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ウクライナ“デジタル戦争” 「カギは衛星写真とドローン」7/23(土)ウクライナでデジタル面から防衛を担う31歳の大臣が、FNNの単独インタビューに答え、衛星写真とドローンが大きな役割を果たしていると語った。フェドロフデジタル変革担当相「ロシアのサイバー部隊は、世界で最も強力だと言われていたが、われわれが反撃し始めると、すぐに彼らを止めることができた」また、フェドロフデジタル相は、社会インフラを維持するため、戦争が始まる前に情報などを国外で管理するようにしたとしている。そのうえで、ロシアとの戦争を「デジタル戦争」と位置づけ、戦場での安定した通信状況やドローン部隊の拡充などが必要だと主張した。フェドロフデジタル変革担当相「衛星画像と高画質な情報をいち早く受信し、より大規模なドローン部隊を設け、自動化された指揮系統を持つことだ。そして何より、戦場で安定した通信環境を保つことだ」
2022年07月24日
ウクライナ、ロシアの「高価値目標」100カ所超を破壊 米分析7/23(土)ウクライナで続く戦争をめぐり、米国はウクライナがロシアの「高価値目標」100カ所あまりを破壊したと分析していることが分かった。米国防総省高官が明らかにした。目標の大半はウクライナ東部でここ数週間のうちに破壊された。米国から供与された火砲の使用により、ウクライナの目標選定能力が向上していることが背景にある。米軍のミリー統合参謀本部議長は20日、記者団に「これらの攻撃はロシアの補給能力や指揮統制能力、違法な侵略戦争を遂行する能力を着実にそいでいる」と指摘した。冒頭の高官によると、ウクライナ軍の攻撃対象となっているのはロシアの指揮所や弾薬集積所、防空施設、レーダー、通信拠点、長距離砲の陣地。ただし米国の分析では、ロシアは依然として1日あたり「数万発」の砲弾を発射しているという。同高官は「永遠にこれを続けることはできない」と述べ、ロシアは誘導弾を大量に消耗している状況だと指摘。今のところロシアは高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を1基も破壊できていないものの、いつかは「運よく」破壊することがありうるとの見方も示した。ウクライナ東部ドネツク州の戦闘については、「夏の終わりまで続く可能性が高い」と説明した。ロシアは大きな損失を出しながら少しずつ前進している状況だという。また、ロシア軍の戦死者には「数千人」の尉官、「数百人」の佐官、「多数」の将官が含まれるとも述べ、「指揮系統の乱れはまだ続いている」との見方を示した。ロシア軍に毎日数百人の死傷者、指揮系統が混乱=米国防総省筋英対外情報部(MI6)ムーア長官「ロシア軍は今後数週間で人的資源の補充で困難に一層直面するだろうと分析している」。「何らかの形で作戦遂行の停止を強いられ、ウクライナ軍に反撃の機会を与えることになるだろう」「東部の戦線での攻撃では兵士を使い捨てるような状況が多く出ている」ゼレンスキー氏、失地回復なしの停戦応じず7/23(土)ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日、ロシアが2月の侵攻後に占領したウクライナ領土を支配し続ける形での停戦はさらなる紛争拡大を招き、ロシアに次の作戦に向けて軍の立て直しを図る絶好の機会を与えることになると危機感を示した。首都キーウの大統領府でウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューに応じた。 ゼレンスキー氏は「ロシアとの戦闘を止めるということは、ロシアに一息つくための休止を与えるということだ」と述べた。「ロシアが自らの地政学(戦略)を変更したり、旧ソ連構成共和国に対する要求を放棄したりするためにこの小休止を利用することはないだろう」 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今週、ゼレンスキー氏が戦闘停止につながる外交的解決を望んでいないとして非難した。 ゼレンスキー氏はロシアを世界最大のクジラにたとえ「2つの地域を飲み込んだマッコウクジラが、今になって戦闘をやめろと言っている」。「クジラは一休みして、2年後か3年後にさらに2つの地域を占領し、またこう言う、戦闘をやめろと。それが何度も何度も繰り返されることになる」最近になって米国などから高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」や155ミリりゅう弾砲を供与されたことで、ドンバス地方におけるロシアの攻勢を鈍らせ、戦況を安定させる一助になっているとの認識を示した。これにより、ウクライナ側の死傷者数も減少しているという。5月と6月の戦闘が最も激しかった時期には、1日当たり100~200人の兵士が死亡していたものの、今は30人ほどに減り、負傷者は250人前後だと明かした。ゼレンスキー氏「なぜ経済が機能しないのか?人々が国外にいるからだ、女性も子供もだ」「女性が子供を連れて帰ってきても、夫が戦っていたら、自分が働きに出なければならない。だがミサイルが飛んでくるかもしれず、みんな子供を学校に行かせるのを怖がっている」
2022年07月23日
カメラが捉えたプーチン「屈辱の50秒」...トルコ大統領、2年前の「仕返し」か7/22(金) プーチンは7月19日、訪問先のイランでシリア情勢について協議するため、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領と会談。トルコ国営のアナドル通信が撮影した映像には、エルドアンが部屋に入ってくるまで50秒にわたって待たされるプーチンの姿が捉えられていた。ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、プーチンはエルドアンが自分の後について来ていると思って、会談の部屋に入ったのだという。この2人は2020年にもモスクワで会談を行っているが、その際には今回とは逆に、エルドアンが随行団と共に、部屋の外で2分近くにわたってプーチンを待っていた。そもそもプーチンの「遅刻」は珍しいことではなく、かつてドイツのアンゲラ・メルケル首相やウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領、日本の安倍晋三総理大臣(いずれも在任当時)などと会談した際にも、彼らを何時間も待たせたことで知られている。ワシントン・ポスト紙によれば、2020年にエルドアンが待たされた一件については、多くのトルコ国民が怒りの声を上げたという。アラブ首長国連邦のザ・ナショナル紙の上級特派員であるジョイス・カラムは、プーチンがイランで待たされたのは、この一件に対する「ささやかな仕返し」だったと指摘する。さらにカラムは、「プーチンがエルドアンに待たされ、カメラの前で居心地が悪そうにしていたあの50秒間は、ロシアによるウクライナ侵攻後に起きた大きな変化を物語っている」とツイッターに投稿した。ロシアがウクライナへの侵攻を開始して以降、トルコは和平交渉の仲介役としての立ち位置を確保しており、これまで複数回にわたって両国や西側諸国の首脳の会談を取りもってきた。プーチンは今回のイラン訪問でエルドアンと会談を行ったほか、イランの最高指導者のアリ・ハメネイ師とイブラヒム・ライシ大統領とも会談を行った。ウクライナ侵攻以降、ロシアが西側諸国からのさまざまな制裁に直面しているなか、今回の訪問でプーチンは、新たな協力関係の構築を期待していたと報じられている。ライシによれば、会談では2国間の安全保障面での協力の「大幅な」強化について協議がなされたという。
2022年07月23日
ウクライナ原発で異変、多数死亡しロ軍兵士9人が負傷の情報7/21(木) ウクライナのエネルホダル市の市長は21日までに、同国中南部ザポリージャ州にあるザポリージャ原子力発電所内で多数が死亡し、少なくとも9人のロシア軍兵士が負傷する異変があったと明らかにした。18日に起きたもので、異変が事故あるいは交戦に絡むのかなどは伝えられていない。エネルホダル市はロシアの占領下にあり、ドミトロ・オルロウ市長は市内を既に離れている。同市長は、市内の病院に緊急搬送されたロシア軍兵士の負傷の程度は様々とし、一部は入院が必要で、1人は集中治療を受けていると報告した。死亡者もいるが、詳しい人数は不明とした。同市長の主張に関連したロシア側の説明は19日の段階でなかった。ロシア軍は今年3月初旬、エネルホダル市とザポリージャ原発を制圧していた。「防護服も着ずに放射線区域に…」 ロシア兵9人負傷 ウクライナ南部ザポリージャ原発7/20(水) ロシア軍が占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所で、ロシア兵9人が負傷したと地元の市長が明らかにしました。 ザポリージャ原発があるエネルホダルの市長は18日、原発でロシア兵9人が負傷し市内の病院に搬送されたと明かしました。 死者が出ているとの情報もあるとしています。 市長は原因について言及していませんが、ウクライナ国営の原子力企業「エネルゴアトム」は19日、「ロシア兵が防護服も着ずに2号機の放射線区域に入った」とSNSに投稿しました。 また、ウクライナメディアは、ザポリージャ原発の幹部職員3人が17日から18日にかけてロシア軍によって拉致され、行方不明になっていると報じました。 「エネルゴアトム」は「原発を不安定にしようとする侵略者の新たな試みだ」と非難しています。
2022年07月23日
ロシア軍の進攻、高機動ロケット砲で「著しく遅く」 ウクライナ国防相7/21(木)ウクライナのレズニコウ国防相は19日、米国から新たに供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」によって、ロシア軍の進攻が「著しく遅く」なっているとの見方を示した。レズニコウ氏によれば、ウクライナ軍では8基のハイマースの使用を開始したが、ハイマースによって約30カ所の指令所や弾薬庫を破壊したという。レズニコウ氏は米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」へのビデオ演説で、「これにより、ロシアの進攻は著しく遅くなり、砲撃の激しさも劇的に減少した」と述べた。レズニコウ氏は、ロシア軍を食い止め反攻を行うには、ウクライナ軍はより多くの西側諸国の精密な長距離砲やロケット砲システムを必要としていると述べた。レズニコウ氏はハイマースや多連装ロケットシステム「M270」の供与に感謝の意を示した。M270は英国が提供を約束している。レズニコウ氏は「前線が約2500キロにおよぶことを考えると、敵を効果的に食い止めるためには少なくとも50基のこうしたシステムが必要だ」と述べた。反攻時には少なくとも100基が必要となるとの見通しも示し、そうなれば戦場の状況が一変する可能性があるとした。ウクライナは過去数週間、ハイマースなどを使い、ロシア軍が実効支配する地域の弾薬庫を標的としている。ロシア国営タス通信によれば、ヘルソン州で20日、ドニプロ川にかかる主要な橋がハイマースによって損傷した。
2022年07月21日
ウクライナ軍、黒海制海権握る拠点のロシア軍に「甚大な損害」と発表6/22(水) ウクライナ軍は21日、露軍が支配する黒海沿岸のズメイヌイ島を集中攻撃し、露軍のレーダー基地などに「甚大な損害」を与えたと発表した。ウクライナ国営のウクルインフォルムなどが報じた。ズメイヌイ島は侵攻開始直後、露軍が占領。ロシア、ウクライナ両軍にとって黒海の制海権を握るための重要な拠点で、激しい攻防が続いている。米宇宙開発企業「マクサー・テクノロジーズ」は同日、ズメイヌイ島にある軍事設備とみられる建造物が倒壊したとする衛星写真を公表している。・ロシア国防省は21日、ウクライナが空挺部隊で島に上陸を試みたが、阻止したと発表した。 同省報道官によると、ウクライナ軍は20日朝、南部の港湾都市オデッサの西方などから島に向けて弾道ミサイルを発射し、攻撃用無人機の支援で空挺部隊が上陸を試みた。上陸は阻んだとしている。プーチンを震えあがらせる“高機動ロケット砲システム”「ハイマース」本当の実力6/22(水)「NATO軍の155ミリ榴弾砲なら40キロ先の目標を砲撃できます。一方MLRSからは無誘導のロケット弾の他に、ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)という、射程300キロの精密誘導ミサイルを発射できます。弾頭にはBAT(対装甲子爆弾)が複数詰め込まれ、この子爆弾も地上の装甲車両を認識しピンポイントで車両を破壊します。もちろん、ATACMSはHIMARSからも発射できます」「ゴジラが神奈川県川崎市の武蔵小杉付近に現れると、自衛隊はMLRSでロケットを静岡県御殿場市から発射、ゴジラに命中させるシーンがあります。しかし、実はこれでも直線距離で約70キロに過ぎません。武蔵小杉から300キロなら、三重県の四日市市あたりが約280キロです」 アメリカはウクライナに対し、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を供与すると明らかにしている。三重県から神奈川県の敵軍をピンポイント攻撃できるというわけだ。これだけでも性能の高さがよく分かる。「アメリカは射程80キロのロケット弾しか供与しないと決めました。300キロの戦術ミサイルだとロシア領内の攻撃も容易になるため、プーチン大統領が強く反発してしまう。あくまでも東部戦線に限定して使わせる、とロシアにメッセージを送った格好です。300キロが80キロになった影響は、非常に大きいと言えます」要するに神奈川県川崎市の武蔵小杉付近に現れたゴジラを静岡県御殿場市から発射して攻撃するイメージ?
