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2010年03月18日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、「かみぽこ政治学」です。

鳩山政権の支持率が続落し、
その一方で自民党の支持率も
低迷したままだね。

そのため連立政権の枠組や
その先の政界再編を見据えて、
さまざまな政治家が
動き始めている。

自民党では与謝野馨さんが、


「新党結成へ腹はくくった」

という見出しの論文を
発表した。

公明党は「子ども手当て法案」で、
民主党との協力に転じた。

そして「普天間基地移設問題」で、
国民新党の提案する

「キャンプ・シュワブ陸上移設案」

が急浮上し、社民党内に
動揺が広がっている。

今回は、それら各党の動きを検証し、


まず、与謝野さんの論文発表だけれども、
自民党内には動揺が走ったようだが、
執行部交代や新党結成への
具体的な動きの広がりには
至っていないようだね。



「正しいことを考え実行する会(正しい議連)」

に出席する議員は
わずか16人だ。

しかも、参加者の大勢は
与謝野氏の新党結成に
同調していないと
いうことだ。

また、同じように
新党結成を示唆している

舛添要一前厚労相

が離党しても、同調者は
7~8人にとどまるという
見通しだそうだ。

ちなみに、鳩山邦夫元総務相では
自民党内に人は集まりっこない。

「薩長連合」「坂本龍馬」だそうだが、
その意味するところが

「ママがお金を出すから、
みんないっしょにやろうよ!」

では、みんないっしょに
やれっこないのだ(苦笑)。

ただ、1つだけおもしろいなあと思うのは、
いつもながら、結局鳩山(邦)さんが動くと、
究極的に誰が得をするかというと

鳩山由紀夫首相

だということだろうね(苦笑)。
(2009年6月29日
続・鳩山劇場:「根なし草」だが「実は総理を狙う男」の行動原理とは。

それでは、なんでいつもながら、
新党結成の動きが
自民党内に広がっていかないか
いうことだけれどもね。

これは、麻生政権時に
そうだったのと同様に

「小選挙区比例代表制」

の効果によるものだろう
(2009年8月12日
やっと総選挙(3):「公認権」「人事権」「解散権」の稚拙な行使(前編)
やっと総選挙(3):「公認権」「人事権」「解散権」の稚拙な行使(後編) )。

