。
2015.01.12
そういえば今年は前厄らしい。「らしい」などと他人事みたいだが、これまで気にもしないことだったので、意識としてはこんなものである。一番大事なのは来年なので、今年は神社でお札でも買っておくことにした。 相模原市の実家を出て、帰りに「村富神社」に寄って行く。JR横浜線矢部駅から徒歩数分のところにある極小神社だ。「極小!」と言ってしまったが、寒川神社や鶴岡八幡宮などに比べたら「極小!」というニュアンスであって、市内では結構大きいぶるいなのである。 元々「これっていう神社がない」土地で、なのに人口が急増した街だから、小学生の遊び場レベルの神社でも元旦はごった返してしまう。なので混雑を避けて帰り道に寄った、という訳だ。参拝を済ませ、売店でお札を買う。値段は300円で、この程度でいいのかどうか・・・。 さて、お札を買ったのはいいが、けっこうしっかりしたお札なので、飾り方に悩んでしまった。いろいろネットで検索していると、「札立て」というのがあるらしい。よく神棚を置いている家があるが、札立ても神棚に準じたものらしい。 早速、近くの島忠へ行って札立てを探す。神棚を売っているコーナーがあり、すぐに見つかった。上は立派な神棚から下は「小学生の工作みたいなしょぼい札立てまで」まことに様々だ。日本人らしい風習を自分も習得するか!と大真面目に買い物する気になったが、穴を開けられない賃貸なので、やはり最小限のものしか設置できない。せめて菊の御紋が付いてる下から2番目のものを購入した。 続いての問題は、札立ての設置場所。インテリアとしては和室の鴨居に設置したい。いろいろ調べたところ、東向きか南向き以外不可だそうで、自室の鴨居はちょうど東向きなのである。 困ったのは、「神棚は寝室などのプライベートルームは不可」というルールについて。そう言われてもなぁ・・・和室に布団をだだーんと敷いて寝ることに贅沢を感じている訳である。それくらいは勘弁したってーな、という感じだ。そこで、和室は「すぐに客間にできるように」整理整頓する。布団は必ず押入れへ収納、私物を置かないことにする。で、まあこんな感じになりました・・・
2015.01.04
大阪でのお墓参りも無事終わり、家族・親戚のみなさんに別れを告げて、東京へUターンだ。拙者の帰省先はもう一つあって、両親の住む相模原市がある。忙しいが、あちこち行くのはもちろん楽しい。 あべのハルカスを横目に出発!天下茶屋駅から南海電車に乗り、難波で降りた。南海難波駅の駅ビルの意匠をしばらく眺めて、そして近くの池田泉州銀行の店舗でパンフレットをもらって、道頓堀を歩いた。相変わらずここはえらい人だ。 心斎橋駅から御堂筋線へ乗る。朝ドラ「ごちそうさん」の一場面に登場した、ドーム型の地下鉄ホームを眺めて、レトロモダンな大阪を感じておく。 梅田へ着き、会社へのおみやげに「面白い恋人」を買う。阪急梅田の改札を入って「カフェ・リラ」で昼食!ひっきりなしに発着する阪急電車を眺めながらの食事も悪くない。いつも不思議なのは、ここまで大きいターミナル駅なのに、JRの駅のような騒々しさがないことだ。軽やかにBGMが流れてはいるが、心地よい音量だし、発車ベルもキンキン響くようなしつこさがない。この雰囲気が好きだから、わざわざ京都まで阪急電車で行く。9300系の車内は、色彩感覚から見ると新幹線より豪華だし、このまま東京まで行ってほしいよ(笑)。 