【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第29話)最終話「輝く星河の下」程少商(チォンシャオシャン)は梁邱起(リャンチゥチー)たちと郭(カク)村に入った。郭村は天下の食糧庫、1年の生産でいくつもの都城を養うことができる。少商は貯蔵された油を回収して水源を探すよう命じたが、ふと王延姫(ワンイエンジー)の言葉が頭をよぎった。…皇太子が訪ねる郭村の道中に油を撒いたわ…少商は火が起これば高所から吹いてくる風に煽られ、村だけに留まらないと気づく。「田朔(ティエンシュオ)は峪(ヨク)州の食糧を焼き尽くし、民を飢えさせて国の根幹を崩すつもりね」その時、突然、村に火矢が飛んできた。一方、霍不疑(フォブーイー)は梁邱飛(リャンチゥフェイ)たちと皇太子を援護し、田朔を追いつめていた。しかし山の向こうから黒い煙が上がるのが見える。「霍不疑、私の術中にハマったな? 郭村には勇者200人がいる、油で広大な田畑を焼けば天下の民は死ぬしかない、ふふ 確か皇帝は仁義に篤いのであろう? 息子を救って民を見捨てたとなれば、衆口にどう向き合うのか見ものだな!」田朔は勝ち誇ったように笑ったが、不疑は郭村なら少商が守ると自信を見せた。驚いた皇太子は再び少商を失えば一生、後悔すると訴えたが、不疑は退こうとしない。「霍不疑…国や民を思う忠良を気取りながら、結局、権貴を選ぶのか?! 文(ウェン)賊に取り入り、無能な太子は救うが自分の女は見殺しか?!この偽善者め!」「少商と約束した、天下を第一に夫婦で肩を並べ戦うと… 少商は知恵と勇気で必ず郭村を守り抜く、私はそう信じている」不疑は田朔に襲いかかり、胸を突き刺した。「グッ…お前の手で死ねたら忠義の名に恥じぬ」「殺せと挑発を?…戻帝が臨終の際、名のある官員や宮人は全て殉死したな お前が生き延びたのは無名の虫ケラに過ぎぬからでは?」「黙れ!忠臣が虫ケラなわけがない!敵討ちのために私を生かしたのだ!」田朔は不疑を出し抜いたつもりだったが、逆に足下を見られ激しく動揺してしまう。「敵討ちを託したか…それとも名を覚えていないだけか?」結局、不疑は止めを刺さず、田朔から剣を引き抜いた。「郭村へ!」その頃、焼き討ちをかけられた郭村では少商や梁邱起たちが身を挺して民を守っていた。じりじりと迫る残党たち、しかし間一髪のところで知らせを受けた程家が駆けつける。「嫋嫋(ニャオニャオ)に指一本、触れるな!」少商が父の声に気づいて振り返ると、激しい煙の合間から両親や兄夫婦たちの姿が見えた。「嫋嫋!阿母が来たわ!」こうして程家は一丸となり郭村の民と田畑を守り抜く。霍不疑は必死に郭村まで馬を駆けたが、到着した時にはすでに戦いが終わっていた。「郭村は無事よ、私たちは勝った…」「勝ったんだな」再会を果たした2人は固く抱き合い、ようやく夫婦一心となった。深傷を負った袁慎(ユエンシェン)は軍営で静養していた。すると幕舎に不疑が現れ、いつまで寝ているのかとしつこく聞いてくる。「私はお前の家の居候か?口うるさいぞ?」「妻を心配させるからだ」袁慎は大事ないと安心させたが、最後に伝えたいことがあった。「私と少商は似ていると思って来たが、間違いだった 両親の影響で私は深い情愛を嫌悪していた 幼心にも誠実すぎる情愛は刃や劇毒も同じだと感じたのだ 前途ある己の足を引っ張り、志を奪ってしまうと… だが少商は違った、だからお前たちは情愛が深いのだな」「…お前が気に食わなかった、だがこの5年、少商が最も辛い時に見守ってくれた だが安心してくれ、もう彼女を辛い目には遭わせない」「どうだかな、さもなくば…」「その心配はない」袁慎は即答する不疑に失笑し、これで少商への想いにけじめをつけた。子晟(ズーション)と少商の復縁は皇帝の耳にも届いた。その夜、皇帝は越(ユエ)皇后と夜空を見上げながら、これも宣神諳(シュエンシェンアン)が静かに2人を見守ってくれたおかげだと感慨深い。一方、軍営でも少商と不疑が満天の星空を見上げていた。「故人は本当に星になるの?」「昔、私もこうして星河を見上げたものだ、父母や兄妹が星に姿を変えて私を見ていないかと… それで分かったんだ、彼らに語りかけていると、声が届いた時には星が瞬く」「…皇后?私です、少商です、聞こえますか?」すると驚いたことにある星が瞬いた。「皇后だ…阿父、阿母、彼女が一生を共にする相手です、見えますか?」不疑が家族に少商を紹介すると、いくつもの星が一斉に輝いた。「皇后は私たちの復縁を望んでいたわ、だからきっと喜んでいるはずよ」不疑は少商の手を取り、愛おしそうに見つめた。すると少商は不疑の手首にある″少商の弦″に目を留め、これを見るたびに胸が熱くなるのを感じたと明かす。「子晟、あなたは情が深く感情豊かで純粋な心を持っている、この天下で一番の郎君だわ あなたとの出会いはこの上ない幸せよ」「少商、君は最も純粋で善良だ、確固たる意志を持ち、この天下で誰より勝る女子だ 君に出会えて私もこの上なく幸せだ」2人は互いの真心を捧げ合い、唇を重ねた。しかしちょうど幕舎から出て来た程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)に見られてしまう。