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50代女性、左上56、残根前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303240000/残根というのは、抜歯が前提の病名で、世界中の歯科医師は100%抜くしかないと考えるが、それをどうにか抜かずに保存する方法はある。今日は破折していて、残すには抜歯再植しかないと思われる左上5番の再植処置と3456との連結処置で7年前の治療内容の復習は終わりたいと思う。抜歯前抜歯クラックが見えるクラック部分は削り取ってスーパーボンドで充填する。抜歯化に挿入し、連結固定する。型取りして作業模型上でワックスで連結冠を作る連結冠の内面側面観左上56連結冠セットさらに連結固定のため、左上34も再作成セット補強リブが56まで延長されているのが分かると思う。次回は7年後の今回の抜歯再植の記事をアップ予定つづく
2023/03/26
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50代女性、左上56、残根前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303230000/今日はクラックのある左上6の抜歯再植だ。抜いてクラックがある反対側は深い虫歯があるので削除する。一旦抜けば出血や浸出液に邪魔されずにより丁寧な処置ができる。根尖口も塞がっていない。細菌の温床になるので、埋めてしまう必要がある。ポストを入れて再建を始める。抜歯窩に挿入CRで固定する。つづく
2023/03/24
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50代女性、左上56 、残根前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303210001/今日は7年前に左上56を抜歯再植した時の画像だ。初診時の画像では歯冠部が脱離して年単位で放置されていたものと見え、略完全な残根状態になっている。残根というのは通常治療では治療不能、少なくとも歯冠修復は不可能という意味で、抜歯の病名となる。確かにこの残根を残してまた歯を作ろうと考える歯科医師は世界中探してもいないと思う。ポストを立てて型取りすることもできないし、第一歯根が破折しているのでこのまま歯を作ることはできないからだ。これが7年持ったのだから、よく持ったと言えると思う。まだまだ続くしwとりあえず、軟化象牙質(虫歯)を除去すると、歯肉縁下だし、6番の歯根は3根とも分離しているし、その近心頬側根にはクラックが見えるし、5番にもクラックがあり、レントゲンでは膿瘍があり、フィステルもある。ま、いいとこ無しだ。。5番の再植は次回にすることにして、クラックのある6番の近心根を抜歯再植することにした。とりあえず、CRで6番の近心根以外の歯根面を覆った。つづく
2023/03/23
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50代女性、左上56、残根前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303210000/7年前、左上56だけは通常治療ができないということで、うちに来られた。5番と6番の近心根を抜歯再植後再植から3年後、5番の歯根膿瘍は治癒しているが、6番の近心歯槽骨は失われ始めている。前回の写真から4年後、今回の他院でのレントゲン写真。5番には破折線を疑わせるものが見える。6番の歯槽骨は遠心根以外は失われている。つづく
2023/03/21
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50代女性、左上56、残根7年前、上顎の歯冠修復をされている途中だったようだ。左上56だけは通常治療ができないということで、うちに来られた。残根状態でしばらく放置されていたようだ。このような歯根は内部が虫歯になっていて、しかも6番は歯根が分離して、歯根が短くなっていてポストを立てられない。通常治療では治療不能ということで抜歯の対象になる。結局左上5はPer+歯根破折、左上6はPerで近心根だけ抜歯再植した。治療から3年後、少なくとも見かけは問題ない。これが今回、再植から7年後、左上6の遠心根が分離して遠心に移動している。前医の診断では左上5は歯根破折している。左上6は歯根周囲の歯槽骨がなくなっているので、2本とも抜歯と言われたそうだ。今回は左上5は歯根破折ということで抜歯再植を試みてみた。左上6は遠心根だけは歯槽骨にタッチしていたので残してみることにした。他の2根は周囲に骨が無くなってしまっていたので、ピンセットでつまむと抜けてしまった。すでに抜けていたということだ。再植後は簡易的に補強線を入れて修復した。つづく
2023/03/21
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20代女性、左上4、Per、穿孔、歯根破折、咬合性外傷この症例は3年前のもので、当時の記事は消えてしまった。今回患者さんから3年もったけど、外れてしまったので、また付けてもらえますか?という依頼があったので、当時の画像を再掲してみようと思う。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202302160000/この患者さんも他院で抜歯を宣告されたので、うちに来られたのだが、やはりかなり保存は厳しいかと思われた。再植の当日には治療が完了する必要があったので、フレームを口腔内で作った。その後、抜歯再植するのだが、歯根を見てみると破折線が見える。抜歯してみると、上の方が破折しているし、軟化象牙質になりかけでユルユルのペラペラになっているので、バラバラになってしまった。使えるのは一番大きな塊だけだ。しかも穿孔だらけだ。それでもなんとか再建して再植した。
2023/02/17
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20代女性、左上4、Per、穿孔、歯根破折、咬合性外傷この症例は3年前のもので、当時の記事は消えてしまった。今回患者さんから3年もったけど、外れてしまったので、また付けてもらえますか?という依頼があったので、当時の画像を再掲してみようと思う。これが患者さん自撮りの画像これが3年前の他院でのレントゲン写真。抜いてみて分かったが、根管治療中に歯根側壁や本来の根尖口ではないところに穿孔を起こしていて、歯根尖膿瘍も広範囲に生じている。この穿孔というのは治療中の事故というかよくある事象だ。術者が頑張れば頑張るほど起こってしまう。最初から神経を取ろうとしないことがこの事故を防ぐことができる唯一の方法なのだが。。再植のbeforeafter
2023/02/16
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当時20代女性、右上5、歯根端嚢胞前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202301200000/痛くはないんだけど、段々腫れてきて気持ち悪いんだけど、どうしたらいいんでしょう?ということでレントゲン写真を見てみると、歯根端嚢胞のようで、これは治りにくい病気だ。ほとんどのケースでは抜歯するしかない。しかも再発しやすい。なぜなら嚢胞液を分泌する腺細胞が少しでも残るとダメだからだ。抜歯しても残留嚢胞として歯槽骨内に残って大きくなり続けることもあるし、歯牙の保存療法としては、ヨウ素製剤などの強めの消毒剤で嚢胞内部の洗浄を繰り返したり、開窓法と言って、嚢胞と口腔内を交通させて骨が出来てくるのを待つこともある。どちらも数ヶ月以上の時間がかかるので、僕のような気が短い、しかも野戦病院には不向きな治療法だ。そこで1日で終わる抜歯再植法を採用するわけだが、嚢胞を形成している腺細胞を傷つけずに一塊で除去することが重要になる。今日は再植から3ヶ月間の治癒の様子と、その後の6年間の1年毎のレントゲン写真をアップしてみよう。骨ができるには骨折と同じで約3ヶ月間を要する。その後再発しないかは5年程経過を見ておけば十分だ。2015/04/18再植直後2015/08/173か月経過。かなり骨が出来てきている。2015/11/176か月経過2016/11/28この後は1年毎の画像だ。完全には治っていないようにも見えるが、どうなのだろうか?患者としては不快症状はないので、このまま様子を見ますということだった。2017/09/202019/12/102020//12/082021/12/11
