不安とプライドと自己嫌悪

不安とプライドと自己嫌悪

PR

Profile

Meteor

Meteor

Comments

王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
らめ仙人@ 初セッ○ス大成功!! 例のミドリさん、初めて会ったのに、僕の…
もじゃもじゃ君@ 短小ち○こに興奮しすぎ(ワラ 優子ちゃんたら急に人気無い所で車を停め…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
ダル伊藤@ ズ ル ム ケ自慢の奴涙目w 包.茎の方がピストンしてる時に、皮がこ…

Archives

2024/11
2024/10
2024/09
2024/08
2024/07
2006/07/05
XML
カテゴリ: つぶやき



その兄が車を買ったところの営業さんが、訪問のたびにある封筒をくれるのだった。
中身は、彼お手製の読み物。
B5ぐらいのコピー紙数枚をホチキス止めしたものに、パソコンなのかワープロなのか、
とにかく一応活字の文字と彼が描いたらしいイラストが満載されている。
学級新聞みたいなイメージのそれは、その名も「ゆーくん便り」。
内容は「最近こんな面白いことがありました」「こんなことに凝ってます」
「うちの社長ってこんな人」などなど、これまた学級新聞みたいだ。

不思議なことにその「ゆーくん便り」が非常に面白かったのである。

なぜ不思議かというと「ゆーくん便り」の文章は、実に「なってない」ものだったからだ。
誤字脱字使用誤例はあたりまえ。助詞もなんだか怪しいし、副詞の呼応はボロボロだった。
営業さんなのに敬語もどことなく変。
本当に小学生の学級新聞!?と思うほどだった。

しかし、だ。
これがなぜだか面白い。
家族も同意見で、みんなで密かに「ゆーくん便り」を楽しみにしていた。


文章の作法を越えた魅力ってこういうものか。
そう思った。


それで思い出さざるを得ないのが、中学生の時に作ったエッセイ文集である。

学校ではなく、3年生の時1年間通った塾を卒業する時に作ったものだ。
国語と英語を教えていた先生の趣向によって、ただの文集ではなくエッセイ集ということになった。
10人程度の生徒たちがひとりずつエッセイを書き、それを先生が纏めた。

編集中、先生が言っていた。
「掲載順は僕がいいなと思った順だ。純粋に僕の趣味だから、掲載順イコール文章の上手下手
ということじゃないけど、僕が読んで面白いなと思った順に並べる予定です」

出来上がったエッセイ文集を見てみれば、わたしのは後ろから2番目ぐらいだった。
かなーり、がっかりした。
と同時にトップに載っていたのを読んで、なぜそれに自分が負けたのか、心底不思議に思った。
他愛ない内容、漢字の送り仮名も間違ってるし、文章の体裁は全然「なってない」のに。

その日の帰りに先生と話していたらそのエッセイ文集の話題になった。
先生はこんなような内容のことを言った。

「Meteorさんの文章は語彙とか文法という点ではピカイチだ。しかし残念なことに面白みがない」

その時は先生の言葉の意味がわからなくてただ悔しかった。
もう一回エッセイ文集を読み返してみたけれど、やっぱりわからなかった。
「なってない」文章の何が面白いっていうんだろう?
文章は正しく書けてこそなんじゃないの?
文章作法って、内容以前の最重要事項じゃないの?

読書が好きで、自分で書くのも好きで、文章というものに愛着と自信があったから、
どういうのが「おもしろいエッセイ」なのかもわかるつもりでいた。
でも本当は解ってなかったみたいだ。


それから10年近く経って「ゆーくん便り」を読んだとき、初めて理解した。

語彙も文法も越えた文章の魅力というものは、確かに存在するのだ。


あのエッセイ文集は今も実家にある。
今度帰ったら読んでみようっと。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/07/05 09:35:41 AM コメント(4) | コメントを書く
[つぶやき] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: