仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2008.02.16
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カテゴリ: 宮城
東松島市の野蒜海岸と宮戸島は橋でつながり、自由に道路で行き来できるが、もともとは自然の水路で隔てられていた。この松島湾と石巻湾をつなぐ水路が、昨年秋に大量の砂の堆積でふさがってしまった。

嵯峨渓遊覧船乗り場の南側から宮戸島・二本松鼻まで、もともとは幅150メートル、長さ200メートルあった水路だが、ここ数年の間に、砂がたまり始め浅瀬状態になり、昨年10月末に一気に埋没。埋没は初めてのことで、完全に陸続きになってしまった。

松島湾側からすると、鳴瀬川などから供給される栄養分が松島湾に注ぐ重要な水路で、東名前にはノリとカキ養殖の有力な漁場がある。海水の循環が途絶えたため、特産の養殖カキに被害が出始めている。危機感を募らせた地元の養殖業者が県や市に抜本的な対策を求めている。

砂は、1984年に石巻工業港防波堤の建設が始まってから、たまるようになったという。地元漁業者の間では、南防波堤の延長に伴い潮流に変化が生じ、大曲浜の砂が流れるようになったという考え方が主流だが、はっきりした原因は分かっていない。

水路を管轄する県は、船の航路を確保するため毎年、約一千万円をかけて、しゅんせつによる砂の撤去作業を実施しているが、堆積のスピードに追いつかないのが現状。

15日には、県、市、漁協、学識経験者らで組織する潜ケ浦(かつぎらうら)地区海域環境対策コラボ事業検討懇談会が設置され、初会合。県は埋没した水路の応急対策を説明するとともに、恒久対策の整備方針や工法選定スケジュールなどを示した。応急対策は四月から水路復元を目指して埋没現場を延長百メートル、幅十-十五メートル、深さ三メートルにわたって掘削する。しかし、地元漁協幹部から「せっかく掘っても、海が荒れた場合はまた埋まってしまう。恒久対策を示して対応してほしい」との意見が出されたため、応急対策は検討し直すことになった。また「近くの航路が浅くなっており、しゅんせつしてほしい」との要望も出された。
(三陸河北の記事などから)

野蒜から宮戸地区に入ると、しばらく海沿いに県道が走るが、このあたりは以前は海だったと聴かされたことがある。工業港建設より前から堆積は進んでいたのだろうか。

自然の力。漁業関係者の立場と行政(財政)の役割など、考えると難しい課題だ。





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最終更新日  2008.02.16 08:34:28
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