2022年06月22日
セベロドネツクの制圧 ロシアが目標日を延期か6/11(土) ロシア軍との激しい攻防が続くウクライナ東部のセベロドネツクについて、地元当局はウクライナ軍の徹底抗戦を受け、ロシア軍が制圧の目標日を延期させたという見解を示しました。 ルハンシク州のハイダイ知事は10日、激しい市街戦が続くセベロドネツクについて「ロシア軍は22日までの制圧を目指すことに変更した」と述べました。 知事はロシア軍は当初、10日までの制圧を目指していたものの、ウクライナ軍は徹底抗戦を続け健闘していると強調しました。 一方、ウクライナ軍は10日、ロシア軍が黒海に新たに潜水艦1隻を配備し、巡航ミサイル40発が発射できる状態にあると明らかにしました。 ロシア軍が黒海の北西部を封鎖し、攻撃の恐れが高まっているとして、国民に警戒を呼び掛けています。
2022年06月12日
ロシア軍、招集兵を通常はありえない第一線に派兵 ロシア報道6/7(火) ロシアのインタファクス通信は7日、ロシア国内で徴兵された招集兵600人がウクライナの第一線に派兵されていたと報じた。 ロシアでは第一線など危険地域の戦闘には軍当局と契約を結んだ「契約軍人」が担い、徴兵される招集兵は通常、任務に就かない。同通信によると、約600人の招集兵は西部軍管区から派兵されたという。 軍検察当局は派兵にかかわった将校12人の責任を捜査している。招集兵は既に全員帰国しているという。徴集兵参戦させた将校処分 ロシア軍検察、免職などに6/7(火) ロシアの軍検察当局は7日、国防省の方針に反して徴集兵約600人をウクライナでの軍事作戦に参加させたとして約12人の将校が免職などの処分を受けたと述べた。インタファクス通信が伝えた。 軍の最高司令官を兼務するプーチン大統領はウクライナ侵攻後の3月、作戦は契約を結んだ職業軍人だけで行い、徴兵された者は参加させないと述べていた。
2022年06月08日
撤退は“罠”?セベロドネツク「5割奪還」“陥落間近”から一転した理由は…専門家解説6/6(月) ・一時“陥落間近”と言われていた東部の要衝セベロドネツクでは、ウクライナ側が「5割の支配を回復した」と発表・5月末の時点で、ウクライナ軍はセベロドネツクから撤退を始めているとされていました。それがなぜ、反撃に転じることができたのか。実は、この撤退は“罠”だった。ウクライナ大統領府、アレストビッチ顧問:「我々はセベロドネツクを“明け渡した”と見せかけて、ロシア軍を街に誘い込む罠にかけた。ロシア軍の司令部は衝撃を受けている。激しい戦闘が行われていて、ロシア軍司令部は、セベロドネツクを保持しようとすべての戦力を投入している」◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さん・Q.アメリカのシンクタンクは、ウクライナ軍がセベロドネツクでの反撃に成功し、ロシア軍を市の東部郊外と南部から押し戻したと分析しています。ウクライナ軍が押し返した要因はなんですか?ウクライナ軍が効果的な作戦を行っていることに加えて、両軍が接近戦を行っていることが挙げられます。敵と味方が近くにいるため、ロシア軍はミサイル攻撃などがやりにくく、激しい攻撃を控えているのではないかと思います。 もう一つ、両軍の士気の違いも指摘されています。ウクライナ側は戦略的な撤退という選択肢もありましたが、まだ多くの住民がセベロドネツクに残されています。ブチャのような虐殺が起きないように、ウクライナ軍は強い意志をもって反撃を行っていると思います。 一方、ロシア軍は戦力がかなり損耗しているとみられ、セベロドネツクで戦っているのは正規軍のみならず、親ロ派武装勢力の予備役の投入も行われているという見方があります。ロシア軍は兵力も限られるなか、士気も低い状態なので、ウクライナ軍の方が力を発揮できているのではないでしょうか。
2022年06月07日
ウクライナ軍、黒海でロシア艦隊一部撃退6/7(火)ウクライナ軍は6日、ロシア軍の艦隊を黒海(Black Sea)沿岸から100キロ以上押し戻したと発表した。ウクライナ国防省はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)への投稿で、ロシア軍から黒海北西部の制海権を奪い、同海域は「グレーゾーン」となったと説明。ロシア側が現在、奪還を試みているとした。 ロシアによる侵攻前、世界4位の穀物輸出国だったウクライナは現在、ロシア軍による港封鎖で輸出ができない状態にあり、世界的な食糧危機に発展する恐れが出ている。 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は6日、輸出できずに国内にとどめ置かれる穀物の量は秋までに現在の3倍以上に当たる7000万~7500万トンに増える可能性があると警告した。
2022年06月07日
兵士らの遺体160体ずつを引き渡す 侵攻開始以来、初の交換か6/5(日)ウクライナ政府は4日、ウクライナ軍とロシア軍のそれぞれが収容、保管していた兵士らの遺体160体ずつを相手方に引き渡したと発表した。ロシアがウクライナに侵攻した2月下旬以来、双方の捕虜交換は行われているが、戦死者の遺体の交換は初めてとみられる。発表によると、遺体交換をめぐる交渉にはウクライナ側から軍や情報機関、ロシアに実効支配された領土の再統合問題を担当する省庁などが参加し、両国の戦闘による行方不明者の捜索に当たる責任者同士が合意した。交換は6月2日、両軍がにらみ合うウクライナ南部ザポリージャ州の前線で行われたという。ウクライナはいま“兵器の見本市”に…戦争で“太る”人たち「戦争は軍需産業の在庫一掃セール」か【報道1930】6/5(日)拓殖大学海外事情研究所 副所長「そうです。イギリスをはじめ送った兵器がどのくらい性能を発揮するか各国の軍関係者は非常に厳しく見ている。我々もジャベリンもスティンガーも知ってはいたが、それがどれだけの効果を持って戦車を破壊できるかを実地で見たことがなかったわけで、軍事関係者は非常にドラマチックな現実を見ている」元陸上自衛隊東部方面総監「これはいつの戦争もそうなんですが、ジャベリンにしても結構古い兵器なんです。スティンガーなんていうのはもっと古く、何十年も前の兵器。こういった物を各軍需産業は持っているわけです。これを戦争の機会に在庫を一掃する。処分のチャンスと・・・」拓殖大学海外事情研究所 副所長「活況を見せるNATOの軍需産業の裏返しです。ロシアの兵器システムに対する信頼感が徐々に失われていくと思います。(中略)アメリカの武器の売り方は、“ネットワークで戦争を戦う”という文脈の中で同盟国に武器を売っていくというシステム。ロシアは今回分かったように友達というか友好国がいないわけですから市場が限られる。技術面でも政治面でも軍需産業は苦労するでしょう」防衛省防衛研究所 政策研究部長「ロシアはエネルギー大国であり、武器輸出大国であり、この二つを輸出することで国家の財政を成してきた。エネルギーでは禁輸が進み、武器ではインドがロシア離れを始めている。理由としては、ロシア製兵器の信頼性の低さが実戦で明らかになった。ミサイルの命中精度が思いのほか低かったとか・・・。もう一つは、半導体など電子部品の調達が西側の制裁で難しくなって、戦車などの生産も事実上止まっている。すると、インドなどロシア製兵器を買っている側にすれば、今後安定供給が難しいだろうと。ということでなおさらロシア離れが進む」元陸上自衛隊東部方面総監「アメリカが目指しているのは、ロシアを軍需産業も含めて徹底的にダウングレードさせようということ。ロシアが二度と軍事大国にならない、ものすごく小さな国にしてしまおうと・・・。そうなればインドや中国などロシア製の武器を買っている国はさらに大変な思いするでしょう」
2022年06月05日
防衛研究所が「ウクライナ戦争の衝撃」発表 「ロシアはもはや…」5/31(火) 安全保障の問題などについて研究・分析する防衛省防衛研究所は31日、「ウクライナ戦争の衝撃」と題した論考を発表した。「ウクライナが抵抗する以上、長期化を想定せざるを得ない」と現状を分析。 ロシアについて「作戦準備が不十分な状態で進軍して戦力は大きく損耗」したと指摘。旧ソ連諸国との「求心力も低下するだろう」と予測した上で、「ロシアはもはや、これまでと同じ国際環境には生きていくことはできない」「攻者3倍の法則」攻撃三倍の法則(こうげきさんばいのほうそく)とは戦闘において有効な攻撃を行うためには相手の三倍の兵力が必要となる、とする考え方1925年、トゥハチェフスキー元帥が赤軍参謀総長となったのと同年に制定された『赤軍野外教令草案』において、突破を企図する地区での戦力比は「少なくとも敵に三倍する兵力を使用せざるべからず」とされており、本法則の初出といわれている。アメリカ陸軍においても『野外令』の兵力集中の原則の項目において「防御において決して敵の三分の一以下にならないこと、攻撃においては六対一の優勢に立つ」ことを絶対的な比率ではないとしながらも将軍の行うべきこととして記述された。ただしこれは1982年の改訂版では「各級指揮官は努力の集中を行うべきであり、集中すべき兵力と時間とを自ら決定する」と変更されている。1986年の米陸軍の研究によれば過去の戦闘598例を分析した結果、攻者の戦力比率が高いほど勝率が大きい傾向は認められるものの法則性は認められなかった。原因としては、地形や兵士の練度・装備・士気そして天候といった様々な不確定要素があることにより、攻撃側と防御側の両者の立場が一致しない事が挙げられるシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は三対一の兵力比率は局地の戦闘において攻者が防者の幅20から50キロメートルの防御前線を正面突破する際に80%から90%に限定して適用できる
2022年06月01日
東部重大局面ロシア軍は東部に火力を集中ウクライナ軍 南部ヘルソン州で反撃開始5/30(月ウクライナ東部でロシア軍が攻勢を強めるなか、ウクライナ軍は南部ヘルソン州で反撃を開始しました。 ウクライナメディアなどによりますと、ロシア軍が制圧を宣言している南部ヘルソン州で28日、ウクライナ軍が空軍や砲兵部隊の支援を受けて、ロシア軍の防衛線から9キロの地点まで前進したということです。 ウクライナの軍事専門家は「ロシア軍は現場の兵士だけでなく司令部も混乱に陥った」と指摘しています。 ヘルソン州はクリミア半島の重要な水源で、ロシア軍が全域の制圧を宣言しています。Two Russian colonels caught in foul-mouthed rant about Vladimir Putin's war failings 2人のロシア軍大佐が、ウクライナとの戦争の失敗をめぐって、ウラジーミル・プーチンとセルゲイ・ショイグ国防相を口汚くののしり、まともに批判しているところを捕らえられた。 キエフの秘密情報部によって盗聴された私的な電話は、軍の上層部の間で反対意見があることを明らかにした。 大佐たちは、プーチンがウクライナの国会や他の重要な場所を爆撃しなかったことを非難し、ショイグは軍事に無能であるとして解任された。 また、公式には認められていないウクライナでのロシア側の壊滅的な損失(the devastating losses on the Russian side in Ukraine)もほのめかしている。
2022年05月31日
安保理、北朝鮮制裁決議を否決 中露が拒否権行使 説明求め国連総会開催へ5/27(金) 国連安全保障理事会は26日、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる会合を開いた。安保理決議が禁じる北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、米国が提案した北朝鮮への制裁を強化する決議案を採決した。制裁緩和と対話を求める中国とロシアが常任理事国として拒否権を行使し、否決された。これを受け、国連総会は拒否権行使の理由の説明を中露に求める総会会合を開く。総会会合の開催は4月に採択された国連総会決議に基づく初めての措置。総会議長の報道官によると、6月10日までに招集される。説明は任意のため中露が出席するかは不透明だ。ただ、安保理の採決では理事国15カ国のうち13カ国が賛成しており、総会で中露への批判が相次ぐ公算は大きい。安保理は2006年7月以降、北朝鮮の核・ミサイル開発を防ぐため11回にわたり全会一致で決議を採択してきた。今回が初めての否決となり、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「安保理にとって失望の日だ」と述べた。北朝鮮は今年、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含むミサイル発射を16回繰り返し、核実験の再開も懸念される。米国は「事態の悪化を防ぐため追加制裁が必要だ」と訴え、17年12月以来となる制裁決議の採択を目指していた。これに対し、中露は「対話再開のために制裁を緩和すべきだ」との立場。米国は北朝鮮への原油輸出上限を50%減としていた制裁案の削減幅を25%減へ縮小するなどしたが、中露は反対の立場を変えなかった。利害関係国として出席した日本の石兼公博国連大使は、中露の説明に「全く納得できない」と深い遺憾の意を表明した。17年12月の制裁決議はICBM発射の場合は原油輸出をさらに制限するとしており、「一貫しない対応は安保理の信頼を著しく損なう」とした。否決された決議案は、北朝鮮へのたばこなどの輸出禁止や北朝鮮傘下のハッカー集団の資産凍結も盛り込んでいた。また、禁止対象のミサイルを「核兵器を運搬できる運搬システム」全般に拡大していた。
2022年05月28日
ロシア大統領に作戦中止要求 極東議員、議会で声明文5/27(金) ロシア極東の沿海地方議会で27日、共産党所属の議員がウクライナでの軍事作戦の即時中止と軍の撤退を求めるプーチン大統領宛ての声明文を読み上げ、議場から退場させられた。ロシア紙RBK電子版などが報じた。 ロシアでは軍を侮辱したり「虚偽情報」を広めたりする行為は刑事罰の対象。ウクライナ侵攻に公然と反対の声が上がるのは極めて異例。 27日の議会で、共産党のワシュケビッチ議員が「作戦をやめなければロシアはますます孤立する。国に大きな貢献をするはずだった若者らが戦闘で障害者になっている。軍の即時撤退を求める」との声明文を読み上げた。4人の共産党議員が署名していた。東部州要衝への補給路を遮断 ロシアが包囲攻撃、重要局面に5/27(金) 米国防総省高官は26日、記者団に対し、ウクライナ東部ルガンスク州でロシア軍が要衝セベロドネツク市への補給路を遮断し、包囲がほぼ完了したとの分析を明らかにした。一部で突入作戦も行われ、地元当局によると砲撃などによって市内の住宅の9割が損壊。ロシア軍は同州の完全制圧を目指し既に95%を占領しており、攻防は重要局面を迎えた。 ルガンスク州を含む東部ドンバス地域ではロシア軍が人員と物量で優位に立ち、徐々に支配地を拡大。米CNNテレビは26日、バイデン政権がウクライナに対し、多連装ロケットシステムの供与を検討していると報じた。ウクライナ軍、退路断たれる恐れ 過去にも東部で包囲戦5/27(金) ウクライナ軍が、東部ドンバス地方のルガンスク州でロシア軍の猛攻にさらされている。 ガイダイ州知事によると、ウクライナの支配地域は「5%」に縮小。残る都市セベロドネツク周辺ではロシア軍が3方向から包囲を進め、退路を断たれたウクライナ部隊が完全に孤立する恐れが出ている。 住民の退避も完了していない中、ロシア軍は兵力を集中させてセベロドネツク一帯への無差別攻撃を継続。ウクライナのメディアは、激戦の末に陥落した南東部の要衝になぞらえて「第2のマリウポリ」になると警鐘を鳴らしている。 相手の退路を断つ包囲戦は、ロシア語で「カチョール(鍋)」と呼ばれる。ロシア軍は2014~15年、親ロシア派武装勢力を隠れみのにしたドンバス地方の紛争でこの戦術を多用し、ウクライナ軍を苦しめた。その結果、停戦交渉で優位に立つことができたという「成功体験」が、プーチン政権にはある。 14年8月からのドネツク州イロワイスクの戦いは、双方で数百人の犠牲を出し、ウクライナ軍が敗北。翌9月の第1次ミンスク停戦合意の呼び水となった。 翌15年の年明けには、ドネツク州デバリツェボでも包囲戦が再現された。親ロ派「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の支配地域を結ぶ交通の要衝で、ウクライナ軍はくさびを打ち込むため大軍を配置したが、結果的に孤立。双方で数千人の死者を出し、同年2月にロシア側が勝利を収めた。ウクライナ側が「不平等」と見なした第2次ミンスク停戦合意は、この時に結ばれている。 ルガンスク州をめぐっては今回、全域の陥落を避けたいゼレンスキー政権が、米欧に武器支援の加速を求めている。一方、ロシアのショイグ国防相は20日、完全制圧が「近づいている」と主張。双方とも態度を硬化させており、停戦交渉は見通せない状況だ。
2022年05月28日
