柴楽日記

柴楽日記

2016.12.09
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カテゴリ: グルメ・旅
今回はもうずいぶん前にご紹介させて頂きました大江戸散策紀行シリーズの
続編をお届けしたいと思います。
新緑の頃の記事となっていてすっかりタイムラグができてしまいました。(詫)

上野公園へとやって来ました。

広大な公園内には上野動物園を始め、美術館や博物館そして歴史的な建造物等、
多くの文化的な施設が存在します。今年はル・コルビュジェ設計による国立
西洋美術館が世界文化遺産に登録されたことでも改めて脚光を浴びることと
なった一年だったかもしれないですね。
この日はこうした施設の多くが休館日にあたる月曜日でした。


今年も花見客でにぎわった桜並木をのんびりと進んでいきます。
上野東照宮へやって来ました。


上野東照宮は徳川家康の重臣であった藤堂高虎が自らの敷地内に創建した神社で、
ここには家康、吉宗、慶喜が祀られています。
鳥居をくぐると石灯籠が並ぶ参道の奥に唐門そして後方に社殿が見えてきます。

こちらは社殿。

壁面には精巧な彫刻が施され、金色殿と称されるほどの佇まいは絢爛豪華そのもの
です。

こちらは唐門。
社殿とともに国の重要文化財に指定されています。


唐破風造四脚門となっています。

凝縮されている様に感じられるものでした。
こちらの龍については、徳を積んだ偉大な人物ほど頭を垂れるという考えから、頭が下を向いて
いるものを昇り龍と呼んでいます。
透彫りに見られる諌鼓鳥(かんこどり)については「昔、皇帝が広く民の声に耳を傾けるために、
自らの政に誤りがあると感じる時は、遠慮なく民衆に太鼓を打って知らせよ、ということにして

あった」という中国の故事に由来するといった解説がなされていました。

こうした彫刻を始め、東照宮には長い戦乱の世を治めた当時の為政者の天下泰平への願いが込めら
れていると考えられる、といった解説がなされていました。

不忍池にて一枚。

学生時代に遊びに来て以来の上野公園でしたが、都会のオアシスとして
の佇まいは昔と変わらず、今でも訪れた多くの方々の憩いの場となって
いる様です。

最後に、上野公園といえば西郷隆盛像。
愛犬ツンとのツーショットは広く世に知られています。

この銅像についてはいろんな逸話があります。
幕末期を駆け抜け、維新後に要職を務めた多くの人物の写真が残る中、写真嫌いだったので
しょうか?西郷どんについては今のところ、全く写真が残っていないと言われています。
私たちが知っている西郷さんの肖像画については、弟の従道と従弟の大山巌をミックスしたもの
といった説もあったり、なかなかその実像に迫りにくい観がある様にも思えます。
銅像の制作にあたった高村光雲も作品のイメージを確立させるのに様々な腐心があったのかも
しれないですね。
そういう訳で、明治期に銅像の除幕式で主人の姿を目にした西郷夫人の口から出た「こげんな
お人ではない」という言葉についても、「主人はこんな顔じゃなかった」と解釈する説と「主人
はこんな浴衣なんかで外に出る様な非礼な人ではなかった」と解釈する説に分かれるようですね。

さらに愛犬ツンとして知られるこの犬についても、これはツンではないといった意見もあるよう
です。
西郷どんとツンとの出会いは、下野して鹿児島へ戻った頃と言われています。
薩摩川内にある藤川天神を参拝した西郷どんが境内で偶然見かけた犬がツンでした。
ツンは「ツン」と立った耳と左尾が特徴的な薩摩犬の雌だったと言われています(ちなみに上野
公園のツンとされる犬は雄でした。その風貌と合わせてこれはツンではないという意見が出ている
のかもしれないですね)。
ウサギ狩りが大好きだったと言われる西郷どんは、ツンの狩猟能力の高さに惚れ込み、飼主へ
何度も譲って欲しいと懇願していたそうです。そんな西郷どんの情熱に根負けした飼主は最終的に
ツンを譲ることに決めます。
西郷どんのもとでも、その狩猟能力を存分に発揮していたツンでしたが、猟の最中に隙をみて
脱走し、二回ほど遥か遠く離れた前の主人のもとへと帰ってきたことがあるんだとか。
日本犬らしい忠犬ぶりをうかがわせるエピソードですね。

薩摩犬は薩摩の地で古来より猟犬として活躍してきた犬種です。
絶滅の危機に瀕しながらも薩摩犬を愛する人々の手により、昭和後期から再び血統の安定が
図られ現在は薩摩犬保存会により、その保存を図る努力が続けられているそうです。
上野公園の犬の像がツンであるか否かはさておき、いつの日か西郷どんが愛した薩摩犬も
川上犬や琉球犬と同じく県指定の天然記念物となる日が来て欲しいものですね。





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最終更新日  2016.12.15 23:38:20
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