僕の今年初めのコンサート行きは、藤井一興さんのピアノリサイタルでした。1月5日、東京文化会館小ホール。藤井さん毎年恒例のニューイヤーリサイタルです。今年はドビュッシーの12の練習曲を中心に、バッハと、湯浅譲二氏の作品1曲を配したプログラムでした。
湯浅作品「内触覚的宇宙 II」が、とても聴き応えがありました。長い音の響きがコーーーン、コーーーンとして、宇宙の虚空に光る星々のひそやかな輝きのイメージを喚起される美しい作品でした。こういう透明で微妙な響きのニュアンスを美しく豊かに表現するのが、藤井さんならではの、得がたい魅力です。
藤井さんのオフィシャルサイトに載っている、 今回のリサイタルの曲目についての藤井さんへのインタビュー から、この作品についての一部分を引用すると、
”鐘が鳴る時の倍音のイメージのスタイルはドビュッシーからメシアン、メシアンから湯浅さんへと受け継がれているように思えますが、この曲は湯浅さん独特の部分が多く、この時代の曲のスタイルを徹底的に研究したものだと思います。この曲の響きには無駄がなく、12の音に命を与えつつピアノの音がずっと湯浅さんの宇宙のなかで響きあう曲です。現代音楽が分からなくても没頭できる美しい響きがあります。”
演奏が終わったあと湯浅さんがホール中央あたりの客席から立ち上がって拍手を受けられてました。プログラムノートにも湯浅さんが文を寄せていましたし、練習にも立会われたということです。素敵な作品の、素敵な演奏で、年の始まりの良いひとときを過ごせました。
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