「貧者が空を制す」・「ロシア空軍はいまだに制空権確保のための作戦を実行する気がないようだ」と、英空軍の元中将であるエドワード・ストリンガーは言う。・アメリカ軍は1991年の湾岸戦争で、こうした作戦のための黄金律を打ち立てたと、ストリンガーは言う。これは「何度も実行された戦術的プロセス」で、どこで戦う場合も欠かせない、という。・その黄金律とは、「敵のレーダーを破壊し、通信を妨害し、戦闘機を撃墜し、飛行場を使用不能にし、SAM(地対空ミサイル)を無効化すること」だ。「まずは制空権を確保すること。それが絶対条件だ。敵の空爆から米兵を守るためにも必要だが、2度のイラク戦争で米軍が実証したように、敵を弱体化させるためにも不可欠だ」・「貧者(ウクライナ)が空を制す」事態ロシアが制空権の確保をあきらめたことは、ウクライナ戦争の顕著な特徴だが、西側の観測筋はその理由を解しかねている。侵攻開始から48時間は、ロシア軍もウクライナの防空システムを猛攻したが、それで終わり。その後は米軍が必須条件と見なす制空権の確保をあっさり断念してしまった。飛行場や防空拠点を攻撃したのは最初の2日だけで、これらの施設を徹底的にたたこうという考えはなかったようだ。ウクライナの小規模な飛行部隊はおおむね戦闘不能になったが、ロシアの攻撃が中途半端に終わったおかげで、すぐさま防空体制を立て直せた。特に携行型の地対空ミサイルは広域の防空に威力を発揮し、ストリンガーの言葉を借りれば、「貧者が空を制す」状況となった。・「全体的に見て、ロシアのミサイルの命中率は半分をかなり下回る」「ロシアのミサイルの命中率は、40%にも達しない」「命中したとしても、狙いが何だったのかが問題だ」「2日ほど飛行場と対空システムを攻撃してきたかと思えば、次は弾薬貯蔵庫、そして石油施設、工場、輸送網と、次々に目標が変わる。大した打撃はないし、後続の攻撃もない」・「問題は物量ではなくなった」「アメリカもこの教訓を学ぶべきだ」「黒海封鎖を解除せよ」…デンマーク、ウクライナに対艦ミサイル「ハープーン」提供5/26(木) ・デンマークは23日に開かれた「ウクライナ防衛接触グループ」のオンライン会議で、米国産の先端対艦ミサイル「ハープーン」をウクライナに提供するとの意思を明かした。・ハープーンは、射程距離が最大300キロで、艦艇や潜水艦、陸上からも発射できる。ハープーンは、これまでウクライナに提供された兵器の中で最も破壊力が高い。西側が提供した携帯型対戦車ミサイル「ジャベリン」がウクライナ戦争でロシア陸軍を苦しめたように、ハープーンは海上でロシア海軍に脅威を与える「ゲームチェンジャー」と評価される。・射程100キロを超えるハープーンのような対艦ミサイル12~24発ほどがあればロシア海軍を脅かすのに十分であり、海岸封鎖を解除させられるだろう・ウクライナがハープーンを実戦配備するには数カ月の時間がかかる。ミサイルを運用する兵力を訓練しなければならないうえ、ウクライナ軍の防衛システムに統合させるのに時間が必要だからだ。ワシントン・ポストによると、ウクライナの沿岸防衛システムは、ソ連時代の技術で構築されており、米国製ミサイルを統合するには数カ月の時間が必要だと専門家たちは指摘している。・NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、黒海沿岸の封鎖を解除するのは「難しい課題であり、今後も道は容易ではない」とし、慎重な態度を示した
2022年05月27日
「プーチン大統領は謝罪すべき」 ロシアの大物退役軍人がウクライナ侵攻で異例の批判5/24(火) これまでプーチン大統領を支持してきた「全ロシア将校の会」の会長、レオニード・イワショフ退役大将(78)がプーチン大統領の辞任までも訴えたイワショフ退役大将が、ロシアの書店協会のウェブサイトKnizhny Mirのインタビューに答え(5月4日)、改めてプーチン大統領に「知恵と経験あるものの意見に耳を傾ける」よう訴えている。イワショフ氏のインタビュー 軍事行動というものは、個々の戦闘を組み立てる「戦術」の面では、現場の部隊が見事な働きをして成功を収めることもありうる。 しかし、上層部で大局的な「戦略」を立てる時、間違った決定が下されると、どんなに現場が奮闘しようが、作戦は失敗し兵士の勇敢な戦いも無に帰してしまう。 戦争全体の勝利を最終目標とした正しい戦略が用いられれば、部隊が戦闘で負けても、全体として破局的な敗北に至ることはない。 英米や中国では、そうした「戦略」の研究が行われているのだが、ロシアの上層部ではおろそかにされている。 大局的な戦略というものは、対立する他国との関係のなかで自国の最大限の利害を探る「地政学」的に、どんな結果をもたらすかを精査したうえで決定されなければならないのだが、ロシア軍ではその研究が行われていない。スペシャリストはいるが、軍に登用されることはない。 今回の特別軍事作戦では、初期の段階で戦略的な間違いがあったため、兵士はよく戦っているが、作戦は滞っている。ウクライナ領土のいくばくかは獲得できるかもしれないが、地政学的にはすでに敗北を喫した。 われわれが直面しているのは、ロシアの歴史上、これまで経験したことのない危機的な状況なのだ。 軍事行動というものは、個々の戦闘を組み立てる「戦術」の面では、現場の部隊が見事な働きをして成功を収めることもありうる。 しかし、上層部で大局的な「戦略」を立てる時、間違った決定が下されると、どんなに現場が奮闘しようが、作戦は失敗し兵士の勇敢な戦いも無に帰してしまう。 戦争全体の勝利を最終目標とした正しい戦略が用いられれば、部隊が戦闘で負けても、全体として破局的な敗北に至ることはない。 英米や中国では、そうした「戦略」の研究が行われているのだが、ロシアの上層部ではおろそかにされている。 大局的な戦略というものは、対立する他国との関係のなかで自国の最大限の利害を探る「地政学」的に、どんな結果をもたらすかを精査したうえで決定されなければならないのだが、ロシア軍ではその研究が行われていない。スペシャリストはいるが、軍に登用されることはない。地政学的に間違った選択をすると、戦略も間違えることになり失敗する。そうなると現場でのせっかくの成果もゼロになる。これが戦争の本質だ。 アメリカや欧州各国は、NATOの元で団結し、「ひとつの拳」となってロシアを叩きのめすことを長い間、望んでいた。EUもロシアの石炭産業を締め出したかったのだが、結局今回、貿易そのものを止めることになった。 以前アメリカは、ドイツとそれに続いていくつかの国がロシアと軍事協力体制を組むことを何よりも恐れていた。 ・・・・ アメリカがやりたかったことは、19世紀のドイツ帝国宰相ビスマルクが望んだように、ウクライナをロシアから切り離しさえすれば、ロシアに勝てる、ということだった。 1948年8月にアメリカの安全保障会議がまとめた「米国の対ソ戦略」の中で、軍事戦略とならんで中央アジアやコーカサス、バルト3国に対する対応が書かれているが、ウクライナについては特に重点が置かれている。 そこには、ウクライナ人とロシア人を分けることは困難だ、彼らは一つの民族である、それゆえに亀裂を作り出す必要がある、さらにこの亀裂を政治的対立や軍事紛争にまで拡大する必要がある――と書かれていた。 まさに今、このアメリカの思惑が実現している。 ジェルジンスキー(※ソ連秘密警察の創始者)が言っていたように、「ロシアはウクライナがあって初めて世界の大国であり、ウクライナを欠いたロシアはただのアジアの一国家にすぎない」のだ。 英米両国にとっては、中央アジアもコーカサスもロシアからもぎ離し、ロシアを孤立させる、というのが19世紀末以来の構想だった。 こうした長年の夢を今回の「特別軍事作戦」は実現させてしまった。 ロシアがこんなに孤立したことはなかった。 スターリンが第二次大戦直前にやったことを思い返してみればわかる。 戦争の匂いをかぎ取ったスターリンは、英米というアングロサクソンの大国をさえソ連の側に引き寄せた。 日本との関係には問題があった。しかし1941年春、日本の外務大臣(松岡洋右)がモスクワを訪問した時、スターリンは自ら4度も会い、出発の際には、未曾有なことだが、スターリンが駅頭で見送ったのだ。外務大臣をスターリン自身が見送りにきた唯一の例だ。そして日本と中立条約を結んだ。 つまり東と西で安全保障環境を整えたわけだ。 1941年6月、ナチスドイツが電撃作戦を開始した当初は困難な立場に置かれたが、スターリンは英米がソ連支持を表明することを確信していた。日本も動かなかった。その間、ソ連は日本に対する軍備を整え、蒋介石の国民党にも中国共産党にも援助をして日本をがんじがらめにした。 ところが現在、われわれは裸のままだ。 われわれは何をすべきだろうか。どんな戦争でも勝利するのは知性だ。 ハリコフを取ろうが、たとえ沿ドニエストル地方を奪って戦闘に勝利しようが、対立する他国との関係のなかで自国の最大の利害を探るという「地政学的な」戦争では敗北した。 現代の世界には不正や暴力があふれているが、しかしロシアはこのひどい世界の中でも最悪の状態に置かれることになるだろう。 この70年でロシアは、特に技術と社会状態は最悪の状態に落ちる。1937年の大粛清のような抑圧がある。「勝利勝利!」と叫ばされ、「戦争反対」と言っただけで投獄されるような法律はスターリンの時代にもニコライ二世の時代にもなかった。 大統領は知恵と経験のある者たちを集めて虚心に意見を聞くべきだ。 地政学的な俯瞰図を描き、民衆の心理を示し、社会の極端な階層化、矛盾について論じる必要がある。経済の状況と見通し、安全保障の現状などの客観的分析が必要だ。 そして第二に、この状況からどう脱出するかという具体的プランを立てることだ。 いろいろな意見が出るだろう。その中から指導者がプランを決め、そのプランに基づいてプロフェッショナルを集める。ふんぞりかえって大声を出すだけで何の役にも立たない者ではなく、役に立つ専門家を集めて、世界におけるロシアの位置を話し合う。 ロシア大統領に電話しようという指導者がこの世界のどこにもいない状況だ。大統領は謝罪し、処罰すべき者を罷免し、政府のトップには「特別軍事作戦」に反対する者を据えることだ。 大統領も詫びるのだ。 いま世界中の国でロシア人は大変困難な立場に置かれている。ロシア語を話しただけでいじめられたり殴られたりしている。 われわれは情報戦争に完全に負けたのだ。 いまロシアにはプロフェッショナリズムが必要なのだ。最高の愛国主義者は、テレビでプーチンの腰巾着ぶりを見せる者ではなく、プロの軍人だ。軍人と言う職業を愛し、民衆を思う者こそが最高の愛国者だ。 今日ロシアに必要なのはそういう人間だ。
2022年05月24日
ウクライナ侵攻での「ロシアの状況は悪化する」 ロシア軍退役大佐が国営テレビで発言5/18(水) 軍事アナリストでロシア軍退役大佐のミハイル・ホダレノク氏5月16日ウクライナが欧米から追加の軍事支援を受けると「(ロシアにとっての)状況は明らかに悪化する」、 "the situation [for Russia] will clearly get worse"「ウクライナ軍は100万人を武装化できる」"the Ukrainian army can arm a million people"「祖国を守りたいという思いは非常に強い。戦場での究極の勝利は、守るべき思想のために血を流している兵士たちの高い士気によって決まる」"The desire to defend their motherland very much exists. Ultimate victory on the battlefield is determined by the high morale of troops who are spilling blood for the ideas they are ready to fight for.”「(ロシアの)軍事的・政治的状況の最大の問題は、どんなに認めたくないとしても、我々が政治的に完全に孤立し、全世界を敵に回している点だ。この状況を解決しなければならない」"The biggest problem with [Russia's] military and political situation, is that we are in total political isolation and the whole world is against us, even if we don't want to admit it. We need to resolve this situation."「我々に敵対する42カ国の連合が存在し、我々の軍事・政治的な、そして軍事技術的な資源が限られている状況は、正常とは言えない」"The situation cannot be considered normal when against us, there is a coalition of 42 countries and when our resources, military-political and military-technical, are limited."ロシアがウクライナに侵攻する以前の今年2月、ホダレノク氏はロシアの防衛専門誌への寄稿で、ロシアがウクライナとの戦争に簡単に勝つと主張する「熱心なタカ(強硬派)と性急なカッコウ」を批判した。ホダレノク氏は当時、「ウクライナとの軍事紛争はロシアの国益にはならない」と結論付けた。
2022年05月18日
“黒海でロシア艦隊撃滅”の先にあるもの ウクライナが決して譲れないワケ 長期化必至か5/17(火) ロシア海軍の主要な軍港は、北極圏のバレンツ海に面したムルマンスク(北方艦隊)、バルト海のカリーニングラード(バルト艦隊)、極東のウラジオストク(太平洋艦隊)、黒海のセバストポリ(黒海艦隊)、カスピ海のアストラハン(カスピ小艦隊)で、それぞれに艦隊が設けられています。主力は正式呼称「航空重巡洋艦」という事実上の空母「アドミラル・グズネツォフ」を擁する北方艦隊で、黒海艦隊はそれに次ぐ戦力です。 なお、バルト艦隊が配置されているカリーニングラードは、地勢的にはNATO(北大西洋条約機構)に加盟するリトアニアとポーランドに挟まれた飛び地であり、加えて大西洋に出るには、デンマークとノルウェーに挟まれたスカゲラック海峡を通り、さらにイギリス沖に広がる北海を抜ける必要があります。 このようにバルト艦隊が地勢的に対NATO上、不利な立場にあるのに対し、黒海はロシアの懐に位置しているほか、拠点となるセバストポリはウクライナ領内にあるものの、周辺地域を含めて事実上ロシアの勢力下にあります。また黒海は、ロシアがトルコと歴史的に対峙してきた経緯から国防上重要な海といえるのです。 黒海の中央に突き出すクリミア半島は制海権を押さえるには最適です。旧ソ連崩壊後、ロシア系住民が多数派を占めるクリミア半島は自治共和国としてウクライナに編入されました。ロシアはセバストポリを2025年まで租借地として共同使用する協定をウクライナと結んでいました。ところが、2014(平成26)年にウクライナの政権が親欧米寄りになると、ロシアはクリミア半島を併合します。 ロシアは今般の侵攻前、セバストポリと黒海北東岸のノヴォシロースクに海軍の拠点を置いていました。一方、ウクライナは東からベルジャーンシク、セバストポリ、ムィコラーイウ(ニコラーエフ)とオデーサ(オデッサ)に軍港を持っていました。ウクライナの4つの軍港にはそれぞれ造船所があり、中でも重要なのは旧ソ連時代から黒海艦隊の艦艇を建造してきたムィコラーイウです。 ロシア軍は2月24日の進攻直後にベルジャーンシクとオデーサ南方のルーマニア国境に近いスネーク(ズミヌイ)島、そしてクリミア半島の西の付け根にあるヘルソンを占領しています。これは黒海北部の制海権を押さえムィコラーイウとオデーサを封鎖する形になりました。そして、3月にはオデーサをミサイル攻撃し、ヘルソンに近いムィコラーイウの攻略を試みるも、ウクライナ軍に撃退されています。 キーウ攻略の失敗後、ロシア軍は東部のドンバス地方からクリミア半島につながる回廊を保持する戦闘に移りました。ここで、ウクライナの海軍戦力について見てみましょう。旧ソ連崩壊後、黒海艦隊は分割されウクライナ海軍にいくつか艦艇が移譲されました。ただ、スラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」の同型艦「ウクライナ」は、建造中にウクライナへ譲渡されるも財政難で未完成のまま、現在はムィコラーイウに係留されています。残りの艦艇はロシア軍に接収され、結局ウクライナ海軍は戦力を喪失しました。 このようにウクライナ海軍の水上戦力は壊滅状態のため、対ロシア艦艇への攻撃は対艦巡航ミサイル「ネプチューン」や攻撃ドローン、航空機によるものです。なお、これらによって3月にタピール級揚陸艦「サラトフ」(当初の報道では「オルスク」)とラプター級高速哨戒艇1隻、揚陸艇2隻が撃破、4月にミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没しています。 5月に入り、ウクライナ軍はスネーク島と周辺海域で夜襲を含めた攻撃を強化しています。ウクライナ国防省の発表や映像からは、トルコ製の攻撃ドローン「バイラクタルTB2」などの無人航空機や戦闘機Su-27「フランカー」のミサイルと爆弾で、ラプター級高速哨戒艇2隻、セルナ級揚陸艇1隻、防空ミサイル・システム「トール」を含む地上施設を破壊しています。 5月12日にはオデーサ沖で補助艦「フセヴォロド・ボブロフ」が、ネプチューンで大破したと発表がありました。同艦はサンクトペテルブルクで2隻建造された「プロジェクト23120」の2番艦として2021年8月に就役した新鋭艦です。輸送や被害艦艇の捜索・救助・医療支援を行う多目的艦艇で、黒海艦隊にとっては大きな痛手です。 とはいえ「トール」のミサイルで迎撃可能な高度は6000m以下。「バイラクタルTB2」の上昇限度は7600mなので、探知されずに接近し防空システムを無力化するとともに、艦艇への攻撃を行っているようです。 これらのことからロシアは防空システムが十分に機能しておらず、航空優勢を保持できていないといえるでしょう。黒海に面するNATO加盟国はトルコ、ルーマニア、ブルガリアの3か国。そして、ウクライナとジョージアはNATO加盟の意思を表明しています。このうちロシア黒海艦隊に対抗できる海軍力を有するのはトルコのみですが、地中海への通路となるエーゲ海と黒海を結ぶ要衝、ボスポラス海峡を同国海軍が押さえています。 ロシア海軍はカスピ海からラプター級高速哨戒艇を陸路で補充しているものの、黒海艦隊の被害が増えると戦力の低下は避けられません。 つまり、ロシアにとってクリミア半島の失陥は黒海の制海権喪失につながります。前述したムィコラーイウとオデーサを完全占領できないままでの休戦は受け入れられないでしょう。これはロシアからすれば政権が変わっても譲れない条件とさえいえるのです。 一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領も5月3日の声明で、クリミア半島を必ず奪回し、領土問題で妥協はしないと述べています。 この戦争は最終的にクリミア半島の帰属が焦点になる可能性があります。こう考えると、アメリカのミリー参謀総長が下院軍事委員会で示した、戦争は「少なくとも数年単位になる」という見解が、がぜん現実味を帯びてくるのです。 果たして、ロシアによるウクライナ侵攻が終わりを告げる日はいったい、いつになるのでしょうか。
