ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 25, 2007
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 短い滞英期間ではあるものの、今年もKフィルの本番に乗せていただいた。自分が以前に所属していたオケなので、懐かしい顔ぶれと再会するのはやはり嬉しい。(第2バイオリン。プルトを組ませていただいたのはリサさん。)

 1曲めはエルガーの 「コケイン(ロンドンタウンにて)」 。「演奏会用」序曲だけあって長い。20分以上あるかも。エルガー独特の陽と陰が一曲で味わえてオイシイし、なにより第2バイオリンが第1と全く違う動きを見せるのが新鮮。

 2曲めは サン=サーンスのチェロ協奏曲1番 。独奏者は英国内ではかなり有名な若手。日本でも公演しちゃうような名手だそうで。
 さらさらと軽く弾きこなしつつも、要所要所で奥深い音楽を演出する。同時に即興性をも大切にする方で、音楽がナマモノであることをさりげなく教えられた。
 アンコールにバッハの無伴奏をご披露。

 そして後半は ショスタコービチの交響曲12番「1917年」

 複雑なリズム。和音もぶつかってるし。
 自分がこの本番に乗ることが決まったのは二ヶ月前。暇さえあればこの曲のCDを聴きまくって身体で覚え込んでしまおうと努めてきたけど、やっぱり不安なまま本番を迎えてしまった。
 それに、曲の背景となるソ連の歴史も学ばなきゃいけないような強迫観念に襲われて、だんだん気が狂いそうになったりもして。

 ショスタコを弾くからには強靭な精神力が必要なことを改めて痛感。自分との闘い、それに頭脳戦でもある。
 ホントにいい勉強になったと心から思う一方で、今日をもってこの曲から解放されると思うと、正直、晴れやかな気分にもなる。

 曲の最後、同じことを延々とフォルティシモで絶叫するとこ、「あぁ、これで終わりだぁーっ。おぉーっ!」と自分でも絶叫しながらが弾いたのでありました。





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最終更新日  Nov 30, 2007 08:43:42 AM コメントを書く


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