2023/01/21
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当時20代女性、右上5、歯根端嚢胞痛くはないんだけど、段々腫れてきて気持ち悪いんだけど、どうしたらいいんでしょう?ということでレントゲン写真を見てみると、歯根端嚢胞のようで、これは治りにくい病気だ。ほとんどのケースでは抜歯するしかない。しかも再発しやすい。なぜなら嚢胞液を分泌する腺細胞が少しでも残るとダメだからだ。一か八か抜歯して嚢胞摘出後再植ということで保存治療を試みてみた。一回しか来院できないということだったので、右上45の前装CKは前もって製作しておいて、抜歯再植時にセットまでしている。抜歯前抜歯後慎重に嚢胞を摘出した。膿瘍にも見えるがはっきりしない。根尖は綺麗だったがアンダーカットがあるので、再挿入は苦労した。んーん、、ズボッ、、という感じだ。次回は年次を追っての治癒過程のレントゲン写真だ。つづく
2023/01/20
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60代女性、左上5、歯根破折垂直加圧根充の2回目以降では歯根がもろくなっているので、プラガーの圧力で歯根が破折することはある。そうではなくとも、神経を取った後のトラブルは必ずと言っても良いほど高齢になってから出る。神経を取った歯は、60歳も過ぎれば抜歯を覚悟せざるを得ない。そもそも神経を取るという治療行為自体が後々のトラブルを招くということは明らかなので、通常の診断基準では神経を取らざるを得ないケースでも僕は神経を取らずに頑張る。今日の症例のように通常は抜歯するしかないケースでも抜歯は先送りにするという対応をしている。よくここと同じ治療方針の歯医者が近くにあれば紹介してほしいという問い合わせがくることがあるが、理論的には有り得ても、外注をしている歯科医院では経済的に成り立たないので、無いと思う。自分でなんでもできないと成り立たない歯科治療だからだ。レントゲン写真だが、広範囲に歯槽骨は失われていて100%の歯科医師は抜歯を勧めるはずだ。縦にクラックが入っており硫酸塩還元細菌の代謝産物である黒色物質のFeSが付着しているので、破折から数年単位の時間の経過があることが分かる。クラックは削除してスーパーボンドの筆積みで充填する頬側も同じく根尖から見たところ抜歯窩は掻破洗浄して再建歯牙を再挿入し連結固定する
2023/01/18
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60代女性、右上7、歯根破折噛めないし、口臭ひどいし、どうにかして欲しいということだが、その噛み締め癖どうにかしないとまた割れるでしょ。。というのだが、ご本人にもどうしようもない。ま、その対策は後回しにして、とりあえず抜いて捨ててしまうのも嫌だというので、抜歯・再植することにした。今日は前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212300000/組み立てから再植までだ。綺麗にした破折片を仮組みして、接着剤をどこに塗るのか?どの程度必要か?などの脳内シミュレーションをして、忘れない内に一挙に組み立てる。接着固定が必要なので手前の6番の遠心面にはあらかじめスーパーボンドを塗布しておく。抜歯窩はこれも事前に膿瘍を掻爬し3MIX添加の生食水のシリンジでよく洗浄しておく。破折片を当ててみたところスクリューポストを入れ一挙に組み立てる。破折片の合わせ面にはスーパーボンドを手早く均一に塗布する。昔の精度の良くないプラモデルよりマシだと思う。ま、その要領だが。今のパチパチと嵌め込むだけで接着剤すら不要のガンプラしか組み立てたことのない若い子には難しいかもしれない。咬合面はCRで再建するとスーパーボンド硬化までの固定になる。挿入前バイトさせながらスーパーボンドで固定デュラシールで包帯後、バイトダウンしておく
2023/01/05
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60代女性、右上7、歯根破折噛めないし、口臭ひどいし、どうにかして欲しいということだが、その噛み締め癖どうにかしないとまた割れるでしょ。。というのだが、ご本人にもどうしようもない。ま、その対策は後回しにして、とりあえず抜いて捨ててしまうのも嫌だというので、抜歯・再植することにした。今日は前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212290000/膿瘍を除去したところ。これをさらに綺麗にしていく。特に接着面は一層新鮮面を出す。その他内部にディンプルやアンダーカットを施し接着剥がれの抵抗形態を付与する。頬側の根管は一本だが、#15のエンドチップは通らない。これはどういうことかと言うと根管治療の理想である。根尖から0.5mmアンダーに45度のストップを形成し、根管充填材を緊密に充填すると言うことだが、そんなことは端からできないと言うことを意味する。このようなことはよくある話で、根尖付近の拡大像を見てみると分かるが、頬側と口蓋側の根管は少なくとも2本に分岐していると言うことがわかる。これでは理想も何もあったものじゃない。根管治療というものは絵に描いた餅、西洋人の頭の中だけにしかない妄想ということになる。とりあえず、綺麗にして2つある根尖口もまとめて開拡しておく。次回は組み立て再建の話だ。
2022/12/30
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60代女性、右上7、歯根破折噛めないし、口臭ひどいし、どうにかして欲しいということだが、その噛み締め癖どうにかしないとまた割れるでしょ。。というのだが、ご本人にもどうしようもない。ま、その対策は後回しにして、とりあえず抜いて捨ててしまうのも嫌だというので、抜歯・再植することにした。これは2年半ほど前のレントゲン写真なのだが、補強冠はすでに入っているし、痛いよーーと言って来られた時のものだ。多分この時に割れていたと思われる。これが今回の抜歯・再植のbefore/after のレントゲン写真だ。これが抜歯前の画像だ。補強冠は2週間前にどこかに行ってしまったそうだ。とりあえず抜いてみた。ゆるゆるなので難なく抜ける。縦に2つに割れている。つづく
2022/12/29
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50代女性、左上6、クラウン2次カリエス、Per、口臭、咬合痛+前回のつづきというかhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212250001/神経を取って10年〜30年も経つとなんらかのトラブルが発生し、最悪抜歯になる。この症例も通常治療では誰が見ても100%保存は不可能で抜歯するしかない。必ずトラブルが発生するのだから、そもそも神経を取る治療はしてはいけないのだ。またそれは十分可能だ。今日は最終日、3ピースに分解した歯根を再建した後、膿瘍搔爬した抜歯窩に再挿入して連結固定する。抜歯窩の歯槽骨はゆるゆるなので、歯根の収まりは悪い。特に近心根は元の位置に戻らなかった。それでも生着すると思う。人間の体は想像以上に強い。結局神経を取る治療をしてしまうと早かれ遅かれ抜歯になると言っても良い。そのような治療というより加害行為をすること自体が前近代的であり、各種抗菌剤が発達した現代においては完全に誤った行為だということを知らねばならない。・・両隣接歯には接着固定するためにグルーブやディンプルを形成し、あらかじめスーパーボンドを塗布しておく。遠心根から口蓋根近心根止血したらスーパーボンドで固定。CRで固定する。デュラシールで包帯する。レントゲン写真での bfore/after だ。近心根は元の場所に戻せていないが、多分問題ない。before
2022/12/26