程始は父として何とも複雑な気持ちだったが、愛妻に諌められて目をつぶるしかなかった。「えっへん…霍不疑よ、娘を託したぞ だがうちの嫋嫋に不義理をしたら程家が一丸となって殴り込む」「…ぜひ」その時、程頌(チォンソン)と万萋萋(ワンチーチー)、程少宮(チォンシャオゴン)、程姎(チォンヤン)、青蓯(チンツォン)も天幕から出て来た。曲陵(キョクリョウ)侯府では老夫人が夜空に手を合わせ、天の加護に感謝していた。少宮の手紙によれば大郎と嫁が再び功績をあげ、頌児夫妻まで手柄を立てたという。しかも霍将軍と四娘子はそのまま驊(カ)県で成婚するとあった。「婚約ではない、成婚よ?これで聘礼(ヘイレイ)の品も逃げないわね、ぶははははは~! 孫娘の成婚を阻む度胸のある者はいるかしら?!」実は2人の成婚を阻む者が宮中にいた。「驊県で成婚だと?!だが朕がその場におらぬぞ?!無効だ!絶対に許さぬ! 今すぐ2人を呼び戻せ!都で再度、婚礼をやり直す! あんまりではないか!この日のために長年、苦心して来たのは朕だ!」すると越皇后は呆れ果て、寝殿に戻ってしまう。そんな皇帝の嘆きなど知る由もなく、程家は揃って星河を見上げながら幸せに包まれた。完( ˙꒳˙ )2ターン目も終わったw配信の時はあっという間に挫折しかし明蘭の時と同樣、10話まで我慢すれば面白いと聞いて日本上陸を機に再度チャレンジいや〜諦めないで良かった!ただこれ原作ではタイムスリップものなんですよねそれを知った上で見ると嫋嫋の心情も分かりやすかったかなさて管理人的最終話は54となりました追憶のような最後を期待していたので、この安易なまとめ方にちょっと肩透かし途中でまさかの必殺早送りが出そうになりましたが、ここでウマーで駆けるウーレイ登場!ウーレイがコーナー攻める!攻める!wwwなるほど、全てはこの瞬間のためにあったのね! ←いや違うwもう内容はどうでもいい! ←え?wだってウーレイがカッコいいんだもの♡( ˶´꒳`˵ )
2024.01.03
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第28話)第55話「肩を並べる時」楼縭(ローリー)は程少商(チォンシャオシャン)に協力を頼み、産気づいた何昭君(ハージャオジュン)を連れてなぜか廟に案内した。違和感を感じて殿内を見回す少商、するとふと安置された神像に目が留まる。その時、楼縭が隠し持っていた短剣を取り出し、突然、少商に襲いかかった。「程少商!あなたが従兄を自害に追い込み楼家は没落した、命をもらう!」少商は間一髪で楼縭の腕をつかみ助かったが、そのまま揉み合いとなった。「何昭君!神像を調べて!隠し扉があるかも!」少商の予想通り何昭君が神像を動かすと後ろの壁が開いた。少商は楼縭の足を思い切り踏みつけ、楼縭が怯んだ隙に何昭君と一緒に密室へ逃げ込んだ。すると思いがけず鉄鎖で拘束された傷だらけの袁慎(ユエンシェン)を発見する。度田令の推進中だった袁慎は油の買い占めに気づき、巡察中の皇太子が通過する郭(カク)村に貯蔵されていると突き止めた。そこで急いで知らせに向かうはずが、途中で戻(レイ)帝の残党に捕まってしまったという。少商はともかく袁慎を解放するため鍵を解錠することにしたが、袁慎は無駄だと止めた。「最も難解な連環鎖(レンカンサ)だ、解けやしない、早く逃げろ、私のために命を捨てるな」「この天下に私の解けない仕掛けはない、だから黙っていて」ちょうどその頃、外套を目深にかぶった女が廟に入って来た。楼縭は復讐を果たせなかったが、女は少商を誘い込めただけで上出来だと労う。「でも全てやり遂げてくれたのならもう用なしね…」女はいきなり楼縭の腹を刺した。「霍不疑(フォブーイー)と程少商以上に楼大房が憎い…あの世で父や母と再会するが良いわ」「阿父と阿母を殺したのは…あなた…」楼縭はようやく両親の敵に気づいたが、そこで事切れた。霍不疑一行は急遽、驊(カ)県に入った。一見、穏やかに見える城内、すると民に成りすましていた残党がいきなり襲いかかり、不疑を配下から引き離して孤立させてしまう。その頃、少商は解錠に成功し、何昭君と袁慎を連れて密室から脱出しようとしていた。しかし突然、床が開いて地下室へ落下してしまう。袁慎は自分に構わず逃げろと言ったが、天井が閉まる寸前に誰かが飛び降りて来た。「少商?!無事か?!」「なぜあなたがここに?」不疑は巡察中に異常を察知、驊県に駆けつけたところ戻帝の残党に県庭へ追い込まれたという。「ここに私を誘い込んだのは私の一番、大切な者が罠にかかったからだ」「罠だと知りながら飛び込むなんて…救援を求めてから敵を討てばいいのに!」「失ってからでは敵討ちに意味はない…生きていることが重要なんだ」その時、楼縭を殺した女が現れた。「餌には釣られないと思ったのに…ふっ、情愛にどっぷり浸かると英雄も愚鈍になるのね」少商は女の声で行方知れずとなった王延姫(ワンイエンジー)だと分かった。王延姫は面紗を外して正体を明かした。