さて、京都でブラブラして、時間になったから「古都の景観をブチ壊す京都駅ビルは完全スルーして」すぐに新幹線に乗り込んだ。外は次第に夕暮れに近づいていく。静岡県内は晴れていて、富士山は夕日を当てられて少し赤みがかっていた。武蔵小杉を過ぎて多摩川を渡る頃には、外は完全に夜景・・・東京宝塚劇場が見えたら、もう東京駅はすぐだ。 自宅の最寄駅で適当にラーメンでも食べ、明日の朝食の菓子パンでも買って、自分のアパートへ戻る。今年も終わった!札幌での生活を終え、北海道人の彼女と結婚の約束をするという「どえらいこと」をカマした。やることはやった。二人で寝る予定の、なーんにも置いてない畳の部屋に、布団をどーんと置いて大の字に寝る。 大晦日、眠かったから9時ぐらいに起きた。自室の部屋を掃除し、12月の運用成績(先月より少し下がった!)を確認し、そんなことをしているうちに夕方になる。まずいなと、着替えをカバンに詰め込み、アパートを出た。途中から横浜線へ乗り換え、相模原駅で神奈中バスに乗ること約20分(遠いでしょ!)、両親が住む実家にたどりついて、そこで今年はゴールインだ。 このブログも、とうとう10周年を迎えた。相模原在住時代、札幌赴任時代、そして東京での新しい生活・・・どういうきっかけなのかは正確に分からないが、このブログにアクセスいただいた41万数千人?の方々に深謝しつつ、この場はひとまずお開き・・。
2014.12.31
先週末で仕事も終わった。会社から帰る途中、ラーメン食いながら札幌にいる彼女にメールを打つ。向こうも同じ日に仕事が終わったそうだ。転勤で札幌から東京へ移り住んで数ヶ月経ったが、札幌時代の余韻はまだ自分の多くを占めている。翌日、大阪の家族・親戚へ会うため家を出た。早朝出たのだが、東京も一丁前に寒い。札幌時代に買ったジャケットは、此処でも大いに役に立っている。札幌転勤前は相模原市に住んでいたので、大阪へ行く時は新横浜駅を利用していた。東京駅から新幹線に乗るのは初めてとあって、子供みたいに興奮している。気持ち的にこんな感じ。それにしても関東はいい天気で、平塚を過ぎたあたりから富士山が見え始めた。三島を過ぎたら、富士山全身がすっきりと見える。「右手をごらんください」と車内放送もやっていた。時代の移り変わりを示しているのは、みんなスマホで撮影していること。10年くらい前は、車窓の風景をいちいち写しているのは「拙者のような物好きな観光客」ぐらいだったような。彼女と結婚したら、大阪の家族に挨拶するために新幹線に乗るのだろう。富士山の絶景?、水面上を浮かんでいるような浜名湖近辺、北海道ではあり得ない鉛色の屋根瓦の家々、関ヶ原で雪でも降っていれば「いいムード」だろう、なーんて将来の旅のことを勝手に想像しているうちに、京都に着いた。JR京都伊勢丹は、中身がよう分からんのでトイレだけお借りして外に出る。本願寺はまだ工事中か。四条河原町はえらい人。阪急百貨店が閉店した後のマルイを一周して阪急電車に飛び乗った。寄り道は長岡天神駅からスタート京都も冷え込んでいて雪もチラホラ。暖を求めて駅前の阪急そばへ入る。ソバ屋と云っても食べるのはうどんだ。やっぱり此のだし汁は関西やーと鼻水垂らしながらうどんをすすった。体も温まり、まずは長岡天満宮へ。年末の神社は閑散としていた。庭園を歩いたが、もみじも全て無くなり寂しい景色だ。時季が時季だけに仕方がないことと割り切って神社を出た。