ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 12, 2007
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「意味がなければスイングはない」

nyc at night.JPG

 今日は月に一度のトリオの練習日。僕がバイオリンで、チェロはルース、ピアノはセス。

 この二人とは今までずっと仲良くやってきたのに、 先月の練習時にプチ言い争いが勃発 。いろいろあって、結局、僕は選曲権を剥奪されてしまい……。

 で、今日は少なくともブラームスの3番の4楽章を仕上げるという目標は合意されてたけど、ほかにやる曲はルースとセスのご両人が選んだ。
レナード・バーンスタインの1937年の作品 だとか、 スークの作品2 だとか、奴らは好き勝手に言いたい放題。しかも実際に楽譜を入手してるとこがスゴい。二人とも(広く浅くだけど)ホントにいろんな曲を知ってるのには素直に尊敬してしまう。

ポール・シェーンフィールド Paul Shoenfield さん とやらのトリオに挑戦。1986年の作品。
 僕は先月楽譜を配布されたときに初めて知った人だけど、アメリカ人室内楽おたくのあいだではかなり知られつつある作曲家だそうで。

animato trio.jpg

 この曲の1楽章はスウィング感が大切。八分音符の弾きかたがふた通りあって、楽譜どおりに均等に弾くときと、付点にして「タッカタッカ」させるときがある。どっちにするかは楽譜に明記されてるものの、自分で判断しなきゃない場合もあり。そうゆうふうに音楽をつくっていくのって、慣れていないぶん、けっこう楽しい。

 作曲家自身が「カフェの音楽」と名づけてるぐらいだから、あまりにお行儀の良すぎるクラシック音楽用のアプローチはしないほうがいいみたい。
 ジャジーな独特のリズムと和音はさすがにカッコヨイ。
 こうゆう曲、好きな人は好きだと思う。村上春樹家のCD棚のなかにありそうななさそうな。

 ただ、完全なジャズというわけではもちろんなくて、基本はやっぱりクラシック。1楽章Allegroできちっと主題が提示されて、2楽章Andante moderatoでは美しい旋律が登場、3楽章Prestoの移弦攻撃も協奏曲っぽく正統路線。

 おぉ、意外に楽しいじゃん、ってことになって、次回の練習でじっくりやることになった。晩秋のニューヨークで夜遊びするような、そんな「ちょいワル」ごっこはたまには必要。

*****

 当初は、ほかにももっとやるべき曲があるとは内心思ったけれど、周りの演奏仲間たちの好みとかも尊重し、今後もこの三人で継続して楽しく弾いていけたらいいなと思う宵でありました。





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最終更新日  Oct 14, 2007 09:59:54 PM
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