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50代女性、左上6、クラウン2次カリエス、Per、口臭、咬合痛+前回のつづきというかhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212250000/神経を取って10年〜30年も経つとなんらかのトラブルが発生し、最悪抜歯になる。この症例も通常治療では誰が見ても100%保存は不可能で抜歯するしかない。必ずトラブルが発生するのだから、そもそも神経を取る治療はしてはいけないのだ。またそれは十分可能だ。今日は前回に引き続き、綺麗にした歯根をスーパーボンドの筆積み法とCRで再建していく過程だ。ある程度の強度を持たせるため既製のポストを使っている。これは頬側遠心根だが、概ねこのように再建する。根尖口を塞ぐことを忘れないように。これは口蓋根。確実に根尖口を塞ぐことができる。見ながらできるわけだから当然のことだ。これは近心根だが、近遠心的にクラックが入っているので、内側からバーをアクセスしてクラックを明示してスーパーボンドで充填する。3本揃ったので、次回は抜歯窩に挿入固定だ。
2022/12/25
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50代女性、左上6、クラウン2次カリエス、Per、口臭、咬合痛+前回のつづきというかhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212230000/神経を取って10年〜30年も経つとなんらかのトラブルが発生し、最悪抜歯になる。この症例も通常治療では誰が見ても100%保存は不可能で抜歯するしかない。必ずトラブルが発生するのだから、そもそも神経を取る治療はしてはいけないのだ。またそれは十分可能だ。今日は前回に引き続き、抜いた歯根を綺麗にする過程だ。歯根を再建する上で重要なポイントはマージン付近に軟化象牙質が残らないこと、クラックや穿孔を見逃さないこと、根尖口も見逃すことなく十分に開拡してスーパーボンドの筆積み法で充填することだ。これは遠心根。根尖口以外は特に問題はなかった。近心根に付いている歯根分岐部は削除した。歯根にはクラックがあったが完全離断してはいないようだったので、歯根内部からクラックに沿って綺麗にしていった。根尖口付近はクラックもあるようだったので、大きめに開拡している。口蓋根には通常根管は1つしかないと思われているが、この個体には2つあり、1つは全く手を付けられていなかった。これを見て分かるように、手を付けようが付けまいが、それほど変わったようには見えない。根管充填材もしっかり根尖口を塞いでいるようには見えないからだ。これが根管治療の現実だということを肝に銘じなければならない。顕微鏡で見れば2つ目を見逃さないかもしれないが、それで理想的な根管治療ができるかということとは別の話だということだ。どうであれ大して変わらない。無意味かもしれないし、より悪くしてしまうかもしれないということだ。2つとも根尖口は開拡した。綺麗にしたら、ポストを選び、再建に入るが、それは次回につづく。つづく
2022/12/25
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50代女性、左上6、クラウン2次カリエス、Per、口臭、咬合痛+前回のつづきというかhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212210000/神経を取って10年〜30年も経つとなんらかのトラブルが発生し、最悪抜歯になる。この症例も通常治療では誰が見ても100%保存は不可能で抜歯するしかない。必ずトラブルが発生するのだから、そもそも神経を取る治療はしてはいけないのだ。またそれは十分可能だ。このサイト内をよく検索して見て欲しい。全ての方法論と使用器具を載せている。保存不可能なケースでもなんとかしたいということであれば、なんとかできないことはない。それが抜歯再植なのだが、通常は誰もしたがらない。なぜなら、単独歯で歯冠修復に耐えられないことが多いので、儲からない。継続的な管理も必要になる。歯医者側からすると、経済的に合わないという理由が大きい。ま、それは置いておいて、抜歯・再植の実際というものがどういうものか実際にご覧いただきたい。処置時間は単根歯の場合で1.5時間で予定してるのだが、このケースは3根バラバラだったので2.5時間もかかっている。今日は抜歯までだ。では時系列でどうぞ冠とメタルコアを除去してみると、歯肉縁上の歯質は虫歯で溶けてしまっている。なぜ歯肉縁下の歯質が虫歯にならないかというのは現代歯科医学では謎なのだが、ここで提唱している「虫歯の電気化学説」では簡単に?説明できる。それは、水素イオンが歯質を通り抜ける際にハイドロキシアパタイト中のCaから電子を奪ってハイドロキシアパタイトが崩壊する前に、よりインピーダンスの低い歯肉に流れていくからだ。
2022/12/23
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50代女性、左上6、クラウン2次カリエス、Per、口臭、咬合痛+前回のつづきというかhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212200001/神経を取って10年〜30年も経つとなんらかのトラブルが発生し、最悪抜歯になる。この症例も通常治療では誰が見ても100%保存は不可能で抜歯するしかない。必ずトラブルが発生するのだから、そもそも神経を取る治療はしてはいけないのだ。またそれは十分可能だ。このPCではレントゲン写真が用意できなかったのでそれは後ほどということになるが、横から見ると歯根が割れている。冠も土台も緩んでいて、内部は細菌のコロニーに覆われ、その下は虫歯になっている。歯根も破折というのか分離している。では時系列でどうぞ
2022/12/21
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40代女性、右下7、近心根垂直性破折この症例は3年前に抜歯・再植したのだが、アップした画像は消えてしまったwこれが再植前のレントゲン写真これが3年後。これで3年前より良くなっているのか?ま、疑問ではあるのだが、とりあえず抜けてはいないwしかし虫歯が、6番の遠心と7番の遠心根にも。実はこの方、看護師さんで昼間の歯磨きができないという職場らしいのだ。ジェットウォッシャーも持ち込めない、らしい。歯根分岐部に食渣が挟まって取れない、気持ち悪い、、で、「抜いてくれーー!!」ということだった。全部抜くのは気がひけるのでw、再植した近心根だけ抜いて、虫歯の治療をしやすくして、なんとか不快症状を取り除きたいと思う。まず、7番の遠心根、頬側の虫歯の補修(これはあくまでも治療ではなく、補修なのだw)近心根は付け根からカットして抜く準備カットしたのだが、抜くには麻酔が必要。本当はお掃除で維持管理してほしいのだが。。近心根の内側は虫歯になっている破折部分の接着面近心面は歯根膜があるので生着していた舌則は虫歯になっている近心根を抜いたところこれが舌側。歯肉縁下の虫歯になってる。これは次回補修予定
2022/12/02
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50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202211010000/今日は最終回で、生着後をどのように処置するかという話だ。歯根が破折する原因は過大な咬合力が破折した歯にかかったということなので、再度破折する可能性は高いと思わざるを得ない。咬合性外傷と呼ばれるもので、歯ぎしり・食いしばりなどのブラキシズムや硬い食品や弾力のある食品を好むということもある。このような習癖をやめるということは一般的には難しいことだ。この方も硬い食べ物が大好きだという。こういう悪条件をクリアして長期にわたって維持していくには連結固定という選択肢を選ばざるを得ない症例は多い。むしろ単冠で終わることができるケースの方が圧倒的に少ないというのが現実だ。ではその処理過程を時系列でアップしてみる。今回抜歯・再植した歯は右下の6番だったのだが、前方の5番は再植時にメタルインレーをCRで再建済みだ。今日は後方の7番のハーフクラウンも2次カリエスで危険な状態だったので、その治療も生着を待つ間にしている。再植から1ヶ月経過すれば補綴系の処置に移れる。骨が大幅に失われているケースでも3ヶ月経てばOKだ。補強連冠の作成となる。補強冠は切削量が少ないので、問題が起こった時に発見が遅れることが少ない。壊れたり脱離したら患者さんが気がつく。数年毎に再作成でも良いと思う。問題発生に気がつくのが遅れて、気がついた時には抜歯になってしまうよりはマシだろう。
