見たまま、感じたまま、思ったまま

Profile

Dr.悠々

フォローする

Calendar

リレー日記「心の帰れる場所」

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

beer@ Re:発泡酒は嫌いだ(06/20) 嫌いです。変なの開発したのはビールに対…

のどまる。@ Re:映画ドライブマイカーを見た(03/25) 本はいつか映画を見るまでに　と何度か…

Dr.悠々 @ Re[1]:セロリが好きだ(05/05) のどまる。さんへえ？葉っぱの方が食べや…

のどまる。@ Re:セロリが好きだ(05/05) セロリ　　大好物です。香りもしゃくし…

Dr.悠々 @ Re[1]:セロリが好きだ(05/05) かやねずみの家さんへ佃煮かあ、今度試…

かやねずみの家 @ Re:セロリが好きだ(05/05) パリッパリのセロリ美味しそうです！こん…

Dr.悠々 @ Re[1]:青春の行方(04/19) ミドリツブコさんへこの茶店は、1日中薄…

Dr.悠々 @ Re[1]:青春の行方(04/19) のどまる。さんへのどまるさんらしいコメ…

ミドリツブコ @ Re:青春の行方(04/19) 映画のひとこまのような。この店で小編…

のどまる。@ Re:青春の行方(04/19) 思い出のレコードを聴きに珈琲を飲みに通…

< 新しい記事

新着記事一覧(全2309件)

過去の記事 >

2005.10.10

さて、２部なのであるがその前に恒例の、ＣＤや本と紙切れと呼ばれる紙幣の交換会が休憩時間に行われた。

いつ休むのだ？と思うけど、販売がひとしきりしてから５分ほど休ませてくださいと言われる。

そう言えば、以前はステージが始まると直ぐにプシュっとビールの缶を開けていたのにここ数年は休憩時間にもビールを飲んでいない。
やっぱり節制してるのだろうなあ。
（ラストの曲の時に、「悠々さん、これが終わったらビールを一杯飲ませてください」とＭＣが入った）

２部の曲は

１　青函連絡船（ピアノ）
２　満月（ピアノ）

４　桜吹雪
５　泰ちゃん
６　夢で逢いたい
７　チャオプラヤ河に抱かれて

そしてアンコール
１　ギブソンＪ２００
２　雲遊天下

最初にピアノでお願いしたのは「満月」と「センシミーナ」だった。
どちらもテンポの遅いバラードだしコードも難しくないからと思ったが
センシミーナは弾けないとの事だった。
問題はカポらしい。

要するにＣかＧかＡｍかＥｍぐらいのコードの曲しか弾けないのだ。
僕と同じじゃん。嬉しくなった。

と言うわけで代わりに１曲目となったのが「青函連絡船」。
この曲も何度か日記で紹介したけど、まさかこの曲がピアノでなんて思いもしなかった。タイトルから分かるとおり（今はこの連絡船は無いもんね）かなり古くから唄われて来た曲だが、今までレコードに収録されてなくて、僕は我が家の２回目のライブで初めて聞いた。それがあまりに素晴らしく・・。そしたら、その年に出た３枚組のライブ盤に収録してくれていたのだ。それも素晴らしい演奏だったが。

　　　　　心清い男や女が　幸せになるとは限らない

　　　　　久しぶりに北国の　友だちに会いたくて
　　　　　今青函連絡船に乗り換えるところ

　　　　　青森駅の陸橋に　冷たい雨が降る
　　　　　海のところで線路が切れ　船は口を開け
　　　　　がしゃんがしゃ～んと　何台も貨車を丸飲みにして
　　　　　ああ、この海の向こうにもやっぱり人が居る。

　　　　　誕生日祝ってくれた　函館の揺れるろうそく
　　　　　オホーツクの弁当屋　北見の三兄弟
　　　　　ススキノ飲み歩いた　疲れ知らぬ飲んだくれ
　　　　　小樽の夜を踊れ　丸坊主の仕掛け人

　　　　　まだまだ唄いきれない男や女が居る
　　　　　北海道お前がひとつの国に見えて
　　　　　青森止まりでは帰りたくなくて
　　　　　今青函連絡船に乗り換えるところ

　　　　　中学生が夢を見るのに　針を打ち出した
　　　　　そんな時代が苦しくて　夜汽車に乗った
　　　　　久しぶりに北国の　友だちに会いたくて
　　　　　今青函連絡船に乗り換えるところ

