「しろ」のディズニーシーに行った日だけ日記

「しろ」のディズニーシーに行った日だけ日記

November 2, 2010
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11月13日土曜日、「ブラヴィッシーモ!」が終わります。

スタートしたのは2004年7月17日ですから、6年と4ヶ月 このショーは東京ディズニーシーの夜のハーバーで行われてきたことになります。

もちろん途中には何度も大規模メンテナンスや定期点検による休演期間がありましたし 悪天候によってショーが中止になった夜も何夜もありましたので 実際に上演された日数を数えたらもっと少なくなるでしょうけれど、6年4ヶ月という年月を長いと思うか短いと思うかは意見の分かれるところでしょう。


東京ディズニーシーは来年2011年で開業10周年をむかえます。

10周年の記念イベントは2011年の4月23日から11ヶ月にわたって盛大に執り行われることが既に発表されており、その目玉として新たに夜のハーバーショー「ファンタズミック!」が登場することも決定しています。
「ブラヴィッシーモ!」は、その新しいショー「ファンタズミック!」に言わば後継を委ねる形で、2010年11月13日 東京ディズニーシーから消えることになります。


このことが正式に発表された時、パークファンの方々や「ディズニー」ファンの方々の間では新しいショー「ファンタズミック!」の方に期待を寄せる声が大きくあがったのですが、私自身は正直に言うと少し残念に思いました。

あまり賛同していただけないだろうと思っていたので とりたててここで書くこともなかったのですが、私は実は「ブラヴィッシーモ!」って、独特な固有な文化を持つ「日本」という国にある「東京ディズニーシー」というテーマパークだからこそ受け入れられ存在することができた、東京ディズニーシーだからこそできたショーだと思っていました。



初めてこのショーを観た時は、“巨大な能みたいだな”と私は思いました。


火の精と水の精の感情の高まりを、わかりやすい説明も何も無しで水や炎や花火が表現していく。
ショー本編にはディズニーキャラクターも「人」も一人たりとも登場せず、ただそこで起こっている事象だけで物語は展開していくのです。

だからこの「ブラヴィッシーモ!」は、それを鑑賞して何かを想う観客がその場に居てショーの一部となって初めて、その存在が成立するのではないかと私は思っていたのです。
火の精や水の精に極限まで感情移入して 自らの持てる力を総動員して観てくれるゲストがそこになければ、火の精も水の精も主人公ではなく ただの機械に、鉄の塊にすぎなくなってしまうのではないか と。


ある人にとっては「ブラヴィッシーモ!」は「花火すっげえェェー! 炎あっちいィー!」というスペクタクルショーとして印象に残るのかもしれないし、またある人にとっては切なく心締め付けられる恋の物語として長く心に刻まれるかもしれません。

抽象的であるというこのショーの特色は、「解らない」「つまらない」と言い放たれるという結果も生むかもしれないけれど、同時に、観る人ひとりひとりの心の持ちようによっては無数の物語を生み出すという可能性も秘めているはずなのです。


なので私は、もっともっと多くの人にディズニーシーに来て「ブラヴィッシーモ!」を観てほしい、火の精や水の精にその人なりの魂を入れて「ブラヴィッシーモ!」の物語に生命を吹き込んでほしい とかねてから思っていました。

この日本という国に暮らす私達は昔から、すべてのものには“いのち”が宿るのだという考えを抵抗無く受け入れてきました。
そんな私達が観客としてそこにいるからこそ この国のこのパークで行われるこのショーは、ここにしかない唯一の素晴らしいものになるはず と 私はずっと信じてきたのです。



そんな私からしてみれば、「ブラヴィッシーモ!」をたった6年4ヶ月で終わらせてしまうのはなんとも惜しいと思わざるを得ません。
この先もこのショーを続けて まだご覧になったことのない方にも観ていただくことができたら、きっとそこには今よりもさらに多くの物語が生まれるでしょうに。



以前にも書いたことがあるかもしれませんが、そうすることで「東京ディズニーリゾート」がこの地で存続して行けるというのなら、大抵のことは許容していく覚悟が私にはできています。

願わくば、どうか後継の新ショー「ファンタズミック!」も「ブラヴィッシーモ!」と同じように、火山とハーバーというあの環境でしかできないものでありますように。

東京ディズニーシーでしか 成立し得ないショーでありますように。




あと数日でむかえる11月13日、「ブラヴィッシーモ!」最後の日。
その日をどんなふうに過ごすかを、私はまだ決めていません。


でもね、「ブラヴィッシーモ!」が終わってしまっても、きっと私は寂しくないし 悲しくなることもないでしょう。



だって

ホテルミラコスタの客室から   オチェーアノのテラスから
プロメテウス火山の麓から   ザンビーニブラザーズリストランテの小窓から
タワーオブテラーの最上階から。

メディテレーニアンハーバー沿いの石垣に腰掛けて。

ピアッツァトポリーノの人垣の後ろから背伸びして。

リドアイルで。

コロンブス像の足元から見渡すように。

ポンテヴェッキオの上で凍えながら そしてその下のトンネルの中でふたり密かに。

歌いながら 泣きながら 心の中でダンスしながら。


何度も見つめた「ブラヴィッシーモ!」は そのひとつひとつがいつまでも私の心の中にあって わたしだけが知る私の物語なのですから。







ブラヴィッシーモ\20100918.JPG
2010年9月18日  ポンテヴェッキオ

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2010年4月30日  リドアイル

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2009年8月22日  ポンテヴェッキオ

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2009年4月28日  ホテルミラコスタ

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2008年8月5日  ガリオン船横









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Last updated  November 3, 2010 03:03:58 PM
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「しろ」 @ かずちゃんさんへ。 こんにちは お久しぶりです。 入院、検査…
かずちゃん@ Re:それぞれの祝祭。(その3)(09/04) 私は来年の春ごろパークに行けるといい…
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ママりん@ Re:はるか遠く。(その2 ~ベッラヴィスタ・ラウンジ など)(05/03) しろさん、初めまして。 いつもとっても素…
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