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20代女性、右下7、Perここのコメント欄で教えてくれる他の歯科医院のホームページを見ると、うちの真似をしていると思われる画像も見受けられます。とても良いことだと歓迎します。世界の歯科医療の水準が爆上がりすることでしょう。前回の続きhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202203300000/かなり腫れている(GA)ので、歯髄が死んでいて感染していることがうかがわれる。レントゲンからも根尖付近には広範囲の透過像が認められる。この歯は近くの歯医者さんで、水酸化カルシウム製剤を使って神経を残す治療を受けたそうだが、上手くいかなかったようだ。保険診療でも認められているのだが、失敗したらその後の根管治療が減額されるというペナルティー付きの意味不明の治療法だ。僕もやってみたが上手くいかないのを確認したことがある。CRの仮封を除去すると水酸化カルシウム製剤が見えるので、全部除去した。露髄しているが出血しないので、歯髄は溶けて無くなっていると判断して、天蓋を除去した。この天蓋を除去するという画像は歯科医師以外は見ることができない貴重なものだと思う。少し出血したが、遠心根は粗完全に失活しており、そこからの出血だ。近心根は歯髄息肉になっている。僕もこのような症例は初めて見たのではないかと思う。とりあえず、近心根はα-TCPセメント+3◯IXで直接覆髄してCRでカバーした。遠心根はレントゲン写真を見ると思ったより長かったので、α-TCP根充2回法を採ることにした。遠心根のみ再明示して、2回法で根充した。これで腫れが引けば治る見込みがある。この歯は他の歯科医師の手が入っているので、完全な封鎖性が得られているかどうかの確証はない。もし、再度症状が出るとなれば再治療が必要となる。
2022/04/01
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20代女性、左下8、露髄痛みはないのだが、虫歯によるものだと思われるが、露髄して露髄した部分が息肉になっている。この息肉というのはポリープとも呼ばれていて、外界の刺激に対応するための組織だ。この組織を顕微鏡で観察してみると細菌と人間の免疫系が戦っている場所ということがわかる。これはこのまま3◯IX+α-TCPセメントでカバーして微少漏洩がないようにCRで充填すれば、そのまま治ってしまう。歯髄はiPS細胞が採取できるほど原始的で強靭な組織なのだ。歯髄を取らないと痛くなるというのは嘘なのだ。こんなことは現在の歯科医学では考えられないことだろう。従来の歯科保存学では歯髄息肉は細菌感染しているのだから、歯髄は完全に除去しなければならないとされているが、大嘘だ。抗生剤のない時代ならそうだったかもしれないが、今はそうではないはずだ。多剤耐性菌では無理だと思うが。レントゲン写真でのbefore/after から、左下7も同日に同じような治療をしている。これは次回にでも。 beforeafterちなみに麻酔は必要ない。では時系列でどうぞ
2022/03/30
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20代女性、右上6、便宜的抜歯今日はスプラッタ系なので閲覧注意!しばらく休んでいた矯正治療を再開しようと思うのだが、邪魔になっている異所性に萌出した6番?7番?を抜歯するに当たり、一回では抜歯は難しい、分割抜歯は必須だろうと思って、一回目は意図的に露髄させ、その場で直接覆髄して、1週間後の二回目で歯髄がどうなっているか確認して分割抜歯することにした。ま、こんなことは普通はしないし、見ることもできないので、参考になるだろうと思ってアップしてみることにした。もちろん麻酔は使ったが、冠部歯髄を除去して根部歯髄だけにして直覆しても術後の痛みも出ない。歯髄はとても侵襲に強い原始的な組織だ。こんな強靭な組織を取る抜髄という治療行為が普通に行われていることには疑問を感じざるを得ない。全くそんなことは必要なく、単にそうしないといけないと思い込んでいるにすぎない。100年以上もだ。では時系列でどうぞ髄角部露髄冠部歯髄冠部歯髄を除去し根部歯髄を根管口から見たところ3◯IX+α-TCPセメントで直覆しCRでカバー1週間後、CRとセメント除去。歯髄は何の変化もない。1ヶ月程すると2次象牙質で創面は覆われる。分割抜歯
2021/11/25
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60代女性、右下6インレー、2次カリエス、咬合性外傷(食いしばり)、自覚症状なしこの方、15年ほど以前、後ろの7番も歯牙破折して抜歯再植したが、5年ほど前に自然脱落した。仕方がないので、補強冠ブリッジを作ったが、インレーに隙間ができたので、セメントを入れて次回外してみることにした。外してみると内部は軟化象牙質だらけで、削っても痛くない。露髄したが出血もしない(赤矢印)。排膿も腐敗臭もない。黄色矢印部分は髄角部の2次象牙質だ。歯髄部分はがらんどうで歯髄は溶けてなくなっているが、細菌感染はしていない。歯髄は細菌感染して失活すると信じられているが、実は違う。咬合性外傷により根尖口付近に咬合力が集中し、歯髄血管が圧迫されたり、血管壁が損傷し血栓やデブリができ、それが歯髄内部の毛細血管に詰まり歯髄が壊死する。僕はこれを咬合性歯髄塞栓症とか咬合性歯髄硬塞と呼んでいるが、まだ現在の歯科医学では知られていない。こういう場合は通常の根管治療をして、根管を充填しようと思ってはいけない。α-TCPセメント+3◯IXで直覆してCRで埋め戻せば良い。歯髄内部をいじると感染させてしまってろくなことにならないのがオチだ。昔から歯髄の乾酪壊死ということが言われていて、歯髄が死んでしまってもミイラ化して、根尖口は自然に閉じることがある。根管は極力いじらないことだ。では時系列でどうぞ
2021/11/16
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リクエストがあったが、業務経験の長い歯科医師でないと解りにくいのではないかと思う。というか、歯科医師でも何が起こっているのか意味不明だと思う。80代男性、左上7、歯髄壊死>Per(根尖性歯周炎:歯髄が壊死して炎症が歯根外に波及している状態)多分CRの辺縁封鎖が破れて歯髄に細菌感染したものと思われる。2週間程前から痛かったそうだ。やっと昨日位から痛みが治まった。歯髄があらかた死ぬまでが痛い。ズキズキの激痛だ。よく我慢しましたね。受付が杓子定規だから今日しか空いていないとか言ったのだろう。僕に直電すればのたうちまわらすによかったと思うのだが。近心根付近の根尖相当部が腫れている。歯ぎしりが酷い方だ。歯のすり減り具合でわかると思う。内部の歯質にもCR部分にもクラックが多数見える。ここから細菌感染したのだろう。冠部歯髄は壊死していて空洞になっている。口蓋根は2次象牙質で塞がれているらしく探せない。頬側の2根には超音波スケーラーのエンドチップが入る。頬側近心根の歯髄は完全に壊死していたが、頬側遠心根は完全に壊死してはおらず、痛みを感じ、出血する。少し赤いので分かると思う。α-TCPの2回法で根管充填したが、1回目で出血した血液がセメントに混ざっているのが見えると思う。2回目で内部を固めてCR充填して終わった。こんな感じで1回で処置は終わる。従来法しか知らない歯科医師は驚くと思う。えっ、こんなことで治るの?!
