ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 27, 2008
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「オスティナート ~執拗なる反復。」

 今年最初のカルテットの練習。
 この面子で定期的に練習していくことがなんとなく決まりつつある。果たして今度こそ継続なるか?

 無謀にもベートーベン後期135に挑戦。吉と出るか凶と出るか……。(第1バイオリン:僕、第2:パトリシア、ビオラ:マリオン、チェロ:チャールズ)

 番号的にはベートーベン最後のカルテットではあるけれど、きちんと四楽章構成なのが嬉しい。それだけで近づきやすいように錯覚してしまう。実際、大曲と呼べるほどの長さではないのは意外。

 1楽章を中心に練習した。何度も停まりながら、音程や和音やリズムを確認。これ、ツラいようでいてなかなか楽しい作業。思ったより明るい曲だし。

 テンポの解釈をめぐって、僕だけがちょっと孤立してしまった。アレグレットだし、もうちょっと速く弾いてもいいんぢゃないかって思ったけど、彼らは「やっぱり重量感が欲しい」そうで。

 予断を許さぬ唐突な展開。楽器の受け渡しとか、こう来るかな?と予想しながら弾くと裏切られることが多い。断続的にズバッと切り落とされてばかりで、気がつくと終わってる。
 なにげない装飾音符が実はいい味出してて、計算され尽くしてる感じ。



*****

 2楽章スケルツォも一応練習した。三拍子をひとつで数え、モーレツな速さで弾かなければならない楽章。

 この楽章で特筆すべきは 47小節の刺客 。第1バイオリンがアクロバティックに上下(しかもヘミオラ)している下で、他の三人がユニゾンで同じことを47小節繰り返すという修羅場。
 当然、不協和音になってしまう小節も出てくるわけで、なにがなんだかわかんなくなる。悲鳴、狂乱、混沌。

135.JPG

 今回覚えた音楽用語「 オスティナート ostinato 」。執拗なまでに同じことを繰り返すこと。
 パッヘルベルのカノンとかラヴェルのボレロとかもオスティナートの一種らしい。

 曲は引き続きシンコペ大合戦が繰り広げられ、結局最後はフォルテでやはり唐突に切り落とされる。

 ちなみにチェロのチャールズったら、この曲、弦を押さえる左手の指が足りなくなるみたいで、 アゴで弦を押さえる





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最終更新日  Feb 1, 2008 08:36:24 PM
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