此処から阪急京都線沿いに幹線道路を歩く。目標は平成25年12月に開業したばかりの西山天王山駅である。駅間距離の長い阪急京都線では近年新駅の設置が相次いでいる。西山天王山駅は、京都縦貫自動車道の真下に作られた。それには訳がある。高速道路上にバスストップを設置し、高速バスと乗り換えもできるようにしたのだ。このような試みは拙者の知るところでは九州の甘木鉄道ぐらいで、関東では聞いたことがない。かなり前だが、こんなことがあった。東京‐大阪間の夜間高速バスに乗ったことがある。確か山崎あたりから渋滞が激しくなり、大阪到着がとんでもなく遅れたことがある。うむ、あのとき西山天王山駅があったら、拙者は間違いなく電車に乗り換えただろう。西山天王山駅は、近代的な高速道路の真下にありながらデザインは和モダン。ここだけ精一杯の自己主張と云うべきか。さて、ホームに上がったら向かい側にピカピカに磨き上げられた阪急電車が。車体番号を見てびっくり、2300系と云えば車齢は半世紀に及ぶはずだ。もうお目にかかることは無いかもしれない、と急いでシャッターを切ったので、ちょっとボヤけてしまったが。西山天王山駅は、普通と準急しか停まらない。とりあえず来た電車に乗った。京都線は駅間距離が長く、普通でも猛スピードで走る。茨木市で特急に乗り換えた。次の停車駅は淡路、高架工事が着々と進んでいる。千里線との平面交差がダイヤ上のネックになっているため、二層式にするらしい。京浜急行の蒲田要塞に匹敵する大工事である。淀川三複線で宝塚線や神戸線の電車を眺めながら、電車は大阪梅田駅へ到着。いつも不思議なのは、此処まで巨大なターミナル駅にしては、騒々しさがない。阪急の駅は何処でもそうだが、駅の放送も騒々しさがない。今日はさらに不思議な光景が。なんと御婦人の方々が電車を撮影していらっしゃる。女性が電車にカメラを向ける光景は、観光地なら珍しくもなくなったが、さすがに阪急電車となると渋すぎる。でも理由を知って納得、電車の正面には宝塚歌劇100周年のヘッドマークが。久々の梅田に着いて嬉しいから付近を散策。池田泉州銀行のパンフももらった。阪急うめだ本店にも入る。何時見てもここは壮観だし、外装も内装もセンスがいい。デパチカで札幌の彼女へお菓子を送った。阪急うめだ店限定!と云う文言にそのままつられる。その後、阪神百貨店のタイガースグッズ店を物色。もういい時間なので、地下鉄谷町線に乗って大阪の家族の元へ帰った。
2014.12.31
金曜日、昼過ぎ頃に羽田空港に着いたようで、いま渋谷をブラブラしているというメールが来た。この日の残業はナシだ!山手線に乗って渋谷を目指した。そもそも東京出て、どこ行きたい?とメールしたところ、「渋谷でパンケーキを食べて原宿までブラブラ、明日はディズニーランドへ行きたい」という、ベタベタにベタな答えが返ってくる。だが、改めて自分自身の人生を振り返ってみてると、渋谷でパンケーキなど食べたこともないし、ディズニーランドへ行ったのも、高校の「遠足」で嫌々行って帰って来たとき以来、ということも確かだった。嫌々・・・という表現のとおり、拙者はディズニーランドに何の興味もない人種の一人である。 人でごった返す渋谷で待ち合わせて、さてパンケーキと言っても、どんな店があるのかなんて全く分からない。困った時は東急百貨店、静粛な婦人服売り場の片隅にありそうな喫茶店を調べたら、やっぱりあった、パンケーキを出してるお店が。 