メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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May 20, 2006
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(先回のお話「オカンな威力-5-」)

先週の日曜は皆さんご存知、「母の日」でした。

 母の日だからと言って、「親の心子知らず。歯が痛い親知らず。」な私は、例年より母に何か贈り物をしたり、食事に誘ってみたりするようなタイプではありません。このドラ息子ぶりには過去より近所で評判でもありました。
 しかし、そんな私でも今年くらいは、、、な気持ちもあったのです。

 ところが、今年の「母の日」うちのお母チャンは病院でその日を過ごす羽目になってしまいまいした。

 抗癌剤治療のためです。

 思えば、ウチのお母チャンが手術を行なったのが、ちょうど1年前。昨年も「母の日」の前後でした。そもそもガンらしきものが発覚したのが60歳の誕生日を迎えたその翌週ですから、なかなかツイてない母だとつくづく思います。

 さて、手術に至るその日まで、さんざんと検査が行なわれました。腫瘍マーカー、CT、MR検査などなど、、、おそらく悪性腫瘍、ガンであることは間違いなさそうです。
 問題は、いづれの場所から派生したもので、いかなる治療法を持ってあたるかと言う事でした。



 お母チャンは何もしないで「死」を迎えるよりも、何が根拠か分からなくても手術を行ない、延命治療を施せる方を望みました。
 家族である我々も同じ思いです。

 手術当日、移動寝台の上に寝かされている母を手術室へと見送りに来ました。こういう場合、男と言うのは頼り無いもので、お父チャンも私もただ、オロオロとするばかりです。手術室の入り口はいつかTVで見たよりもずっと明るく、そしてずっと冷たい空気があふれています。

 お母チャンは既に、麻酔の初期の段階に入っていて、眠っているようです。ベッドごと病室から移動し、手術室へと運搬されるその風景は、さながら、兵士が発射口に弾を込める風景に似ています。
 手術室の中では少なくとも、3人の医師がいてくれるはずです。循環器科、婦人科、内科、、、開腹した時点で、いづれから発生したガンなのかを確かめる為です。ガンは体のいづれに転移していようとも、最初の発生源がどの部位であるかによって、その治療法が変わってくるからです。

 手術室へ母を見送ったあと、お父チャンと私は話す言葉も少なかったのです。と、いうよりも、会話の最後にはいつも、
「……だったら、どうしよう?」の言葉が続いてしまうのです。

(続く)





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Last updated  May 20, 2006 10:41:10 AM コメントを書く
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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