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2007.01.24
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カテゴリ: 映画・邦画
6.愛の流刑地

■製作年・国:2007年、日本
■上映時間:125分
■鑑賞日:1月20日 新宿コマ東宝(歌舞伎町)
■公式HP: ここをクリックして下さい
□監督・脚本:鶴橋康夫
□原作:渡辺淳一
□製作:富山省吾
□主題歌:平井堅<哀歌(エレジー)>
キャスト

◆豊川悦司(村尾菊治)ベストセラー作家で家族とは別居中
◆寺島しのぶ(入江冬香)村尾の小説の大ファン
◆浅田美代子(魚住祥子)村尾の元編集者で冬香を村尾に紹介した
◆長谷川京子(織部美雪)検事として冬香殺害を担当する
◆仲村トオル(入江徹)冬香の夫
◆陣内孝則(北岡)村尾の弁護士
◆佐藤浩市(脇田)刑事
◆本田博太郎(久世)冬香殺害裁判の裁判長
◆余貴美子(菊池麻子)バーのママ。本人も離婚経験があり村尾のよき相談役
◆富司純子(木村文江)冬香の母(実生活でも母娘)で裁判では証人としても出廷
◆津川雅彦(中瀬宏)出版者の重役で村尾の理解者
◆貫地谷しほり(村尾高子)菊治の娘で涙ながらに面会に来る

【この映画について】
“愛ルケ”現象を巻き起こした渡辺淳一原作の同名のベストセラーの映画化。
大ベストセラー『失楽園』に続き、トヨエツと寺島しのぶのハードな濡れ場シーンが延々と続く事でも話題だ。
法廷での村尾の言動から、二人の愛が見返りを求めない純粋なものであったように思われるが、作家として男として自信を失いかけていた中年男の純粋な思いと夫との家庭生活にストレスを感じる主婦の計算高い接近がテーマか?
出演は豊川悦司、寺島しのぶ、長谷川京子、富司純子ほか。富司純子は「犬神家の一族」で佐清を演じた尾上菊之助に続き、ここでは寺島しのぶと立て続けに親子競演を果たした。
【ストーリー(ネタバレなし)】
ベストセラー作家、村尾菊治は長年のスランプに悩まされていた。妻と別居して10年以上経ち、今は大学の講師で生計を立てていた。
ある日、雑誌記者の魚住から京都に呼び出され、冬香を紹介される。冬香は村尾の小説の長年のファンだった。一目で恋に落ちた二人。
やがて村尾は冬香と数時間の逢瀬のために京都へと新幹線で通った。エリートサラリーマンの夫と3人の子供を持つ従順な女である冬香は、最初はためらうが、村尾の「また会って欲しい」との申し出に逢瀬を楽しむようになる。
村尾は冬香との逢瀬を通じて失っていた自信と創作意欲が再び沸いてくる喜びを感じ始めていた。こうして村尾と冬香の人目を忍ぶ京都での密会は、京都駅のホテルでたった2時間の密会を重ねる度に、冬香の官能の扉は開かれていった。
そして二人の密会の舞台は、夫の川崎転勤で東京の村尾の仕事場である千駄ヶ谷のマンションへとなっていく。こうして火がついたお互いの感情をコントロールするのはもはや困難で、お互いの本能の赴くままに突き進む。

さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.冬香は村尾と会うことで何かを画策していたのか?
2.裁判で明かされる村尾と冬香の逢瀬の詳細とは?
3.面会に来た娘高子が涙で訴えたこととは?それに対する村尾の反応は?
4.裁判に出廷した冬香の母の証言内容とは?
5.裁判所で証拠として提出されたテープの中身とは?その衝撃的な内容と裁判への影響は?
6.冬香は村尾に何を期待していたのか?

等を中心に映画館でご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
この映画の原作は読んでいないので映画と原作の比較は出来ないが、少なくとも、この映画では冬香の首を絞めてしまった村尾を追っている。村尾は裁判で決して第三者には理解出来ない或いは第三者に向って表現出来ないジレンマを抱えた。
所詮男女の仲であった二人の間での出来事であり、村尾自身もなぜ冬香に頼まれるまま首を絞めたのか作家ながら明確な説明が出来ない。それは彼にでさえ冬香が発したその言葉のもつ摩訶不思議な魔力に取りつかれてしまったからだった。それは、肉体関係を持てば持つほど二人は性にのめり込み、およそ「死」に直結するような「首を絞める」行為に及ぶとは考えにくい。それらは裁判でも争点だった。
この映画では延々とトヨエツと寺島しのぶとの情事のシーンがこれでもかと出てくる。特に、裁判でのシーンが多いので証言をヴィジュアル的に再現するにはやむを得ないだろう。トヨエツの裸もそうだし、寺島の脱ぎっぷりのよさ?にも驚かされる。中には完全全裸(セックス・シーンを演じるのだからそうだよな~)シーンまで登場し、彼女の女優魂と見事な肢体?はこの映画のハイライトだろう。
決して美人で巨乳とはお世辞にも言えない寺島だが、彼女はどんな役にでも対応できる演技力と状況に応じた表情や雰囲気作りには感服した。
映画全編を通して情事シーンが出てくるため、そこに注目が移ってしまう。でもね、もし自分ならトヨエツ演じる村尾のように「選ばれた殺人者」になれるか?冬香の行為は理解できるか?などと自問自答しながら映画館を後にした...
【自己採点】(100点満点)
79点。 周囲の苦悩にもう一歩踏み込んで見たらどうだっただろうか?

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Last updated  2007.01.24 22:02:12
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