メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Aug 9, 2006
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 毎日暑いっすね~

 季節は「夏」ということもあって、お客様の嗜好もあっさりしたものへと傾きがちです。
フランス料理と言えば、コクがあって、重たい。という印象をもたれがちで、暑い日にはちょっとなぁ、、、という感もあるようです。

 フランス料理、またはそこそこお値段の張る料理を召し上がられる方は、やはりハイエンドな層が多いのも確かです。また、ある程度の富裕層、高収入のある方はまた、年齢もそこそこ年配のお客様が多いともいえるでしょう。

 そういったお客様からの声もあってか、先週、私の勤務先のフェアとして開催されたのが、「海の幸を使ったフルコース」一日限りの限定メニューでランチのみのご提供でした。

 さて、海の幸と言えば、様々な魚介類なのですが、四方を海に囲まれた日本では四季折々に食材が楽しめます。もちろん、夏には夏に旬を迎える食材も。今回、メインディッシュに用いられたのが「鮑」、アワビの胆のソースとの組み合わせでお召し上がり頂きました。

 アワビはフランス語で「オレイユ・ド・メール(Oraille de mer)」オレイユとは日本語に訳すと「耳」で、メールが「海」です。直訳するとアワビとは「海の耳」その形状から名づけられた名前でしょうか。

私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ、、、

↑多分、何の関係も無いと思います。ただ、思いついただけなので。



クロアワビ
マダカアワビ
メカイアワビ
エゾアワビ(クロアワビの北方性亜種)

主にレストランなどで「アワビ」として供されるのは、この「クロアワビ」です。

古くは804年、伊勢神宮にアワビとサザエが奉納されたとの記録が残っていますし、アワビは「熨斗鮑(のしあわび)」にも使われるように祝い事など重要な産物であったことが伺えます。

 アワビにとって天敵は「タコ」だそうです。アワビはかなり強力な力で岩に張りついていますのでひっぱって剥がすのは大変です。そこでタコはこのアワビの呼吸用の穴、殻に開いているいくつかの穴にその脚を巻き付けて息が出来ないようにしてしまいます。苦しくなったアワビが岩から離れると、そこに他の脚を滑りこませて身を食べる。

 さらにこのタコの上を行くのが伊勢志摩の海女さん。アワビを抱えたタコを見つけると、バスケットボールのようにタコを殴って気絶させる。あとはタコごとアワビを捕獲するそうです。

 実は、アワビも近種のトコブシも巻貝です。その形状からそうは見えませんので、古い和歌には「磯のアワビの片想い」のと詠まれる句が有名で、鮑は別名で「恋待貝」と言うそうです。人間に勝手に片思いの代名詞扱いされていますが、エスカルゴや、サザエと同じ巻貝なのです。





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Last updated  Aug 9, 2006 10:56:38 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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