2022/11/03
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50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210310000/今日は再建した破折歯根を抜歯窩に挿入・固定する過程だ。抜歯窩はあらかじめ膿瘍を掻爬し、3MI◯入りの生食水のシリンジで丁寧に洗浄する。挿入した後もこのシリンジで血液を洗い流す。止血が終われば、スーパー◯ンドとCRで接着固定する。創面はレジン系仮封材で覆う。これは1週間以内に除去する。では時系列でどうぞ一ヶ月程すれば生着するので、連結冠を製作しても差し支えない。それはまた次回。つづく
2022/11/01
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50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210300000/今日は破折したパーツを綺麗にして再建する過程だ。もしかしたら抜歯窩挿入・固定まで行くかもしれない。3個のパーツになっているので、それぞれ綺麗にして組み立てる準備をする。怪しい穴があったので、開拡する。側枝なのかもしれないし、パフォレーションなのかもしれない。ま、そんなことはどうでも良い。細菌の生息しやすい場所を潰していくことが重要だ。これから組み立て再建なのだが、ちょっと合わせてみて、組み立て手順を頭の中に作る。あとはその手順に沿って組み立てるだけだ。これを段取りというのだが、これができないと何もできない。小さい破片を一番大きな破折片に接着し、完全に硬化する前に残りのパーツを接着し形を整える。スクリューポストは先に入れておく。次回は抜歯窩挿入・固定まで。つづく
2022/10/31
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50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210270000/前回までは抜かない遠心根の処置をしていたが、今日は破折している近心根の抜歯だ。では時系列でどうぞ最初の画像は鏡像で、その後は全部実像だ。膿瘍はしっかり掻爬するかなり深く根尖よりさらに深く広がっている抜歯した近心根。白いものは細菌のコロニーだと思う。根尖も吸収されている。クラックも見える。粗完全離断している3ピースに離断した。つづく
2022/10/30
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50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210260000/再植歯を単冠で修復するのはいろんな意味で難しい。破折するにはそれだけの理由がある。過大な咬合力をコントロールすることは意識していても難しい。要するにまた破折する確率は100%ということだ。そのために隣接歯の古い修復物を除去修復しておく。隣接歯と連結固定するためだ。抜歯の前に右下5の修復を済ませておく。今日は破折している近心根を抜歯する前までだ。ここから冠除去とっくにセメントなど効いていない。ほとんどの外部作成の修復物はこうなっている。要するにセメントなどあってもなくても大して変わらないということだ。誰も言い出さないが。今回抜く予定のない遠心根は歯根分割後に修復しておく次回は近心根抜歯の予定つづく
2022/10/27
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このところ時間がなくて記事の更新も滞りがちだ。というよりネット回線が細くてフリーズするのでアップできない。50代男性、右下6、近心根破折、口臭++よくあるケースで通常は全部抜歯か、よくて破折歯根のみの抜歯になる。業界用語でヘミセクションというやつだ。まずはレントゲン写真の before/after からbeforeafter
2022/10/26
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7年前に抜歯・再植した症例が7年ぶりに戻ってきたので、昔の画像を探し出してみた。50代男性、右下5、Per、咬合性外傷、出血がひどく痛くて噛めない7年前再植して、後ろの6番と連結固定したのだが、https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210200000/なぜか、かかりつけのクリーニングを受けている歯医者さんで7年前僕が作ったハイブリッドクラウンを外して、パラの保険のクラウンになっていた。再植歯を見たことがなかったのだと思うが、何か異常なものに見えたのかもしれない。これが2年前のことだ。このクラウンは解剖学的によくできたクラウンで、技工士の腕は良いと思う。ただ、この方の歯列は元々タイトで外傷力が強いので、解剖学的に正しければ良いというわけではない。前のハイブリッドクラウンを調整した時もかなり気を使って咬合調整をしたはずだ。タイトな噛み合わせ今回の側方観なのだが、問題の5番を見ると排膿しているのが見える。それだけではない。咬耗・磨耗痕が著しく、各歯牙のエナメル質には無数のクラックが入っており、かなり酷使されてきたことが読み取れる。これを見ただけで咬合性外傷が今回の一連のトラブルの通奏低音となっていたことが分かる。多分だが、患者ご本人はこのことに全く気が付いていないと思う。また単独歯では再植歯を維持することは難しいと思われたのだが単冠になっていた。これだけで咬合性外傷には耐えられないのだが、さらに悪いことに糖尿病の気があったので、指導員からよく噛んで食べるようにという指示があったそうで、真面目にその指示に従ったのが1年前、そして半年前には咬合痛、出血、排膿の症状が出たので、うちに連絡が入った。これが今回のレントゲン写真で、歯根周囲の歯槽骨がすり鉢状に欠損している。抜ける寸前まで追い込まれていることが分かると思う。これは典型的な咬合性外傷の所見で歯科医師なら誰にでも分かるはずなのだが、X線透過性の高いスーパー◯ンドで修復したところが溶けて見えると的外れな診断で抜歯を勧められた。これの処置は隣接歯と接着固定し、歯槽骨が再生するのを待つだけだが、適切なケアをしつつ、3ヶ月は様子を見たいところだ。以下時系列で処置の過程をアップする。接着性の低いパラのクラウンを撤去し内部は黒くなっており、すでに脱離しているのが見えるCRで歯冠を再建し隣接歯と接着固定し、入念に咬合調整する。これで様子を見るのだが、ご本人はこの歯が自然脱落寸前まで追い込まれている状況を把握しているようには見えないところが心配だ。適切なケアがされているかどうかの確認もしてみたいので、近いうちにできれば1ヶ月以内に来院していただきたい。
2022/10/23
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7年前に抜歯・再植した症例が7年ぶりに戻ってきたので、昔の画像を探し出してみた。50代男性、右下5、Per、咬合性外傷、痛くて噛めないPerというのは歯周炎(periodntitis)の略と思われ、一般的には歯周病ではなく、根尖性歯周炎のことをさす。別に根尖口だけではなく、クラックや穿孔部位など感染しやすい部分にも炎症が生じる。今回の症状は歯根の一部が免疫細胞により貪食されているようにも見えたが、単なる虫歯か外傷力による破折だったのかもしれない。とりあえず抜歯して歯根表面を観察したが、膿瘍があった部分には、クラックが認められたので、その部分だけを削除して修復して再植している。では時系列でアップしてみる。炎症がある部分の歯質はもろくなっていて、簡単に取れた。ポストも緩んでおり、内部には硫酸塩還元細菌が生息していたことが分かる。その細菌の代謝産物である黒色物質のFeSが沈着しているからだ。クラックもあるようだ。破断しているのか吸収が進んでいるのかははっきりしないが、2つに離断していた。大きい部分だけを使う。クラックは部分的だった。開拡してスーパーボ◯ドで修復再建する。抜歯窩に挿入・固定する。異物が混入しないようにレジン系仮封材で包帯する。1ヶ月後、後ろの6番と接着固定する。こうしないと単独歯では咬合力に耐えられない。この5年後近所の歯医者さんでクラウンを単独冠に交換されたようだ。2年間はもったようだが、この半年あまり出血等の不快症状が出たので、不安になって再来院された。つづく