店は、渋谷駅前が見渡せるような場所にあって、静粛で落ち着けた。金曜日の夜に、いい歳した男女がパンケーキを食べる需要がそんなにあるとは思わない。でもこの店のパンケーキはボリュームがあって、たちまち腹一杯だ。 まず目標の一つをクリアだ。 土曜日、いよいよディズニーランドへ乗り込んだ。こんな天気だから、客は大していないだろうという自分も甘かった。なに?この人人人・・・。 ディズニーランドについて無知なもんだから、これが「いつもより混んでるのか」「すいてるのか」が分からない。 ルールもよく分かってないので、全て彼女におまかせだ。はじめに「ビッグサンダーマウンテン」のチケット?をもらっておく。乗れるのは夕方なのだそうだ(!)~なんかもう次元が違いすぎる。 まず、「ホーンテッドマンション」に乗るために行列に並ぶ。2時間は待った?あらかじめ文庫本でも買っておけば良かった。いまだに「ブレないガラケー男子」な拙者は、こういう時すごく困るのである。 ホーンテッドマンションに乗り終えたらもう昼過ぎだ。さっきの行列待ちで猛烈に体が冷える。トイレも近くなる訳で頻繁に通うのだが、さすがディズニーランドだなぁと思わせたのはトイレの清潔さだ。スタッフが絶えず清掃している。ほぼ途切れなく出入りがあるのだから、スタッフも絶えずどこかの便器を清掃している。水回りの清潔さって大事なんだな、と感じ入った。 拙者でも楽しめるアトラクションはあった。ウエスタンリバー鉄道は、まぁ鉄道好きな自分に合った乗り物かも。これに乗るのも1時間くらい待った。 蒸気船はもっと自分の趣味に合っていた。もう夕暮れ時なのだが、向こうにウエスタンリバー鉄道が走っていて、その光景が「実際にあり得そうでいい雰囲気」だったのだ。蒸気船の進み方をじっくり見ながら、「これ、レールの上走ってるな」と思った。この大きさの船が、この狭い水路をぶつからずに航行するのは不可能だよな、なんていう現実的なことしか拙者は考えられない。 もうすっかり暗くなって、やっと「ビッグサンダーマウンテン」に乗る時間がやってきた。えー、坑内列車だと思ってたら、絶叫系なの?と気が付いた時には時すでに遅し。坑内列車だから宙返りはないものの、帽子が飛ぶのを押さえるのに必死だ。と同時に、ウチの連れの「絶叫」をしみじみと聴いた。結局、女子はこういうの好きなんだなぁ。 夕方になり、園内の「ハンバーガーらしきもの」を食べたが、千円もする!しかもハンバーガーが冷たい! めっきり体も冷えたまま、京葉線で引き揚げた。とにかくお腹がすいたので、何か口に入れたい!東京駅に着いて、吸い込まれるように入ったのは食券を買って食べるソバ屋。でもね、じんわり暖かさが体に染み入って、すんごい幸せな気分になれたんだぁ。 第二目標もとりあえずクリアか 日曜日、飛行機の時間を考えると遠出も出来ない。とにかく、2DKの間取りをじっくり見てもらった。クローゼットはキミが使う前提で空けてる。靴箱もほとんど空けてる。台所も半分空けてる。引っ越し時のイメージを掴んでおいてほしい。 もう時間が無いから、新宿でもブラブラする。伊勢丹をブラブラし、ここはブラブラするしかない所だと悟る。ルミネをブラブラし、女性同伴だからブラブラできる所だと悟る。キミのおかげで、行動範囲が倍に広がったかもしれない。 新宿駅で彼女と別れた。次に来るのは一月上旬!気長に待っていよう!