「今日、お前たちには私が作った墓場で死んでもらう 川で救われたあの瞬間から敵討ちを誓った、やっと果たせる…」地下室には楼犇(ロウベン)の位牌が安置され、床には藁が敷き詰められていた。どうやら王延姫は不疑だけでなく少商たちまで道連れにして死ぬつもりらしい。「少商、楼家で良くしてあげたのに、どうして夫を追い詰めたの? 袁慎、お前は知り過ぎたわ、計画を阻止する者は殺すしかない」少商は自分たちを逆恨みする気持ちは分かったが、身重の何昭君は無関係だと憤る。しかし王延姫は楼垚(ロウヤオ)を自由にするためだと言った。「楼垚は彼女を愛していない、無理やり娶らされたの、夫は死ぬ間際まで弟を案じていたわ 義姉として助けてやらなくては…子なら別の女が産む」その頃、楼垚は楼縭に騙されたとも知らず、従者と清(セイ)県にいた。産婆は夫の実家へ戻ったと聞いて訪ねてみたが見当たらず、従者は楼縭の勘違いではないかという。仕方なく楼垚は激しい雨の中、片っ端から医師をあたり、ようやく対応してくれた医師をなかば強引に連れ出した。夫の後を追って入水した王延姫を救ったのは田朔(ティエンシュオ)だった。復讐のため賊に寝返った王延姫、すでに皇太子が訪ねる郭村の道中にも油を撒いたという。「妻より野心を選んだ男だ、そんな者のために命を懸ける価値があるのか?」「あなたこそ少商より痛快に報復することを選んだくせに」「凌益(リンイー)を殺した後、少商を一目見て後悔した、夫婦は同心で肩を並べるべきだと… この5年、後悔しない日はない、復讐が難しくとも成婚すべきだった 共に明るい道を歩むべきだった」不疑の言葉を聞いた王延姫は夫もこうして悔い改めてくれたらと思うとやるせなくなった。「あなた…どうして私だけ置いていったの?」すると少商が楼犇も後悔していたと明かした。楼犇は少商に地形図を贈る際、窮地の時は心を縛られず天地を見いだせるようにと戒めたという。「その言葉をあなたに送るわ」しかしもはや夫の言葉も心に響かず、王延姫はついに火を放ってしまう。王延姫は積み上げておいた油を次々に倒し、地下室はあっという間に激しい炎に包まれた。すると王延姫は自ら煙に巻かれて倒れてしまう。その時、黒甲衛が駆けつけ、天井をこじ開けた。「若主公!」梁邱起(リャンチゥチー)は縄梯子を下ろし、身重の何昭君と負傷した袁慎を次々と引っ張り上げる。そして2人に続いて少商も無事に脱出、登ってくる不疑に手を伸ばしたが、突然、不疑の足に王延姫がしがみついて邪魔した。「…連れて行け、彼女を連れて行くんだ!」少商を守るため苦渋の決断を下した不疑。梁邱起は涙をのんで少商を床から引き離すと、ついに黒甲衛も力尽き、床は再び固く閉ざされてしまう。「子晟!子晟nnnnnnnnnnnnnnnn!」梁邱飛は少商を密室から逃がし、仲間たちも一斉に避難した。その時、地下室が爆発、少商たちは吹き飛ばされながらも九死に一生を得る。しかし不疑は…。少商は絶望の中、頑なだった自分を責めた。「子晟、後悔しているのでしょう?私の手を離さないと言ったのに! 私を散々つらい目に遭わせたから、この先はずっと私に尽くすのでしょう? 分かった、もう許すわ、だから返事をして、お願いよ!」不疑を失った悲しみに耐えられず絶叫しながら泣き崩れる少商、しかし、うなだれていた梁邱飛(リャンチゥフェイ)が物音に気づいて門を見た。「若主公…」霍不疑は生きていた。不疑は王延姫が中へ入れたのなら出られると判断、激しい煙の中で抜け道を探し当て、はい出したという。「少商…私を許してくれるのか?撤回しないでくれ」少商と不疑は硬く抱き合い、5年間のわだかまりが溶けて行くのが分かった。その時、ようやく清県から戻った楼垚が飛び込んで来る。「昭君!私と連れ添うと約束しただろう?共に子を育てると…約束を破ってはダメだ?!」崩れた密室の前で呆然となる楼垚、しかし何昭君は無事だった。「…楼垚?私ならここよ」「(はっ!)良かった!」楼垚は妻の手を握りしめ涙を流し、何昭君も楼垚の心に自分がいると分かって安堵した。田朔の陰謀を阻止するため、霍不疑と少商は共に立ち上がった。しかし不疑は道中の皇太子の元へ、少商は郭村で民を守ることになる。「少商、危険な任務になるぞ?」「大勢の民や天下に比べたら私たちの愛憎なんて微々たるものよ」「少商、君は唯一、私と肩を並べる者だ」こうして2人は県庭の前で別れた。郭村を目指してた皇太子一行の前に田朔が立ちふさがった。「三皇子、息災のようだな?」皇太子は今度こそ田朔を捕えようと意気込んだが、その時、伏兵が現れ、包囲されてしまう。劣勢を強いられた皇太子は自ら剣を抜き応戦するも負傷、満身創痍で田朔と対峙した。「国の後継者として死ぬのは戦場のみ…決して退かぬ!」「では主公に代わり正義の鉄槌を下す!」しかし危機一髪のところで霍不疑が駆けつけ、皇太子を守った。「霍不疑?!生きていたのか!王延姫の役立たずめが!」田朔は計画が失敗したと気づいて悪態をついたが…。つづく( ̄▽ ̄;)ちょっと田朔の声www最終話が不安になって来たw
2024.01.03