2022/10/20
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70代女性、左上6、歯根破折、口臭++*反対側には義歯が入っていて、この歯の負担が重い。やはり破折したかという思いだ。この歯の対合歯は義歯ではなく天然歯なので力が入るからだ。この歯を諦めると、次々にドミノ倒しのように歯が失われていく、やはりここで踏ん張るしかないかと思った。*反対側(はんたいそく)というのは業界用語で左側(さそく)だったら右側(うそく)ということで、噛み合わせの対合歯(たいごうし)のことではない。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210120000/言っておかなくてはならないのだけれど、抜歯・再植に追い込まれる歯というのは、もうだめ、、抜くしかない、、抜いてインプラントだ、ブリッジだ、入れ歯だ、、ということなので、これがだめだったら、諦めてね、、ということだ。というか、どうにもならない歯をどうにか首の皮一枚でつながっているだけだと考えた方がよい。これが一生持つ、何にも気にせず食べられて、今まで通りのテケトウな口腔ケアでも大丈夫、というわけではない。これは歯医者側から言っても同じで、すべての再植症例を単冠でセラミックやジルコニアのクラウンを被せて儲けよう、、なんていうスケベ心を出してはだめだ。単冠修復でいける症例は10%あるかどうかだからだ。単冠でいけても隣在歯との連結固定が必要になるケースは出てきて、その時にセラミックやジルコニアだとスーパー◯ンドの接着力が弱いので、連結固定すらできずに困る。僕はハイブリッド系の修復物を使っているのはそのためだ。これなら接着も盛り上げも削合も自在に行える。しかし高いチャージは請求できない。ま、この世に生まれてきたのはこんな報われない修行をするためだと思うしかない。それでもいきなり抜いてしまうよりは患者に感謝はされる。今日は口腔外で再建した歯を抜歯窩に挿入して隣在歯との接着固定の処置というか最終回だ。通常大臼歯の歯根は外開きになっているので、歯根再建後は抜歯窩には戻らないはずだ。しかし、強度の炎症で歯槽骨が緩んでいる場合は戻る時もある。抜歯・再植をするには破折その他で問題が生じた直後よりしばらく経って熟成させてからの方が良いw。このケースの場合はなんとか押し込んだら入ったwどうしても入らない時は歯根分割するしかない。では時系列でどうぞこの後は隣在歯に接着固定する過程。スーパー◯ンドが固まるまで待てない時はCRで覆えばOK食渣が入らないようにレジン系仮封材で包帯する。除去しやすいように水をかけて分離材とする・この方は市内で開業している動物病院のお母さんなんだが、僕のことをゴッドハンドと言われた。そうかもしれないが、そうではない。人それぞれ(経済的)事情があるから・・w
2022/10/13
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70代女性、左上6、歯根破折、口臭++*反対側には義歯が入っていて、この歯の負担が重い。やはり破折したかという思いだ。この歯の対合歯は義歯ではなく天然歯なので力が入るからだ。この歯を諦めると、次々にドミノ倒しのように歯が失われていく、やはりここで踏ん張るしかないかと思った。*反対側(はんたいそく)というのは業界用語で左側(さそく)だったら右側(うそく)ということで、噛み合わせの対合歯(たいごうし)のことではない。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210100002/今日は組み立て過程なのだが、この再建中の膿瘍から出てくると思われる臭気はかなり強烈なもので、ゴム手袋を透過して直接手に移ってくる。手袋を脱いだ後も臭うな。。と思って自分の手を嗅いでみたらその匂いがする。・・綺麗にしたら、スーパー◯ンドの筆積み法による組み立て再建なのだが、貼り合わせ面に接着剤不足による隙間ができないように注意しながら組み立てる。スクリューポストは使った方が良いと思う。穿孔も根尖もしっかり開拡してスーパー◯ンドで塞ぐ大臼歯の歯根は開いているので、組み立てたあと、抜歯窩に挿入できないことがある。その時は最小限歯根分割するしかない。つづく
2022/10/12
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70代女性、左上6、歯根破折、口臭++反対側には義歯が入っていて、この歯の負担が重い。やはり破折したかという思いだ。この歯を諦めると、次々にドミノ倒しのように歯が失われていく、やはりここで踏ん張るしかないかと思った。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210090000/破折歯を見るといつも絶望的になる。この歯は神経を取って、取った後の根菅に根管充填材を詰めてあるのだが、ピンクの根性材の周りが真っ黒になっているのを見るとまず絶望する。この黒色物質は硫酸塩還元細菌の代謝産物の硫化鉄(FeS)で、根管内はこの細菌が繁殖していたということを表す。根管治療の教科書的には細菌が繁殖しないように、根管内の有機物をファイリングで完全にこそぎ落として綺麗にして、薬剤で消毒し、乾燥し、根管充填材で緊密に充填する。ということにはなっているが、現実はそう上手くはいかない。根管内部が黒くなっていない歯が非常に稀だという現実から、教科書に書かれていることは絵に描いた餅、実際には実現困難な妄想にすぎないという厳然たる事実がある。ラバーダムをしても同じようなものだ。ちょっとはマシかなという程度だ。汚い手袋で巻いた綿栓とか、どうなんだろう。では、どうすれば良いのか?最初から神経を取ろうなんていう考えは捨ててしまうことだ。どうせ99%上手くいかないのだから。もう1つの絶望は根管治療の不備に基づくものではあるのだが、膿瘍形成の存在だ。膿瘍は免疫系が細菌等の異物と戦いそれを排除しようとして形成するものなのだが、元々そんなものがある方がおかしいということだ。今回の症例では歯根分岐部に大きな膿瘍があり、この原因は根管充填材を詰める前に根管をファイリングで拡大する過程で、側壁に穴を開けてしまったことにある。これは根管治療中に良くある事故なんだが、誰でもやってしまう。真面目に根管治療に取り組む歯科医ほどやってしまうというオチまでついている。膿瘍は根尖にもあり、これはこの部分に細菌が取り付いており、これを排除しようとしていたことを表している。排除しようとして根尖口付近がすり鉢状に吸収されてもいる。これは根尖まで綺麗に根管充填できてはいないので、根尖付近はやはり細菌の生息場所になっているということだ。神経を取った歯根というものは概ねこのようなもので、免疫系は歯根そのものを異物として扱っているようにも見える。それでも厄介なことに10年も20年も自覚症状が現れないことが多いのだ。これは歯医者にとってはありがたいことで、その間にどこの歯医者で神経を取られたのかも忘れてしまうことも多いのだ。自覚症状が出た時には抜歯となることも多いのだが、誰も責任は取らない。やはり神経など取らないのが最も良いというだけのことだ。またそれは簡単なことだ。時系列で膿瘍や根管の様子をアップしていくので、よく見て欲しい。合わせてみた膿瘍を除去してみた根管充填など無駄だということがよく分かると思う。つづく
2022/10/10
