≪2015年7月9日の記事≫
落語教室の弟子たちに囲まれる三遊亭歌笑さん(左から3人目)=「歌笑の腸」編から
今回は、大腸がんを経験した人と、長年治療にあたってきた医師の声を紹介します。
●勝手な自己判断を反省
60歳過ぎ、健康診断の便潜血検査で血が混じっているのが見つかりました。しかし、痔(じ)のせいだと勝手に判断し、精密検査は受けませんでした。4年後に受けた健康診断でも異常が見つかり、精密検査の結果、大腸がんと診断されました。
病院勤務の友人に相談し、インターネットで調べ、腹腔(ふくくう)鏡手術がよいと思いました。実施数が多い病院を選び、手術を受けました。
「医者でもないのに都合のよい自己判断はしない」と反省しました。フルタイムで働いている人は、休むと仕事に支障が出ると考えるでしょうが、検査で異常が見つかったら、会社と相談して治療に専念してください。
病気に向き合い、納得できる病院を選ぶことが大切だと実感しました。病院の情報はネットで検索できます。セカンドオピニオンは定着してきているので、診てもらっている病院に遠慮せず、利用してみるのもよいと思います。(東京都 男性 67歳)
●便潜血検査、正しい理解を
30年近く消化器疾患の患者を診療している医師です。大腸がん検診の便潜血検査について、注意してほしいことがあります。
一つは、2日分の便の一部を採取する潜血検査の2日法で、「2回のうち1回が陰性なら問題ない」と誤解をしている人が非常に多い点です。2回採取するのは、便の採取法によって潜血反応が出ないことがあるためで、1回でも陽性なら便潜血検査を改めてするのではなく、内視鏡検査などの精密検査を受けることが重要です。
二つ目は、痔になったことがあると、便潜血が陽性でも「痔のせいだ」と決め込み、精密検査を受けない方が非常に多い点です。痔とともに大腸にポリープや腫瘍(しゅよう)のある人たちがいます。痔のせいにして放置し、発見された時には進行した大腸がんになっているケースも数多く経験しています。
検査の際は、「便の5、6カ所の表面を広くこすって採取する」「暑い時期は提出まで冷暗所に保管する」などの注意点もあります。(兵庫県 宮田健一 55歳)
私は2011年11月、血尿が出て、痛くはなかったのですが、すぐに会社を休んで病院に行きました。その日に膀胱鏡で調べてもらいましたが、異常ありませんでした。
しかし尿細胞診で悪性腫瘍の疑いありとのことで、入院検査で内視鏡で尿道から腎臓を調べてもらいました。尿道の途中までは異常がなかったのですが、それ以上先は内視鏡が入って行かず、内視鏡を入れたまま、日を改めて検査を受けました。置いておくと、内視鏡が先に入りやすくなるためです。
2回目の検査で採取した検体で、悪性腫瘍(腎盂癌)と確定され、2,3週間後に片腎の摘出手術を受けました。早期発見、早期治療で事なきをえました。
その後、便潜血反応で陽性が出て、内視鏡検査を受けました。便潜血につながるような悪性のポリープはなく、便潜血の原因は「軽度の痔かもしれない」とのことでした。しかし良性と思われるポリープが見つかりましたので、入院して内視鏡で切除してもらいました。
その2年後、今回の後腹膜悪性腫瘍。疲れやすくなり、理由の分からない微熱が1ヵ月ほど続き、そこで初めて会社を休んで医者に行きました。
風邪の症状はないが、CRP値が高く、大きな病院を紹介してもらって、CTを撮り、生体検査を受けて、後腹膜悪性腫瘍が見つかりました。放置したら余命数週間から数ヵ月といわれるほど、腫瘍が大きく(11センチ)なっていました。微熱だからといって、もっと放置していたら大変なことになっていました。
もっと早い段階で医者に行けばよかったのかもしれませんが、あまり状況は変わっていないでしょう。とにかく手遅れだけは回避できました。何かおかしいと思ったら、できるだけ早く診てもらったほうがいいのだと思います。
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