2007年01月22日
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カテゴリ: 映画日記
2006年度アメリカ作品。

出演はキルスティン・ダンスト。

昨日所用を済ませてcinema2に行くと、スタート時間の6:00までに15分しかなくて、これじゃ食事する時間がないと、8:45の最終に遅らせた。
食事をゆっくりと済ませてから、小一時間あるけどロビーのイスに座って待っていた。
今日は娘同伴。
娘も私と同じでマリー・アントワネットに興味があると言うよりも、ソフィア・コッポラの監督で、主演がキルスティン・ダンストで、BGMがロック系で斬新と言う3点に惹かれたようだ。
劇場へ入ると、(日)最終だと言うのに3/4の入りだから、かなり入っている方じゃないかと思う。



マリー・アントワネットとは改めて書くまでもなく、オーストリア皇女として生まれ、その後14歳で同盟国のフランス王太子ルイ・オーギュストと政略結婚させられて、フランス革命の時に、コンコルド広場で断頭台の露となった王妃だ。


ヨーロッパの歴史的建造物を観に行って「すごいよね」と思うのは、日本のように歴史的建造物を台無しにするように道路をアスファルトにしたり、建造物をコンクリートにしてしまったりと言う事がない事だ。

車の轍、電線、妙な土産物屋など、当時の歴史に邪魔になるようなものはない。

行くと同時にタイムスリップするような感覚になる。

庭も宮殿内も、そうそうこんな感じだったなと思う事しきり。

とても懐かしかった。

実際に行った時、寝室のベッドの足元に柵があって、なんの為の柵なのかと不思議だった。
この映画を観て、柵の向こう側に人がたくさんいるんだとわかった。
就寝する時にルイ・オーギュストとマリー・アントワネットに部下たちが挨拶し終わると、柵に沿ってカーテンが引かれるのを観て、こんな風にする為の仕切りの柵だったんだと納得が行ったけど、こんなんじゃ眠れないなと思った。

鏡の間や長い廊下なども作品の中に出て来る。

越し入れの時には国境で一軒の建物の中に入り、その中でオーストリアの物は一切捨てて素っ裸になって、頭の先から足の爪の先までフランスの物にチェンジすると言う決まり事があるのを初めて知った。
モップと言うペットのパグともお別れ。


王家の娘として生まれたら、いずれ政略結婚させられる運命にあると達観しているように思えた。
馬車の中で侍女に結婚する相手だと、肖像画を見せる。
その肖像画の貧粗な事(笑)

現地のガイドさんに聞いたり本で読んで知った事だが、このルイ・オーギュスト後のルイ16世は鍵にしか興味がなくて、いつも鍵をいじくり回しているような人だったと言う。

その上小男で男性的な魅力など全くない人。


割り切っているのかと思ったけど、とても不思議だった。

だからフェルゼンと浮気をしたり、贅沢三昧に明け暮れたのねと、半ば池田理代子作「ベルサイユのバラ」と混同させた理解度で納得したりして(笑)
こう言う欲求不満解消に食べ物やブランド品の買いあさりをすると言うのは、古今東西いつも変わらない物なんだろうと思った。
今でも珍しい事ではないから。

キルスティン・ダンストの目のきつさや表情が、高慢な王妃のイメージにぴったりだとは思うが、キルスティン・ダンストはどこをどうとってもアメリカの女の子と言う感じがして、どうしてもヨーロッパの高貴な女性とは思えない。
しかもせりふが英語と言うのも、その印象を強くした。
しっくり来ないのだ。

そしてまるでごぼうのように最初から最後まで一本調子に、最初から最後までぼんやりと描かれていて、観ていて全てがピンと来なかった。
でも逆に考えると、起きて寝るまでに間、判で押したようにルイ16世と並んで、ただ黙々と朝食を食べ、洋服や靴を買い、周囲の社交界の人々を招いて夜会を開いたり、夫妻で仮面舞踏会やオペラに出かけたり、そんな繰り返しの単調な刺激のない日々なんだと言う表現なのかなとも思える。
贅沢三昧の生活だが、いつも誰かがいて誰かに見られていて自由はない。
晩餐会や夜会の話題は社交界の人々の噂話。
主人と別に仲が悪いわけではないが、高揚するような楽しい話をするわけでもないし、2人で楽しむ共通の趣味もない。

長い間ルイ16世が原因で子供に恵まれず、弟の方に先に男児が誕生してしまった事で、お妃としての義務を果たしていないと、白い目で見られ陰口を叩かれ、悔しくて1人で泣いた日々。
でも漸くルイ16世もその気になって(笑)、ちゃんと一男一女をもうけ、お妃としての務めは果たした。

そんなこんなでルイ16世に欲求不満でフェルゼンに夢中になったのかと思ったが、作品の中ではルイ16世とそんなに上手く行ってない様子はなさげ。
ただ刺激は感じてはなさそうだ(笑)
だからと言ってフェルゼンに夢中かと言うと、そんなに夢中な感じも伝わって来ない。

ちゃんと洋服、靴、ヘアメイク、お菓子、遊興費、浮気など、お金を使いまくりのシーンは出て来るんだけども。

その間にフランスは経済的に破綻して革命が起きるが、民衆が激怒しているシーンも、観ていてそこまでの大騒動にも見えず、宮殿内で怯えている状況もあんまり伝わって来ない。

全てがぼんやりと低体温な感じだった。

それから母マリア・テレジアは自分がマリー・アントワネットを政略結婚させてたくせに、自分がマリー・アントワネットに負けるのが我慢できなくて、娘に対するライバル心で贅を尽くしたシェンブルーン宮殿を作ったのは有名だが、この作品の中では母と娘は上手くいっているように思えた。

最後もマリー・アントワネットは一晩にして真っ白に白髪になったと言われているが、そんなシーンもなかったけど、そこまでの緊迫感もなかった。

折角ベルサイユ宮殿でロケしたのに、残念な作品だったと思う。

お父さんのルイ15世が天然痘で亡くなった時、思わずチャングムがフランスにいたら治せたのになんて、バカな事が思い浮かんだ(笑)





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最終更新日  2007年01月22日 11時22分30秒
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