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70代女性、左上6、歯根破折、口臭++反対側には義歯が入っていて、この歯の負担が重い。やはり破折したかという思いだ。この歯を諦めると、次々にドミノ倒しのように歯が失われていく、やはりここで踏ん張るしかないかと思った。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210080000/前回のレントゲン写真を見れば分かるが、抜歯してインプラントというのは絶対無理な症例ではない。しかしこの歯だけ上手くいっても反対側の対合歯が今度は破折する番だ。この歯が破折するにはそれなりの理由がある。先進医療も良いことばかりではない。次々と問題が発生し泥沼化していくことも覚悟しなければならない。・・今日は抜歯から抜歯窩の膿瘍掻爬・洗浄までの予定だ。破折線が歯根面に見られ、臭気を放っている。フィステルもできていて、爪で押すと潰れ、血膿が出る。冠やコアを除去していく過程だ。ハイブリッド前装冠だが、咬合力により挫滅している。天然歯の右隣の5番でさえ遠心辺縁隆線がクラックから虫歯になりチッピングしている。高齢になるにつれ歯が少なくなると、神経を取った歯ほどダメージを受けやすい。年を取っても食べたいものは同じなのだ。この歯は弱くなっているので、労わりながら食べてね、と言ってもなかなか理解するのは難しい。何も考えないで食べるのは無理なの!?と言って泣き出す患者もいる。(知らんわ。。口には出さんけどw 僕の歯も破折しているしw)完全に離断していて肉芽になっている。5番の虫歯も取ってCR充填しておく。頬側の近心根の破折片から抜歯というよりなんだろう、除去? 膿瘍にまみれている。細菌と人間の免疫系が戦っている場所なので臭い。今度は本体の方の抜歯。肉芽というのか膿瘍というのか、強烈な臭気を放っている。抜歯窩の膿瘍も概ね綺麗に掻爬して、3MI◯添加の生食水のシリンジで洗浄しておく。歯根膜の細胞もいるだろうから、その辺のことも考えて掻爬する。つづく
2022/10/09
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70代女性、左上6、歯根破折、口臭++反対側には義歯が入っていて、この歯の負担が重い。やはり破折したかという思いだ。この歯を諦めると、次々にドミノ倒しのように歯が失われていく、やはりここで踏ん張るしかないかと思った。レントゲン写真でのBefore/after だ。beforeafterつづく
2022/10/08
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30代女性、左下6、近心根破折、咬合性外傷前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208240000/咬合性外傷というのは就眠時、覚醒時を問わず、噛み締め、歯ぎしり、嚙み鳴らしなどの癖があったり、硬い歯ごたえのある食べ物が好きだったり、ガムなどを長時間噛んでいるとか、飲み込む前に30回噛みましょうとか、歯は鍛えられるというデマを真に受けているとか、スポーツや勉強や仕事に根を詰め、歯を食いしばって頑張り過ぎているなど、歯や周囲組織に過大な負担を強いていることだ。この10年余りの間に非常に増えた感がある。咬合性外傷により歯牙が破折するのはもちろん、虫歯や歯周病の直接的な原因にもなり、歯が浮くなどという歯根膜炎や僕が歯髄塞栓症の一形態と提唱している知覚過敏症や歯髄壊死もこれが原因だと思われる。歯科でできる対応としてはナイトガードと呼ばれるマウスピースやシーネ、スプリントなどで特定の歯牙同士が強く当たらないようにしたり、ナイアシンを就眠直前に飲むことにより、脳内幸福物質と言われているセロトニンの産生を助け、悪夢を見ることなく、歯ぎしりや食いしばりを起こすことなく、ぐっすり眠れるようにするくらいだ。今日はスプリントのセットと調整の様子で、上顎にセットしたスプリントに下顎の全ての歯牙が均一に噛むように、また歯ぎしり時にもなるべく多くの歯牙でガイドできるように調整する。下顎の歯槽骨には大きな骨隆起が見られ、咬合性外傷があることをうかがわせる。終わり
2022/08/28
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30代女性、左下6、近心根破折、咬合性外傷前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208230001/再植から1ヶ月後、生着していると思われたので、補強冠で連結固定した。通常歯根破折するような症例の場合、咬合性外傷がないわけがない。破折歯根を意図的抜歯後、再植しても、再破折することは当然あり得る。この点も抜歯再植が普及しない理由の1つでもある。多くの歯科医師は単冠で修復できれば良いなと考えるが、咬合性外傷がある場合は再破折してやはり抜歯となるとすると患者からクレームが来る。インプラントよりインプラント体その他パーツ代(例えば10万円)だけ安いチャージをいただいてもインプラントより持たない可能性が高い。インプラントは歯槽骨と骨癒着するので丈夫だ。噛み合わせの対合歯が耐えきれずにグラグラになり抜けてしまったり、破折してしまうことがあるが、これはそのインプラントではないので、言い逃れが出来る。ではどうやって咬合性外傷を回避し、長期にわたって維持していくか?今の所、隣接歯と連結固定するのが最も現実的だ。補強冠は見た目が最悪なので、高いチャージを請求できないこともあり、これも普及しない理由の1つだと思うが、歯牙削除量も少ないので、再治療も容易だし、トータルでは歯は長持ちする。今回は1つ後ろの左下7にも外傷性のクラック(ヒビ)があったので、この歯の補強も兼ねて6、7の補強連冠とした。四角部分の拡大画像ではクラックが広がっている。これだけでは不安なので、歯ぎしり、食いしばりを緩和するナイトガードの作成をした。それは次回の予定。
2022/08/24
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30代女性、左下6、近心根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208140000/続きをアップしなくては、、と思いつつ、忘れそうになっていた。で、今日は再建した歯根を抜歯窩に挿入して隣接歯と接着固定、生着を待つというところまで。もちろん抗生剤は出す。次回は生着後の固定等の処置について。頬側の歯槽骨が根尖付近までないという悪条件。。
2022/08/23
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30代女性、左下6、近心根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208130000/もう明日でお盆休みもお仕舞いで、休み明けの技工物を作ったりしていた。PCのHDDをSSDに交換する作業もしていたが、上手くいかない。USBで外付けにすると起動できるが、SATAで内臓すると起動しないとかよくわからないことに悩まされている。2012MidのMacbook Proがいかんとかいう話もあるが、よく分からない。。このPCでは再フォーマットもできない。エラーが出る。・・今日はスーパー◯ンドの筆を使って破折した歯牙の破片を組み立てる作業なんだが、まずできるだけ早く、抜いてから再植まで40分?以内、とか書いてある本もあったような気もするのだが、そこまで厳密ではない。1時間〜1.5時間かかることもあるが、大丈夫。時々生食水で湿らせればOKだ。それにしてもスーパー◯ンドは素晴らしい接着剤だ。僕が技工士学校にいた頃に出たので、何十年も前の話だ。これはアクリル系の瞬間接着剤の研究開発時に偶然できたと聞いたことがある。外科では血管縫合に使うこともあると聞いたこともあるが、本当かどうかは分からない。知っている方がいらっしゃったら教えていただきたい。ま、これがなければ抜歯・再植はできないと思う。組み立てというか貼り合わせるだけなんだが、隙間が新たにできないように過不足なく接着剤が行き渡るように両面に塗って張り合わせて、はみ出した部分は拭き取るかハサミ等でカットする。合わせてみて、頭の中で接着してみる。既製の金属製のポストを入れる。あった方が丈夫になると思う。スーパーボン◯とCRである程度歯冠を再建しておく。つづく
2022/08/14