２曲目の満月。
これは勇造さんの曲ではない。
彼と懇意にしているタイの「生きるための歌」を唄うグループ、カラワンの曲だ。タイが軍事政権になった時、カラワンのメンバーはタイと隣国の国境のジャングルに入ってタイ共産党の世話になったりした（実際は、うまが合わずに飛び出してしまう訳だが）。
その時、逃げてきた遙か故郷を思って作った歌だ。
今では、日本の「故郷」みたいに、タイではみんな知ってる歌だと聞く。

勇造さんはカラワンと出会ってタイに行くようになった訳だが、その頃よりずっとこの歌を唄っている。１９９０年に出たライブ盤のタイトルにもこの歌が使われている。

　　　　　満月夜空さえて
　　　　　吹く風肌につめたく
　　　　　思いはせるは故郷の田畑我が家

　　　　　月よ風に伝えて
　　　　　今宵たき火絶やすなよと
　　　　　兄弟達が安らかに眠れるようにと

　　　　　鳴く蝉の声は君を呼ぶ声のようで
　　　　　離れて暮らしても心がわりはしない

　　　　　山、川、田畑いとしい故郷よ
　　　　　タイへ伝えて我が子母の胸に帰ると

この曲をピアノでやるのは、まさに初めてだそうで、リハーサルの時に勇造さんが何やらピアノに細工をしてるのを尋ねたら、押さえたらいけないキーにビニールテープを貼ってるとの事だった。
なるほど、そういう工夫もあるのねと感心。

３曲目はマンゴーシャワーラブレター
この歌はタイの歌だ。
タイの東北部の村では乾期から雨期に代わる時にマンゴーの実が実る。
一雨毎にマンゴーの実が大きくなっていく。
その雨を村の人々は「マンゴーシャワー」と呼ぶ。
雨が大地と人の心を潤して行く。
そんな嬉しい気持ちを唄った歌だ。

　　　　　　～命半分生きてしまった
　　　　　　　命半分生きてこれた
　　　　　　　最近一日がとても早い
　　　　　　　でも今はゆっくり降る雨を見てる

　　　　　　～雨は命に姿を変える
　　　　　　　明日の朝にはマンゴーが実る
　　　　　　　実った緑を受け取って欲しい
　　　　　　　お前が好きだよマンゴーシャワーラブレター

４曲目はリクエストした「桜吹雪」
これは勇造さんのファーストアルバム「さあもういっぺん」に収録されている古い曲だけど、美しいメロディーとちょっと幻想的な歌詞をもった曲だ。
銀閣寺の疎水のあたりは桜の名所だけど、その辺りをぶらっと歩いていたら１人の女性と出会って一晩過ごした。でも夜が明けてみたらその女性は桜と一緒に跡形もなく消えてしまっていたと言う歌だ。

　　　　　　　一晩踊ったブルースに合わせて
　　　　　　　明け方女は居ない
　　　　　　　風に向かって聞いてみたら
　　　　　　　もうこれっきりこれっきり
　　　　　　　だって私は死んでしまうし
　　　　　　　だって貴方は黙ってしまうし
　　　　　　　花びら風に流れるばかり
　　　　　　　桜吹雪

もう１曲リクエストの「泰ちゃん」。
これは文筆家で雑誌「話の特集」によくエッセーなど書いていた高瀬泰治さんの事を唄った歌だ。彼は勇造さんの兄貴分で、良く可愛がって貰ったらしい。父親、母親、友人達、こういう特定の相手の事を唄った勇造さんの歌は相手への温かい気持ちが溢れていて何度も聞きたくなる。

　　　　　　～全て今では遠い出来事
　　　　　　　でも本当にあったこと
　　　　　　　町から市電が消えて
　　　　　　　人の心も変わった
　　　　　　　あらゆるものがこじんまりと
　　　　　　　まとまろうとする今こそ
　　　　　　　泰ちゃんあなたのような人に
　　　　　　　生きていて欲しかった

　　　　　　　貴方の思い出が今夜も
　　　　　　　岡を登らせる
　　　　　　　坂の上から振り返れば見える
　　　　　　　町のあかりが綺麗だ
　　　　　　　さあ、もう少し歩きドアを開けよう
　　　　　　　リズム＆ブルースに揺れながらあなたが
　　　　　　　ウイスキーを飲んでる～