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第27話)第54話「母娘の雪解け」宣(シュエン)皇后は程少商(チォンシャオシャン)と霍不疑(フォブーイー)の縁が再び結ばれることを祈って旅立った。主を失った長秋(チョウシュウ)宮の夜。不疑は少商の飴糖(トウイ)作りを手伝いながら、彼女の言葉を待っていた。やがて少商は静かに自分の胸の内を明かす。「捨てられて恨んだわ、独断専行で死を選んでも共に歩もうとしなかった 私は本音で接したのにあなたは嘘ばかり…でも5年が経ち、苦労の末に吹っ切れた 今はどうしても心を預けられない、信頼できないの」「少商…すまない、君がどう決めようと尊重するよ 君が捨てられることを何より恐れていると知りながら、私は最も傷つける方法を選んでしまった これまでの20年間は恨みの中で生きて来たが、この先の余生は悔恨の中で生きる できることなら心を取り出し、君にあげたい…でも私にはその資格がない…」すると少商は居たたまれなくなり、黙って部屋を出て行った。少商は回廊から満天の星空を見上げた。すると霍不疑が現れ、隣に並ぶ。「以前、皇后に言ったの、郎君が陽光で万里を照らすなら、私たち女は明るい星、星河に輝く 日月と星河に高低は関係なく、互いが欠かせない、共存することでこの天地を成すと… 私もしっかり生きるわ、皇后の髪を埋めたら遊歴に出る、私も天地の広さを見たいから」「私も度田令の任務が終わったら北西に戻って国境を守る、世の星河を守るために… これからは自分を大切にする、お互いにしっかり生きよう」少商と不疑は笑顔で別れた。しかし互いに相手の姿が見えなくなると立ち止まり、こらえ切れず涙してしまう。。゚(∩ω∩`)゚。少商は曲陵(キョクリョウ)侯府に戻った。すると母が初めて少商の好物を手作りしたという。5年の月日が流れ、ようやく親子3人で過ごす穏やかな時間、しかし蕭元漪(シャオユエンイー)は急に点心を食べている娘の手を止めてしまう。「もういいわ、どうせ上手じゃないから」「嫋嫋(ニャオニャオ)は何も言っていないだろう?」程始(チォンシー)は相変わらず自分に厳しい妻に失笑した。「嫋嫋、阿母が悪かった…初めての女の子だったから… 兵の指導とどう違うかも分からなかった、息子を育てるのとはもっと違うし… 娘の成長はあまりに早過ぎた、どう改めていいのかも分からなかったの 私が間違っていた、もう一度やり直せるなら決してあなたを置き去りにしない 自分のそばに置くわ、家族で生死を共にするのよ」少商は母の涙にほだされ、長年のわだかまりがゆっくり解けて行くのを感じた。少商は母の手作りの点心を甘い物に目がない祖母に届けることにした。すると偶然にも過去を悔やむ祖母の話が聞こえてくる。当時は二房の葛(ゴー)氏にそそのかされ、老夫人は父と母を支配しようと躍起になっていた。その結果、幼い嫋嫋が最も被害を被ることになったという。「やり直せるなら嫋嫋によくしてあげたい、だって私の孫だもの… 私が死んだら蓄えた金銀財宝は全てあの子に残すわ もし一生、嫁がなくても暮らしていけるようにね、本当にあの子に申し訳ない…」少商は複雑な心境になり、結局、引き返した。少商は蓮房(リエンファン)と東屋に腰掛けた。思えば田舎の別宅に送られた時、蓮房の献身的な世話がなければ今頃、自分の墓が建っていたはずだ。「あなたは私が唯一、信頼できる人だった」「もう昔のことです」少商は祖母とも仲良くなりたかったが、どうにも近寄りがたかった。程家の危機では祖母も身を投げ打ち、徐々に家族になれたと思ったが、やはりまだどう向き合えば良いのか分からない。しかしこれからは誰が自分を憎み、嫌うのかではなく、自分を大切にしてくれる人のことを考えようと決めた。「それが生きる活力になる…人は良い事を考えないと… そうしないと余生をしかと生きられなくなってしまう」蓮房はすっかり大人になった女公子の言葉に大粒の涙をこぼした。。゚(∩ω∩`)゚。 少商は宣皇后の故郷に向かう前に参内、袁慎(ユエンシェン)に別れを告げた。実は善見(シャンジエン)も外地に赴任することになり、皇帝に挨拶したところだという。「2年前、父が義兄を救出するため部隊を離れ、味方が不利な状況に陥ってな 霍不疑は父を助けるため駆けつけ、死にかけたんだ しかし陛下の恩情で父は降格の上、膠東(コウトウ)に戻るだけで済んだよ」父は祖先に面目ないと身体を壊したが、これを機に母も夫を気遣うようになってすっかり夫婦仲が改善されたという。「2人は出発前、我らの縁談を案じていた」「…ごめんなさい、望みには応えられない」「残念だな~将来、私は三公に並び称される、三公夫人になり損ねたな?」袁慎はかつてのように茶化して笑ったが、初めから不疑に勝つ見込みがないと分かっていた。この5年、少商を見守り続けた袁慎、最後は少商の立ち去る姿を見送りながら未練を断ち切った。袁慎が城楼から都を眺めていると霍不疑がやって来た。「決めたのか?」「そうだ、父のためお前は死にかけた、これ以上、競っては恩知らずになる」実は不疑も度田令の推進のため、各地を巡察し、監督すると申し出たという。袁慎は不疑が程将軍の代わりに戾(レイ)帝の残党を掃討するつもりだと気づいた。しかし少商の父や兄を助けるのはまだ分かるが、なぜ恋敵の自分の父を命懸けで救ってくれたのだろうか。