PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
私は、技術者の端くれで、ついでに言えばメカ(機構系)技術者だ。
仕事柄、図面を描いたり(引いたり)する事が多い。さて、メーカーや、図面システムによって異なるだろうが、
図面には4つの捺印欄がある。
【設計】・【製図】・【検図】・【承認】の4つである。
【設計】は、図面の内容を考えた人、内容を知っている人。図面に描かれた知識がないと、
出来ない。
【製図】は、図面を描いた人、トレースした人。最近ではCADが扱えるなら、誰でも出来る。
図面に描かれた内容に関して、知識は不要。昔で言えば「キーパンチャー」
【検図】は、図面が正しいか、検証した人。最も知識と経験が必要とされる人。
この人の裁量次第で、「感心される図面」か「バカにされる図面」か が決まる。
【承認】は、企業・組織としてその図面を認めた人。管理職。
図面の知識がある事に越した事は無いが、検図がしっかりしていれば、知識が無くても良い。
ただし、社会的責任が全てかかる。
平社員の私が捺印するのは、もっぱら【設計】・と【製図】。一時期は、【検図】も捺印したが、最近では減ってきている。
ある時、女性後輩社員から【製図】の依頼が来た。
いや、「図面トレース」を頼まれた。
お願いされた。・・・・いや、
潤んだ瞳で拝み倒された
雷親父は、女性の「お願い」には弱いのである。
彼女にとっては難しい仕事でも、私にとっては、「暇つぶし」みたいな仕事。
快諾して、さっさと終わらせた。
そこで問題になったのが【捺印】。
彼女の上司が、彼女に言った。「【製図】の捺印は、誰するの?」
彼女は、さも、当たり前の様に「雷親父さんです」
彼女の上司(実は、私の同期)は、ちょっと困り顔で言った。
「いや、彼にはポリシーがあるから、押してくれないと思うぞ」
「ちゃんと、確かめてごらん」
彼女:「???? 捺印するだけなのに・・・・」
彼女は、不思議そうな顔をしながら私に尋ねる。
「【設計】と【製図】の両方捺印して頂けますか?」
私:「【製図】は押せるけど【設計】には押さない。 いや、 押せない 。」
潤んだ瞳で、彼女が聞く 「どうして、押してくれないんですか?」
私:確かに図面を引いたのは、私だ。だから【製図】は、僕の責任。
でも、内容は君の指示に従っただけだから、内容に責任は持てない。
責任の持てない捺印は出来ない。だから【設計】には押せない。
例えば、3年後に、この図面の問い合わせがあったとする。
君は「答えられる」けれど、僕には「答えられない」
問い合わせ先は、【設計者】に来るんだから、
君じゃなきゃ、『捺印の意味が無い』
私は、意地悪で捺印を拒否した訳じゃない。
女性といえど、彼女にその仕事の『責任感』を持ってもらう意味で、あえて拒否をした。
無論、今回彼女が捺印した事で、彼女に社会的責任が行くはずは無い。
彼女の上司の【検図印】があり、会社として【承認印】がある以上、彼女にかかる
社会的責任は、皆無に等しい。
誰かの助けを借りたとしても、誰かにやってもらったとしても、
「自分が携わった以上、自分の仕事なんだ。自分の責任なんだ」
という意識だけは、忘れずにいて欲しいし、自分も忘れたくない。
仕事を丸投げするタイプには、『責任感』をまるで感じない。(どこかの、首相と同じだと思う。)
自分の言動と行動に責任を持つ。コレが私のポリシー。
自分の子供に対して、全ての責任を持つ。コレが、親のポリシー
物つくり 2009.01.22
子供の小遣い。。さて、いくら 2009.01.17
何の為に英語を勉強するのか? 2008.10.12 コメント(1)