2021/10/28
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前回の続きなのだが、ファイバーコアやセラミックスクラウン(ジルコニア含む)というのが、儲かるだけで、どうしようもなく使えない代物かということを述べてみたい。こんなことを書くと大多数の世界中の歯科医師を敵に回すことになるのだが。うちでは神経を取ることもない、僕から見たらまっさらな歯を削り倒して最初に入れるのがセラミックスクラウンなのだ(金属冠も同じではあるが)。僕に言わせれば、条件の良い歯だからそんなクラウンを入れられる、そもそもそんなものは必要ない。これからご紹介するのは「近未来のクラウン」しか入れられない、通常はうまくいかなかったら抜歯ですよ?といわれる症例だ。レントゲン写真を見ると分かると思うが、エンド治療不良による根尖病巣(Per)と歯根分岐部病変がある。この方は60代女性、20年ほど前に治療したのだが、最近は時々歯茎が腫れたり噛むと痛いということで、他院に行ったら、歯根分割の手術が必要、最悪抜歯と言われたとかで当院に来られた。要するに何が起こっているかというと、セラミックスクラウンだろうが金属冠だろうが、入れて20年後には抜歯になる可能性が高いということなのだ。そんな歯を治して、どうにか使えるようにしてほしいという患者の依頼なのだが、(最初から安易に神経を取ってクラウンを入れるのは)やめて欲しいというのが本音だ。再発するリスクもある。その時のフォローはどうする?全部壊さないでも再治療ができるようにしておく、そんなことを考えながら再建していくわけだ。ジルコニアは硬すぎて穴を開けるのも大変だ。セラミックスクラウンはものによっては硬くないものもあるが壊れやすい。穴を開けての再エンド治療には耐えられないかもしれない。隣の歯と連結固定もできない。セラミックス系は接着剤が効きにくい。なんとか残そうとする僕が大変なのだ。これが使えない理由だ。セラミックスクラウンを入れて、儲かった!あとは野となれ山となれ〜・・か? やめてくれよ。。その答えが「近未来のクラウン」なのだ。穴を開けて再エンド治療も可能で、穴はCRで塞げば良い。接着剤も良く効く。再治療過程を全てアップする。解説は以前にしているので、省略する。では時系列でどうぞ
2021/10/24
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40代女性、左上1、PerCRの隙間から歯髄に細菌感染したのか、根管を開けると排膿した。前回の症例とは異なり、レントゲン写真からも粘液貯留系の嚢胞ではないように思う。排膿が収まったら、根管内を超音波洗浄し、α-TCPで根充、CR充填した。投薬3日。急性も慢性のもただのPerならこれだけの処置で治るとこが多い。
2021/10/07
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50代女性、左上 2、歯根嚢胞嚢胞液を位相差顕微鏡で確認したところ2種類の細菌が見られた。歯根嚢胞の原因はよくわかっていない。小唾液腺の細胞が迷入したとか元々根尖付近にあったとかで、粘液を産生し続け嚢胞が大きくなり続ける。細菌感染が2次的なものか、きっかけになったものか、それもわからない。患者も大きくなるのを心配して、他科を受診されてCT、MRI検査で悪性のものではない。歯性嚢胞だろうという診断だった。保存的治療法は3つある。1、嚢胞内にビタペックス等を注入し続け嚢胞壁の腺細胞を破壊するまで続ける。2、抜歯再植術の応用で、歯根尖に固着した嚢胞を一塊として抜歯し、嚢胞だけを除去し再植する。3、開窓し、歯槽骨が上がってくるのを待つ。今回は嚢胞内にはビタペックスを注入し、根菅内はα-TCPで充填した。これだけで嚢胞は治る可能性は低い。あとは外科処置の2か3になりそうだ。結果はどうだろうか?つづく
2021/10/06
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5歳男子、右下D、Per。右下E、隣接面カリエスPerというと歯髄が細菌感染していて炎症が歯根の外に波及し、腫れている。当然、神経は失活して(死んで)いるということになっているが、そうでもない。特に乳歯はそうでもなく、神経は完全には死んでいない。根管治療は全く必要ないことが多い。この症例も冠部歯髄を開けることもなく、3MI◯+α-TCPセメントで覆罩してCRで再建したが、特に問題なく治ると思う。そもそも神経を取るとか必要があるのか?とつくづく考えさせられる。5歳児を簀巻きにして押さえつけて麻酔をして処置をするとか、考えただけでも恐ろしい。生涯PTSDに悩まされるかもしれない。では時系列でどうぞ
2021/09/26
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30代女性、左上4、インレー脱離後放置? 治療途中?内部の象牙質は溶けてしまって、薄いエナメル質しか残っていない。溶けた象牙質とエナメル質の隙間から歯肉息肉が内部にはみ出してきている。これでも歯髄は生きているようだ。溶けかかった象牙質とエナメル質とは簡単に外れた。エナメル質はほぼ完全に原型を留めているのを見て、虫歯は歯が口腔内の最低Ph4程度の酸に溶けたものではないな〜と気がつかなければならないのだが、歯科医師は気がつかない。そもそもpH4の酸ではエナメル質も象牙質でさえ溶けないのだが、歯学部では実験しない。不都合な真実だからだ。エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける理由はイオン化傾向がエナメル質より象牙質の方が高く、象牙質が腐食電極にエナメル質が対電極になり象牙質だけが溶ける「電気化学的」な現象だと考えればよく分かる。歯肉縁下の歯根だけになってしまっては神経を取ってポストを立てて冠を作るしかないと考えるのが歯科医学の一般的な治療方針だが、歯科医師によっては歯肉縁下どころか歯槽骨縁下の歯を治療することは無理なので抜歯してインプラントを勧めるかもしれない。僕はそのどちらもしない。抜歯どころか、神経も残し、型取りして冠を作ることもしない。その場で歯冠を再建して終わる。こんなものでも10年保つことがあるから歯科医料とは一体なんなのか?と考えさせられる。実像と鏡像が混ざっているが、時系列でどうぞ
2021/09/26
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9歳男子、右下E 、Per+ 右下6、隣接面カリエス、咬合性外傷Perというのは虫歯から歯髄に細菌が入って腫れたりすることで、日本語では根尖性歯髄炎という。よくあるケースではあるのだが、最近はあまり見ないので、画像をアップしておきたい。隣接面カリエスの成因についてはどこかで解説したような気がするが、記事は失われてしまったかもしれない。これか?この時はまだ水素イオンの流れは登場していない。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/201203300001/「虫歯の電気化学説」的には要因はいくつか考えられ、1、咬合性外傷による微細なクラックや応力腐食割れ部分が他の健全歯質部分よりイオン化傾向が高い腐食電極になる。2、2つの歯に挟まれた狭い空間なので、酸素濃度が低く酸素濃淡電池のマイナス極(腐食電極)になる。3、同様に狭い空間に細菌が繁殖すると酸素濃度が低くなるだけではなく、酸性環境になりやすい。4、2つの歯が近接もしくは接触しているので、この部分にイオン伝導が集中しやすい。などがある。初診時の顔は腫れており、小児科に行くと抗生剤の点滴を受け、このまま入院が必要になるかも?と脅かされたそうだ。とりあえず歯医者に行け!と言われて、来られた。確かに抗生物質のない時代、昭和30年代以前はPerから蜂窩織炎や菌血症、敗血症で命を落とす人は多かった。最近は抗生物質の効かない細菌も増えてきているようで、まだ1症例しか遭遇していないが、その場合は入院して抗生物質以外の消毒薬で洗浄を繰り返すしかない。幸いこの子の場合はそうではなかった。