2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全3件 (3件中 1-3件目)
1
今日もまた、演奏会に行くついでに、百貨店で行われている展覧会へと足を運びました。そこは、海と遺跡のある街。「東山魁夷大版画展」。今年は、東山画伯の生誕100周年を記念し、東京でも大きな催しがあるようですが、こちらの企画展もそう銘打っています。東山画伯をこよなく愛するひとりとして、これは拝見しなければ。「展示・即売」とうたってはいるものの、もちろん「素見し」半分で見始めた私。ところが、すぐに1枚の絵の前で、立ち尽くしてしまったのです!それは、スカンジナビア半島を含めた、北欧諸国の地図を描いたリトグラフでした。大好きな北欧です、実際の正確な地図と少しくらい違っていても、すぐにそれとわかりました。1964年制作。晩年の数々の傑作には見られない、ホッと和むような素朴さを感じさせる色使いと描写。その、少しゆがんでいる感じの構図も、画伯のユーモア性の表れでしょう。それに、ちゃんと、北極圏の線まで入っています。しかも、通し番号の中でも若い方の番号で、原版の木目が写っています。(ご参考までに:この絵は、画伯の作品集「ビブリオテカ」の表紙に使われています)まずい。非常にまずい。心が「惹かれモード」になっています。「これはきっと運命の巡り合わせよ!」「ここで手に入れないと後悔するわよ!」「他のリトグラフに比べたら信じられないくらいお値打ちの値段じゃない!」「ほら、家の玄関のあの壁にちょうどいいわよ!」「北欧が好きでしょう?画伯が好きでしょう?手に入れない理由がどこにあるの?」「これは、絶対に私のためのものよ!」心の中の、もうひとりの私が、甘い言葉で盛んに誘いかけます。確かに、この年代の画伯の作品は、今ではあまり出回っていないらしい。運命の出逢いかもしれない。中でも、初期の貴重ないくつかの作品を、リトグラフではあれ、ここで拝見できたことは幸せな出会いとなりました。「もし、何でしたら、こちらのお値段から・・・」小さく囁く画商の方の声。。(←なんと言ったかはご想像におまかせします・笑)しかし、私は決断しました。今は、「時期」ではない、と。「お取り置きすることも可能でございますが・・お名前を」「いいえ、こういうものはご縁のものですので・・」そう言い置き(自分に言い聞かせていたのかも)、丁重にご挨拶をして会場をあとにしました。後ろ髪を引かれたことは確かでしたが・・・。そう、「ご縁」があれば、きっとまた私の目の前に、何の予告もなく現れてくれることでしょう。その時こそが「時期」なのです。絵であれ、音楽であれ、芸術の高みを極めた方々への憧れは尽きません。しかし、それが乗じて煩悩の域になっては、あまりに愚かしいこと。清廉潔白に生きてゆくことこそが、「私」なのだとあらためて気づいた一日でした。
April 30, 2008
今日は、セルゲイ・プロコフィエフの誕生日。竹澤恭子さんによる、彼の無伴奏ヴァイオリン・ソナタを聴いております。明るく快活な第1楽章。甘やかで、それでいて饒舌な第2楽章。(最後のピッツィカートが可愛らしい。)装飾音と重音でたっぷりと歌い上げる第3楽章。全体的に、南欧風でもあり、ちょっとバッハの要素も感じられるところが、プロコフィエフ流の遊び心か。聴いていてウキウキしてくるなんて、この人の作品にしては珍しい。。。でも、プロコフィエフの作品に共通して言えることは、何を聴いても自分の頭が良くなったような錯覚に陥ることです。作曲家としての、彼の計算し尽くされた世界がそう思わせるのでしょう。私はそれを「プロコフィエフ効果」と呼びます。実際には、な~んにも変わっていないのですが・・・。竹澤さんによるこのソナタは、とても伸びやかで艶っぽい音色。もちろん、持ち味の力強さも兼ね備えた好演です。
April 23, 2008
モンポウは、20世紀のスペインの作曲家。彼の作品の楽譜には、調号や小節線がありません。「湖」。このような、不思議な調性、神秘的な響きを持つ短い曲、大好きです。写真を撮る面白さに目覚めた少女の頃、毎週ドキドキして見ていたNHK教育「趣味:写真入門」で講師の木村恵一先生が撮られた「白夜」という題の写真に大きな感動を覚えました。それは、いつか夢で見た光景とまったく同じだったのです。私は息を呑むほど驚きました。時は流れ、2008年。この曲を聴いた時にまずあの光景が脳裏によみがえってきました。フィンランドの白夜の、ほの白い空を映しつつ、靄がかかる小さな湖。その手前にある一艘のボート。静謐で神秘的で・・。多感な少女の心を捉えるのには十分な要素を持つ1枚だったと、今でも思います。アンスネスは、記憶の底の方にあったあの光景を思い出させてくれる、透明感に満ちた音で魅了します。あの写真の湖が、高い透明度の水を湛えていたのと同じように。さらに、この小品集は、彼の懐の深さとレパートリーの広さ、柔軟さをあらためて認識させるアルバムです。ショパンあり、バッハ、そしてリストあり、R.シュトラウスも。もちろん、彼の真骨頂であるグリーグやシベリウスも・・。でも、そこに彼の気負いは決してありません。ふふ、「写真入門」の話のついでに、あなたの「アンスネス入門」としていかがでしょうか。
April 21, 2008
全3件 (3件中 1-3件目)
1

