ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 8, 2008
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 年末が近づくと、第九、第九と強迫観念のように思ってしまうわりに、なかなかアメリカでは聴く機会も弾く機会もないのが現実。


 っていうか、こちらでは第九ではなくメサイアが主流。
 教会の主催、あるいはオケ/声楽愛好家有志の自主企画による大初見大会「メサイアの夕べ」が年末のウラ風物詩となりつつある。
 それぞれの曲は短くてわかりやすいし、なんてったって英語だから、アメリカ人にとってメサイアが好まれるのは当然といえば当然。

 でも、ワタシとしたことが、ここ数年誰からも「歳末メサイア」に誘われず、寂しい思いをしている。今年は自分で企画しようかともマジで思ってたけど、もう年の瀬。
 結局は、やはりオケのパート譜を独りでさらって年を越すことになるのだろうか。ま、二幕のバリトン独唱、Why do the nations so furiously rage together とかみたいに、伴奏部分だけで楽しめそうな曲も結構ありそうだし。←開き直ってる

 そもそも、ヘンデルって、ほんとはすんごい作曲家なんだと思う。彼を積極的に好んでる人は少ないかもしれないけれど、積極的に嫌ってる人もいないのでは。ヘンデルおたくって結構いるに違いない。隠れ切支丹のようにひっそり棲息してるから、なかなか表面化しないだけであって。

 バッハほど重苦しくなく、ビバルディほど慌しくない。

 ドイツ生まれのくせしてイギリスに帰化っていう人生も、なんか怪しすぎ。
 「調子の良い鍛冶屋」なんていう曲名をつけるのもなかなかの商売人。

*****

 さて、彼の原曲でパッサカリアという作品がある。ノルウェーの作曲家ハルボルセンの編んだバイオリンとビオラ、またはバイオリンとチェロの二重奏曲。これがまた名曲。ごーじゃす。
 しかもト短調萌え。最後はピカルディの三度でばっちり決める。

 なかなか演奏会でとりあげられないのは残念。
 現実的には、モーツァルトの協奏交響曲とかブラームスのドッペル協奏曲の独奏者らが、アンコールとして取り上げるのが定番となっている(?)。

 一回だけ生で聴いたことがある。数年前にバイエルン放送交響楽団がNYカーネギーホールで公演したとき(ロリン・マーゼル指揮)、ブラームスのドッペルを弾いたユリア・フィッシャーとハンナ・チャンちゃんが、やはりアンコールでこの曲をご披露。あの巨大ホールを鳴らしまくっててたのが強烈に印象に残っており。

 この曲を最も頻繁に弾いてる二人組は、おそらくパールマンとズーカーマン。
 ジャニーヌ・ヤンセンも、共演者のジュリアン・ラクリン(またはマキシム・リサノフ)とよく弾くみたい。あとはカピュソン兄弟か。




handel.jpg ←双子じゃなく、どうやら同じ人? すごすぎ


<気になる作曲家シリーズ>
ショスタコービチ
エルガー
シベリウス
アルボ・ペルト





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最終更新日  Dec 9, 2008 11:54:42 AM
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