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いわゆる「4%ルール」とは逆の考え方です。 4%ルールでは、年間生活費の25倍が貯蓄できたら、FIREしても、あとは手取り4%の運用益で回せば95%の人が30年は大丈夫、という理屈です。 仮に40歳でFIREしたならば、4%ルールで資産運用すれば70歳までは大丈夫。 1年後の41歳まで無事に過ごせたら71歳まで大丈夫、というわけです。 大丈夫な期間が後ろへ動いていくのです。
私は、先に老後(60~100歳)のための生活設計・資産形成をしました。 その上で、もっと早く引退する方法は無いかを探しました。 つまり2019年に話題となった「老後2000万円問題」の解決が先にあり、そこから引退年齢を前倒ししていったのです。
1.そもそも老後2000万円問題とは
そもそも「老後2000万円問題」とは、2019年の金融庁から出たレポートに端を発しています。 正確には、以下の名称のレポートです。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
「高齢社会における資産形成・管理」
令和元年6月3日
このレポートで注目されたのは、要約すると以下の内容となります。
① モデル世帯は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯とする。
② モデル世帯の家計において、毎月5万円の赤字が発生している。
③ 家計の赤字は、金融資産を取り崩して補う。
④ 毎月5万円なら取り崩す金融資産は、30年間でおよそ2000万円となる。
これがいかにもセンセーショナルに取り上げられて炎上したわけです。 そもそも、サラリーマンの場合、引退するにあたって貯蓄がゼロというのは考えづらいですよね。 退職金も出るわけですから。 上記の2000万円は、貯金も退職金も含めての2000万円ですから、追加の資産形成の金額はもっと小さかったはずです。 それを「追加で2000万円必要」かのようにマスメディアも野党も騒いだのです。 騒いだ側もちゃんと理解していたのか怪しいですが。
まあ、それでも何も考えずに定年退職を迎え、何も考えずに海外旅行に行ったり、高級車を買おうとした人には、良い薬になったかもしれませんし、日本人の老後も自己責任だという風潮が少しはできたかも知れません。 ちなみに、2010年から老後の準備をしていた私のレポートへの感想は、「そりゃそうでしょ、何を今さら」でした。
2.老後2000万円問題は無くなった?
ところが、2021年7月20日(火)に掲載された日経電子版の記事「再びの東京五輪 変わる家計と残された活路」を読んで驚きました。 要約すると以下の内容となります。
(b) 家計の赤字額は、徐々に減ってきて、2020年には黒字に転じた。
2017年 月5.5万円の赤字
2018年 月4.2万円の赤字
2019年 月3.3万円の赤字
2020年 月0.1万円の黒字
(c) 赤字幅の縮小原因として、コロナ禍の自粛の影響も大きいが、金融審議会のシミュレーションに過度におびえる必要はない。 むしろ個人金融資産の7割を握るシニア層は、率先して日本の経済を回すべき。
いかがでしょうか。 「老後2000万円問題など無かったのだ。シニア層は、そんなことは気にせず無職でもお金を使え(吐き出せ)」と言われているように感じるのは私だけでしょうか。 経済を回すのに協力してくれた後の、シニア層の面倒は誰がみてくれるのでしょう。
上記の家系が黒字になったのは偶然では? 日銀の狙い通りインフレしなかっただけではないでしょうか。 米国が利上げに動いて、円安になり、輸入品の価格が上がったら? 大豆も小麦もトウモロコシも(豆腐もパンも肉も)値上がりします。 マスメディアが「過度におびえる必要はない」なんて言ったら、またまた「老後は退職金と年金があるから何とかなるさ」となります。 自分の退職金の額を実際に退職するまで知らない「自分で何も考えないサラリーマン」が再び増殖する日本に戻りそうです。
3.お金は貯めるも増やすも使うも自己責任
定年退職後の生活設計もFIRE後の生活設計も、やることは同じです。 幾ら必要かと幾ら資産形成するかと形成した資産(含、公的年金)の永続性確保です。 「老後2000万円問題」の炎上は、日本人が現実に目を向け始める良い機会だったと思います。
「老後2000万円問題」の炎上と時を同じくして日本でもFIREが話題になり始めたようです。 積立NISAや、新しい個人年金保険も出てきました。 ネット証券で各種投資も楽にできるようになりましたし、YouTubeにも投資運用の情報は沢山載っています。 私がFIRE準備に掛けた10年間よりも、環境や制度がFIREを後押ししてくれています。
FIREの準備ができたなら、同時に「老後2000年問題」も解決します。 あとは、早期退職か定年退職かは貴方の自由です。 貴方の手に選択権が握られるのです。
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