2020年09月19日
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カテゴリ: 書評
「アイヌには文字がない」ことと考える研究者がいるも、これはたいへんな思い違いで「思い上がり」とする著者。 「叙事詩は文字を使わないからこそできる芸術です」(152p)。

  大きな転機があった。
  1963年3月、東京・池袋の百貨店で開催された「アイヌ文化展」を見学し、列品されていた「うず高く積まれていたノートの前で動けなくなってしまいました」。そう、回想する。

 「(大学ノートにギッシリ書かかれた)それらの叙事詩がそっくり(註 金成)マツさんの頭の中に収まっているからだと考えたからです」(153-54p)。

  筆者はその4月から勤務先の高校生に語りかけたと。
 「文字をもたない言語の人たちの記憶力のすごさについて、生徒たちに語り聞かせたものでした」(同)。

  神謡の伝承者を、
  1)「そっくり暗誦しているということではないのです」
  2)「母や祖母を師として訓練された『歌い手』」
  3)「早いComposition をこなすことができるようになった歌い手」
  4)「自在に語ることのできる能力」をもち、
  5)「文字に頼る民族には考えられない特殊で優れた口承文芸」

  神謡=「特殊で優れた口承文芸」 北道邦彦著「4.まとめと検証」 『アイヌの叙事詩』から(『アイヌの叙事詩』 北海道出版企画センター 北方新書015  2012年)。
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最終更新日  2020年09月27日 05時59分22秒
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