2022年05月17日
ロシア軍がハルキウから完全撤退を決定? 米シンクタンクが分析5/14(土) アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は13日、「ロシア軍はウクライナ軍による反撃や、補強の制限を受けて、ハルキウ市周辺から完全に撤退することを決めたようだ」との分析を発表した。「ウクライナ軍はキーウと同様にロシア軍による包囲を阻止し、市の周辺から追い出した」としている。ウクライナ側も連日、ハルキウで攻勢を強めていることを伝えていた。「露軍、ハリコフで敗退」米機関分析 戦闘「第3段階に移行」の見方も5/14(土) ウクライナ侵攻で、米シンクタンク「戦争研究所」は13日、東部ハリコフ州を巡る攻防戦で「ロシア軍が敗退した」とする分析を公表した。一方、ウクライナのベレシチュク副首相は同日、東部マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について「結果は全ての人を満足させるものにならないかもしれない」とし、実現は困難だとの認識を示した。ゼレンスキー大統領も退避の実現は困難だと認める一方、「可能な限りのことをする」と表明した。戦争研究所は同日付リポートで「露軍は増援不足とウクライナ軍の反攻によりハリコフ周辺から完全撤退を決めたようだ」とした。英国防省も同日、露軍が東部ルガンスク州のドネツ川を渡る作戦で失敗し、少なくとも1個大隊戦術群に相当する戦力を失ったとする分析を公表。露軍は主目標とするドンバス地域で前進できていない-とした。ウクライナメディアによると、同国内務省のアンドルシフ顧問は、露軍が電撃的なキーウ(キエフ)制圧を狙った作戦の第1段階、東部で占領地を拡大する第2段階に失敗し、現在は防御線を構築して占領地を維持する「第3段階に入った」と指摘。「ロシアは作戦の長期化を決断した」と分析した。一方、マリウポリの製鉄所を巡り、ベレシチュク氏は13日、交流サイト(SNS)上で「交渉は困難だ。戦争は冷徹な現実で、奇跡は起きない」と述べた。同氏は12日、重傷を負った一部の兵士の退避と引き換えにロシア兵捕虜を返還する交渉を露側と行っている-と明らかにしていたが、交渉の停滞を示唆した。製鉄所内には数百人から1千人のウクライナ兵が籠城し、多数が負傷しているとされる。ロシアは交渉での退避は認めず、降伏しない限り攻撃を継続する構えを崩していない。
2022年05月15日
消息不明のロシア兵急増 「家族は拷問のようなものだ」――「母の会」の困惑と願い5/14(土)キーウ近郊の町ブチャの虐殺や、戦場での略奪などを犯したロシア兵に弁護の余地がないことは言うまでもない。一方、意に反して戦場へ送られ、恐怖の中で死に、路上に屍をさらしたままになっている兵士たちがいることも確かだ。4月3日の記事「前線へ送られるロシア兵士の現実」では、徴集兵の実態と、それでも立ち上がることを期待できないロシア社会の閉塞状態について「兵士の母の会」のワレンチナ・メリニコワ会長のインタビューを紹介した。いま、メリニコワ会長は、ウクライナ侵攻が始まってから日を追うごとに増える戦死者の数と、消息不明者の数の多さに困惑しているという。今回、メリニコワ会長はロシアのウェブチャンネル Vsya takaya Mongayt (5月7日)と西側のメディアThe Insider( 5月6日)のインタビューに応じ、それぞれ「消息不明兵」の現状、そして「ロシアで戦場に送られるのを回避するにはどうしたらいいのか」という問いに答えている。メリニコワ会長によれば、現在もっとも困難なのは、戦死したか捕虜になったかわからない、消息不明のロシア兵の問題だと言う。「ロシア側のシステムは貧弱だ。国防省は秘密裏に戦死者のリストを作っていて、電話で名前を明かして質問すれば、リストにあるかないかは答えてくれるが・・・」これに対して、ウクライナ側は戦時捕虜の扱いを定めた国際条約であるジュネーブ条約に全面的に則っていて、ロシア兵の捕虜全員をリスト化し、戦死者も可能な限りリスト化しているという。「兵士の母の会」が問い合わせれば、捕虜に関してはほぼ確実に情報を知ることができるだけでなく、後日、ウクライナ側から連絡をしてくることもあるようだ。ロシア兵の消息不明者については絶望的だと言う。「消息不明者については恐ろしい状況だ。特定不可能な遺体の場合でも、戦闘中、砲弾が命中し、炎上して戦死したが、遺体の特定はできない、と軍から家族宛に連絡がいく場合もまれにある。しかし、負傷したのか死んだのかもわからない消息不明者の場合は、どうしようもない」「第一次チェチェン紛争でも、ロシア軍にこんなに多くの戦死者は出なかった。(ウクライナに隣接する)ロストフのDNA研究所は稼働しているのだが、書類の記入方法など国防省の厳格な規則があって、それが戦死者の特定作業を阻んでいる」「2カ月間、自分の家族が生きているのか死んだのかもわからないままなのは恐ろしいことだ。こんな状況は家族にとっては拷問のようなものだ。ロシアでも戦死者のうち2千人分は文書化され、遺体も家族の元に戻って埋葬されたようだが、そのほかの家族は苦しみの中に置かれている」「やりきれないのは、ロシア側が戦場の兵士の遺体を埋葬したり、冷凍庫をつかって保管したりしようとしていないことだ。本来、両国間の協議で遺体の交換、あるいは引き渡しについても話し合われるべきなのに、協議した形跡がない。遺体についても人道回廊などの措置が決定されるべきだ。どこの村にどんな名前の将兵を葬ったか、証人がいるうちにやらないと、あとになればなるほど誰がどこに葬られたのかわからなくなる。ウクライナ側は地図に記して保管しているのだが」「ロシアでは戦死した将兵の扱いをどうするか、話もできない。1995年に下院で話し合われたことがあったが、そんなことを法律に書きこむのはけしからん、となったままだ。しかし、わたしは死者に対する礼儀だと思う。せめて人間らしく葬ってあげたい」
2022年05月14日
ロシアの知事5人が異例の同日辞任!「プーチン降ろし」地方から伝播、ソ連崩壊と酷似してきた5/12(木) ロシアでは今年9月11日に地方選挙が予定されている。RTによると、トムスク州のセルゲイ・ジバチキン知事とサラトフ州のバラレイ・ラダエフ知事は2期目。2021年の法改正で3期目も可能となったが、次の選挙への不出馬を表明した。キーロフ州のイゴール・バシェリエフ知事は連邦政府で働くため、知事職を退く。退任するリャザン州のニコライ・リュビモフ知事とマリ・エル共和国のアレクサンドル・エフスティフェフ知事は辞任理由を公表していない。 RTは6つの言語でニュースやドキュメンタリーを提供する国際放送局。ロシア連邦政府の予算に依存する実質的な国営放送だ。ウクライナ侵攻後も、政権のプロパガンダの片棒を担いできた。知事の一斉辞任がロシアメディアの関心を呼んだとしつつ、こう報じている。〈ロシアの政治技術センターの副所長は「目新しいことではない。支持率が低下した場合、知事が選挙前に辞任することはこれまでもあった。1人の知事が辞任しても、(人々は)注目してこなかったではないか」とインタファクス通信に語った〉筑波学院大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)「同じ日に知事が5人も辞任するのは異例です。平静を装おうとするRTの報道も政権側の動揺を示しています。」「さらに2人の知事も辞任する意向でプーチン政権は必死で思いとどまるよう説得しています。ソ連崩壊時と酷似してきました。ソ連は地方から独立運動が広がり、崩壊につながりました。地方の首長の中で反プーチンの動きが盛り上がり、モスクワ市長が反旗を翻す事態になればプーチン政権は持たないと思われます」
2022年05月13日
フィンランドがNATO加盟申請の方針を発表 ロシアと国境接し5/12(木) フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は先ほど共同声明を発表し、NATO=北大西洋条約機構の加盟について「速やかに行う」と表明。「NATO加盟はフィンランドの安全を強化する」と強調しました。NATO加盟「誰の不利益にもならない」 フィンランド大統領5/12(木)フィンランドのサウリ・ニーニスト(Sauli Niinisto)大統領は11日、同国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟しても「誰の不利益にもならない」と述べ、ロシアをけん制した。ニーニスト氏はボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相と共に、フィンランドと英国の安全保障協定に関する合意文書に署名。その席で、「NATO加盟は誰の不利益にもならない。ゼロサムゲームではない」とし、もしフィンランドが加盟することになれば、ロシアに対して 「原因は貴国だ、鏡を見よ」と告げるだろうと語った。ニーニスト氏は、「フィンランドはすでにNATOのパートナー国だ。フィンランドが西側だということに疑問の余地はない」Finland's President tells Putin to look in the mirrorComment “Look in the mirror” – Sauli Niinistö’s new NATO-Finland already spoke to Russia in historically harsh words“The masks have been taken off, only the cold face of the war is visible,” Niinistö said. “You caused this. Look in the mirror. ”
2022年05月13日
ウクライナ ハルキウ州の一部地域を奪還 侵攻後 再会する母子も5/12(木) ゼレンスキー大統領が、ロシア軍に制圧されていた北東部にあるハルキウ州の一部地域を奪回したことを明らかにした。ロシア軍に制圧されていた村に、再び掲げられたウクライナ国旗。ウクライナ軍は10日、ロシア軍に制圧されていた北東部・ハルキウ州で、4つの集落を奪還したと発表した。奪還した村には、焼け焦げた車やフロントガラスに銃弾を受けた車が残され、チャイルドシートや子どもの服などが散乱。ウクライナ側の兵士「避難しようとした市民は、残念ながら子どもも連れていたが、攻撃を受けて、その砲弾が車に当たった」また、ハルキウ州の知事は、ハルキウ州のイジュームで、5階建ての建物のがれきの下から44人の遺体が見つかったと明らかにしたうえで、「ロシアの恐ろしい戦争犯罪だ」と批判している。ウクライナ軍、ハルキウ州で4村奪還5/11(水)ウクライナ東部ハルキウ(Kharkiv)州の当局者は11日までに、同国第2の都市ハルキウ周辺の4村をロシア軍から奪還したと述べた。ただ、「激しい戦闘」が依然として続いているという。 ウクライナ軍参謀本部は11日、フェイスブック(Facebook)を通じ、「占領者はわれわれの軍部隊がウクライナの国境に向け、さらに前進するのを防ぐことに集中している」と述べた。苦戦のロシア軍 “兵士音声”に「数千人の屍が山積み」…ドネツク地方で犠牲者多数か5/11(水)“ロシア兵”の音声「屍が山積みに」 苦戦を強いられているロシア軍。それは、ウクライナ当局が公開した、ロシア兵とみられる音声からも分かります。 ロシア兵とみられる音声:「兵士は立っていて砲撃されている。司令官は『後ろに下がるな!』と言う。なのに、彼自身はソファに座って飲んでいる…」 家族:「あいつらは、そんなもんさ。テレビや映画館じゃあ、かっこいい指揮官が登場するけど。こんな戦争、クソくらえだ!」 ドネツク地方で、ロシア兵の犠牲者が多数出ていることをうかがわせる会話がありました。 ロシア兵とみられる音声:「あそこは屍(しかばね)が山積みになっているそうだ。あそこはまるで、ゴミ置き場だ。何千人もいるだろう。そこに投げ込まれると、その後は行方不明ということにされる」
2022年05月12日
緊迫…あす「戦勝記念日」 “ハルキウではウクライナ軍反撃で大きく前進”米機関分析5/8(日)アメリカの政策研究機関はウクライナ軍が北東部のハルキウでの反撃で大きく前進し、今後数日から数週間のうちに、ロシア軍をロシア国境まで押し戻す可能性が高いと分析しています。その上で、ロシア軍が限定的に撤退する可能性があるオデッサ沖で露艦艇3隻を撃破 ウクライナ軍発表5/8(日)ウクライナ軍は、南部オデッサ沖の黒海海域で7日、ロシア海軍の哨戒艇2隻と上陸艇1隻をトルコ製の高性能攻撃ドローン(無人機)バイラクタルTB2で撃破したと発表した。別の哨戒艇1隻にも損傷を与えたウクライナ国防省は7日、南部オデッサ沖の黒海にある島で、トルコ製攻撃型無人機バイラクタルTB2を使ってロシア黒海艦隊の揚陸艇を破壊したとツイッターで明らかにした。 破壊する瞬間の映像も公開した。ロシアが対ドイツ戦勝を祝う「5月9日のパレードが今年は黒海の海底で行われるだろう」と投稿した。
2022年05月09日
露フリゲート艦にミサイル命中か ウクライナメディア5/6(金) ウクライナメディアは6日、南部オデッサ沖の黒海海域で、露海軍のフリゲート艦にウクライナ軍の新型対艦巡航ミサイル「ネプチューン」が命中し、火災が発生したと伝えた。露黒海艦隊に所属する「アドミラル・マカロフ」の可能性があるという。ロシア各地で相次ぐ「不可解」な火災...今度はクルスクで大規模火災が撮影される5/6(金) 5月5日にソーシャルメディアで拡散した動画には、巨大な炎と黒い煙が建物を包み込む様子が映っている。ここ数週間、ロシアで頻発している原因不明の大規模火災の一つと見られる。ウクライナの報道機関TSNは、この火災はロシア非常事態省によって確認されたと伝えている。地元メディアは当初、住宅が燃えていると報じていたが、非常事態省はこれらの報道を誤りとしたうえで、非・住宅地が燃えていると発表した。クルスクからの情報によれば、この火災は現地時間午後1時15分に報告され、約20人の消防士と4台の消防車によって消火活動が行われた。その後、午後2時までに400平方メートルが燃えたとTSNは報じ、周囲の枯れ草にも燃え広がったと補足した。その規模は非常に大きく、クルスクのほぼ全域から見ることができたという。複数の報道によれば、クルスク市民は爆発音を聞いていないようだ。また、死傷者の有無はまだ明らかになっていない。最近、相次いで発生している火災の一部について、ロシアはウクライナの責任だと非難しているが、ウクライナ側は関与を否定している。3日深夜には、モスクワ州の都市ノギンスクで大規模火災が発生した。ベラルーシの報道機関ネクスタの第一報によれば、火災はロシア政府寄りの出版社「プロスウェスチニア(「啓蒙」)」の倉庫で発生したもので、倉庫には教科書などの印刷物が保管されていたという。ソーシャルメディアに投稿された動画には、建物を包む巨大な炎や、塔のように立ち上る煙、消火活動を行う消防隊が映し出されている。ロシアの独立系メディア「メディア・ゾナ」によれば、2月にロシアがウクライナに侵攻したとき、この出版社は即座に従業員に対し、ウクライナとその首都キーウに関する「不適切な」記述を教科書から削除するよう指示していた。メディア・ゾナの取材に対し、ある従業員は匿名を条件に、「私たちの仕事は、まるでウクライナが存在しないかのように見せかけることだ」と語っている。ここ数週間、ロシア最大の化学工場、貯蔵所、防衛研究所といった重要な施設で、原因不明の火災や爆発が起きている。こうした不可解な火災の原因について、現在のところロシアは詳細を明らかにしていない。ロシア、388万人が国外流出 反プーチン・生活苦…わずか3カ月で5/6(金)ロシア人の82%「ウクライナの出来事を懸念」 独立系世論調査5/2(月) ・「懸念している」と回答した人のうち、47%が「民間人やロシア軍兵士の死亡など」を挙げた