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30代女性、左下6、近心根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208120000/破折歯根の内部をみるといつも絶望的な気分になるのだが、真っ黒になっている。神経を取ったあとの根管は拡大して緊密に充填するということになっているが、全然ゆるゆるで、隙間だらけということだ。隙間で硫酸塩還元細菌が繁殖していて黒色物質FeSを盛んに代謝していたということが分かるからだ。有り体に言えば、このFeSはこの細菌のウンコということだ。ゆるゆるの根管充填材は元々ピンク色なのだが、真っ黒だ。ま、どうせ上手くいかないのだから最初から神経を取るなんてアホなことはしないことが重要だ。しかもα-TCPセメント+3MIXを使えば簡単だからだ。歯根内面を虫歯を含めて綺麗にしていく作業だ。つづく
2022/08/13
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30代女性、左下6、近心根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208100000/今日は夏休み2日目だが、腕が上がらない。ま、これはこの30年来そうなのだが、年々ひどくなる。昨日はゲストルームの掃除をして家具を移動させたりしていた所為かもしれないが、今朝は特にひどい。キーボードを打つのが辛い。肉体作業の多いソーラーハウスはほとんどできたので、ギリギリで逃げおおせた感はある。あとは太陽光発電システムと商用電源を自動的に切り替えるシステムを作って、ソーラーハウス建設作業は終わる。このあとは河村先生のモードレス・スピーカを作って、その量産体制を作って、僕の人生は終わりになる予定だ。今の僕があるのはK先生を始めとする河村スピーカ工房(正式名称は(株)日立製作所 横浜工場 部品部 スピーカグループ 主任技師 河村信一郎)の皆様が世に送り出したHITACHI Lo-D HS-400という奇跡のスピーカに出会ったことにある。1976年のことだ。このスピーカは性能が良すぎて良い音を出すのは極めて難しい。ソースを含め周辺機器の音がそのまま出る。四苦八苦するうちにいろんなことを学ばせてもらった。感謝しかない。電気電子、機械、音響、楽器演奏などに至るまで、実践的な科学的知見や技術はオーディオをやっていて初めて身に付くものだった。もちろんその知見や技術は歯科医療分野にも応用している。・・・この歯を抜いてみると、縦に割れていて、内部は硫化鉄:FeSによって汚れている。これはドブの底に溜まっている黒色物質と同じもので、歯根内部は硫酸塩還元細菌の生息場所になっていたということだ。要するにドブの底と同じ状態だ。ドブ臭い。つづく
2022/08/12
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30代女性、左下6、近心根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208080000/昨夜は寝落ちしていて、アップできなかったので、朝しようと思って、画像を貼るだけにしていたら、内容が消えた。。気を取り直して再書き込み中。今日で診療室は終わりで午後から大掃除モード突入。今日は抜歯までの画像をアップ予定だが、抜くのは破折している近心根のみで、遠心根は触らない。前々回の報告書のレントゲン写真を見ると遠心根は2根あり、無理やり抜くと歯根は分割せざるを得なくなり、歯槽骨も壊れる可能性が高い。近心根の頬側歯槽骨は元々ないので、あえて危険を犯すこともない。遠心根の骨植も問題ないので、抜歯再植はせず、コア部分をCRで再建するにとどめた。では時系列でどうぞ近心根は破折しているので、隙間があり多少の虫歯が進行中だった。近心根のみ分割抜歯して、遠心根は再建した。つづく
2022/08/10
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30代女性、左下6、歯根破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202208070000/このクラウンはジルコニアという素材で、CAD/CAMという機械でブロックを削り出して作るものだ。直径1mmのラウンドダイアモンドバーで削り出すので、それより細かい掘り込みはできないので、ディープシャンファー形態にするしかない。シャープな支台歯形状にはできないので、脱離しやすい。接着剤の接着強度も高くない。また硬過ぎるので咬合調整が難しい。除去も難しい。対合歯や自身の歯根が破折しやすいなどの欠点もある。今回も荒めのダイアモンドバーで除去してみたが、火花を散らせながら削れていく。真ん中から縦割りにすると外しやすい。内部はファイバーポスト+CRコアになっている様だった。破折している近心根には隙間ができていて内部は細菌の繁殖場所になっていた。硫化水素系の虫歯臭がする。この匂いがするうちはひどい虫歯にはならない。硫酸塩還元細菌は酸産生菌ではないからだ。では除去するまで
2022/08/08
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30代女性、左下6、近心根破折歯根破折での紹介患者さんで、全く存じ上げない皮膚科の先生からのご紹介で、なんでだろう?とご本人に電話でお訊きしたら、僕の同級生の某君のお知り合いだったということが分かった。某君も理想を追求する教育者で自身はストレスを溜めているらしく、食いしばって歯を割る。それは再植したのだが、そのことをお聞きになったようだ。この患者さんは、うちに来られる前に近くの歯医者に行って診断を受けたそうだ。それが以下のレポートで歯茎をめくって破折線を染め出して写真を撮っている。垂直性歯根破折という診断だが、再植はやらないということで、うちでの再植の費用くらいのお金を取られて、何もしてくれなかった。もし破折していなかったら20数万円の費用がかかると言われたそうだ。ま、無能な歯医者だ。見れば一瞬で判るだろう。。というか、歯医者なんていうのはこの程度だ。それにしても、うちは「安すぎワロタww」つづく
2022/08/07
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30代女性、右上7、歯根破折、開口、咬合性外傷前回の続きhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202206220000/歯科医療が「マッチポンプ」ということに気がついていない歯医者も多い。これ以上のことができないのだから気がつけない。ま、それだけのことだ。この歯は再植後1ヶ月経過して生着はしたが、動揺度1はある。口臭等の不快症状は消えたが、できれば歯槽骨が多少なりとも再生して、動揺も収まり末長く使えて欲しいものだ。で、補強連冠と称する歯列固定法を用いることにした。メタルのインレーはCRに交換した方が接着力は増す。7番のジルコニアは除去は困難なので、1mm幅でグルッと最小限削って、型取りした。では時系列でどうぞ
2022/07/21
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40代男性、咬合性外傷、左上1歯根クラック、穿孔、歯根端切除術歯根尖病巣や歯根破折による膿瘍がレントゲン写真で見るとどのように見えるかというと、ここのレントゲン写真が典型的なものだと思う。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202201140000/レントゲン写真による膿瘍の特徴は1、歯根周囲の歯槽硬線と呼ばれる白線の消失(歯根周囲の骨が失われている)2、膿瘍内部の骨梁の消失(骨内部の構造体が失われている)これらの特徴は見られない。矢印で囲った部分に膿瘍があるとは言えない。以下の画像は9ヶ月前のものだが、腫瘍以外で9ヶ月でここまで大きくなることはない。今回の他院での画像でこの部分が膿瘍だそうだが、歯根尖周りの歯槽硬線も見え、骨梁もしっかり見える。再植に根管充填材は除去してレントゲンに写らない◯ーパーボンドで再建しているので問題ない。多分これは歯槽骨が薄いのだろうと思う。画質は悪いが再植3年5ヶ月以前のレントゲン写真にも写っているように見える。
