その後は地元の名古屋に活動を移すが、80年代の彼の活動はゆっくりと、ゆっくりと・・パンクムーブメントに影響を受け、82年にインディーズから1枚のサードアルバム「Slow and Through」を出したにとどまる。このアルバムは、どうも無理をして声を張り上げて唄っているようなところがあって、彼の繊細なボーカルを損なっているような気がする。多くのフォーク型のミュージシャンがそうであったように、彼も80年代はあまり活躍していない。
僕と彼との2回目の出会いは、99年に発売された彼の17年ぶりのサードアルバム、「Around the Silence」まで時間を費やすことになる。17年ぶりってところがこの人らしいと思うが、彼自身の歩みにも大きな振幅はなかったのだろうし、僕自身も80年代後半はジャズを、90年代からは洋楽とワールドミュージックばかり聞いていたので、彼とクロスすることもなかったのだと思う。