レントゲン写真ではEの遠心の虫歯は歯髄と交通しているように見える。この部分から細菌感染したのだろう。6の近心にも小さな虫歯が見える。冠部歯髄の上にある天蓋を除去する過程は歯科医師以外は見ることが難しいと思うので供覧したい。近心根の髄角部分からは出血している。まだ歯髄が生きている可能性があるか、5番の歯嚢部分から出血しているのかもしれない。近心根はその場で根管を超音波洗浄して抗菌剤添加α-TCP+α-TCPセメントの二重仮封で根管充填した。遠心根は感染による炎症がひどいかもしれないと思って根管充填は1週間待つことにしてオープンにした。エンドチップで触った感じでは、それほどひどい感じは受けなかったので、近くの子なら根菅充填してしまうところだが、遠方なので、抗生物質投与で経過を見ることにした。で、1週間後。まず6番の隣接面カリエスの処置をすることにした。この矢印部分の噴火口状の部分はイオン(水素イオン)が通り抜けた部分で、もっとも虫歯の進行している部分だ。水素イオンが何らかの起電力に引かれて、歯から飛び出す時に歯のカルシウムから電子を奪ってカルシウムイオンとなって溶出し、歯質のハイドロキシアパタイトの結晶構造が壊れるのが虫歯だからだ。このように特に硬組織の病変に関しては電気化学的な視座がないと全く理解できない。早く歯科業界は追いついてもらいたいものだ。遠心根も2根あったが、超音波洗浄してα-TCPセメントで根菅充填してCRで歯冠を再建して終わった。超音波洗浄時に出血が見られたが、そのまま根充している。
2021/09/16
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20代男性、左上3、温冷痛+レントゲン写真ではほぼ露髄しているので、現在の歯科医療の水準での診断では歯髄の保存は難しい。後で痛くなりますので、神経は取って差し歯にしましょうと言われる。それが収入源でもあるからだ。CRらしきものが見えるが、周りは虫歯なので意味はない。謎だ。とりあえずマージン付近の虫歯を除去したが、(当然無麻酔)歯肉縁下に及んだので、出血してしまった。露髄もしている。神経が生きているのかどうかすら分からないが、抗菌剤+α-TCPセメントで覆とうしてCRで緊密に封鎖し、エナメル質もペラペラだが、CRで再建した。このように細菌感染しているだろう、半分失活しているであろう歯髄でも症状は瞬時になくなる。外部からのイオンの侵入がなくなるからだ。このように近未来の歯科治療は神経を取るという野蛮な治療は抗菌剤が入手できる限り不要となるだろう。というか、未だに100年前のパルポトミーが世界中で行なわれていることの方が謎なのだが。ま、近未来においては充填治療と根管治療の境界はなくなってしまうということだ。しかしこの緊密に封鎖というのが意外に難しい。少なくともほとんどのインレー、クラウン修復では緊密な封鎖は期待できない。CR修復でもそれなりの技術は必要だが、インレー、クラウンのような曖昧さはない。元々インレー、クラウンによる歯冠修復はセメントを使わない時代もあったくらいで、辺縁封鎖性がなくても十分なくらいに歯質が残っている場合の修復法だと言えるだろう。このことは現代歯科医学ではまだ気がつかれていない。金箔充填やアマルガム充填ではセメントは使わないが長期的に安定していることは多い。その理由は露髄していない限り、通性嫌気性の硫酸鉛還元細菌が生息できる程度の隙間ならセメントは不要だということだが、これも気がつかれていない。もし咬合性外傷等で封鎖が破れたら、また症状が出る。その時は早めの再治療が必要になるだけだ。では時系列でどうぞ
2021/09/12
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15歳男性、左下6、咬合性外傷、歯冠破折野球少年で歯を食いしばって練習をしている。で割れた。ま、一般にスポーツは歯にはよくない。通常なら神経を抜いて冠を被せるのが一般的なのだが、それでは次がないかもしれない。今度は歯根が破折して抜歯だ。歯のトラブルはその根本原因を取り除かないと、長期的な安定性は望めない。なるべく最小限の介入を何度も続けて、その間に歯を大切にする方法を身につけてもらうのが最も歯が長持ちすることになる。人生は意外に長いかもしれない。15歳でこれでは先が思いやられる。破折した時は痛かったかもしれないが、露髄した神経が息肉(ポリープ)化して外来刺激に対して抵抗しているので、今は痛くはない。歯肉息肉を電気メスで除去した後、歯髄息肉はそのまま抗菌剤+α-TCPセメントで直接覆髄してCRでカバーした。大きくはみ出していなければトリミングせずそのまま直覆で良い。神経は残っているところまで残せば良いわけで、全部取る必要はない。現在は抗菌剤の種類は豊富なのだから当然だ。神経を根こそぎ抜いてしまうというのは抗菌剤のなかった100年前の話なのだが、なぜかそうしないといけないという思い込みはまだ続いている。たまたま根部歯髄が全部失われていたとしても根尖を塞げば良いだけだ。α-TCPで自然に塞がるのが加速される。これをラピッド・アペキシフィケーションと仮称しておく。根尖を不用意にファイル等で触って破損させたり感染させてはいけない。この症例は今までの歯科治療の概念では、無謀な直接覆髄に見えるかもしれないが、神経は生きているところまでは残せるという事実を示しているだけで、近未来には根管治療という概念はなくなってしまう。この後は咬合性外傷をうまくコントロールするためにナイトガードやスポーツ練習用のマウスガードを使ってもらい、ストレスのない生活を心がけていただきたい。では鏡像(内側)から時系列で実像(外側)
2021/09/10
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この時の続きで、https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202109070001/21歳男性、右上7通常の歯科治療では少なくとも神経を残すことはかなり難しい。虫歯を全部除去すると露髄するからだ。しかし、実際はそんなことはない。虫歯は感染症ではなく、金属の腐食と同じカテゴリーの現象なので軟化象牙質(虫歯)を残しても再発することはない。それには条件があって、少なくとも漏洩がないということが必要だ。歯質(ハイドロキシアパタイト)は水素イオン(プロトン)を伝導するイオン伝導性セラミックスなので、漏洩があると隙間に電解質が侵入しイオン化傾向の違う物質の間で起電力が発生し、また同時に隙間の深部と浅部の間の酸素濃度差によっても起電力が発生し、水素イオンが歯質を通り抜ける時にその歯質のカルシウムから電子を奪い歯質が崩壊する。それが虫歯だからだ。漏洩を防ぐには、CRのボンディング材が十分に機能するように、少なくともマージン部分だけは健全歯質を確保しなければならない。では時系列でどうぞ
2021/09/09
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20代男性、右上3、痛みはない。この時のつづきで、https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202109060002/この子は右側に虫歯が多い。この原因は2種類あるがどちらも寝相に関係する。1つは左下寝をすると唾液が左側に溜まって左側が虫歯になりにくく、右側が虫歯になりやすい。2つ目は右下寝でもうつぶせ寝に近いと、頬や唇に歯が密着するので、酸素濃度が低くなり右側が虫歯になりやすい。この子の場合は2つ目だ。今日は一番虫歯がひどいと思われる右上3のCR充填治療だ。3MI◯+ニューアパタイトライナーIIによるライニングをしている。レントゲン写真ではとてもではないが神経を残せそうもないと思われるが、そうでもない。もちろん軟化象牙質を全部取る必要はない。では時系列でどうぞ
2021/09/07
