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2021年11月10日
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 まずは、あまり生活感の無いバー通いについてお話します。

 バー通いは、私の38歳からの趣味です。 それまではキャバクラ遊びなどもしていましたし、飲む酒も決まっていませんでした。 酒を楽しむというよりは、酔っ払いに行く感じでしたね。 それがある晩、キャバクラからの帰り道に小腹が空いて、自宅近くでたまたま見つけたレストランバーに入りました。

 沢山並べられたお酒のボトルに目がいき、結局食べるのはやめて飲むことにしました。 その時点でお気に入りの銘柄があったわけではありませんが、以前飲んだArdbegというスコッチウイスキーを思い出し注文したところ、自身もお酒好きなマスターから「Ardbegが好きなら、同じスコットランドのアイラ島のお酒を試してみてください」と勧められ、いろいろ試した結果、行きついたのがやはりArdbegでした。

 アイラ島のウィスキーはどれも香りが特徴的ですが、その最たるものがArdbegでした。 わかりやすく言えば正露丸(せいろがん)の香りです。 他に例えようがありません。 ところがこれを飲みつけると病みつきになるのです。 以来、58歳となった今まで20年間、外で飲む時には宴会のビールを除いて、ほとんどArdbegです。

 46歳の時に実家近くのアパートに引っ越しました。 たまたま出張帰りに駅から自宅に向かって歩いていた際、「アジアン料理」という看板を見つけて入ったのが、以来12年通い続けることとなるバーです。 金曜日の夜23時頃、結構込み合っていたお店の奥から2番目のカウンター席に案内される際、棚にArdbegを見つけ、結局食事はせずにArdbegをロックで頂戴しました。 オールドファッションのロックグラスにちゃんと丸氷で出てきた時は嬉しかったですね。

 私は丸氷を入れたロックグラスにArdbegを注いで頂き、ステアせずに頂戴するのが好きです。 まだ生ぬるく香り立つArdbegに始まり、丸氷がゆっくりと溶けていき、冷たくかつ加水されていくArdbegという変化を楽しみたいのです。 ここで肝心なのは、お酒を注いだら少しでも早く私の手元に持ってきて欲しいのです。 のんびりしていると氷が溶けてお酒が冷えてしまい、香りが薄れしまいますので。 最悪なのがお酒を注いだあとに、別のグラスにチェイサーを注ぎ、いっしょに持ってきてくださるお店です。 その間に氷が解けてArdbegの香りが逃げてしまうではないですか。 お酒だけ少しでも早く私のところへ! このお店では「Ardbeg10年をロックでステアなしで」とお願いしたところ、「ステアなし」の意図もすぐにご理解下さり、お酒だけを先に素早く出して頂けました。

 以来12年、ほぼ週1回のペースで通わせて頂いています。 お料理を作られるママと、お酒を作られるバーテンの娘さんのお二人とゆっくりお話しがしたくて、まだ他のお客が来ていない開店と同時にお邪魔しています。 頂くのはArdbeg10年をロックで5杯、おつまみ無し、というのが定番です。 5杯というのは、それ以上飲むと記憶を無くす危険性が増すからです。 大事なお店で粗相をして出禁になったら大変ですから。 それでもお店から自宅まで1.5キロあるため、家路の途中で酔いが回って記憶を無くしたことは多々あります。 翌朝に冷蔵庫を開けると憶えの無いお惣菜が多数! 帰り道にあるスーパーで買ってしまうのです。

その場合、翌週にお店にお邪魔をする際には恐る恐る「先回、粗相しませんでしたか」と尋ねるのも定番ですね。 懲りない酔っ払いです。






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最終更新日  2021年12月10日 22時14分57秒
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