すると不疑は少商が袁慎を案じているからだと明かした。「お前が達者でなければ少商は安心できない、楼垚(ロウヤオ)を推挙したのも同じ 彼女は口とは裏腹に情に篤いからな…関心を持つ者が達者なら彼女は安心できる 私がお前たちを守れば、彼女はようやく自分の道を模索できる」「お前は私より情が深く、愚かだ…彼女の愛に値する」袁慎は最後まで少商に寄り添える者がいるとしたら、不疑であって欲しいと願った。。゚(∩ω∩`)゚。不疑…サイコーか宣皇后の四十九日が過ぎ、少商は双子の兄・程少宮(チォンシャオゴン)と一緒に宣皇后の故郷へ向かった。やがて驊(カ)県から十数里の山道を進んでいたが、その時、待ち伏せしていた馬車が一行を足止めする。馬車に乗っていたのは都を追われた楼太傅の娘・楼縭(ロウリー)だった。楼縭は楼垚が少商に今の驊県を見てもらいたいと願い、招待したいという。「ありがとう、でも宣皇后の郷里に向かっているのでごめんなさい」しかし少宮はここで待っているので行ってこいと背中を押した。楼垚と何昭君(ハージャオジュン)は少商の来訪に驚いていた。どうやら自分は招待されたわけではなく、楼縭が勝手に連れて来たらしい。しかし夫婦は両親を相次いで亡くした楼縭を気遣っていた。すると空席がひとつある。何かおかしいと警戒する少商、その時、身重の何昭君が急に苦しみ出した。「お腹が痛い…産まれそう」予定日はまだ先のはずだったが、楼垚はともかく産婆に連絡するため慌てて出ていってしまう。一方、巡察に出発した霍不疑一行は道中の山林で襲撃に遭った。黒甲衛(コクコウエイ)は賊を一掃、すると付近の溝で数十人の死体が見つかる。「驊県の侍衛の鎧を着ていました、他には…袁家の部曲の身なりに酷似を…」驚いた不疑は行き先を驊県に変更した。楼縭は少商に手伝いを頼み、何昭君を連れてなぜか廟に入った。「県衙(ケンガ)に廟を立てるなんて、誰かが修行でもしているの?」少商は困惑したが、その時、突然、楼縭が隠し持っていた短剣を抜き、襲いかかって来る。「少商!」つづく( ;∀;)イイハナシダ〜って、え?これが最終回かってくらい良かったのに今さらローリーって…ないわ___w
2023.12.23
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第26話)第53話「長秋からの旅立ち」霍不疑(フォブーイー)に嫁ぎたいと願うも手酷く追い返された駱済通(ルオジートン)。これも全て程少商(チォンシャオシャン)のせいだと逆恨みし、長秋(チョウシュウ)宮に少商を訪ねた。少商は殊勝にも先のぶしつけな態度を謝罪する駱済通を追い返せなかったが、どちらにしても助けることはできない。「彼とはもう関わりたくないし、とりなす気もない、成婚を勧めることもね…あなたの問題よ」「今日はあなたに伝えに来ただけ、北西に戻って余生を過ごすわ、これで永遠にお別れよ 明日にも出発する、ただやり残したことがあるの…」宣神諳(シュエンシェンアン)の心疾(シンツウ)は悪化の一途をたどり、今朝は身体を起こすこともできなくなった。そんな宣神諳の元に帰京した霍不疑が見舞いにやって来る。「子晟(ズーション)なの?」「私です」不疑は宣皇后が力無く伸ばした手を取り、頬に当てた。「少商ならまだ婚約していない…少商の心の中にはまだあなたがいるわ」「知っています、私の過ちです、一生かけて贖罪すると決めました」その時、宣皇后が重い身体をどうにか起こした。「少商は幼き頃、最も愛が必要な時に家族がそばにいなかった 愛しているなら少商の心に欠けたものを補ってあげて… あなたの決断を理解させるのではなく、相談し合って初めて肩を並べて進めるのよ?」「はい、今後、少商には全てを明かし、語り尽くします、隠し事はしません」「だけどもう私には時間がない、2人の成婚を見届けられないわ」「私は不肖者です…ご心配をかけて…」不疑は育ての親でもある宣皇后への不孝を思うと涙があふれ出した。すると宣神諳は子晟の涙を拭い、来世では子晟と少商を息子と娘にしたいという。「そして長生きして2人に養ってもらいながら笑顔で晩年を送るの これこそ満ち足りた人生というものよ」そこへ翟(ジャイ)媪(ウバ)が現れた。「霍将軍に急務だと…」宣神諳は最後に少商としっかり話すよう念を押し、必ず許してくれると励ました。不疑が寝殿を出ると翟媪が待っていた。梁邱起(リャンチゥチー)から知らせがあり、少商が都を離れる駱済通の馬車に同乗して郊外に向かったという。実は駱済通は宣皇后の心疾を治せる神医に心当たりがあると嘘をつき、少商を連れ出していた。少商はなかなか到着しないことを訝しんでいたが、やがて駱済通が本性を現す。「…幼き頃より彼を慕うも身分の差で明かす勇気はなかった その後、互いに婚約して望みは絶えた、でも天は私を哀れみ北西で再会させてくれたの あなたに分かる?愛する人がいながら別の人を世話する気持ちが…」駱済通は不疑への思いの丈をぶちまけると、少商に隠し持っていた短剣を突きつけた。「彼は女に目もくれないのにあなただけは別、なぜ霍不疑の目にはあなたしか映らないの?! 彼のためなら何だってやる、夫だって殺したのよ?