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前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/20210906000121歳男性、右下7、Per去年の10月に処置したのだが、α-TCPセメントで軟化象牙質が治らないかな〜と期待していたのだが、その前にCRに穴が空いてしまい、2次カリエスというか軟化象牙質がさらに軟化してしまい。とうとう神経が死んでしまったようで、痛みが出てしまった。この画像が今年の2月10日の定期画像でまだCRは無事だったのだが、その後目を離している隙にCRが破折してしまったようだ。9月3日の処置時の画像
2021/09/06
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今日は最後まで色々と嵌ってしまって、どうにもならなかったのだが、もうすぐ午前1時で眠いのだけれど、この時のつづきはアップしておきたい。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202109040001/現在21歳男性、右下7は去年の10月の初診時から痛かった。その時の画像をアップしておく。ま、普通の治療ができるような状態ではなく、神経も生きているのやら死んでいるのやら判然としない。ここでやっている治療は普通の治療ではなく、これと同じ治療をやってくれ、と他の歯医者に言っても断られると思う。まず、画像を見ても何が起こっているのか理解できないからだ。レントゲン写真では遠心根は露髄しているようにも見えるが、なるべくそのまま抗菌剤添加α-TCPセメントで覆とうしてCRでカバーした。上顎7は伸びてきているので、歯冠を再建することなどできない、ということだ。歯肉縁下まで歯質がなくなっているので、歯肉を切り下げている。こんな処置で瞬時に痛みは消える。痛みはイオンの流れが最初のトリガーになっているのだが、そのイオンの流れを止めたわけだ。歯髄の炎症は治るのか?治るとしか言いようがないが、現在の歯科医学では有り得ない話なのだ。では時系列でどうぞ次回はCR充填治療から10ヶ月後、CRが破折して2次カリエスが進行して痛くなって急患でやってきた時の画像だ。つづく
2021/09/06
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現在21歳男性、多発性カリエスこの子は痛いということで8年ぶりに2020/10/10に来院して、とりあえずCRで修復・再建した。とりあえず before/afterだが、近年ちょっと見ない虫歯だ。この手のカリエスは砂糖漬けの食生活をしている子供に多いのだが、この子はそうではない。虫歯菌は少ないが唾液量は少ない。ただ1日1食しか食べていない。8年前の13歳時には前歯部隣接面、臼歯部歯茎部に脱灰が見られ、今回の虫歯の萌芽は感じられた。一食しか食べず、歯も磨かず、受験勉強で閉じこもる生活を続けていた。飲食回数が少なく、引きこもっているので喋ることもなく、唾液が口腔内に回らず虫歯が進行してしまったのではないかと思われる。before2020/10/10after2021/03/30実は昨日右下6(白矢印)が突然痛くなったとかで緊急来院した。ちょっと目を離した5ヶ月の間にCRに穴が開き、内部の虫歯が進行し、神経が死んでしまったのだ。この症例の記事は前のブログにもアップしていたと思うのだが、消えてしまった。詳細はまた別記事にするつもりなのだが、今回はこの右下6の去年のCR充填と今回の治療過程をアップしてみたい。それは明日にでも。ご期待ください。
2021/09/04
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前回のつづきではあるのだが、あれから3年後2018/10/27の話だ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202108300002/40代男性、右下6 Per、カテゴリーは変わっている。咬合性外傷(歯ぎしりや食いしばり)の持ち主で、歯茎部のCRよりさらに下が虫歯になっている。歯茎部に応力が集中するのは有限要素法のシミュレーションでもよく知られている。とうとう神経が死んでしまったようで、GAができている。幾つかの角度で見てみよう。歯冠部のエナメル質には新旧のクラックがたくさん見えると思う。咬合性外傷の証拠の1つだ。歯肉縁下に虫歯がちらっと見える。CRを少し除去してみた。歯肉を切り下げて患部を明示し、CR充填する。根管が見える。咬合面から根管口を明示し、超音波スケーラーのエンドチップで洗浄し、α-TCPを二回法で根管充填し、CRで埋め戻すだけだ。根管内を乾燥させるために不潔な綿栓など突っ込む必要はない。エアブロウで十分だ。翌年のレントゲン写真。Perの所見はあるが気にしなくても良い。2019/10/26さらに翌年、GAは消えている。2020/10/31この方は収拾がつかないほどの虫歯ができていた。それは次回にでも。
2021/08/31
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今日は難しい技工作業があったので、終わったが0時過ぎだったので、比較的簡単な症例を選んだ。当時15歳男子、右下6、Per、咬合性外傷この子はサッカー少年で、三度の飯よりサッカーが好き。歯を食いしばって頑張っている?以前大きく欠けたのでCRで修復していたのだが、また痛くなって、ちょうどうち(当院)が休診日だったので、他院に行ったら神経を取られた。うちだったら神経は取らないところだが仕方がない。その場でα-TCPセメントによる2回法で根管充填して、CRで歯冠再建して終わった。練習中もマウスピース使ったら?とお母さんと一緒に勧めたのだが、試合中に声が出せない!とかグダグダ言っていた。お母さんは試合中に声なんか出しとらんだろ?とか親子ゲンカを始めた。一応ナイトガードを作ったのだが、使っているのだろうか?では時系列でどうぞFC綿栓+ストッピングという細菌入り放題の処置法だ。多分100年以上前からやっているエビデンスなんかまったくない処置法なんだが、未だにこれがスタンダード。やめられない、止まらない。あとはうちのスタンダードな、どんな感染根管でも一回で治る処置法だ。
2021/08/27
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20代女性、左上6、自発痛+この子は子供の頃から見ているのだが、性格が大雑把なので、相当痛くならないと来ないし、痛くなくなるとすぐに来なくなる。確かに窩洞内はプラークまみれで、露髄しているので痛いのだろうな。。と思わせる。標準治療では何も考えることもなく麻酔して神経を取り始める。でも、露髄していようが、感染歯髄だろうが、歯髄息肉だろうが関係ない。歯髄があるところまでα-TCPセメントで塞げば、痛みも止まるし、歯髄を保存できる。そもそも根管治療は必要ないのだ。次回はちゃんと充填して歯を作るからねーと言って仮封して帰ったが、痛みが止まったので、もうこれでいい!と勝手に判断して来ない。電話をかけても出ない。知らんわ、、では時系列でどうぞ
2021/08/22
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30代女性、左上4、根管治療途中、咬合性外傷神経を取る治療を受けた後放置していたそうで、歯冠部の象牙質はレントゲン写真を見る限り失われていて、エナメル質だけが残されている。そのエナメル質も軟化象牙質(虫歯)で支えられている状態だ。内部を見てみると、穴が開いていて、前後とも歯肉息肉がハミ出している。なんとかエナメル質を残せないものかと局所麻酔下で、電気メスで息肉を除去して、軟化象牙質を除去したが、ダメだった。エナメル質はDEジャンクションからあっさりポロっと取れた。仕方がないので歯肉縁下の残根上のCRでの歯冠再建をすることにした。標準治療ではいわゆる差し歯ということだが、歯肉縁下では根管治療もできず、印象(型取り)も困難なので、抜歯を選択する歯科医師は多いと思う。特にインプラントが得意だと抜きたがると思う。神経は取られているということだったが、超音波スケーラーのエンドチップを入れてみると知覚があった。神経は完全には死んでおらず、最表面は歯髄息肉化していると思われたが、そのまま超音波洗浄して抗菌剤添加α-TCPセメントで根管口を覆った。現在の処置法では根管充填というより直接覆髄に近い。どちらでもないかもしれないが。こんなことができるんだ!と現在の歯科医師は驚くはずだ。近未来には神経を取るとか、感染根管処置をするとかの根管治療(エンド)治療の概念自体がなくなってしまう。この症例の場合は抗生物質の投与をしている。あとはひたすらCRによる歯冠の再建だ。ストリップスは使っていない。この手の治療をしようと思えば、ストリップスを使わない築成法をマスターする必要がある。もちろん口腔内でも歯冠修復をするには歯牙の形が完全に頭に入っている必要性があるので、学生の時に歯型彫刻の実習をサボった歯科医師には難しい。このような残根上のCRでも咬合性外傷のコントロールが上手くいけば何年でも保つ。では時系列でどうぞ
