薄化粧 | メタボの気まぐれ

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西村望：原作の同名小説を五社英雄：監督のもと
1985年に東映が映画化したのが「薄化粧」である。

昭和23年、山奥の鉱業所で坂根藤吉（緒形拳）は
坑夫として鉱山で働き、妻・ふくみ（浅利香津代）
息子・喬と３人で暮らしていた。

そんなある日、鉱山で落盤事故が発生し
その補償問題で鉱夫の代表として
会社側と掛け合った坂根は逆に多額の裏金を
会社側から掴まされてしまう。

裏金を元に金貸しをはじめた坂根は
事故で夫を亡くした地所テル子（浅野温子）に接近、
親密な仲になる。

そして、この事が原因で妻・ふくみと息子を惨殺。
また坂根は金を貸しているのを言い事に
仙波徳一の妻・すゑ（宮下順子）とも肉体関係を結び
すゑの一人娘・弘子（松本伊代）にまで手を出そうとする。

しかし弘子は坂根から巧みに金を引き出した挙句に
鉱業所の課長と結婚してしまい
小娘に翻弄された事に気づいた坂根は
弘子の婚礼の夜、ダイナマイトを持ち出し

この爆破容疑で逮捕された坂根は真壁刑事（川谷拓三）
松井刑事（大村崑）の執拗な追求に合い
ふくみ、喬殺しも発覚してしまう。

留置場に入れられた坂根は突然、隠し持っていた
剃刃で自殺を謀るが奇跡的に一命は取り止めた。

以後、素性を隠しながら各地の飯場を
転々と渡り歩く流浪の旅が続いた。

一方、警察側も坂根逮捕に全力を上げ
真壁刑事が追跡を開始した。
そんな逃亡生活の果てに坂根は薄幸の女である
内藤ちえ（藤真利子）と巡り合う。

坂根にとって内藤ちえは初めて出会った
菩薩の様な女であり、ちえも坂根に強く魅かれ
やがてふたりは自然に親密な関係になっていった。

ある日、ちえは照れる坂根に無理矢理、眉墨を引いた。
最初は嫌がっていた坂根だが鏡を見ると
そこには全く別人の自分があり
以後、出歩く時には必ず化粧をする事にした・・・

この映画は昭和25年に実際に起こった事件
「ダイナマイト爆殺事件」に基づいており
日本史に残る殺人事件を緒形拳が熱演している。

また浅野温子、藤真利子が本作で大胆なヌードを
披露し話題を呼び、当時のアイドル・松本伊代も
色気のある演技でファンを魅了しました。