でも彼は私を愛してくれない でもあなたを殺せば彼は私を忘れられなくなる、恨まれても本望よ」御者は崖に向かって馬を走らせた。しかし背後から凌不疑の馬が追いつき、驚いた御者は飛び降りてしまう。その時、短剣を振り上げる駱済通の姿が窓から見えた。不疑は無我夢中で手を伸ばし、素手で短剣をつかんで取り上げる。その間も馬の暴走は止まらなかった。不疑は何とか馬車に飛び移ったものの間に合わず、咄嗟に車から少商を抱きかかえ脱出、駱済通は馬車と共に谷底へ転落してしまう。( ;∀;)ァァァ~ウマーの扱いィィィィィ~不疑は少商の手をつかみ、かろうじて岩肌にしがみついた。しかし少商は不疑の手から流れる鮮血で真っ赤になった自分の手に気づき、覚悟を決める。「手を放して、あなた独りなら登ることができる」少商は自ら手を放したが、不疑は少商の手を握りしめて決して放さなかった。「独りで生きるつもりはない、君に許してもらえるとも思っていない だが歯形の誓いから君は私の妻になった、君が生きれば私も生きる、君が死ぬなら私も死ぬ!」その時、2人を探していた黒甲衛(コクコウエイ)が到着、不疑と少商は無事に引き上げられた。少商は不疑の手の傷を心配してくれた。不疑は包帯を巻けば支障はないと安心させ、皇宮まで送りたいと申し出る。しかし少商は必要ないと断った。落胆しながら馬の元へ歩き出した不疑、その時、宮中から早馬が駆けつける。「霍将軍!程娘子!すぐ皇宮へ!宣皇后が危篤です!」少商と不疑が長秋宮に戻る頃には激しい雨となった。2人はびしょ濡れのまま寝殿に駆けつけ、一番後ろで静かにひざまずく。文(ウェン)帝は枕元で付き添いながら、自分が宣神諳の一生を台無しにしたと涙した。しかし宣神諳は皇帝と出会えて幸せだったという。「分かっています…阿姮(ホン)妹妹が流した涙が私より多いことを… これからは彼女と手を取り合い暮らして欲しい…私という存在がなかった頃のように… 陛下、阿姮と話をさせてください」越姮(ユエホン)は宣氏一族のことなら心配ないと安心させた。しかし宣神諳が話したいのは自分たちのことだという。「我が子は19歳の時に襲われたけれど、あなたを疑ったことはないわ」「分かっています…あの年、私の息子も4ヶ月で夭折しました でも疑ったことはありませんでした」「分かってる、決して私を疑わないから外の流言も恐れることなく子供たちを受け入れてくれた」「…私たちは姉妹同然でした」「普通の家の姉妹だったらどれだけ良かったか…」すると宣神諳は子供たちを呼ぶよう頼んだ。皇帝は宣神諳を抱き起こして子供たちの顔を見せた。すると宣神諳は最後の望みとして父が隠居した山で眠りたいという。「この身体は皇陵に葬るしかない…だからお願いです 私の髪を一束ほど切って少商に燃やさせてください、その灰を埋めて欲しい」「分かった、全て望みのままにしよう」そして東海(トウカイ)王には闊達に生きるよう諭し、翟媪の面倒を頼んだ。嫁いだ五公主にはしっかり生きて欲しいと願い、美しい歳月を大切にして欲しいという。「子晟…」不疑は宣皇后に負い目があった。しかし宣神諳は子晟も苦汁をなめて生きて来たと理解を示す。「私が逝った後は過去のことは水に流すといいわ…あなたも自分を許してあげて… 少商、ここへ…」少商は寝台へ近づくと、宣皇后の手を握りしめた。「少商、あなたを巻き添えにし、5年も無駄にさせたわ…」「巻き添えなんて…少商が望んだのです、5年でも10年でも…」「バカな子ね…私のために多くを犠牲にしてしまった だから将来の日々は自分のために生きなさい…私のように無意味な余生を送らないで欲しい 母としてはあなたたち2人の縁がそのまま続いて欲しい… ただ情理を知る目上の者としては婚姻が強引に求められないことも分かる だから万事、心に従えとしか忠告はできない…今を大切にして悔いなきように…」すると宣神諳は苦しくなったのか大きく息を吸い込んだ。「陛下…来世では太平な盛世に生まれ、放浪の苦を免れますように… 来世では両親が健康で長生きして憂患の苦を免れますように…ハァ… あなた…あなたに嫁げて幸せでした… でもどうか来世では…あなたと会うこともないように…」宣神諳は夫婦の情を得られぬまま不遇の人生を終えた。悲しみに包まれる長秋宮、その頃、心の支えを失った少商は呆然と宮中を歩いていた。やがて憔悴した少商は激しい雨の中で倒れてしまう。不疑は意識を失った少商を曲陵(キョクリョウ)侯府へ送り届けた。突然のことに困惑する程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)、聞けば宣皇后が逝去したという。「…私は送って来ただけ、すぐ失礼します」「霍不疑、待たんか!」程始は娘を簡単に捨てた霍将軍への怒りが爆発、5年前に娘は死にかけたと明かした。今でも裏庭の離れには作りかけの棺が残っているという。不疑は思わずその場にひざまずき、少商を傷つけたことを謝罪した。「ゆえに2度と邪魔はしません…」しかしどんなに謝られても失った5年間は戻ってこない。蕭元漪は長秋宮にこもっていた嫋嫋を思うと胸が痛んだ。「私が重病を患った時も、阿兄が妻を娶る時も、堂姉が嫁ぐ時にさえあの子は帰らなかった 嫋嫋の選択はあなたのためよ、霍不疑!」不疑は床に頭を打ちつけるように叩頭した。「私の過ちです、少商の一途な情を裏切り、程家の信頼を裏切った 少商と程家には負い目があります、その償いは一生かけても終わらない 北西で戦死できればと思っていたが死ぬ勇気もなく、彼女の恨みも消せず… 私には死ぬ資格さえない」しかし蕭元漪も決して霍将軍に自責の念を植え付けたいわけではないという。そもそも自分たちにも娘が幼い頃に構ってやれなかった苦い経験があった。「今後は嫋嫋の望み通りにさせるわ あなたと娘は互いに情があっても天に翻弄されてしまった 今後も縁が続くかどうかはいずれ答えが出る」つづく( ;∀;)宣皇后…泣けたわ〜