2021/08/20
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7歳男子、右下DE、隣接面カリエス、頬側GA、咬合性外傷あり(歯ぎしりが酷い)、歯科治療初めて。歯ぎしりをする子供は(大人も)隣接面カリエスになりやすい。乳歯は特にエナメル質が薄いので、歯ぎしりから隣接面にクラックが入りやすく、そこから虫歯になる。歯磨きや食生活のコントロールだけでは虫歯の進行を抑えることは難しい。ましてやフッ素塗布など無効だ。一般にはこのことは知られていない。Dは虫歯が深すぎて歯髄に細菌感染しているのだろう。GAができているので、神経は死んでいるのかもしれない。部分的に生きていることもあるが、標準治療では100%神経は取るというか、感染根管処置というか、いずれにしろ根管治療はする。歯学部では歯髄には細菌感染していて、このまま充填処置をすると痛くなるので根管治療をするしかないと習う。ところが抗菌剤添加α-TCPセメントを少し付けてCR充填すると痛くなるどころか、GAが消えることもある。多くの歯医者さんは信じないだろうが。後ろのEにもかなり深い虫歯があって虫歯を全部取ると露髄する。どちらも窩洞の接着マージンだけ新鮮歯質を確保して軟化象牙質を残している。接着が緩んで漏洩が起こらなければ、α-TCPセメントで再硬化するからだ。歯科治療は初めての子でしかも痛みに敏感な子だったのだが、麻酔もせずやらせてくれた。ほとんど痛くなかったからだ。というか麻酔の注射の痛みの方が大きいだろう。写真を残す余裕もあったことからそれは分かると思う。これが標準治療だとそうはいかないだろう。α-TCPセメントを使う治療にはこういうメリットもある。Eを先にCR充填し、Dを後でしたのだが、Dの虫歯は歯肉縁ギリギリの広範囲な虫歯なので、ストリップスは使えず。Eの隣接面とCRが融合してしまった。無理に剥がすと接着が剥がれる危険性があるし、泣き出すかもしれない。乳歯では単独化にこだわることもないだろう。抜けかわり時や何かトラブルが起こった時に対処すれば良いからだ。では時系列でどうぞ
2021/08/20
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50代男性、右下7、自発痛++、咬合痛+++この方、20年以上前から歯ぎしりで、冷水痛、咬合痛、クラックを経験してきた。ナイトガードを見ると咬合面に多数のファセット(歯ぎしりによる研磨面)ができている。白く光っているところがそうだ。症状が出る都度、CR、補強冠、ナイトガードと対症療法に徹してきたが、とうとう痛くてご飯も食べられない状態になって、お盆休み中に電話が来た。お盆休み明けの昨日処置をしたのだが、歯髄はほとんど全部失活していた。実はこの方の大学生の息子さんが京都から帰省していたのだが、昨日発熱してPCR検査を受けて陽性だった。この方は来院時の発熱はなかったが同じ家に住んでいるので濃厚接触者だと思う。もしこの方がデルタ株の不顕性感染も若くは発症前(1〜3日)だとすると僕も濃厚接触者になるのかもしれない。ちなみにこの方の奥さん(息子の母)はPCR陰性だったが、この方はまだ検査結果は出ていないようだ。僕はスタッフのみんなからバイ菌扱いされている。しかしいつかは来るだろうと覚悟はしている。しばらくしてブログが更新されなかったら、入院も若くは死んでいるものと思ってください。・・電話では、とうとう破折してしまったか?と思ったが、開けてみると神経が死んでいるだけで、目にみえる破折線は確認できなかった。補強冠を入れるときにはクラックを確認していたが。考えられるのは強すぎる咬合力で根尖から出入りする血管を押しつぶしてしまい、そこから発生した血栓が冠部歯髄の毛細血管につまり、歯髄の壊死を招いてしまったのだろう。冠部歯髄を開けた時に腐敗臭はしなかったので、感染による歯髄壊死ではないので、多分虚血性の歯髄壊死だと思う。このことはまだ現在の歯科医学では認知されていないが、よく見かける。冠部歯髄(抹消側)が壊死していて、根部歯髄はまだ生きていることが多い。よく言われる上行性歯髄炎というのがあるが、これは見たことがない。多分都市伝説の類だろう。レントゲン写真では炎症が歯根尖の外に波及しているのが見える。いつものように根菅内を超音波洗浄し、α-TCPの二回法で根管充填して、CRで埋め戻して、投薬3日で経過観察にした。詳しい処置法は過去記事を参照してほしい。根管内を超音波洗浄した後はエアブローするだけで乾燥させる必要がない。というかその方が良いという処置法だ。水分が多少あった方が根管やクラックが埋まりやすい。乾燥過程で不用意に感染させてしまうリスクがないという嬉しい方法でもある。では時系列でどうぞ
2021/08/17
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40代女性、右下5、2次カリエス前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202108150003/しみるのかそうではないのか、ちょっと忘れたが、神経は生きている。これは右下6の治療後の確認レントゲン写真この神経が生きているかそうではないか?というのは根管治療的には意味がないと書いたが、やはりこの先歯が長持ちして、できることなら死ぬその日まで、自分の歯で食事ができること、それを目指すというなら、神経はあった方が断然良い。神経がないとその寿命は半分以下になると思っても良い。α-TCPセメントは軟化象牙質(いわゆる虫歯)の再硬化(再石灰化)を促すというか、それはかなり劇的なものだ。それはMTAセメントのように宣伝されていないので、ご存知の歯科医師が少ないというだけだろう。このことは新潟大名誉教授の岩久正明先生の論文や本にちらと書いてあったと思う。このような歯は軟化象牙質を完璧に除去するとほとんど歯はなくなってしまう。軟化象牙質には現在のボンディング材は効かない。したがってCRマージン付近の軟化象牙質は除去せざるをえないが、内部の軟化象牙質は残しても良い。その近くにα-TCP(ハイドロキシアパタイト)があれは再硬化して治るからだ。感染根管やクラックが埋まって治るというだけではもちろんない。では時系列で実像と鏡像でご供覧。実像からどうぞ鏡像
2021/08/16
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40代女性、左下5、2次カリエス多分、食いしばりの咬合性外傷のある方で、CRで修復しても接着剥がれが起こり、そこから2次カリエスが発症する。歯根にもクラックが認められ、このままでは縦に割れてしまうだろう。クラックもα-TCPで治ることはある。もちろんこれ以上クラックが開かないように外傷性咬合をコントロールする必要があるが。ナイトガード装着はもちろんだが、その歯で硬いものを食べたりしないようにしなければならない。根管充填材は全部でなくても良いがなるべく除去してα-TCPセメントを充填する。この程度で治る。実はクラックだけではなく、根尖病巣も治る。器具が折れこんでいても治る。ま、信じられないだろうが、少なくとも象牙細管の走行に沿ったところは治る。今までのエンド治療とはなんだったのだろうか?こうでないといけないはずだ、という西洋医学によくありがちな思い込みだったということだろう。それを100年も墨守し続けるとはなんと進歩の無い世界だろう。乾酪壊死という言葉があるが、これは神経が自然に死んで問題なく経過するという意味だが、この現象がもっと研究されるべきだったのだ。CRによる再建はなるべく歯質を除去しないことが重要になる。なるべく不定形にするということだ。こうすることにより、脱離しにくい、破折しにくい再建ができる。今までの型取りしてクラウンを被せるためにアンダーカットがあってはならないというのが、脱離しやすい、歯質が破折しやすいという第一の原因だということを認識しなければならない。ではなぜ型取りして口腔外での技工作業でクラウンを作るのかというと、多くの歯科医師は口腔内で歯を作ることができないという患者にしてみれば絶望的な現実があるのだ。もちろん口腔外でも作れないが。誰も不思議には思わなかったかもしれないが、技工士やCAD/CAMは不器用(ほぼ100%)な歯科医師のためにある。なんと不器用な歯医者が多いことか。では時系列で実像と鏡像に分けて供覧する。では実像からどうぞ鏡像