2014.11.09
札幌から引っ越して1ヶ月が経った。10両編成の通勤電車はやっぱり人で一杯だ。札幌時代、わずか4両編成の東豊線でわずか3駅の乗車区間で、まったく気楽なもんだった。東京へ戻って、洪水のようなあの人波を見て、何だがしみじみと「あー通勤している」という実感が湧いてくる。 しかも、早くも台風の試練を味わった。北海道は基本、台風はほとんど来ない。それはそれで気楽なもんだったが、台風で電車が動くのか、動くとしてもどれほどまともに動くのか、混雑は?そんなことを考えながら、札幌時代ではあり得ないような時間に起きて家を出たりするのも、「あー通勤してる」という実感を抱くのに十分である。 電車のドアの上に液晶モニターが設置してある車両に乗ることがある。路線図だけでなく、企業のCMやらニュースやら天気予報やらが次々と放映されているのを見て、「さすが、東京だけのことはある」と感心する。何でもいいが、ファブリーズのCMに出てくる松岡修造には開いた口が塞がらない。その顔はなんじゃい!と心の中で突っ込む。そら、若い人に「テニスされてたんですか?」と聞かれても不思議ではない。 会社の建物から、ほんの少しだけ富士山が見えることがある。これもまた東京ならではだ。自分がいる事務室は北向きなので、特段面白いものは見えない。ずーっと向こうは埼玉県だろうし、その「雲の向こう」には君がいる。北海道は遠いな・・・。 仕事も終わり、平日はだいたい外食でごまかす。何を食べようか困ると、ソバ屋なんかに入ってしまうが、どこの店も感激するぐらい安い。実は札幌駅前に、手軽に食べられるソバ屋が意外に無かったのだ。東京ってけっこう安い?トンカツ屋も安いし、ギョーザも安い。 外食中、彼女からのメールを確認した。11月にこっちに来る計画について、あれこれメールし合う。お店のテレビを眺めつつ、そういえばファイターズのニュースをさっぱり見なくなったなと思った。北海道のテレビが、恐ろしく偏った報道なのはまぁ仕方ない訳だが。 帰りも結構な時間電車に揺られて、駅からアパートまで15分程度歩く。東京と言えども、駅から15分も歩けば畑もちょいちょい見かけるような所で、昨日は「明らかにあれは猫とは違う!どう考えてもあれはイタチではないか!」とおぼしき動物が目の前をスラスラーっと通り過ぎていった。周囲は秋の虫の大合唱だ。・・・ここは明らかに札幌より田舎だよな(笑)。
2014.10.26
数年に及ぶ札幌での赴任生活を終えて、相模原市の実家にたどりついた。窓から北の空を眺める。北海道に君を残したまま、とうとう帰って来てしまった。半年後追いかけて行くという君の言葉は信じるよ。だから拙者はワンルームではなく、2DKのアパートを借りておいた。これは人生の賭けだ。 9月27日、いよいよ新居の確認へ出かけた。横浜線で一路八王子へ出て、それから新宿方面へ向かう。新居はネットで探した。下見なんか何もしていない。都心に近過ぎず遠過ぎず、実家の相模原市へ抵抗なく行ける距離を基準に、あとは出張で都下をうろついた時の記憶を頼りに決めた。 さて、最寄駅の駅前にある不動産屋で鍵を受領し、新居へ出向いた。駅から15分くらいの距離で、まぁ運動がてら歩くのも悪くないか。東京と言えども、駅から15分も歩けば畑もちょいちょい見かける訳で、都会過ぎず田舎過ぎすちょうどいい。 新居は築20年以上のアパート。部屋に入って、その殺風景ぶりに途方にくれた。そりゃ、何も無いから殺風景に決まってる。和室の畳は全く新品だった。どうも長い間住んで無かったらしく、あちこちに蜘蛛さんが住んでいらっしゃる。ウチは蜘蛛は殺さない家なので、一匹ずつ手ですくって外へ出した。 まずは窓の寸法を巻尺で測り、カーテンを買いに近所の島忠へ。重たいが、気合で持ち帰る。駅前の100円ショップで気が付くものも買っておく。東京ガスの開通手続きをして、この日はそんなもんで終了。そもそも引っ越しの荷物も来ておらず、まだ生活出来ないので実家へ戻った。 翌日、昼前に実家を出た。新居までの道も大体覚えた。引っ越し荷物が届いたのは、けっこう夕方になってから。まずはシャンデリアを取り出して天井に付けた。灯りがついて、何だかほっとする。和室の電気は新たに買わなければならない。和モダンなペンダントをネットで探そう・・・。 夜になり、近所のファミレスで適当にグラタンなどを食べる。新居の風呂も使ってみた。和室に遠慮なく布団をだだーんと敷く。まだ何もない6畳間に布団だけ敷いて寝るというのも、ちょっと贅沢な気がした。静まり返った空間にごろ寝し、これからの将来を考える。半年間、ここで一人で住むのか・・・長いな。
2014.09.28
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