この選挙制度の下では、
中小政党は生き残りにくく、
二大政党から離党したら
次の総選挙で
落選するリスクが大きすぎるのだ。

また、この選挙制度は
政党執行部の

「公認権」「人事権」

を強力にした。

もし「谷垣おろし」に動いて
失敗してしまったら、
党内で徹底的に
干されてしまう。

だから、執行部に不満があっても、
静かに時が来るのを待つほうが
ベターだということになる。

特に今回は、衆院議員と
今年7月に改選されない
約半数の参院議員にとって、
次の選挙まで3年間もある。

しばらく様子見できる時間も
あるのだから、
無理に動く必要も
ないということもある。

一方、渡辺喜美さん率いる

「みんなの党」

に期待が集まっては
いるようだね。

しかし、「みんなの党」は
所属議員はたった6名
(衆院5名、参院1名)の
小政党にすぎないわけでね。

渡辺さんは「第三極づくり」を呼び掛けるが、
自民党議員が移籍するには
リスクが大きすぎる。

参院選前に党勢を拡大するのは
現実的には困難だろうね。

しかし、「みんなの党」が
ただの第三極ではなくて、

「二大政党の一角になる」

ということならば、
「みんなの党」への合流も、
多くの自民党議員にとって、
選択肢の1つになってくるんじゃ
ないだろうか。

渡辺さんは「第三極づくり」ではなく
「新しい第二極をつくる」として
呼びかけるべきじゃないだろうか。

自民党から二大政党の一角の座を
奪うと宣言し、
その戦略を国民にアピールし、
政財界に幅広く協力を
求めることだ。

ところが渡辺さんは
相も変わらずTVや著書で

「自民も民主も官僚もみんなダメ。
私だけがわかっている」

と訴えているだけだ。

これでは、彼に人望は集まらないよ
(2008年12月22日
麻生批判から考える(後編):「リーダー」なき麻生批判はどこへいくのか )。

私が言っていることは、
民主党がなぜ
政権を取れたかと
いうことを念頭に言っている。

それは、まず鳩山兄弟が
事実上のオーナーとなって
カネを出し、
自治労の全面的な
バックアップを確保し
最初の衆院選で

52議席

を確保したこと。

そしてその後、
政権交代の実現まで
一度も「第三極」として
キャスティング・ボートを
安易に握ろうとせず、
野党として力を蓄えてきたことだ。

いい悪いは別だけどね。。。

資金源と大組織の支持の獲得、
そして、あくまで「第二極」を目指してことが
党勢拡大につながったことということを
渡辺さんも知るべきだ。

いつまでも「自分だけが頭がいい」では
どうしようもない。

「みんなの党」は現状では、
参院選では「旧・小泉チルドレン」などを集めて、
できるだけ多くの候補者を立て、
1つでも多くの議席を獲得する
戦略しかない。

最後に、社民党、国民新党、
公明党について
考えてみたいと思う。

二大政党の動向に注目が集まる
現在の日本政治において、
この3党は参院選で
党勢を更に衰退させるのは
間違いないところだ。

なんとか参院選後に
キャスティング・ボートを
握れなければ
それは、即
党存亡の危機となるのだ。

公明党については、
いずれ連立与党側に寄ってくることは
既に指摘した通りで
想定の範囲内だね
(2008年9月24日
麻生太郎の「茨の道」:自民・民主・公明は選挙後どう動くか。(前編)
麻生太郎の「茨の道」:自民・民主・公明は選挙後どう動くか。(中編)
麻生太郎の「茨の道」:自民・民主・公明は選挙後どう動くか。(後編) )。

国民新党は、亀井静香代表自身が、
党を続けていく気が
あるのかさえ疑わしい(苦笑)。

一方、社民党は頭がいたい。

普天間基地移設問題で、
最終的に県内移設と決定した時、
党全体で連立離脱する可能性は低く、
分裂する可能性があるんじゃないかな。

社民党の中には、
政権与党のウマ味に
取りつかれた者がいるし、
次の選挙での
落選の恐怖から
民主党に移りたい者も
いるからね。

かつて小沢一郎氏率いる自由党が
小渕連立政権から離脱した際、
分裂して連立に残ったものが
保守党を作ったわけだ。

これと同じように、社民党も
政権から離脱するとなると
思想信条に拘る者と、
政権にしがみつく者に
分かれるだろう。

普天間基地問題については、
結局民主党も社民党も
政権担当によって
現実的になったと
いえるんじゃないかな。

ただし、それは鳩山政権と
日本の将来にとって、
必ずしも合理的な決断ではないと
私は思うけどね
(2009年12月25日
日米関係:米国とは揉めてるくらいがちょうどいい(前編)。
日米関係:米国とは揉めてるくらいがちょうどいい(後編)。 )。

それは、また別の機会にでも。


最後に、次期参院選後の政局を
考えてみたいんだよね。

いろいろ「頭の体操」をしてみると
面白いなあということが
わかってきたんでね。

結論から言えば、
どういう結果になっても
若手・中堅の台頭による

「世代交代」

が促進される。

まず、民主党単独過半数の場合。

自民党の長老支配が
今度こそ完全に崩れて、
世代交代が起こるわけだ。

これが自民の支持率を上げると、
民主党も対抗して
若手・中堅を要職に
起用せざるを得なくなるだろうね。

また、民主党が参院で
安定多数を占めると、
逆説的なんだけれども、
党内で参院の重要性が低くなり
輿石東さんと旧社民党系の
影響力が低下してしまう
(2010年2月16日
農政政局論(前編)。
農政政局論(後編)。 )。

民主が単独過半数を取れない場合。

鳩山退陣はなくても、
小沢幹事長は退場を余儀なくされ、
若手・中堅中心の組閣となる。

この時、キャスティング・ボートを
「みんなの党」が握り
連立政権入りすれば、
渡辺さんの入閣によって
構造改革の推進が始まる。

公明、国民新党、
あるいは社民党が握る場合、
当面はバラマキが続くだろう。

しかし、二大政党の世代交代が
国民の支持を拡大すれば、
いずれバラマキ派の声はしぼんでいく。

自民党が勝利するケースは
参院選前に執行部が
交代する場合だけだ。

しかし、繰り返すが
現時点での造反・離党は
リスクが大きすぎる。

現執行部交代の可能性は低い。

離党者が出て
新党が結成された時は、
分裂選挙になり
自民党の過半数到達はほぼ絶望だ。

ただ、新党が少人数でも
参院選後にキャスティング・ボートを
握ることはあるだろうね。

その際は、「みんなの党」が
握った時と同じようなケースを
想定すればいいことになる。

要するに、参院選後は
その結果にかかわらず
若手・中堅世代が
台頭することになる。

言うまでもなく、この世代には
構造改革を志向する政治家が多く、
鳩山政権の政策の方向性は、
次第に修正されていくことになる。

「かみぽこ政治学」では、何度も
政界の「世代間闘争」について
論じてきたよね。

現在も、隠れた対立軸は、
実は「世代」なのだ。

二大政党に失望し、
参院選でどの党を選択するか
困っている方は、
政治家の「世代」に
注目してはいかがだろうか。

それでは、またね。



「かみぽこ政治学」バックナンバーは こちら。

「かみぽこ政治学・2」バックナンバーは こちら。







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最終更新日  2010年03月18日 07時32分58秒


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