2021/08/15
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40代女性、左上3、C2〜C3?、自覚症状ーこの時のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202108080000/他院で、次回神経を取って差し歯にすると言われていた歯だ。確かに神経に届いていると思われる虫歯があって、軟性仮封材でカバーしてあったが、細菌は入り放題だ。軟化象牙質(虫歯)を除去していくと内部は半分以上空洞になっている。神経は死んでいるのか生きているのか分からない。痛みはないようなので、ほとんど死んでいるのだろう。どのような穴なのかどうか、1枚の画像では判りにくいと思うので、角度を変えて軟化象牙質除去の過程をアップしてみよう。もちろん神経が死んでいても生きていても麻酔を使ってはいけない。内部の状況が分からなくなるからだ。現代の同業者諸君には何が起こっているのか?全く意味不明だと思う。C2:神経は生きている。C3:神経は死んでいる。実はこの分類をすること自体に意味がないのだ。信じられないと思うが、α-TCP+抗菌剤を使えば、神経が生きていても死んでいても治る。痛みも出ない。これが近未来の根管治療の意味だ。根管治療という概念自体が存在しないということだ。無理やり根管治療などしても事態を悪化させるだけだろう。確実に歯の寿命を縮める。これは30年後の歯科治療では標準治療になっている。全く儲からないので今は普及はしないが、戦時中ともなれば仕方がない。もう戦争は始まっている。α-TCPで覆髄してCRで緊密充填するまでの角度を変えた画像だ。では時系列でどうぞ
2021/08/13
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8歳女子、左下D、歯肉息肉、自発痛ー虫歯で露髄して、露髄した神経が息肉化しているというケースはたまに見かける。息肉というものは感染と戦っている病的な組織で膿瘍に近い。外来刺激への抵抗形態と認識されているが、表層は組織的には安定している粘膜に近い。確かに感染してはいるが免疫力で細菌と拮抗している組織だ。このまま直接覆髄しても問題ない。歯髄切断とか抜髄とかしなくても痛くなったり壊死したりはしない。もちろん抗菌剤添加α-TCPセメントと緊密な充塡処置が必要ではあるが。僕がここでご紹介している近未来型根管治療もこれの延長型で、歯髄がどこまで生きているか、冠部歯髄の単なる露髄か、根尖付近まで歯髄が失われているか、その途中か、ということは関係ない。もちろん歯髄が息肉化しているかそうではないか、ということも関係ない。この症例では歯髄息肉だけではなく、歯肉息肉もあったが、CR充塡処置の邪魔になるので、キシロカインと電気メスで除去した。部分的にα-TCPセメントで覆われていなくても、出血により辺縁封鎖性が損なわれないとすれば、このままCRでカバーしても問題ない。α-TCPとはハイドロキシアパタイトつまり歯牙の主成分なので、根菅内部やクラックが化学的に埋まっていく。2次象牙質の形成には象牙芽細胞が必要と考えられているが、必ずしもそうではないようだ。では時系列でどうぞ。実像と鏡像が混ざっているのはご容赦ストリップスを使わない技法でないとこの手の緊密なCR充塡は失敗する。
2021/08/11
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40代女性、右上1、Per、唇側GA+フィステルhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=52この歯は神経が失活して(死んで)いたが、原因は外傷性ではないと思う。単にCR充填が上手くいかなかった。露髄に気がつかなかったとか?漏洩が長く続いたとか?よく分からない。以前はCR壊疽と言ってCR充塡後歯髄が知らない間に死んでしまう症例が続出していた。CRの主成分のBisGMAだったか、これの未重合成分に細胞毒性がありこれが原因だったのだと思う。今は改善されているが、歯科材料業界は口を拭って黙っている。CR壊疽と漏洩の違いは前者は全く症状がないが、後者は治療直後から痛みや沁みる時期があり、症状が治まったと思ったら、いつの間にかフィステルができてる。処置方法だが、まず既存のCRを除去して再CRするところから始める。ここからが根管治療なのだが、口蓋側から歯髄腔にアクセスし根管内部を超音波洗浄するだけだ。根尖確保とかアピカルシート形成などは必要ない。α-TCP2回法で根管充塡するだけだ。充塡と言っても緊密に充塡する必要もない。これだけの処置なので、通常の自費の根管治療の1/10の費用と時間で済む。これは近未来の歯科軍医時代に戦場では普通に行われている処置だった。根管処置が必要な歯は終わったので、もし患者の許可が出れば、処置の1週間後と2週間後の経過報告をアップしてみようと思う。では時系列でどうぞ
2021/08/08
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40代女性、左下7、咬合性外傷による疼痛この痛みには2種類あって、急性歯根膜炎と歯髄塞栓症による歯髄炎がある。患者に訊いてみても痛かったというだけで、よく分からない。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202107290000/今日は左下7で、この歯は頬側にGAがあり腫れていて、リンパ節も腫れていたそうだ。なんとなく厄介な印象を受ける。すでに4ヶ月18回も根管治療を受けており、いつ治るのか分からない。ご飯もままならない。流動食でしのいでいるという。メンタル的にきつい。とりあえず、仮封のストッピングを外した。久しぶりに見たような気がする。過去にはよくされていた標準的な処置方法だ。というか今でも100年以上続いているFC綿栓貼付というやり方だ。僕が最後にしたのはいつだったか、覚えていないほどの昔だ。30年は経っている。綺麗にしてみると、遠心側壁にクラックが見える。数年の時間は経過しているように見えるが、予後は厳しいだろう。いつか突然破折して抜歯になる。今回は補強冠をしている時間はない。ナイトガードはちゃんと使って、硬いものなどを噛まないようにするしかない。今回超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しながら根管の様子を確認してみたが、近心頬側根は器具が入らない。前医も頑張ったのだろうが、アクセスができなかったのだろう。根管治療というものはこんなもので、上手くいかないものなのだ。顕微鏡を使おうがそんなことは関係ない。そもそも神経を取るという考え方が誤っているのだ。洗浄後は根管内を乾燥させる必要はない。エアブローするだけだ。どうせ精製水で練ったα-TCP(抗菌剤添加)を充填するだけなんだから。クラック部分は根充に先立ち不定形に形成している。少しでも割れるのを先送りするためだ。精製水練りではCRできないので、通常練りのα-TCPセメントで裏装し、CRで歯冠を再建する。次の日のGA部分。少しは腫れが退いたか?
