厚労省が日赤と協力して、 2020
年 4
月の献血者(東京 500
人と東北 500
人)の検体を調べて、
抗体陽性率が東京は 最大0.6
%、東北は 最大0.4
%と発表されて、テレビでもずいぶん少ない等と話題になっています。
しかしこの数字自体にはほとんど意味はなさそうです。
厚労省のサイト内にある発表データ「抗体検査キットの性能評価」はこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000630744.pdf
多数を調べたのはC社とE社のキットですね。 そしてここに書いてある通り、新型コロナが存在する以前の 2019 年 1 〜 3 月の保存検体をC社とE社のキットで調べたところ、 それぞれの陽性率は 0.2 、 0.4 %陽性であり、これらは偽陽性(陰性なのに陽性判定になること)です。
すなわち 2020 年のC社とE社の結果は、偽陽性率でも説明できてしまうレベルということです。感度(検出力)が低いのでしょうか??
むしろ個人的に気になるのは、東京の 45 人を調べたA社、B社、D社のキットの結果(三社とも同一の検体)です。 D社はゼロですが、A社とB社は陽性者が 1 人。数は少ないですが、A社とB社の陽性率は約 2 %です。
先日記事にした、神戸市民病院が 3 月 31 日〜 4 月 7 日に外来を受診したコロナと関係ない患者 1000 人を調べた抗体陽性率が約 3 %、これとそう遠くはない数字になります。
https://plaza.rakuten.co.jp/jyak3/diary/202005040000/
A社とB社のキットで、もっと多数を調べたらどうなるのか、気になるところです。 それからA社とB社のキットで 2019 年の多数の検体を調べたら、偽陽性率がどのくらいなのか、も気になります。
まだまだわからないことだらけですが、ざっくり言って、このあたり( 2 〜 3 %)が、東京(あるいは神戸)での 4 月頃の無症状感染者率ということになるのかもしれません。
いずれにしても、感染確認者(東京では約 5000 人、すなわち東京の人口約 1400 万人の約 0.036 %)に比べると無症状感染者は相当多いこと、 しかし一般人口の中での無症状の感染者はまだまだ非常に少ないらしい、ということは言えそうです。
ともかくもPCR検査の拡充と、ついで抗体検査の拡充は急務です。感染の実態をもっと把握しないと。
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