この曲のラストでは、故人が好きだったオーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」が思いっきり挿入される。ぐっと盛り上がる瞬間だ。

そして６曲目は「夢で逢いたい」。
夢の中であなたに逢いたいと唄われる美しいバラード。
ギターの音をハーモニクスと言うテクニックを使ってオルゴールのように響かせる。
この歌を聞いた人は、夢の中で逢うのは好きな恋人と思うけど実は唄われているのは亡くなったお母さんだ。

そしてラストは「チャプラヤ河に抱かれて」。
これは１部のペシャワールと並んで、最近のライブでは必ず演奏される勇造さんのお気に入り、そしてファンのお気に入りの代表曲。
スケールの大きさから言っても勇造さんのベストの一つには間違いない。

この曲も毎回アレンジが違う。
昨年のライブではストロークで演奏されたけど、今回はフィンガーピッキングでしっとりと唄われる。一昨年はこのフィンガーピッキングと実に交互になっている訳。彼に聞いたら意識してそうしてるんじゃなくて、その時の会場の空気や雰囲気でその場でさっと決まってしまうとのこと。やっぱりライブは生き物なのである。

　　　　　　　　寝苦しい夜を抜け出し　当てもなく歩き
　　　　　　　　水の匂いに誘われて来たら　ここに出た
　　　　　　　　何かも包み込む　母の胸のような
　　　　　　　　ふっくらと盛り上がる　夜の河

　　　　　　　　船が通るたび　満月が揺れる
　　　　　　　　島のような浮き草が漂っている
　　　　　　　　流れ去る者止まるもの
　　　　　　　　河は言う「その執着を捨てなさい」

　　　　　　　　働いて飯を食い　夢を見て旅に住む
　　　　　　　　メーナム・チャオプラヤ河に
　　　　　　　　抱かれてアジアの子供に帰りはじめる～

嵐のような拍手の中でライブは終了。
さあ、アンコールですぞ。

１曲目は「ギブソンＪ２００」。
これは今現在彼が使っているギターの事を唄った歌だ。
実は、この曲をアンコールでと聞いた時、ちょっと弱いんじゃないかな～と失礼な事を考えてしまった。
しかし、大反省。
力強く轟音鳴り響くギターにのせて、自分の愛情籠もったギターの事を唄うんだもの。会場も大ノリ。身体も揺れる揺れる（笑）。さすが勇造さんの力量を感じてしまった。
お約束通り？弦が１本ぶち切れ！

素早くステージの上で弦を張り替え、ラストのラストは「雲遊天下」。
これも近年の代表曲のひとつだ。
どっかのフォーク歌手の大物から唄わせて欲しいとオファーのあった曲。
美空ひばりに唄わせたいと、僕がひそかに思っている曲。
若い時にこういう歌は作れない。前向きに誠実に生きてきたからこそ作れる歌だろう。

　　　　　　　　荷物少し減らして　歩きはじめよう
　　　　　　　　道ばたに咲く　名も知らぬ花を
　　　　　　　　数えながら行こう
　　　　　　　　大空の下で　遊ぶ雲のように
　　　　　　　　人が生きたかたちなど
　　　　　　　　何もとどまらぬもの

　　　　　　　　大空の下で　遊ぶ雲のように
　　　　　　　　人が生きたかたちなど
　　　　　　　　何もとどまらぬもの

今年のライブもこれで終わり。
最後の挨拶をするために、勇造さんに呼ばれてステージの上に上がる。
握手をするつもりが２人で抱き合ってしまう。
ホントにいいステージだった。

このライブを見て気に入ってくれた人が、次に両手両足に１人ずつ４人を引っ張ってきてくれたらこの会場でも立ち見が出るだろう。
もう少し沢山の人に感動を分けてあげたい。

そんな事を思いながら今年のライブも無事に終了した。

打ち上げはいつもの「彦とり」で。
我が家のメンバー。２年連続で手伝ってくれた谷本君と尾形君。
今年から受付をやってくれたクニコさんとガチャコさん。
ガチャコさん、素敵なチケットをありがとう！
来年はポスターも作ってくれ！

みんなの顔が輝いて。
そんな打ち上げは楽しい。