2021/08/05
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60代女性、左下6、2次カリエス冠に穴が空いていて内部が虫歯に見えたので、冠を除去してみた。内部はほどんど虫歯(軟化象牙質)だったのだが、虫歯を除去するとセメントが出てきて神経は取られていることが分かった。僕と同じような治療をしているように見えたので、そのままα-TCPセメントを充填してCRで歯冠を再建した。このように根管治療をしているようには見えないが、その後もなんともないケースはいくらでもある。西洋医学的な理想(妄想)に基づいた根管治療は現実にはできはしない、状態を悪化させるのがオチなのだから、卒業するべきだ。では時系列でどうぞ
2021/08/03
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40代女性、左下7、咬合性外傷による疼痛この痛みには2種類あって、急性歯根膜炎と歯髄塞栓症による歯髄炎がある。患者に訊いてみても痛かったというだけで、よく分からない。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=52今日はその反対側の左下6の治療。歯根分岐部病変があって、前医では外科治療が必要と言われたそうだが、そんなことをすると事態はより悪化する。側枝の存在または外傷性の歯周炎と思われるが、以下の治療法で治る。信じられないかもしれないが、理由は簡単だ。象牙細管を通して薬液が浸透し、その後細管や側枝が自動閉塞する。4ヶ月前、この歯の反対側の左下67が突然痛くなって、他院で神経を取られて、噛まないようにバイトダウンされた。なぜ痛くなったかは推測の域を出ないが、食いしばりにより歯髄炎になることはままあり、歯根尖付近の血管が損傷し血栓等が歯髄内の毛細血管に引っかかり、塞栓症というか歯髄梗塞を起こすことによると思われる。歯髄梗塞の初期段階ではいきなり神経を取らないでも他の梗塞と同じく、ヘパリンやワーファリンの投与で治ることがあると思われる。しかしそれはもう遅い。3◯IX添加α-TCPの2回法による根管充填、そのまま歯冠を再建してしまう。以下時系列だが、CRの前準備として新鮮歯質の確保、エンドチップによる根管内の超音波洗浄、2回法による根管充填(精製水+α-TCP>通常液練りのα-TCPセメント充填)、歯肉切除、一挙に歯冠再建、抗生剤投与と進む。次回は左下7の予定。Perになって歯根尖付近が腫れ、リンパ節まで腫れ、ご飯が食べられず。プリンとかヨーグルト、流動食でしのいでいたそうだ。
2021/07/29
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40代女性、右下6、歯冠破折、咬合性外傷4ヶ月前、この歯の反対側の左下67が突然痛くなって、他院で神経を取られて、噛まないようにバイトダウンされた。なぜ痛くなったかは推測の域を出ないが、食いしばりにより歯髄炎になることはままあり、歯根尖付近の血管が損傷し血栓等が歯髄内の毛細血管に引っかかり、塞栓症というか歯髄梗塞を起こすことによると思われる。歯髄梗塞の初期段階ではいきなり神経を取らないでも他の梗塞と同じく、ヘパリンやワーファリンの投与で治ることがあると思われる。しかしそれはもう遅い。左下67をバイトダウンして噛まなくなったので右下6に負担がかかり歯冠が破折してしまったと思われる。排膿により蓋をすることができなかったようで、オープン状態にしてあり、歯肉により破折面が覆われ始めていたので、歯肉切除した。このような歯質が大きく損なわれている場合は通常の歯冠修復法が使いにくい。ポストも立てるとこれが楔効果でかえって歯質を割ってしまうかもしれない。一挙に根管充填から歯冠の再建までその場で終わらせるしかない。だらだらやっても治療不能になって抜歯せざるを得なくなるのがオチだ。3◯IX添加α-TCPの2回法による根管充填、そのまま歯冠を再建してしまう。レントゲン写真でのbefore/afterだbeforeafter以下時系列だが、CRの前準備として新鮮歯質の確保、エンドチップによる根管内の超音波洗浄、2回法による根管充填(精製水+α-TCP>通常液練りのα-TCPセメント充填)、歯肉切除、一挙に歯冠再建、抗生剤投与と進む。
2021/07/23
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40代男性、右上6、Perなんか噛むと重い感じ?がするということで根管内を見てみることにした。前回までは歯冠をCRで口腔内で再建するという普通の歯科医師にはハードルの高い治療が続いたわけだが、これを歯科医師向けのセミナーを開いて教えれば?と考える患者さんもいるわけだ。ま、それは当然誰でも考えるわけだが、それは厳しい。なぜかというとほとんどの歯科医師は歯の形を体で覚えていないというか、そもそも歯を作れないという患者にしてみれば愕然とする事実があるのだ。歯学部にいる段階でも歯冠修復は歯科技工士に外注する気満々で、真面目に練習していない。ま、学生時代から歯冠修復を舐めきっているということだ。そもそも歯を口腔内で作れるほどモデラー並みの器用な人間が歯学部に入学を希望しているかというとそうとは限らない、というか何の関係もない。偏差値がその程度だったからとか、親が歯医者をしているとか、その程度の理由で歯学部を志望するという患者にしてみれば、絶望的な現実がある。ここの患者さんでモデラーの方がいらっしゃるが、是非、歯科医師になってもらいたい。そもそもモデラー並みの器用さがないと臨床系の歯科医師になってはいけないと思う。絶望的でしょ?w そういう意味でも歯科治療などしてはいけない。ざっと見て、モデラー並みの歯科医師は100人に1人程度か?どう考えても患者にしてみれば絶望的だ。広告を打っている歯医者にはほぼいないだろう。本当に器用な歯医者なら広告を打ったりしない、首が回らなくなるからだw・・そういうこともあって、今日は歯冠修復を伴わない根管治療の症例だ。レントゲン写真では頬側近心根に炎症像が見える。根管内にも根充材が見えない。側面から近心根にアクセスしてみる。これなら冠を全部除去して作り直すなんて面倒なことはしないで済む。それでなくてもうちは患者が多すぎるのだ。根管内部は何もない。しかも根管内をいじった形跡がない。多分根管に気がつかなかったのか、無視したか、もしかしたら積極的に歯髄を直接覆髄したが、失活したか?ともかくいじっていない方が僕としては楽だ。リーマーで根管を確認して超音波スケーラーのエンドチップで洗浄、α-TCPセメントの2回法で根充してCRで蓋をする。メタルは接着が弱いのでそのうち漏洩するだろうが、何がその症状の理由かどうかくらいはわかる。この状況でも数年無症状に経過する。僕は冠を作り直して儲けようなどとは考えていないので、治ればこれで良い。僕は数十年後の近未来からタイムスリップしてきた歯科軍医なので、チンタラできないのだ。その場で治療を終わって兵士を前線に送り出さないといけない。では時系列でどうぞ