2022年05月07日
「戦勝記念日」前夜、プーチンは敗北を認めざるを得ないだろう― ウクライナ元参謀本部将校が分析5/3(火) ロシアの田舎では、ウクライナでの「特別軍事行動」は遠い出来事だと受け止められてきた。 しかし地方ではいま別の問題が起きている。シベリアのブリヤートには大きなスポーツ施設があるのだが、そこが葬儀所になっていて、供花が撤去される間もなく、兵士の棺桶が次から次に運ばれてきている。兵士の遺体がようやく家族の元に届けられるようになってきているのだ。 私の得た情報によれば、ポーランドとの国境付近の飛び地、カリーニングラードに、昨日(4月29日)11体の遺体と34人の傷病兵が着いた。負傷兵のほとんどが手足を失っている。 負傷兵たちも徐々に戦場での本当の出来事を語り始めるだろう。
2022年05月03日
ロシア軍“制服組トップ”負傷か…最前線を異例の訪問“兵士鼓舞”するはずが…5/3(火) ロシア、ゲラシモフ参謀総長イギリスのデイリー・メールは1日、非公式な情報筋の話として、ロシア軍が東部の拠点としているイジュームで、ゲラシモフ氏の右脚に砲弾の破片が刺さり負傷したと報じました。 デイリー・メール(1日):「手術で破片は取り除かれ、命に別状はない。しかし、ゲラシモフ参謀総長のけがは深刻で、空路、ロシアに帰国した」ゲラシモフ氏が一躍名を馳せたのは、2014年のクリミア併合でした。 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「この人は、戦略家・理論家として知られている。特に『ゲラシモフ・ドクトリン』を2013年に提唱して、2014年ウクライナ(クリミア併合)への対応に応用した」 現代ロシア軍の戦略家にして理論家。とりわけ「ゲラシモフ・ドクトリン」と呼ばれる基本原則は軍事力だけに頼らず、情報戦など非軍事的な戦術を組み合わせてこそ、成功を収めることができるというものです。 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「クリミアを併合した時も、単純に軍の力だけでなく、ウクライナについてのネガティブな情報を現地にバラまく。現地の人たちが不安感を抱いたところで、ロシアが出ていく」*2013年2月、ロシア軍の制服組トップであるヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長は、「予測における科学の価値」というタイトルの論文を発表した(『軍需産業クーリエ』2013年2月27日付掲載)。ゲラシモフ参謀総長が述べているのは、21世紀の戦争は国家が堂々と宣戦布告をしてから始めるようなものではなくなっているということだ。こうした近代的な戦争のモデルはもはや通用しなくなり、戦争は平時とも有事ともつかない状態で進むようになった。しかもそのための手段としては、軍事的手段だけでなく非軍事的手段の役割が増加しており、政治・経済・情報・人道上の措置によって敵国住民の「抗議ポテンシャル」を活性化することが行われる、と主張し、ゲラシモフは「戦争のルールが変わった」のだという。
2022年05月03日
5月9日にプーチン氏「戦争」宣言か 英国防相指摘、動員拡大の恐れ4/30(土) 英国のウォレス国防相は4月28日、ウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領が5月9日の「対独戦勝記念日」に、ロシア軍がウクライナと戦争状態にあると位置付け、軍や市民の大量動員を宣言する可能性に言及した。英ラジオ局LBCの番組で語った。プーチン氏は現在、ウクライナで「特別軍事作戦」を展開中としており、「戦争」とは表現していない。だが当初予定していたとされる首都キーウ(キエフ)の早期攻略もできず、ウクライナ東部や南部の戦闘も長期化していることから、一層の戦力投入に踏み切る事態も想定される。ウォレス氏は「(プーチン氏が)『私たちは今、ナチスと戦争しており、ロシアの人々を大量動員する必要がある』と宣言するかもしれない」と述べた。 プーチン氏は第二次大戦で旧ソ連がナチス・ドイツに勝利した9日の記念日を「ナチスから解放した日」としている。プーチン氏は今回の侵攻も「ウクライナのナチス主義者から人々を守る」ことなどを名目とした「特別軍事作戦」だとしている。 英国では侵攻長期化への懸念も出ており、ジョンソン首相は4月22日、訪問先のインドで、戦闘が「2023年末まで続く」可能性を示唆した。「露が大規模攻勢の兆候」ウクライナ国防省 国家総動員令の可能性も5/1(日) ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ国防省は4月30日、露軍が東部で大規模な攻勢を準備している兆候があると発表した。同省は、ロシアが5月9日の第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日に合わせ、国家総動員令を発動する可能性も排除できないとし、警戒感を示した。ウクライナ当局や露国防省によると、露軍は南部オデッサの空港をミサイルで攻撃。東部にも激しい空爆を継続した。ウクライナメディアによると、同国国防省の報道官は4月30日、東部ハリコフ州の露軍の占領地域の病院で空きベッドを増やす動きが確認されたほか、追加の野戦病院が建設された-と発表。ウクライナに隣接する露西部ロストフナドヌーの軍事病院にも遺体の保冷設備が搬入されたとし、大規模攻勢に向けた準備だとする観測を示した。同省は露軍の目標について、東部ドネツク、ルガンスク、南部ヘルソンの各州を完全制圧し、2014年に併合した南部クリミア半島と陸路で結ぼうとしている-と分析。ロシアが今月9日に国家総動員令を発動する可能性もあるとした。一方、ウクライナ軍参謀本部は4月30日、東部ハリコフ州の複数の集落を露軍から奪還したと発表。東部をめぐる激しい地上戦が続いているもようだ。ウクライナ機、ロシア領内攻撃か4/30(土)ロシア通信は30日、ウクライナやベラルーシと国境を接するロシア南西部ブリャンスク州へのウクライナ機侵入をロシア軍が阻止したと伝えた。 これに絡み、ブリャンスク州のボゴマス知事は、州内の石油施設やその周辺が攻撃を受けたと訴えた。 ただ、被害について知事は「犠牲者はいない」と述べた。石油施設の物流関係の建物が損傷したという。
2022年05月01日
ロシア軍死傷者、依然かなり高水準 兵士の士気低下=西側当局者4/30(土)西側当局者は29日、ウクライナに侵攻しているロシア軍の死傷者数について、軍事作戦の規模縮小後は減少しているものの、なおかなりの高水準にあり、兵士の士気低下につながっているとの見方を示した。ロシアはウクライナ北部の首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗した後、東部ドンバス地域に戦力を集中。西側当局者は「作戦の性質上、地理的な広がりが狭くなったため、(ロシア軍の死傷者の)全般的な数は減少している」としながらも、「ウクライナ軍との交戦がある地域では、なおかなり多くの死傷者が出ている」と述べた。ウクライナ軍については、東部ドンバス地域で死傷者が出ているとしながらも、「ロシア軍ほどの規模ではない」と述べた。・英国のウォレス国防相は25日の下院で「約1万5000人のロシア兵が死亡していると見積もっている」との分析を披露。10年間で1万4000人超の旧ソ連兵が亡くなったアフガニスタン侵攻をわずか2カ月で上回っている。Around 15,000 Russian troops have been killed as Vladimir Putin's invasion of Ukraine enters its ninth week, Defence Secretary Ben Wallace has told MPs.Giving an update on the conflict, Mr Wallace said the death toll suffered by Vladimir Putin's forces came in addition to the loss of thousands of pieces of military equipment by Russia.ウラジーミル・プーチンによるウクライナ侵攻が9週目に入り、約15,000人のロシア軍が死亡したと、ベン・ウォレス国防長官が国会議員に語った。ウォレス氏は紛争の最新情報を提供し、ウラジーミル・プーチン軍が被った死者数は、ロシアによる数千の軍備の損失に加えられたものであると述べた。He told the House of Commons that latest estimates suggest more than 2,000 Russian armoured vehicles have been destroyed or captured - including at least 530 tanks, 530 armoured personnel carriers and 560 infantry fighting vehicles.Mr Putin had also seen the loss of more than 60 helicopters and fighter jets, as well as the sinking of its Black Sea fleet flagship, the Moskva, Mr Wallace said.It was noted that Russia's death toll in Ukraine was now more than double the number of US casualties during the conflicts in both Afghanistan (4,431 troops killed) and Iraq (2,401 troops killed), waged as part America's 'war on terror' since the 2001 attacks on New York. The Defence Secretary told MPs that Russia had seen more than a quarter of the 120 battalion tactical groups (BTGs) it initially committed to the Ukraine invasion now rendered 'not combat effective'.He said the beginning of Mr Putin's invasion had seen the Russian President commit approximately 65% of his entire ground combat strength.Defence experts say most Russian BTGs have between 700 to 800 personnel, but a few have around 900 troops.Mr Wallace described the performance of Russian forces as 'woeful'.'I don't celebrate the loss of anyone's life and when I see the huge casualty rates of Russian soldiers, as a former soldier I think it is a disgrace, a betrayal of those young ウォレス氏は下院で、最新の推定では、少なくとも戦車530両、装甲兵員輸送車530両、歩兵戦闘車560両を含む2000両以上のロシア製装甲車が破壊または捕獲されたと述べた。また、プーチン大統領は60機以上のヘリコプターと戦闘機を失い、黒海艦隊の旗艦であるモスコーバも沈没させたと述べた。ウクライナでのロシアの死者数は、2001年のニューヨーク同時多発テロ以降、アメリカの「テロとの戦い」の一環として行われたアフガニスタン(4,431人)とイラク(2,401人)の戦死者の倍以上になっていると指摘された。国防長官は国会議員に対し、ロシアがウクライナ侵攻に当初投入した120の大隊戦術群(BTG)の4分の1以上が「戦闘不能」になっていると述べた。プーチン大統領の侵攻が始まったとき、ロシア大統領は全陸上戦闘力の約65%を投入していたという。防衛専門家によれば、ロシアのBTGの多くは700人から800人の兵員を擁しているが、900人前後の兵員を擁しているところもある。ウォレス氏は、ロシア軍のパフォーマンスを「悲惨だ」と表現した。私は誰かの命が失われることを喜んではいない。ロシア兵の膨大な死傷率を見ると、元兵士として、それは恥であり、若い男たちへの裏切りだと思う」と述べた。www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
2022年04月30日
プーチン体制、ついに「終了」か…とうとう米国が「ロシア打倒」に本気を出した!4/29(金)オースチン長官〈我々は、ロシアがウクライナ侵攻でやったようなことを(再び)できないようにするまで、弱体化させたい(We want to see Russia weakened)。我々は、彼らが自分の力を極めて迅速に再生産できるような能力を持っていてもらいたくはない〉ジェン・サキ報道官----------〈プーチン大統領は2カ月前、演説でウクライナを飲み込み、彼らの主権と領土を奪取したい、という野望を語っていた。彼らはそれに失敗したが、いまや、その先に行こうとしている。国防長官が言ったのは、そんな事態が起きないようにするのが我々の目的、ということだ。たしかに、戦争はウクライナで起きている。だが、我々はロシアが力を尽くし、プーチン大統領がいま以上に目標を拡大するのを阻止しようとしている〉"We want to see Russia weakened to the degree that it can't do the kinds of things that it has done in invading Ukraine," Austin said at the news conference. "So it has already lost a lot of military capability. And a lot of its troops, quite frankly. And we want to see them not have the capability to very quickly reproduce that capability."オースティンは記者会見で、「我々は、ロシアがウクライナに侵攻したようなことができない程度に弱体化することを望んでいる」と述べた。「つまり、ロシアはすでに多くの軍事力を失っているのだ。率直に言って、多くの軍隊を失った。そして、我々は、彼らが非常に迅速にその能力を再現する能力を持っていないことを見たいと思っています。」"Russia has sought as its principal aim to totally subjugate Ukraine, to take away its sovereignty, to take away its independence -- that has failed. It has sought to assert the power of its military and its economy. We, of course, are seeing just the opposite, a military that is dramatically underperforming and an economy ... as a result of sanctions that is in shambles," Blinken said."We don't know how the rest of this war will unfold, but we do know that a sovereign independent Ukraine will be around a lot longer than Vladimir Putin is on the scene," he said.