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土曜の昼過ぎ・・・
マスターは裕也が指定した時間にその場所にいた。
正確にいうと、香織の家に差しかかっていた。
(ここが彼女の家か?・・うん、梅の木がある・・・)
裕也のプランでは、マスターが歩道に立ち止まり梅の木を見上げて
いると、ブランチのあと、何んとなく梅の木を見ようと庭に下りて
きた裕也と香織が彼に気付き、声をかける。
「どうだい、無理のないシナリオだろ」
と裕也が得意げに香織に披露して、香織から
「まあまあ、だね」
と中辛な批評を受けたものの、肝心のマスターが
「それはいい!」と
甘口の評価を与えたものだから、裕也の鼻は香織が
「フン、」と鼻を鳴らすほど高くなった。
そしてマスターにキューが出された。
ただ、キューを出したのは裕也でも香織でもなかった!
マスターが梅の木の下で立ち止まり見上げたその瞬間
背後からとんでもなく明るい白い光が差した!
まるで夜に車のヘッドライトを浴びたかのようだった!
思わず振り返ったマスターは反射的に手で目をおおった、が
その必要はなかったのである。その光は眩しくなかった!
不思議だったが、考えをめぐらせている暇もなく、彼は後退
を始めた! 光がマスターめがけて押し寄せて来た、そう感じた
マスターは、半身となり後ずさりした。経験したことのないその
現象に彼の本能が反応したのだ。
恐怖に駆られたマスターはさらに逃げるべく前進したが、香織の
家の石垣が立ち塞がった!
(もうだめだ!)そして見上げた頭上には、「あの梅の木」が・・
(え!違う! あれは「桜の木」!)
マスターの思いは言葉になった。
「やはり、あの木たちは・・あっちとこっちを繋ぐ『点』か・・・」
裕也と香織は、シナリオ通りマスターを呼ぶが反応がない。ただ
その場に立ち尽くす彼を不思議に思ったふたりは顔を見合わせた。
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