2021/07/18
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30代女性、右下6、Per、穿孔、治療当初より違和感あり。前回の方の反対側なんだが、この数年、歯根周囲の陰影が広がってきた。陰影とは密度の低下ということで、炎症による歯槽骨の破壊が起こっているということだ。レントゲン写真を見ただけで、穿孔があるなと分かる。根管治療中の事故だ。よくある。今回は近心根だけでも抜歯・再植しようと思ったが、予想外に骨植がよく、また歯根内部がピーソーリーマー等でくり抜かれているので、歯根が細く、抜歯時に歯根が破折する可能性が高いと思われたので、根管内部にα-TCPセメントをいれるだけで、不快症状が治まることを期待して、再植は見送った。ダメだった場合は、歯槽骨の炎症が進んでゆるゆるになった頃を見計らって抜歯・再植の予定だ。これがピーソーリーマー。実際には別の種類の刃部が短いのもを使ったと思うが、こういう感じのものだと思ってよい。beforeafter白色矢印部分に穿孔があると思われる。ガッタパーチャは垂直加圧のようで簡単には取れない。シーラーは使われていないが、遠心根の側枝に入っている。黒色矢印。穿孔部分にKファイルが入って出血した。仕方がないので、出血が止まった後、α-TCPセメントに抗菌剤を添加したもので2回法で根管充填した。象牙細管に沿って浸潤するので、意外に患部から遠くても治ることもある。今回は根管治療というよりは、CRによる歯冠の再建にリソースを割いた。どのようにするのかよく見て欲しい。CRでフルクラウンの再建するのはどうすれば良いのか?と思われる歯科医師は多いと思うが、これで分かると思う。では時系列でどうぞ
2021/07/17
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30代女性、左下7、Per、動揺度2.5このところ、1回で終わる近未来の根管治療法というシリーズでやっているのだが、専門家ほど信じられないだろう。今までやってきたことはなんだったのだろう?、、いや、そんなはずはない、、!と半信半疑だと思うが、事実だ。現在の根管治療という概念自体が誤りなのだ。今日の症例は8年前に僕が親知らずが遠心に食い込んで虫歯になったものを神経を取らずにCR充填したものだが、とうとう接着剥がれが起こり神経が死んでしまった。神経は全く残っておらず。溶けてなくなっていた。レントゲン写真では炎症は歯根周囲の歯槽骨に及んでいる。他院で抜歯しかないと言われたそうで、仕方なく当院に来られた。この症例は歯根内部をいじられていないので、根管治療は難しくない。CRで歯冠を再建するのが難しかった。再建が終わった後で、内部の治療をしてCRで埋め戻している。
2021/07/16
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50代女性、右下6、GA多分歯根が縦に破折しているというかクラックが入っていると思う。こういう歯でもα-TCPセメントで治る。もちろんクラックが塞がるまでの半年〜1年くらいは過大な咬合力をかけないようにしなくてはならない。では時系列でどうぞ
2021/07/15
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僕は近未来からタイムスリップしてきた歯科医師らしくて、既存の歯科医学とは全く異なる治療コンセプトと治療方法を知っているようなのです。いつもは当たり前のようにやっているのですが、今日も現在の標準的な根管治療がバカみたいに見える方法をタダで公開してしまいます。根管内をリーマーやファイルでいじる必要性は全くありません。そもそもいじってもファイルが折れたり、パフォったり、不用意に感染させたりロクなことはありませんよね?しかも一回で終わります。一瞬で不快症状は治まり、根管内は半年〜1年で自然に埋まります。・・今日は30代女性、右下7、外傷性Per前医が親知らずを抜いたときに思わず一緒に抜いてしまったらしく、グラグラになりました。。Σ(ノ≧︎ڡ≦︎)てへぺろって、歯牙固定とバイトダウンをしてありましたが、もう神経は腐っていて、動揺度2.5、指で引っ張っても抜けそうなくらいに絶望的な状況でした。こんな状態でも歯列矯正をしたい、、、!!ということなので、拡大装置を入れてみました。ま、それは後ほど。レントゲンを見ると遠心にかけて歯槽骨が失われている。冠部歯髄腔を開けてみて、内部の歯髄が溶けて無くなっているのを確認したら形ばかりの超音波洗浄をして、α-TCPを入れ、CR充填するだけ。α-TCPに3◯IXとかをお好みで添加してください。歯冠修復はセメントを使うインレーやクラウンはNG。テーパー形成をする修復物には必ず微小漏洩が生じるので、失敗する。ちゃんと吟味したボンディング材とCRを使わないとダメだ。多分一般の歯科医師には理解できないだろう。学校では習わないからだ。自分の頭で考えることのできる歯科医師は極端に少ない。少なくとも出会ったことはない。教科書的に根管治療とは、まず根尖を確保し、歯根内面の有機物を除去するために根管拡大して、アピカルシートを形成して、根管充填する。と書いてあるのだが、こんなことは理想論の幻想に過ぎない。複雑な根管形状があるだけではない。アピカルシートを形成してしっかり根管充填できるのなら、そもそも根管拡大など必要ないだろう?とか気がつくはずだ。破折歯根を見る機会が多々あるが、アピカルシートが機能していて漏洩を防いでいるケースは垂直加圧根充以外では見たことがない。西洋医学は人間業ではできもしないことを要求する。自分は神とでも思っているのだろう。50年前は神経を取る治療というのはクレンザーで歯髄を掻き出し、FCに浸した綿栓を押し込んで、カッパーセメントで塞ぐだけだったが、今現在の根管治療をどれだけ予後の違いがあったのか?ま、はっきり言って今の方が悪いのではと思う。どんなに顕微鏡を使って頑張ろうが関係ない。真面目にやればやるほどドツボに嵌まるのが現代根管治療だ。そこにはコンセプト上の根本的な誤りがある。そもそも根管治療など不要なのだ。α-TCPがあれば自然に根管は埋まってしまう。いや、「最良の根管充填材は歯髄だ」と授業中に言い放ったエンドの教授の言葉で締めくくろう。では時系列でどうぞ
2021/07/12
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