1
以下はあくまで素人の個人的感想&想像です。間違いなどありましたらどんどん指摘してください。オペアンプについていろいろ調べていて、なぜスティングレイにはプリアンプが内蔵されているのか考えてみました。スティングレイはブリッジよりにハムバッキングピックアップが1つ搭載されています。レオフェンダーがスティングレイを設計し始めたのは、CBSにフェンダー社を売却後の60年代後期から70年代の初期にかけてだと思われます。ジミヘンやツェッペリンなどの登場によりエレクトリックギターは演奏法も機能も変化しましたが、ティム・ボガードなどを除き、演奏法は変わっても、機能的に目立った変化はしていなかったのだと思います。そこでレオフェンダーは大音量時代に対応した新しいベースを作ろうと思いたったのかも知れません。まず、ノイズレスで大音量を出すために考えたのが、ハムバッキングピックアップの採用なのでしょう。しかしいざピックアップをボディの真中につけて見たら、モコモコの音の輪郭のはっきりしない音しかでない。次に今度はブリッジよりに位置をずらしてみたがハムバッキング構造のせいか、あまりかわらない。ノイズ対策のため、ピックアップのコイルの巻き数を減らしていき、パワーを稼ぐためにホールピースを長めのマグネットにしてみたら、高音域は良いものの、今度は低音域がいまいち。ここでやはりラジオ技術者であるレオフェンダーは考えたのでしょう、そうだ、たりないところを補うアンプを内蔵してしまえと。アンプを内蔵すれば、何より不足している低音のブーストが可能だし、ノイズも減らして高音域もくきっり出せる!。こうしてOPアンプにLM4250という超省電力タイプを使い、ターン数少なめで直列配線のハムバッキングピックアップに合わせたシンプルな構造のベースブーストのみのプリアンプが生まれたのでしょう。その後、並列配線でショートマグネットになったのは、やはり生産性の向上のためでしょうか?ロングマグネットで生じる製造コストや、それを収めるボディのキャビティ加工の削減が目的かも知れません。もしかして、マグネットの磁力が強過ぎたのかも知れません(のちのG&Lでは調整式に進化してますから)ところで、現在発売されているアーニーボールのスティングレイの内蔵プリアンプはまったく別物のようです。トレブル、ミドル、ベースをそれぞれ、ブースト&カットできる、今風のプリアンプです。使われているOPアンプはTL062といわれる省電力タイプだそうです。あるHPを参照させていただいたところ、このブースト&カットできるプリアンプは結構再生音域を絞って出力しているそうです。昔、CDが発売されたときに、「CDプレイヤーははアナログレコードと違って、人間の可聴域しか再生させないからいまいち」といわれたことがありましたが、このプリアンプも考え様によっては同様かもしれません。聞こえないからといって低音域を再生しなければベース音としては迫力に欠ける気がしますが・・・実際はどうなのでしょうね。プレアーニーボールのスティングレイとアーニーボールスティングレイは、材質や加工以外、ここにも大きな違いもあるのかも知れません。ところで、AEROというメーカーから初期型の特徴であるロングマグネットタイプのリプレイスメントピックアップが発売されているのを私は最近知りました。このピックアップをプリアーニーボールスティングレイに搭載すると’76スティングレイのサウンドになるのでしょうか?
2003/11/15
閲覧総数 5482