「ロシアはウクライナを完全に服従させ、その主権を奪い、独立を奪うことを主要な目的としてきたが、それは失敗した。ロシアは、自国の軍事力と経済力を誇示しようとしたのだ。もちろん、われわれが見ているのはその逆で、軍備は劇的に劣勢で、経済は...制裁の結果、ボロボロになっている」とブリンケン氏は述べた。「この戦争の続きがどう展開するかはわからないが、独立した主権国家ウクライナはプーチンが登場するよりもずっと長く存在することは確かだ」と述べた。Blinken last week said in a statement that the US' "continued efforts to ratchet up pressure on Putin's crumbling economy together will help weaken the Russian Government's position and further isolate them from the world until Russia ends its unprovoked and unjustified war on Ukraine."ブリンケンは先週、声明で、米国の "崩れゆくプーチンへの圧力を共に強める努力を続けることは、ロシア政府の立場を弱め、ロシアがウクライナに対するいわれのない不当な戦争を終えるまで、世界からさらに孤立させることにつながる "と述べた。"that's why we're doing everything we can to help Ukraine defend its sovereignty and territorial integrity, and to strengthen the Ukrainians' hands on the battlefield and at the negotiating table."A senior State Department official told the traveling press Monday that such negotiations are "evolving," noting that "Russia's hand has been weakened as a result of these first two months, Ukraine's hand has been strengthened, that effects the positions that there would be in any negotiation," but "part of the problem is as best we can tell there is no effective negotiation going on right now."「ウクライナの主権と領土の保全を支援し、戦場と交渉の場でウクライナ人の手を強化するために、できる限りのことをしているのはそのためだ」と述べた。国務省の高官は月曜日に、このような交渉は「進化している」と巡回プレスに語り、「この最初の2ヶ月の結果、ロシアの手は弱まり、ウクライナの手は強化され、それはどんな交渉でもあるような立場に影響を与える」と指摘したが、「問題の一つは、我々が言える限り、今現在、有効な交渉が行われていない」ことである。★プーチンとロシアはこれまで勝てる戦いしかしてこなかった。 そしてソビエト崩壊後、徐々に慎重に自分たちの支配する領域を拡大してきた。 プーチンは安部首相に、「戦争以外で国境線を変更できたことがあったか?」と日本の平和条約交渉による国境線変更要求をあざ笑った。 プーチンはウクライナ相手でも同様に国境線をクルミアのとき同様に拡張できると確信し、現在もその目的に向かっている。 しかし、アメリカはそうした実力による徐々なる国境線変更は認めないことを決断したようである。「我々は、ロシアがウクライナに侵攻したようなことができない程度に弱体化することを望んでいる」「我々は、彼らが自分の力を極めて迅速に再生産できるような能力を持っていてもらいたくはない」
2022年04月29日
ドイツ、ウクライナへ初の大型兵器供与へ…自走式対空砲ゲパルト4/27(水)ウクライナへの軍事支援を協議する国際会合が26日、ドイツ南西部のラムシュタイン米空軍基地で開かれた。ドイツのクリスティーネ・ランブレヒト国防相は会合にあわせた声明で、自走式対空砲ゲパルトを、国内メーカーを通じてウクライナに供与する意向を表明した。兵器供与に消極的な姿勢が批判されていたドイツが、大型兵器を供与するのは初めて。ソ連製重火器をウクライナに提供した東欧諸国に武器を補充する考えも示した。 会合は米国のオースティン国防長官が主催し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国やフィンランドなど40か国以上の国防相らが参加した。岸防衛相もオンラインで参加した。各国の武器の在庫状況などを確認し、各国は重火器を含めた武器の供与の調整を進める。 旧ソ連構成国のウクライナは主にソ連製の武器や弾薬を使用する。かつてソ連と同盟関係にあった東欧諸国が保有するソ連製兵器の供与も協議される見通しだ。 オースティン氏は会合の冒頭で「この部屋の誰もがウクライナの勝利を信じている。ウクライナの軍備を強化し、最前線を直接支援することで自由のための戦いに貢献したい」と述べた。
2022年04月27日
戦争で結ばれる絆、シリアで広がるウクライナ支援4/19(火) 救助ボランティア団体「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」(正式名称:シリア民間防衛隊、Syria Civil Defence)の代表、ラエド・サレハ(Raed al-Saleh)氏「私たちがシリアで経験してきたことを考えると、ウクライナの人々の痛みを最も理解できるのは私たちかもしれない」「シリア人がウクライナの大義を熱心に支持しているのは、シリアの悲劇に対する国際社会の関心を呼び戻すのに役立つからだ」ホワイト・ヘルメットのサレハ氏「プーチンがウクライナでの犯罪の責任を問われるなら、シリアでの犯罪についても責任を問われることになる。だが、プーチンが責任を免れれば、再び罪を犯すのは単なる時間の問題でしかない」国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」アニェス・カラマール(Agnes Callamard)事務総長ウクライナでは「われわれがシリアで目撃したことが繰り返されている」「ロシアは、住宅・社会・経済インフラへの爆撃の効果を確かめるための実験場としてシリアを利用した」「住めなくなってしまう」ウクライナ軍、マリウポリでロシア軍の車列を急襲 動画公開4/19(火) 動画には、マリウポリ市内の道路を南下する6台の車列が映っている。車列はカフェの前で歩道にそれて止まった。カメラがズームインすると、ウクライナ軍の兵士らが車列に忍び寄る様子が見え、次の場面では兵士らが車列に向かって発砲している。動画はさらに、6台の車のうち少なくとも3台が炎上する場面に切り替わる。少なくとも2台の車には、ロシア軍の侵攻を象徴する「Z」の文字が書かれている。続いてウクライナ軍の兵士らがれんがの壁越しに、1台の車と壁の間に隠れたロシア兵らの方向へ手投げ弾を放り投げている。動画には手投げ弾がロシア兵らを直撃する場面も含まれるため、CNNは全編の放送を控えている。米の追加軍事支援、第一弾が到着 「異例の速さ」でウクライナ国境に4/19(火)「昨日、米国から輸送機4機が現地に到着した」と説明。5機目も間もなく到着する予定だと語った。 米政府が13日に発表した8億ドル(約1000億円)相当の追加支援には、155ミリりゅう弾砲18門、砲弾4万発、装甲兵員輸送車「M113」200台、ヘリコプター「Mi17」11機、多目的装甲車100台が含まれている。 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官によると、第一弾は、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が許可してから48時間後という「異例の速さ」での到着となった。 カービー氏は、ロシアの侵攻を受けて北大西洋条約機構(NATO)域内の東部に配備されている米部隊が、最新鋭のりゅう弾砲の運用について、ウクライナ兵に対する訓練を「今後数日以内に」開始すると述べた。最新兵器の多くは半導体を使用しており、その主な製造拠点は台湾と韓国だ。いずれも米国の制裁に追随し、ロシアへの製品輸出を停止している。ある米政府関係者は、ロシア側には、精密誘導弾などを中心に部品補充に支障が出ていると指摘した。米政府の対ウクライナ軍事支援に変化、榴弾砲と砲弾がカギと専門家4/14(木) 米退役軍人でマディソン・ポリシー・フォーラムの軍事アナリスト、ジョン・スペンサー氏は13日、ロイターの取材に応じた。同日バイデン米政権が発表した、日本円で約1000億円規模のウクライナへの追加軍事支援についてスペンサー氏は、バイデン政権の政策に変化がみられると語った。 米国防総省によると、新たな支援パッケージには、昨年に米国が支援するアフガニスタン政権が崩壊する前に同国向けに用意されていたMi─17ヘリコプター11機や155ミリ榴弾砲18基、さらに対砲兵レーダー、装甲兵員輸送車200台が含まれている。 米政府が、ウクライナへ榴弾砲を提供するのは今回が初めて。これについてスペンサー氏は、ウクライナ軍が「東部での損失を防ぐ能力が必要だと(米政府が)認識している」表れだと述べた。
2022年04月19日
外信コラム 「愛される中国」イメージに打撃 中国の過激言論を勝手に「大翻訳運動」4/16(土) ・海外のSNSを舞台に、中国国内で発信されている過激な言論を英語などに翻訳して広める動きがある。「大翻訳運動」などと称され、在外華人による勝手連的な活動とみられている。翻訳対象は中国のSNSでの投稿のほか、中国メディアの報道にも及び、ウクライナ問題に限らず対米批判の文章なども取り上げている。これに反発するのは中国の官製メディアだ。共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「『大翻訳運動』は敵対勢力が発動した対中認知戦だ」とし、情報工作であるとの見方を紹介した。折しも昨年には習近平国家主席が「愛される中国」のイメージを作るよう指示したが、その妨げになる可能性が出ている。大翻訳運動2022/4/13 ・
2022年04月16日
ウクライナ軍東部で橋を爆破 ロシア軍輸送車列をストップ4/15(金)キーウ、ウクライナ、4月15日(AP)― ウクライナ国防省は4月14日、東部ハルキウ(ロシア語表記ハリコフ)州で、ウクライナ軍が橋を爆破して、ロシア軍輸送車両をストップさせたとする画像を公表した。 ロシア軍の車両は、ドンバス地方の玄関口ともいわれるイジュームの前線に向かう途中にウクライナ軍が発見。橋の下に爆薬を仕掛けて爆破したという。 画像の撮影日などは明らかにされておらず、AP通信にはウクライナ側の主張の裏付けが取れていない。
2022年04月16日
ロシア巡洋艦「モスクワ」沈没、ウクライナのミサイル命中 米当局4/16(土) ロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」の沈没をめぐり、米国防総省高官は15日、ウクライナ軍が発射した2発の対艦ミサイル「ネプチューン」が命中したことを確認したと明らかにした。沈没の原因について、ウクライナ側はミサイル攻撃をしたと主張しており、米当局もこれを追認する格好となった。一方、ロシア国防省は火災が発生して弾薬が爆発し、深刻な損傷が発生し、悪天候で沈没したと発表。火災の発生場所や原因などは公表していなかった。 報道によると、ロシア軍には犠牲者も出たと米当局はみているが、その人数は不明だという。「海軍の象徴」だったモスクワ、沈没に衝撃 火消しに躍起のロシア側ロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没した。ロシア国防省が14日、発表した。沈没の原因は不明だが、首都名を冠した「ロシア海軍の象徴」ともいえる存在で、ウクライナ侵攻中の艦隊にとっては、攻撃と防空の両面で大きな打撃となる。沈没したロシア旗艦への報復か、対艦ミサイル「ネプチューン」製造工場にミサイル攻撃2022/04/16ウクライナ侵攻を続けるロシア軍は15日、首都キーウ(キエフ)近郊にあるウクライナ軍のミサイル工場などをミサイルで攻撃した。露国防省はウクライナ軍の反攻が続いているとして、キーウ攻撃を拡大すると警告しており、ウクライナ側は警戒を強めている。ウクライナ国営通信によると、地元のウクライナ軍高官は15日、キーウ州で、露軍による3発のミサイル攻撃を確認したと明らかにした。高官は「キーウ方面への攻撃が再び起きる」とし、キーウ一帯で民間施設がミサイル攻撃を受ける可能性もあると指摘した。AFP通信によると、被害が出た施設の一つは、ウクライナ側が、沈没したに命中させたと発表していた対艦ミサイル「ネプチューン」の製造工場だったといい、巡洋艦攻撃の報復だったとの見方が強まっている。 米国防総省高官は15日、沈没艦に「ネプチューン」(*)2発が命中したことを確認したと明らかにした。 一方、露国防省は15日、「キエフ(キーウ)へのミサイル攻撃は、ウクライナ側のあらゆる攻撃や露国内での破壊行為への報復として強化される」と説明した。 露軍は南東部マリウポリの完全制圧に向けた攻撃も強めている。ウクライナのウニアン通信によると、ウクライナ軍は15日、露軍が侵攻後、初めて超音速爆撃機「Tu22M3」を投入したと発表。マリウポリで使用されたとみられる。 また、ウクライナ国営通信によると、東部ハルキウ(ハリコフ)では15日、露軍によるミサイル攻撃があり、幼児を含む少なくとも10人が死亡、35人が負傷した。 ロシアのウクライナ侵攻に伴い、国外に逃れた人は15日、国連機関の集計で500万人を超えた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によるとウクライナを脱出した避難民は約480万人。AFP通信によると、国際移住機関(IOM)の集計でこれとは別に約21万5000人の外国人が周辺国に逃れたという。*R-360 ネプトゥーン(ウクライナ語: Р-360 «Нептун»)は、ネプチューン(Neptune)の英語名でも知られる、 国家キーウ設計局ルーチによって開発されたウクライナの対艦巡航ミサイル。実質的にはソビエト連邦製のKh-35対艦ミサイルを基に射程と電子機器を改善したものである。排水量5,000トンまでの水上艦艇や輸送艦を撃破できるよう設計されている。2021年3月にR-360を採用したミサイルシステムRK-360MC ネプトゥーンの最初のユニットがウクライナ海軍に配備された。
2022年04月16日