2022/07/10
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40代男性、咬合性外傷、左上1歯根クラック、穿孔、歯根端切除術近所の歯医者さんでレントゲンを撮ってもらったとかで、見せてもらった。デジタルレントゲン写真のようなので、画質が荒い。僕のはアナログだ。9ヶ月前のアナログ写真大きな問題があるように見えない。これが今回の他院撮影の写真矢印部分の陰影が濃い。膿瘍か何かがあるのだろうか?デジタルは鮮明さを出すために?コンストラクションの強調をしすぎるようなので、読影が難しい。暗い部分を見るために露出を上げてみた。骨梁が見えるようなので、膿瘍の可能性は低いように思う。気にしないでもいいのではないだろうか?再々植をするとしても1年以上経過後だ。
2022/07/10
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40代男性、咬合性外傷、左上1歯根クラック、穿孔、歯根端切除術僕は膨大な画像を残しているので、過去に遡って詳細に検証することができる。小学校高学年の頃にはすでにやっていたので、やはり一生やっているのだろう。3年5ヶ月前に抜歯再植したのだが、違和感とフィステルができたということで、再植当時の画像を確認してみた。抜歯してみると、歯根端切除してあったが意味のないものだった。クラックも穿孔もそのままだったからだ。歯根端切除部分、クラック、穿孔部分を除去トリミングしていくと、内部にはクラックが広がっていることがうかがわれる。拡大画像とにかく怪しい部分は除去した。クラックも歯茎部まで完全に除去した。スーパー◯ンドの筆積みで修復した。別件でいらっしゃった9か月前にこういうこともあろうかと撮ったレントゲン写真がある。フィステル相当部に小さい陰影が見えるが、これが何かはわからない。今回の違和感やフィステルと関係があるのかどうかもわからない。単なる写り具合なのかもしれない。可能性としては、またクラックが広がって、スーパー◯ンドが剥がれたか? 咬合性外傷がある方なので、何があるかわからない。何でもありだ。 3年5か月ではちょっと早いような気もするが、再々植をしてみるか? 再々々植くらいまでは普通にやっている。再々々々植くらいで皆さん諦めるみたいだがw もう十分です、ありがとう。
2022/07/06
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50代男性、右上2、歯冠破折、Per前回のつづき。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202206260001/今日は再植の画像で、抜いた歯を元の抜歯窩に植え戻すとか、歯科医師も含めてほとんどの人は見たことがないと思う。最後、指で押し込む時にぱっちんといってハマった。これは歯根のどこかにアンダーカットがあったということを示している。抜けにくかったわけだ。隣接歯とは歯牙固定している。◯ュラシールで包帯して、投薬4日間。投薬が終わった頃に包帯は外す。まだ歯肉は治っていないので、歯ブラシで強く磨いたり、しつこくジェットウォッシャーを当てないように。痛みがあったり、出血するのはやりすぎだ。これで歯を抜いた人がいる。4日後に包帯を外した直後の画像を送ってもらった。少し歯肉が下がっているが想定内だ。歯根は十分長いし、根尖病巣も治したので、特に問題なく天寿を全うするだろう。では時系列でどうぞパッチン、、少し歯肉は下がると思うが、あまりガミーではないおじさんなので、笑っても気にならないのではないかと思う。再植時送っていただいた4日後の包帯を取った後の画像。
2022/06/27
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50代男性、右上2、歯冠破折前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202206250001/一番時間がかかって、なおかつ神経をすり減らしたのが抜歯作業だった。画像は2枚しかないが。なるべく傷つけない様に、これ以上破折させないように。ま、時系列でどうぞとりあえず、瞬間接着剤とアクリルパウダーで隣の歯を接着して来られた。こうしないとぷらぷらの歯ではご飯が食べられない。瞬間接着剤などアクリル系の接着剤はスーパー◯ンドもそうだが、特に問題なく生体に使える。剥がすのが面倒なので一般の歯科医師は嫌がるかもしれないが、加熱したエキスカベーターで剥がせる。一応麻酔はしたが、指で引っ張れば取れる。根尖付近の歯根膜は膿瘍の所為で失われている。歯根膜というものがどういうものか分かると思う。クラックがないかどうか、根菅充填材を除去しながら慎重に観察した。もしかしたらあるのかもしれないが、はっきりとは確認できなかった。あっても内側からの補強でいけるのではないかと判断した。既存のCRは歯冠の内側の一部を除いて除去した。残ったパーツはこれだけだ。内部には既製のポストを入れて補強する。あとはスーパー◯ンドの筆積みとCRで再建していく根尖も次回は再植の過程だ。つづく
2022/06/26
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50代男性、右上2、歯冠破折鮭の皮の干物?トバ?とかいう硬いものをつい噛んでしまったら、バキッ、、1時間くらい頭を抱えて、どうしよう、、悩んだ末、僕のメアドを探してメールを書いたそうだ。午前3時頃。この歯は神経を取ったあと変色したので、内部漂白をしたそうだ。3回もすると歯質は弱くなる。それもあるが、CR充填もあまりしっかりとはされていなかった。というより、差し歯にして儲けたかったのかもしれない。これもマッチポンプかな、と思わせる匂いはした。破折は想定内ということだ。これは業界ではよくあると思う。あんまり暴露すると毛されるがwま、単に下手なだけかもしれない。まずはレントゲン写真でのBefore/after一部骨縁下の破折だったのと、歯根にクラックがあるように見えたので、抜歯再植を試みたが、骨植はしっかりしていたので、抜くのに手間取った。これ以上歯根が壊れないように抜くのはむずかしい。多くの歯科医師が抜歯再植に踏み切れない最初の理由の1つだ。次は組み立て再建だ。最近のプラモデルの様にパチパチと簡単にはいかない。抜歯の時、上の方の歯根膜と歯槽骨を傷つけたので、歯槽骨は下がるかもしれないが、仕方がない。beforeafterつづく
2022/06/25
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50代男性、右下7、歯根破折この時から3年経って、別件でいらっしゃったので、どうなったか写真を撮ってみた。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202110150001/思ったよりはちゃんと生着していた。人間の体というのは強いものだ。では、レントゲン写真から
2022/06/25
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30代女性、右上7、歯根破折、開口、咬合性外傷前回の続きhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202206210000/ジルコニアのクラウンは再植時の再建に苦労する。とても硬くしかも接着剤の効きが良くないからだ。今回もジルコニアは除去したかったのだが、除去時にジルコニアは削れずに歯の方が削れてしまうに違いない。本当にバラバラになって原型をとどめず再建ができなくなってしまう。仕方がないので、隣接歯との接着面にグルーブを形成するにとどめ、ジルコニアクラウンの上に残った歯質に歯根を再建した。ジルコニアのインレー・クラウンを作る装置は700万円程するので、導入すると厳しいことになる。1本当たりのチャージを6万円とすると、ジルコニアブロックの材料代1万円を差し引き、5万円の利益になる計算だ。700万円を償却しようと思えば、140本の歯を削らなくてはならない。世の中というのは、そういうものだ。今日は再建から再植まで、では時系列でどうぞ
2022/06/22
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