2023.12.22
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第25話)第52話「歳月を経て」15年前の孤城陥落の真実と凌不疑(リンブーイー)の出自が明らかとなり、大きな節目を迎えた宮中。文(ウェン)帝は宣神諳(シュエンシェンアン)の希望を叶え廃后とし、皇太子も降格となった。これで越姮(ユエホン)が皇后に冊封されれば、三皇子は滞りなく東宮へ入れるだろう。一方、程少商(チォンシャオシャン)は恩人である宣皇后に終生、付き添うと決めて長秋宮へ戻った。淡々と流れていく歳月、その頃、北西に駐留する霍不疑(フォブーイー)は再び殺戮に明け暮れていた。しかし今でもその右腕には少商の弦がある…。そんなある日、少商は父からの書簡を受け取った。程家で慶事があり、二兄・程頌児(チォンソンアル)と万萋萋(ワンチーチー)、堂姉・程姎(チォンヤン)と班嘉(バンジア)、そして使用人の蓮房(リエンファン)と符登(フードン)、さらに姎姎の父で二叔父・程承(チォンチョン)と青蓯(チンツォン)が成婚したという。やがて二兄夫妻は双子に恵まれた。長秋宮でも嫁ぐ五公主を送り出し、穏やかな日々が続く。こうして5年が経った。正月の夜は雪となった。宣皇后は今年も家に帰らない少商を心配したが、少商の話では程家でそれぞれの夫婦に子が生まれ、自分が戻っても座る場所さえないという。すると宣皇后は新年の願い事で少商が良人と出会い、嫁いで子を産む姿が見たいと言った。しかし少商は一生、嫁ぐつもりはないという。「まだ吹っ切れないの?」「いいえ、ただ許せないだけ…縁が切れて別れたのです、もう有り得ません」宣皇后は少商と子晟(ズーション)の復縁を願っていたが、やはり少商は簡単に自分を曲げることはない。「ではこう願うわ、私の死後、あなたの余生に同伴がいるようにと…」「縁起でもない…」「少五が嫁いで行った今、1番の心残りがあなたなの…あ、見て、こんなに雪が降って来たわ」宣皇后は寝殿に入ることにしたが、その時、ついに倒れてしまう。孫(スン)医官は宣皇后の余命を早くて1ヶ月、長くても春までと診断した。しかし頑なに皇帝と越皇后の見舞いを拒み、長秋宮を明け渡したいと申し出る。「本来なら東海(トウカイ)王と属地に移り、東海太后と名乗るべきだと…」少商は越皇后に長秋宮を返したい旨を伝えたが、越皇后は住み慣れた永楽(エイラク)宮を移動したくないと断った。「呼び名も変えなくていい、これ以上、蒸し返すことがあれば私を不快にさせるだけよ」「越皇后に感謝します」 袁慎(ユエンシェン)が回廊で待っていると少商がやって来た。この5年、袁慎は宮中に留まる少商に付き添って縁談を全て断って来たが、待っていた甲斐はあったのだろうか。「少商、宣皇后も望んでいる、伴侶を持つ気はないか?ならば私を選べ 家柄も合うし、互いに伴侶が必要だ、いっそ宣皇后を安心させるため一芝居、打つのはどうだ」「袁善見(シャンジエン)、あなたの想いには応えられない」「少商、そなたの縁談が潰れてばかりなのは目先が利かぬからだ 私は両親からも放任されて育った、自由を望むなら都で私ほど自由な者がいるか? 我らこそ最適なのに私の望みに応えられぬと?」袁慎は互いに生まれながら誰にも関心を持たれず、病友であり盟友でもあると訴えた。利が一致すれば互いに信頼し合い、裏切ることはないという。「私は某人より自分を大切にするし、危険にも近寄らぬ、ゆえに私の方が最適だ」病床の宣皇后が薬を飲んでいると、少商が戻って来た。何やら考え事をしているのか、衝立て越しでも上の空だと分かる。実は皇帝は余命わずかとなった宣皇后のため、北西にいる霍不疑を呼び戻していた。…近いうちに到着する…複雑な面持ちで寝殿に入った少商、確かに宣皇后の言う通り、わだかまりに捉われていては更なる苦しみに陥ってしまうだろう。…過去は過ぎ去るもの、今と将来を大切にして、そのためにはわだかまりを突き破る必要がある…少商は袁慎に自分の心に″彼″がいても娶るのか聞いていた。…待つよ、そなたが奴を忘れるまで待ち続ける、いつか振り向いてくれるまで…「皇后、皇宮を出る許可をください、袁善見と婚約しようと思います」霍不疑が5年ぶりに宮中へ戻った。ますます義兄に似て来た子晟の姿に思わず目が潤む皇帝、しかし軍装でも生傷が絶えない身体だと察しがつく。「なぜ1番の精鋭を都に残したのだ?