
城山三郎作「そうか、もう君はいないのか」。
メモ魔で知られる城山さんなのに、その日の手帳には、
冴え返る 青いシグナル 妻が逝く 」 とだけ記されていたそうです。
伴侶を亡くした無力感、寂寥感がひしひしと迫ってきます。
病院の泊りが続いていた最後の頃、婦長さんが「少しでも変化があれば、
すぐに電話をするので、今日はお家へお帰りなさい」と言ってくれました。
その夜半、三時ころだったでしょうか。
血圧が急激に下がっているという 電話に、家を飛び出しました。
人は勿論、車一台通らない深夜の道路は、どの交差点も、
赤いシグナルだけが 点滅していました。
「私が着くまで死なないで」、「今事故を起こしてはいけない」
そんなことを考えて走ったあの夜の点滅する赤いシグナルは、
一生忘れることはありません。五年前の二月のことです。
PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
フリーページ
キーワードサーチ