駐日ジョージア大使「ロシアはまるで信用できない」 誘拐、薬物取引…支配地の惨状を語る4/16(土)駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏ジョージアは人口400万人ほどの国で、ワイン発祥の地である他、シュクメルリなどの料理でも知られています。黒海とカスピ海の間に位置していて、コーカサス山脈を挟んだ向こう側がロシアになります。 地理的な関係から、我々は常にその脅威にさらされてきました。1922年にソ連の支配下に置かれ、91年に独立したものの、ロシアとは緊迫した状態がずっと続いています。 今から14年前には、ロシア軍が実際に国境を越えて、侵略してきたこともありました。私は当時、首都のトビリシにいたのですが、あれは人生観を変える大きな経験でした。自宅から数十キロのところまで軍が迫ったのです。まさに恐怖を感じる体験でした。 あの時、ロシアは(ジョージアの一部)南オセチアにいる現地のロシア系住民を保護すると一方的に主張し、戦争を始めました。今回も、ウクライナ東部のロシア系住民を保護する名目で侵攻を開始しており、手法は酷似しています。 ただ違いは、私たちがロシアと5日間で停戦合意した点です。もっともその結果、我々が平和を取り戻せたわけではない。ロシアが合意後も約束を破って、軍を撤退させず、南オセチア及びアブハジアの両地域を実効支配したからです。あの国がまるで信用できない相手だというのが、お分かりになるはずです。 しかも現在もなお、ロシアは境界をじわじわと広げ、我が国に権益を拡大しつつあります。また先日、南オセチアでロシア編入を問う住民投票を行うと表明されましたが、これには法的根拠などない。単に、力による支配を正当化するためであるのは明白です。 ロシアの支配地では、民族浄化をはじめ、人道に反するさまざまな犯罪行為が行われています。法律もきちんと機能していないので、誘拐、薬物取引などの犯罪が頻発しているのが実情です。 ウクライナ人はそうした実例を見ていますから、ロシアの占領地がどうなるのかよく理解している。彼らが徹底抗戦を続けるのは、降伏してもかえって酷い状態に陥ってしまうと分かっているからです。もちろん、命を懸けた抵抗は彼らにとっても苦渋の選択でしょう。それでも、自由と独立を守るために戦うという気持ちを強く持ち続けている。これは並大抵のことではありません。 それなのに、日本の番組出演者の中には“市民の犠牲が増えるから徹底抗戦しなくてもいい”などと言う方々がいますよね。私は彼らの発言を理解できません。ロシアと利害関係があるとしか思えないのです。 ウクライナ軍の健闘もあって、戦線は東部に限定されつつあるようですが、プーチン大統領が一度始めた戦争を簡単に諦めるわけがない。確かに大統領は過去の侵攻で味を占め、開戦を決断した節があり、これほど苦戦するとは思ってもみなかったでしょう。 自軍の被害も顧みない彼は、日本語で言う“ヤケクソ”の状態なのかもしれません。しかし、だからといって、その頭の中に“敗戦”という選択肢はないはず。我々はこれからも一喜一憂せず、断固とした方針の下、ロシアと対峙していく必要があるのです。「週刊新潮」2022年4月14日号 掲載エストニア首相「ロシアによる残虐行為は、ソ連が私たちに犯した過去の罪そっくりだ」4/16(土)エストニアの首相カヤ・カラス私がこの原稿を書いているのは、ウクライナの首都キーウ近郊にあるイルピンやブチャの惨状を見て、世界が目を覚ました頃だ。ロシア軍によって殺害された市民や集団墓地の写真を私たちは目にする。これらの写真は、ソビエト政権とその秘密警察であった内務人民委員部(NKVD)による殺戮をエストニアの人々に思い起こさせる。その国家によるテロリズムマシンは、まったく同じように市民を殺害したのだ。ロシアに送還する前に尋問をする浄化キャンプや強制送還について耳にすると、私やすべてのエストニアの家族は、ソ連占領下の抑圧や収容所での辛い思い出に引き戻される。民間人を狙うのはロシアの戦術だ。その証拠に、ウクライナでは兵士よりも市民のほうが多く殺傷されている。特に市民の人口の4分の1が自宅からの避難を余儀なくされていること、ロシアがマリウポリのような都市で人道的な大惨事を引き起こしたのが偶然ではないことからもそう言える。国際法によれば、民間人を標的にするのは戦争犯罪だ。ウクライナは戦場ではなく、犯罪現場なのだ。ルワンダやスレブレニツァ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)と同様だ。これらの残虐行為の加害者は、その罪を問われなくてはならない。先月、国際刑事裁判所の主任検事が、戦争犯罪と人道に対する罪に関する捜査を開始したが、自由世界はこれを政治的にも実際的にも全面的に支援するべきだ。これらの犯罪に時効はないが、捜査も期限を設けずに継続すべきだ。私たちはロシア軍が行った残虐行為についてほんの一部しか知らず、その全容はまだ明らかになっていないのだ。ウクライナで何千人もの人々が命を落としているのを見ると、一人の母親として私の心は痛む。クレムリンは自国の若者を戦地に送って死に追いやり、罪のない人々を虐殺し、彼らの家を大量に砲撃している。これらは何のためだろうか。ウラジーミル・プーチンの帝国主義的野心のためである。ソ連は崩壊したが、その帝国主義的イデオロギーはまったく失われていなかったことがはっきりした。プーチンの戦略的目標が変わっていないため、ウクライナの苦しみと惨状はまだまだ終わらない。銃を突きつけた上での交渉はさらなる戦争を回避するための解決にはならないし、犠牲を払って平和をもたらしても残虐行為がなくなるわけではない。私は、これを自国の経験から述べている。第二次世界大戦後、エストニアや他の多くの国々にとって、平和は、多大な人的犠牲を伴うソ連による占領の始まりを意味した。大量殺戮、抑圧、大量の強制追放、その他の人道に対する罪が行われ、新たな苦しみがもたらされたのだ。エストニアの経験から言えるのは、ウクライナを占領軍から解放してその領土を回復し、ロシアの侵略を阻止するよう、私たちは今集中的に支援しなくてはいけないということだ。ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が勇敢な戦いを率い、彼が極めて困難な選択をしていることに対し、私は賞賛しかない。
2022年04月16日
旗艦「モスクワ」失ったロシア、黒海艦隊の防空網に打撃…首都へのミサイル攻撃で報復か2022/04/15ロシア国防省は14日、タス通信などを通じ、黒海艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」(1万2500トン)が沈没したと発表した。同艦はウクライナへのミサイル攻撃を行う艦隊などに防空網を提供しており、東部総攻撃を控える露軍の侵攻作戦への影響は必至だ。露国防省は15日、首都キーウ(キエフ)へのミサイル攻撃を強化し始めた。露国防省は、沈没の経緯について「目的地の港に引航中、海が荒れて船体がバランスを失った」と説明。乗組員約500人は付近の艦艇へ退避したとしている。ウクライナ当局は13日に対艦ミサイル「ネプチューン」2発を命中させたと発表していたが、露側は攻撃を受けたことを認めていない。米国防総省のジョン・カービー報道官は14日、米CNNの番組で、「モスクワ」は「黒海で優勢を保つ上で重要な役割を担っており、露海軍の能力にも影響を与える」との分析を示した。同省の高官は14日、同艦が爆発・炎上した後、黒海北部で活動していた露艦艇がウクライナ沿岸から遠ざかった状況を紹介した。 ウクライナの大統領府顧問は14日、「モスクワ」は防空ミサイル「S300」を装備し、黒海艦隊や南部ヘルソン州を占拠している露軍部隊に防空網を提供してきたとし、「損失は良い兆候だ」と語った。 一方、露国防省は15日、キーウ近郊にある対艦、対空ミサイルの工場に巡航ミサイルを命中させたと発表。ウクライナ国境に接するロシア領内へのウクライナによる「攻撃や破壊工作」が増えているためだと強調した。「モスクワ」沈没に対する報復の可能性がある。ウクライナ軍参謀本部は14日、北部チェルニヒウから一時撤退していた露軍部隊が東部ルハンスク州の激戦地セベロドネツクに再配置されたとの分析を明らかにした。露軍が東部への総攻撃開始に向けた準備を進めているとの見方の一方、東部ドネツク州の知事は、露軍の戦力集中の遅れから「総攻撃はまだ始まっていない」との認識を示した。 露国防省は15日、南東部マリウポリでウクライナ軍が拠点とする製鉄工場を「解放した」と発表し、制圧への進展を強調した。ウクライナ側は認めていない。ロシア旗艦沈没、米報道官「黒海艦隊に大打撃」…露が再攻撃警告のキーウでは空襲警報2022/04/15米国防総省のジョン・カービー報道官は14日、「黒海艦隊には大きな打撃となる」と述べ、今後の作戦への影響を示唆した。カービー氏は14日、米CNNの番組で、「モスクワ」が「作戦の要を担っており、露海軍の能力にも影響を与える」と分析した。乗組員の一部は沈没前に脱出したが、「爆発で死傷者が出た可能性が高い」とも語った。沈没の原因は断定しなかったが、ウクライナ軍のミサイル攻撃の影響である可能性も指摘した。米国防総省高官は14日、「モスクワ」が爆発、炎上した後、周辺や黒海北部で活動していた他の露艦艇が南下し、ウクライナ沿岸から遠ざかったと説明した。黒海での防空機能を担っていた「モスクワ」が損傷したため、ウクライナ軍の対艦ミサイルの射程から逃れようとしたとみられる。一方、タス通信などによると、ウクライナ国境に接するロシア西部ブリャンスク、ベルゴロド両州の知事は14日、国境付近の複数の村で「ウクライナ軍が砲撃し、負傷者が出た」などと主張した。ブリャンスク州では、知事が被害は約100戸とし、露保健省は負傷者は8人としている。ウクライナ大統領直轄の国家安全保障国防会議は、ロシア側が自国内で行った「テロ」だと主張して攻撃を否定した。 英BBCによると、首都キーウ(キエフ)などウクライナ各地で14日夜、空襲警報が発令され、キーウで爆発が起きたとの情報もある。露国防省はキーウなどへの再攻撃を警告しており、ウクライナ政府は警戒を強めている。
2022年04月16日
「ウクライナ政権は邪悪」プーチンが心酔するロシア正教会“75歳怪僧”の正体〈元KGB工作員との噂も…〉2022/04/08ロシア正教会の最高指導者でモスクワ総主教のキリル1世(75)は、プーチン大統領の盟友として知られ、ウクライナ侵攻についても積極的な発言を繰り返してきた。〈キリル1世は今回の侵攻前から「ロシア軍はロシアの人々のために平和を守っている」などと発言。侵攻後も、プーチン政権を批判したり停戦を求めたりすることはなかった。 そればかりか、キリル1世は3月9日、モスクワの大聖堂でウクライナ侵攻を支持するかのような、こんな説教をしてみせた。「ロシアとウクライナは同じ信仰と聖人、希望と祈りを分かち合う一つの民族だ」「(外国勢力が)私たちの関係を引き裂こうとしている」「悲劇的な紛争は、第一にロシアを弱体化させるための(外国の)地政学上の戦略になっている」〉〈キリル1世はロシア第二の都市サンクトペテルブルク出身。ソ連時代にはKGBの工作員だったとの噂も絶えない。プーチンは自らの出身地であるサンクトペテルブルク出身者やKGB時代の同僚らを引き上げており、キリル1世が2009年にロシア正教会トップの地位を射止めた理由はそこにあるとの見方もある。〉〈キリル1世が総主教になる前に面識があった欧州のある外交官は同氏について、「現実主義者で柔軟、聖職者というよりは出世欲の強い官僚のようだった」と評する。キリル1世は、およそキリスト教の教えにふさわしくない言動を繰り返す。他の聖職者たちに闘争を呼び掛けたり、戦争で使われる武器を「祝福」している。〈キリル1世はプーチンの統治を「神による奇跡」と評し、聖職者でありながら、ロシア安全保障会議にもたびたび出席する。(中略)キリル1世は親欧米に転じたウクライナの政権を「邪悪」と呼び、聖職者に事実上の闘争を呼びかけた。 ロシア正教会は軍と関係を深めており、2020年にはモスクワ郊外に祖国の防衛者を讃えるロシア軍主聖堂を創設した。聖職者が聖水を振りまきながら、核を含む兵器類や兵士を祝福する伝統もある。〉〈プーチンはかつて「宗教と核の盾がロシアを強国にし、国内外での安全を保障する要だ」と語ったことがある。自由・民主主義を柱とする欧米の価値観に対して、専制体制を敷くプーチンは、ロシアの精神的な支柱としてロシア正教会を後押しし、政権の求心力にしてきた。自ら頻繁に教会に姿を見せ、復活祭は政権幹部が揃ってモスクワの教会で祝う。〉、ウクライナ国内にあるロシア正教会では、避難民たちへの援助を断るところも多くある。古川氏は、東部地区から逃れてきた避難民が体験した、こんなエピソードを紹介する。〈(避難民が)歴史的な大修道院に支援を求めに行った。ところが、「避難民を収容する場所はない」と冷たくあしらわれた。 その大修道院の司祭は、今回のロシアの侵攻について、こう言い放ったという。「この地(ウクライナ)の人々は罪深い。これ(戦争)はその罪に対する報いだ」 たまらず「子供や女性を殺害しているプーチンこそ悪魔ではないのか」と反論すると、「プーチンの過ちではない、神がお決めになったのだ」との答えが返ってきた。*ラスプーチンを想起する。ロシアの風土がこうした特異な人物を生み出すのかもしれない。ラスプーチンロシアの宗教家。帝政末期に宮廷に出入りし,皇太子の血友病を祈祷で治療したと称して皇后アレクサンドラの信頼を得た。第1次大戦中には皇帝ニコライ2世をも動かして国政を左右,事態を憂慮する大貴族と右翼政治家によって暗殺された。その私生活が放縦をきわめたため種々の風説を生み,怪僧と呼ばれた。
2022年04月10日
地対空ミサイル「S300」、スロバキアがウクライナに供与…旧ソ連時代に開発2022/04/09スロバキアのヘゲル首相は8日、旧ソ連時代に開発された地対空ミサイル「S300」(*)をウクライナに提供したと発表した。ウクライナの強い要望に応じたもので、ロシアの侵攻後、他国からウクライナへのS300の提供が明らかになるのは初めて。米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)によると、S300は航空機のほか、一部の巡航ミサイルや弾道ミサイルを迎撃できる。ロシアの攻撃に対するウクライナの防衛能力が高まることになる。 スロバキア国防省は8日、供与したS300の代替システムとして、NATO加盟国の支援を受け迎撃ミサイル「パトリオット」を国内に配備すると発表した。*S-300は、ロシア連邦軍の長距離地対空ミサイルシステム。ソビエト連邦時代に開発され、同時多目標交戦能力を持つ。
2022年04月09日
国連人権理事会、ロシアの資格停止を決議…中国や北朝鮮が反対4/8(金) 国連総会は4月7日午前(日本時間同日深夜)から緊急特別会合を開き、国連人権理事会(47か国)におけるロシアの理事国資格を停止する決議を賛成多数で採択した。ロシアはウクライナ侵攻後初めて、国連機関の資格を奪われることになった。 投票の結果は賛成93、反対24、棄権58。中国は、ウクライナ情勢を巡り露軍の即時撤退や人道状況の改善を求める過去2回の総会決議でいずれも棄権したが、今回は反対に回った。米国との対立が目立つ北朝鮮、イラン、シリアも反対した。 採決に先立ち、ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は首都キーウ(キエフ)近郊での民間人殺害に触れ、「ロシアの資格停止は選択ではなく義務だ」と述べ、賛同を求めた。 ロシアはゲンナジー・クズミン国連次席大使が、民間人殺害などを念頭に「フェイク(偽情報)だ」と主張し、反対を呼びかけた。 決議案は米国が主導して作成した。ロシアによるウクライナでの人権侵害や国際人道法違反に重大な懸念を表明し、理事国の資格を停止する内容だ。ロシアは人権理事会への参加や投票、決議案の提出などができなくなる。ロシアは昨年1月から3年間の任期で理事国を務めていた。・ロシアは、決議案への賛成や棄権を「非友好的な振る舞い」とみなすと警告する文書を複数の加盟国代表部に送り、圧力をかけていた。
2022年04月08日
ロシア兵多数が被ばくか 一時制圧のチェルノブイリ原発4/6(水) ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は5日、ロシア軍が一時制圧したチェルノブイリ原発近くでロシア兵が被ばくし、75人前後がベラルーシの病院で治療を受けているなどと述べた。事実だとすれば、重大な被ばくが起きたことになる。共同通信のオンライン取材に応じた。ハルシチェンコ氏によると、原発周辺には1986年の事故の放射性廃棄物で強く汚染された場所があるが、ロシア兵はウクライナ軍に対する防衛ラインを築くために地面を掘り返したという。 同氏は、汚染された場所を「掘るように指示を出すとは考えられないことだ」と述べ、ロシア軍の命令系統を批判した。「死の森」で防護服も着ず…原発で被曝のロシア兵「戦慄の実態」4/4(月) 2月24日の制圧以降、ロシア軍は1ヵ月以上にわたり同原発を占拠。200人以上の作業員を拘束していた。「作業員たちは、過酷な労働を強いられていました。通常なら12時間の交代制ですが、帰宅を禁じられ休みなく連続勤務していた。テーブルや床の上で寝起きし、食事は1日1回パンのみだったそうです。疲弊状態は極限に達していたと思われます。銃を持ったロシア兵が周囲にいる極度の緊張状態から、使用済み核燃料冷却システムの誤作動など、作業員が重大な操作ミスを起こさないか懸念されていました」(全国紙国際部記者)作業員を拘束していたロシア軍が、チェルノブイリ原発から撤退したとわかったのは3月31日だ。ウクライナの原子力企業「エネルゴアトム」が、原発敷地内に「部外者はいない」と発表したのだ。〈ロシアの部隊が、かなりの線量の放射能を浴びたという報告がある〉「多くのロシア兵が、原発から10km圏内にある森林で塹壕を掘らされていたようです。86年4月に起きたチェルノブイリ原発事故で、この地域には広島に落とされた原子爆弾の20倍の放射性物質が降り注いだとか。木々は赤褐に変色し枯れ死んだため、『赤い森』『死の森』と呼ばれています。人間は立ち入ることを禁じられ、汚染レベルは最大で毎時1000ミリシーベルト。吐き気などの症状を引き起こし、最悪の場合ガンなど死にいたる病気を誘発するレベルです」「多くのロシア兵が、原発から10km圏内にある森林で塹壕を掘らされていたようです。86年4月に起きたチェルノブイリ原発事故で、この地域には広島に落とされた原子爆弾の20倍の放射性物質が降り注いだとか。木々は赤褐に変色し枯れ死んだため、『赤い森』『死の森』と呼ばれています。人間は立ち入ることを禁じられ、汚染レベルは最大で毎時1000ミリシーベルト。吐き気などの症状を引き起こし、最悪の場合ガンなど死にいたる病気を誘発するレベルです」
2022年04月07日
