じゃくの音楽日記帳

じゃくの音楽日記帳

2010.09.28
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昨夜から一夜あけ、きょうは札響マーラー3番二日目。この日は15時開演でした。開演までの時間、近くを少し観光しようと、北大のポプラ並木を見に散策に出掛けました。

北大キャンパス内にはいったところです。
2010札幌北大

広い敷地で緑が多く、空気が爽やかで、とても気持ち良いです。のんびり歩くこと10分くらいで、ポプラ並木に着きました。
2010札幌北大ポプラ並木

由緒あるこのポプラ並木、老朽化がすすみ、台風被害で倒れてしまったものも多いということですが、まだまだ沢山のポプラが立ち並んでいます。長い年月の風雪に耐えた背の高いポプラの梢が風に揺らぎ、葉がざわめくさまを近くで見上げていると、あたかも年老いた賢人がちょっと不機嫌にぶつぶつ言っているような、独特の重い存在感があります。青い空で良い天気ですが、天気雨がたまにほんのわずかぽつぽつと、水しずくが垂れるように、落ちてきます。

これは北大博物館、中では恐竜の展覧会をやっているようでしたが、今回は素通りです。
2010札幌北大博物館

キャンパス内は芝生も多く、小さな子供を連れて芝生で軽食を食べている家族などもちらほら見かけ、市民の憩いの場になっているようでした。
2010札幌北大キャンパス

気持ち良い散策を終え、ホテルに戻ってちょっと仮眠をとって休んだあと、いよいよホールに出掛けました。キタラは、中島公園という広い公園のなかにあります。
2010札幌中島公園

池のほとりの小路を歩いていくと、キタラに到着です。
2010キタラ外観

正面エントリー。
2010キタラ正面入り口


2010キタラホワイエ
きょうの僕の座席は、昨日と反対サイド、2階左のLAブロックのかなり後方寄り、サントリーで言えばLBブロックとLCブロックの境目くらいです。

席に座ってみると、きのう見えなかったパイプオルガン右横のドアは、ここからもやはり見えませんでした。

演奏は、尾高さんもオケも、初日よりも慣れた感じで、テンポは、はっきりとはわかりませんが、第一、第三、第六楽章は、初日よりもわずかに速めかなと思いました。昨日と同じ、丁寧な音楽づくりでしたし、オケの音は昨日よりこなれたという感じで、特に管楽器は総じて初日よりもスムーズな音が出ていたように思います。ただ僕としては、初日の慎重さからくる緊張感、テンポの遅さ(特に終楽章)などから、初日の方が大きい感動を受けました。

福田さんのポストホルンパートは今日も美しく、完璧です。特に距離感に関しては、僕の席の位置関係から、初日よりもさらに遠くから、とてもとても遠くからのように響いてきました。僕がこれまで生で聴いた中でおそらく最長不倒距離(^^)です。というのは今回ポストホルンは、通常通り、ステージ下手側のドアを少しあけてその外で吹いていましたので、僕の昨日の右サイドの席からは、開いたドアが見えて、そこからの直接音成分が聞こえてきました。それに対して今日の席は左サイドで、ステージ下手のドアは見えず、間接音成分だけで聞こえてきたからです。

曲が終わったとき、きょうも残念なことに、最後の主和音の残響がまだまだ大きく響いているうちに、盛大なブラボーと拍手が始まってしまいました。

そしてカーテンコールもきのうと同じ、卒業されるクラリネット奏者への、尾高さんからのスピーチと花束贈呈と、それに対するクラリネット奏者のスピーチがありました。きょうはいよいよ二日目で本当に最後のステージということもあって、奏者のスピーチも感興が一段とこもった熱いもので、聴衆もあつい拍手を送りました。そしてそのあとには、きのうと同じく、尾高さんによる欧州演奏旅行の案内のスピーチがありました。尾高さんは、キタラは本当に素晴らしいホールであり、札響はここを拠点とするからこそこのような発展を遂げてきている、しかし札幌の皆さんはキタラの良さを良くわかっていないかもしれない、今度の欧州旅行ではヨーロッパの各ホールで演奏するので、是非演奏旅行に一緒にきていただきたい、そうしてヨーロッパのいろいろなホールの音をきいたら、ヨーロッパのホールもいいけれど、キタラはもっといいな、と感じてもらえるかもしれない、ということをお話されていました。

これを聞いて僕は、もし曲が終わって残響が完全に消え去るまで拍手が起こらなかったら、キタラの良さがさらに鮮やかに生きてくるだろうな、そのようになってほしいなと、ちょっと思いました。

それと、きのうも感じたことですが、尾高さんは照れ屋なのでしょうか、カーテンコールが短すぎるのが残念でした。僕たち聴衆が折角すばらしい音楽に感動して拍手を送っているのに、尾高さんはそれを相当早めに切り上げてしまい、卒業される奏者への感謝のスピーチと花束贈呈にはいってしまうんです。こちらとしてはもっと拍手して、今しがた終わった演奏そのものを称えたい、これを演奏した皆さんを称えたいと思うのに、それが充分にできずに終わってしまう、という感じがしました。

もちろん定期演奏会ですから、長年演奏された奏者の方が卒業されるというのは相当な重みがあることですし、それについて花束贈呈し、多くの定期会員を含んだその場の聴衆全員が惜しみない拍手と感謝の念をおくるのは素晴らしいことだと思いますし、たっぷりとやってほしいことです。でも、今回の演奏そのものに対する拍手喝采を受け止めてもらう時間があまりにも短すぎます。もっと充分にその時間をとってから、そのあとで花束贈呈の段階にはいって欲しいと思いました。

さて演奏会が終わり、一緒に聴きにきていた長年の友人とともに、福田さんのサインをもらうために、きのう確かめておいた楽屋出口にむかいました。古くからのマーラー・ブルックナーファンで、今回も一蓮托生で札幌遠征に来た友人です。(話がそれますが、彼が二日目の終演後に素早くオルガン後方の通路の様子を見に行ったところ、すでに鐘は撤収されていて、指揮者を見るためのモニターだけがまだ置いてあったそうです。)

福田さんが都響在籍時代に、福田さんの素晴らしさを僕に教えてくれたのもこの友人です。それでふたりとも今回の札幌遠征の目的の一つが福田さんを聴くことでしたし、さらにできればサインをもらおうと考えていたわけです。



福田さんが演奏のたびにいろいろな楽器を試されているということがわかり、超貴重な収穫でした。福田さんの今後のますますのご活躍を応援しています。そしてそして、まことに勝手で贅沢なお願いですが、願わくば、いつかマーラー3番を、ポストホルンで再び演奏していただける日が来ますよう、願っています。

ところで札響は来年に創設50年を迎えるということです。定期演奏会のパンフレットには、「2011 札響50年」へ、という楽団の歩みをたどる連載が載っていました。今回は7回目で、丁度、元トランペット首席奏者の杉木さんという方を迎えて、前首席で現副首席の松田さんと、現首席の福田さんとが3人で語るという、僕にとって実にタイムリーな記事でした。70年代~80年代の札響の金管を率いた杉木さんは、名手モーリス・アンドレの弟子だったそうです。そして福田さんはアンドレの弟子が札響にはいるというニュースに感動して、函館から札幌に通って杉木さんのレッスンを受けたということなど、いろいろと興味深いことが語られていました。

この9月から芸術監督になられた尾高さんとともに、札響がさらなる発展・充実を遂げることを願いつつ、実り多かった札幌遠征のレポートを終えることにします。







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Last updated  2010.09.28 23:40:36
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