https://news.yahoo.co.jp/articles/b58692288e617cbce471b73f2ec6e16806d67074ロシア軍がウクライナの首都キーウ近郊ブチャ(Bucha)を占領して2週間ほどたった頃、地元住民のオレナさん(43)は、事態の悪化を予感した。それまでいた兵士よりも横暴な年配の軍人たちが現れ、街を恐怖に陥れ始めたのだ。「彼らは私の目の前で、スーパーに食料品を買いに行こうとする男性を撃った」当初は若いロシア兵ばかりだったが、2週間後には40歳以上とみられる年配の兵士も加わった。「彼らは残忍で、皆を虐待した。その時から虐殺が始まった」年配の兵士たちは良い装備を持ち、ロシアの標準的な軍服とは異なる黒と濃い緑色の服を着ていた。ロシア連邦保安局(FSB)の職員は「非常に荒っぽかった」という。「子どもに何を食べさせたらいいのかと兵士たちに尋ねに行くと、配給品や食料を持ってきてくれた。その兵士たちが、住民の移動を禁止したのはFSBで、とても暴力的な特殊部隊だと教えてくれた。ロシア人がロシア人のことをこんな風に言うなんて!」*ロシア連邦保安局ロシア連邦の情報・治安機関。旧ソ連のKGB(国家保安委員会)の流れをくむ諜報(ちょうほう)機関である。略称はFSB(ロシア語名を英語アルファベットに置き換えた略称)。国家安全保障やテロ防止のため通信・電磁波・信号などの傍受活動を行うほか、国境警備、麻薬・金融取引などの経済犯罪対策、兵器などの開発・発注、科学・情報技術の開発・収集などの活動を行っている。将校や士官候補生らで構成する軍事特殊部隊も管轄している。
2022年04月06日
子ども2人「拷問受けて死亡」…戦争犯罪追及へウクライナとEUが捜査チーム2022/04/06ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャで多数の民間人の遺体が見つかった問題で、キーウ周辺や東部スムイ州など他の地域でも、民間人の被害が次々と明らかになってきた。「戦争犯罪」の責任追及に向け、ウクライナ政府と欧州連合(EU)は4日、合同捜査チームを作ることで合意した。ウクライナ最高会議(国会)の人権オンブズマンは5日、キーウ近郊イルピンでも2日、性的暴行や拷問を受けたとみられる10歳未満の子ども2人が死亡しているのが確認されたことを明らかにした。このほか、ロシア軍が拠点としていたキーウ州のキャンプ施設では、後ろ手に縛られ5人が死んでいた。4人は後頭部を撃たれ、1人は頭蓋骨が折れていたという。東部スムイ州でも露軍の駐留地周辺で、拷問の末に殺害された民間人3人の遺体が見つかった。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日のビデオ演説で、ブチャだけで露軍に殺害・拷問された市民が300人超となり、同じくキーウ近郊にある人口約1万2000人のボロディヤンカの方が「被害者数は多い可能性がある」と語った。★なにやら、日本が満州事変を起こし、リットン調査団(*)によって、柳条湖事件を正当と認めず、「満州国」建国を認めず、地方的自治政府を設け、非武装地帯とするよう提案した。日本はこれを不服とし、国際連盟から脱退し、ついには敗戦に至った過程に似ている。*1932年(昭和7)2月、満州事変の処理に関して国際連盟が派遣した調査委員会。満州事変は中国によって国際連盟に提訴された。中国が連盟規約第15条による総会開催を請求したのに対し、これを不利とみた日本は、現地への調査団派遣を提案し、31年12月10日の理事会で派遣が決定された。調査団は、インド・ベンガル州総督などを務めたイギリス人のリットン卿を団長に、各国専門家による調査団を派遣した。調査団は2月29日東京着、日本政府、軍部、実業界などの代表者と接触ののち、中国へ向かい、3月13日上海着、のち1か月にわたり上海、南京、漢口、北京などを視察し、4月19日満州へ向かった。6月初旬まで満州で調査し、7月20日から北京で報告書の作成を開始した。報告書は10月1日日中両国へ通達され、2日公表された。日本は、調査団が東京に着いた翌日の3月1日に、「満州国」建国を宣言させ、報告書執筆中に「満州国」を承認し、既成事実で調査団に対抗した。しかし、報告書は、柳条湖事件を正当な軍事行動とは認めず、「満州国」建国も中国人の自発的な運動ではないとし、満州を中国の主権の範囲としたうえで、地方的自治政府を設け、非武装地帯となすよう提案した。他方、満州における日本の権益も承認しているが、日本政府は報告書に不満の意を表した。33年2月、日本軍による熱河作戦などが連盟加盟国を刺激し、リットン報告書の採択と「満州国」の不承認を内容とする十九人委員会の報告書が総会で採択されたため、3月27日、日本は国際連盟を脱退した。
2022年04月06日
ゼレンスキー大統領が安保理で演説 露を強く非難4/5(火) ゼレンスキー大統領は、演説の冒頭、首都キーウ近郊のブチャで多くの民間人の遺体が見つかったことについて、「テロリストの犯行と変わらない」とロシアを強く非難しました。国連、即時行動なければ「解散を」 ウクライナ大統領、安保理で訴え2022年4月6日ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は5日、米ニューヨークの国連(UN)本部で開かれた国連安全保障理事会(UN Security Council)でビデオ演説し、ロシアのウクライナ侵攻に対して「即ちに行動」しなければ、国連は「丸ごと解散」すべきだと訴えた。 ゼレンスキー氏は、安保理からロシアを排除し、同国が「自らの侵略や戦争に関する(安保理の)決定を阻止できないようにする」べきだと主張。それができなければ「次の選択肢は自らを丸ごと解散することだ」と断じ、「皆さんは、国連を閉鎖する用意はあるか?」と問い掛けた上で、「その答えがノーなら、即ちに行動する必要がある」と訴えた。同氏はさらに、ウクライナの首都キーウ近郊のブチャ(Bucha)や南東部マリウポリ(Mariupol)でロシア軍が行った残虐行為の証拠として、浅い穴に埋められた子どもを含む犠牲者の遺体や、両手を縛られた遺体を捉えた映像を流した。 同氏は、人々が「自宅で殺害された」ほか、「民間人が道路の真ん中にある車の中に乗っていたところを戦車に踏みつぶされた。単なる快楽のためにだ」と指摘。「責任追及は避けられない」と断じたほか、ウクライナから「数十万人」がロシアに送られたとも主張した。 これに対しロシアのワシリー・ネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使は、ロシア兵による残虐行為の証拠となる目撃証言はないと反論。ウクライナからは60万人が自主的にロシアへ「避難」しており、強制や拉致の事実はないと主張した。EU諸国、ロシア外交官の追放相次ぐ 2日で約200人4/6(水) ロシアのウクライナ侵攻をめぐる国際社会の反発が強まる中、欧州連合(EU)諸国は4日から5日にかけ、計200人近くのロシア外交官の追放を発表した。4日にはドイツ、フランス、スウェーデン、デンマークが追放措置を発表。翌5日には、イタリア、スペイン、スロベニアがこれに続いたほか、EUも関連機関で働く一連のロシア外交官を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定した。 追放の理由はスパイ行為や「国家安全保障」上のものとされたが、ウクライナではこれに先立ち、首都キーウ近郊のブチャ(Bucha)でロシア軍撤退後に多数の遺体が見つかったことから、国際社会から非難の声が上がっていた。
2022年04月06日
「戦争犯罪人は裁かれる」ウクライナ国防省“戦争犯罪に関与”ロシア兵1600名以上の名簿公開4/6(水)ウクライナ当局によると、ロシア軍が撤退したウクライナ・キーウ(キエフ)州全体で民間人410人の遺体が発見されたといいます。ウクライナは大量虐殺を訴え、戦争犯罪に加担したとする1600人以上のロシア兵の名簿を公開しました。ロシア側は「フェイクニュースの攻撃を受けた」と反発しています。ウクライナ、ロシア軍の電話傍受し「虐殺の証拠収集」…宝石強奪を自慢する会話記録も4/5(火)ウクライナのゼレンスキー政権の顧問を務めるアンドリー・ザゴロドニュク元国防相(45)が読売新聞の電話インタビューに答え、ロシア軍は民間人の虐殺やレイプを3月上旬頃に各地で始めたと述べた。ザゴロドニュク氏は露軍による民間人の虐殺について、2月24日に侵攻が始まって1週間後ぐらいから「規模の小さな町や村から報告されるようになった」と説明した。これは露軍が首都キーウ(キエフ)やハルキウ(ハリコフ)など大都市攻略を目指しながら、ウクライナ軍や住民の激しい抵抗を受け苦戦し始めた時期と重なる。ザゴロドニュク氏によると、ウクライナは露軍の電話を大量に傍受し、虐殺や強奪の事実を確認している。ロシア国内の親類や知人に電話をかけ、宝石の強奪などを「自慢げに話す」兵士の会話記録も残っているという。露軍が占拠する東部や南部の町や村の現状を、ザゴロドニュク氏は「生き地獄」と表現し、「彼ら(露軍)は住民を脅し、レイプし、強奪している。まるで動物のようだ」と非難した。 露軍の猛攻を受ける南東部マリウポリについて、ザゴロドニュク氏は地下シェルターに避難していない民間人に銃口が向けられ「人道物資を受け取ろうと外を歩いていただけで親子が射殺された」と語った。ブチャの虐殺は「フェイク」 中国メディアはロシアの主張が中心4/5(火) 中国メディアはロシアの主張が中心ウクライナの首都キーウ近郊のブチャで多数の民間人の遺体が見つかったことについて、中国では国営メディアが「フェイクだ」と反発するロシア側の主張を中心に報じています。人民日報や新華社など他の主要な国営メディアはブチャについて、これまでほとんど報じていません。
2022年04月06日
ロシアの「集団殺害」追及 捜査へ特別機構創設―民間人犠牲でウクライナ2022年04月04日シア軍が地上部隊を撤収させたウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外で民間人とみられる遺体が多数見つかったことを受け、ウクライナのゼレンスキー政権はロシア軍による「ジェノサイド(集団殺害)」と断じ、司法当局が4日、捜査を本格化させた。欧米も戦争犯罪としてロシアの責任を追及する構えを強めた。ゼレンスキー大統領は3日夜の声明で、ロシア軍によるあらゆる犯罪を捜査し、裁くために司法の特別機構の創設を承認したと発表。内外の司法専門家が共同作業を行うといい、「この恐ろしい戦争とウクライナ国民に対する犯罪を引き起こし、何らかの形で参加した者を、ウクライナと世界が裁くのに役立つだろう」と説明した。国連総長、独立調査求める ブチャ民間人殺害に「大きな衝撃」2022年04月04日グテレス国連事務総長は3日、ロシア軍撤収後にウクライナ首都キーウ(キエフ)郊外ブチャで、民間人とみられる多くの遺体が見つかったことについて「独立した調査によって、説明責任がしっかりと果たされることが不可欠だ」と述べた。
2022年04月05日
ロシアの「戦争犯罪」に非難集中 EUは追加制裁へ4/4(月) ウクライナ側がロシア軍から奪還した首都キーウ郊外のブチャ(Bucha)で、民間人とみられる多数の遺体が見つかったのを受け、国際社会からは3日、怒りの声が上がった。欧米諸国はロシアによる戦争犯罪だと非難している。国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「強い衝撃を受けている。独立した調査による責任の追及が不可欠だ」と述べた。 アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は、「臓腑(ぞうふ)をえぐられるようだ」と表現。北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は「民間人に対する残虐行為であり、恐ろしい。決して容認できない」と、米CNNに語った。 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は「罪のない民間人に対する卑劣な攻撃」であり、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とロシア軍が「ウクライナで戦争犯罪を行っている証拠」だと非難した。 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、民間人の殺害は「耐え難い」と糾弾。「ロシア当局は責任が問われている」と述べた。オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)独首相も、加害者の責任追及に向けて「残虐行為を記録する」ため、国際機関の現地への立ち入りを認めるよう訴えた。 英、仏、独、伊、欧州連合(EU)は、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)への提訴を呼び掛けた。EUは、ロシアに追加制裁を科す方針を示した。地下室に手足縛られバラバラに切断された子ども…ロシア軍は遺体に地雷設置か4/3(日)ロシア軍「ジェノサイド」確実 耳切り取り歯を抜かれ…子供にも拷問か 西側諸国による制裁長期化 「ロシアはICCで裁かれる」識者4/4(月) 1
2022年04月05日
ロシア、提案に「口頭」で同意 ウクライナ交渉団トップ4/3(日) ロシアとの停戦交渉を担うウクライナ代表団を率いるデービッド・アラカミア(David Arakhamia)氏は2日、ロシア側がウクライナ側の主要提案に同意したと述べた。アラカミア氏はウクライナのテレビ局に対し、ロシア側は、2014年に併合したクリミア(Crimea)半島の問題を除いて「(ウクライナ側の)立場を受け入れるという、公式の回答を寄せてきた」と説明。「(内容を)正式に確認する書類はない」が、「口頭」での確認だと語った。 また、ウクライナの中立化の是非を問う国民投票を実施することが「事態を打開する唯一の方法となる」ことでロシア側と一致したと述べた。 国民投票で中立化反対が多数を占めた場合について問われると「戦争状態に戻るか、もしくは新たな交渉を始めることになるだろう」と答えた。 一方、アラカミア氏は、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領による会談がトルコで開かれる「可能性が高い」と語った。 アラカミア氏は、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が1日、ウクライナ側とプーチン氏の双方に電話をかけ、会談を主催する意向を伝えてきたと説明。「日時、場所ともに未定だが、場所はアンカラかイスタンブールになる公算が大きい」と述べた。プーチン氏が「目標修正」、ウクライナ東部で5月に勝利宣言か 米情報当局4/3(日)米情報当局はウクライナでのロシアの戦略について、5月初めまでに東部ドンバス地方などを制圧し、勝利宣言を目指す方針に転じたとの見方を示している。ウクライナ国家安全保障・国防会議(NSDC)のダニーロフ書記も3月31日、プーチン氏が5月9日の戦勝パレードを目指している可能性を指摘した。米当局者らはまた、プーチン氏がウクライナ侵攻を統括する軍指揮官を初めて指名する構えだと分析している。同国南部の制圧を成功させた司令官が選ばれる見通しだという。
2022年04月03日
チェルノブイリを掘り返したロシア軍 現地企業トップが見る撤退理由4/2(土)ウクライナの原子力企業「エネルゴアトム」のトップ、ペトロ・コティン総裁代理が1日、オンラインで朝日新聞の取材に応じ、ロシア軍が原発を次々と占拠したのは、ウクライナの経済的利益の搾取が目的との見方を示した。旧ソ連のチェルノブイリ原発からの撤退については「自分たちにとって、何の利益にもならないのがわかったということだ」と語った。ロシア軍は、侵攻初日の2月24日にチェルノブイリ原発を、3月4日には中南部にある欧州最大級のザポリージャ原発を占拠し、管理下に置いた。 ロシア軍がウクライナ各地の原発や核施設を攻撃し、制圧した理由について、コティン氏は「ウクライナの重要なインフラ、工場などを破壊したり、我が物にしたりすることが目的で、原発もその一環だろう」と述べた。 コティン氏によると、ロシア軍は3月31日朝、チェルノブイリ原発から撤退を開始。同原発の従業員らが住むスラブティッチからも引き揚げ始めたという。 コティン氏は閉鎖中のチェルノブイリ原発について「放射性物質以外に何もない。これらを持ち出して世界中にまき散らす『汚い爆弾』に使う以外に、彼らには何の利益もない」と話した。占拠された当初から、この点を主張していたにもかわらず、ロシア側には受け入れてもらえなかったという。 同原発周辺の地下には、1986年の事故当時のがれきや資材などが埋められている。ロシア軍は地下の内容物や放射線レベルを調べないまま、何らかの設備をつくろうとし、土を掘り返したという。 コティン氏は「確証はない」としながらも、「兵士が高いレベルの放射線を浴びた可能性がある。この結果を受け入れられなかったことも、彼らが離れた理由かもしれない」と述べた。
2022年04月03日
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