皇宮を出られない少商には必要ないであろう?」不疑は梁邱起(リャンチゥチー)を少商の護衛のために残し、梁邱飛(リャンチゥフェイ)だけをそばに置いていた。邱飛の報告では5年前、王(ワン)将軍が戾(レイ)帝の残党に襲われ、若主公が救出に向かうも敵は死士、多勢に無勢で負傷したという。「袁善見の父親が兵を率いたはずだが?」「分かりません、そして2年も経たぬうちに若主公は蜀へ討伐に行きました その時、襲撃に遭った程頌(チョンソン)将軍を…」「もういい」不疑は邱飛の話を遮ったが、皇帝は凱旋した程頌が褒美をもらいに来ない理由が分かった。「少商は知っているのか?…もしや兄を助ければ復縁できると期待したのか?」「…私は過ちを犯しました、少商の許しなど求めるはずがありません 少商に知られたら、かえってもっと疎まれてしまうでしょう」皇帝は子晟に下心がないと知って安堵し、今後は度田令を監督している皇太子を補佐して欲しいという。実は少商は5年ぶりに皇宮を出ていた。袁善見との縁談を進めるためで、近々、成婚するという。「お前はどうする?崔祐(ツイヨウ)さえ正室の座は空けて妾を取ると決めたぞ?」「皇父、ご心配には及ばぬかと…」皇太子は北西の軍営で駱済通(ルオジートン)が献身的に子晟の面倒を見ていたらしいと伝えた。噂では駱済通が都へ戻って子晟と成婚すると宣言しているという。しかし不疑は憤慨、成婚などあり得ないと否定した。霍不疑は阿飛と宮中を後にした。これから直ちに霍氏の墓と祠堂を修繕し、妻は娶らず子もなさぬと祖先に報告するという。(´ ・ω・)<若主公~それってどうみても吹っ切れてないっていうか~するとちょうど外出していた袁慎たちが城門に入って来た。袁慎は馬を降りて少商を馬車から降ろしたが、その時、2人は子晟の姿に気づいて呆然となる。しばし見つめ合ったまま立ちすくむ少商と不疑、袁慎はただ黙って待つほかなかった。霍不疑は意を決して少商に向かって歩き始めた。すると少商はどう接したら良いのか分からず、咄嗟に袁慎の馬に飛び乗ってしまう。その時、不疑がまたがった少商の足を支え、大事そうにあぶみに乗せた。まるで第9話で初めて馬にまたがった少商の足をあぶみの中に通してくれた時のように…。「感謝します、霍将軍…でももう昔の程少商ではない、あぶみがなくても乗れる」少商は馬を駆けて去って行った。安堵した袁慎だったが、霍将軍が戻ったからには少商を諦めないつもりだと疑う。「少商の中で私はお前に及ばぬ、しかし少商の性分ならお前を選ぶとは限らない」しかし不疑は黙ったまま拝礼して帰って行った。北西の賈(ジア)家に嫁いだ駱済通が長秋宮に挨拶にやって来た。宣皇后と少商は都に戻った駱済通を歓迎したが、どこか言葉の端々に棘がある。「あなたは幸運ね、私なんて不遇の身… 夫が重病で四六時中、世話ばかり、再嫁を狙っていると陰口まで叩かれたわ だから私も意地になって夫の死後も賈家の君舅君姑に奉仕した でも子晟にも前を向けと言われたの 厳しい人だけれど私には寛容で、私だけ天幕に入らせ、酒や食事を届けさせた その後、天幕に入れなくなったけれど、私に苦労させないためね」駱済通は恐らく子晟が都で求婚してくれると自慢したが、宣皇后も少商も当てつけだと分かった。「…皇后が病となり吉事に水を差しましたね?」「いいえ、そういう意味では…」「分かっています、皇后が在位中は駱家を何度も庇護してきました 恩人の前で恨み言など言えるはずない、もし本音なら畜生も同然です」そこへ翟(ジャイ)媪(ウバ)がやって来た。「駱娘子、早く実家へ戻らないと…先ほど実家から連絡がありました 霍将軍が2台分の嫁荷に加え、巨大な銅鏡を届けて長老に命じたそうです ″駱娘子の嫁ぎ先をすぐ探すように″と…」「銅鏡?鏡とはね…」少商は思わず失笑した。翌日、霍不疑が屋敷へ戻ると駱済通が待っていた。駱済通は北西で連れ合った自分への仕打ちに憤ったが、不疑は確かにかつて連れ合いがいたことはあったという。あの時、駱済通は負傷した子晟の意識がないのを良い事に勝手に介抱していた。結局、すぐ軍営から追い出されたが、駱済通は外に住み着き、再び忍び込んで洗濯をしたという。「私は顔も見ていない 都へ戻る時も軍の後ろを追って来たそなたとは話もしていないぞ? それのどこが連れ合いだ?」「でも3年前、天幕にも入れてもらえなかった私が今はこうして顔を見てもらえます」駱済通は妾でも構わないと食い下がった。すると不疑が馬から降りて来る。実は不疑はとうに気づいていた。駱済通の亡夫・賈七郎(ジアチーラン)は病弱だったが、20歳の若さで死ぬほどの病ではない。「お前が謀って殺したな?その方法は言うまでもない」子晟が北西に駐留すると知った駱済通は夫の薬湯に毒を盛っていた。「…程少商のため?だから私を拒むの?」「程少商がいなくてもお前に情はなかった」つづく(ˇ꒳ˇ *)今回もいい話だったわ〜でもここにきてラクダさんが闇堕ち?せっかくしみじみしてたのにな〜
2023.12.09
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第24話)第51話「それぞれの区切り」凌不疑(リンブーイー)は15年間という長い歳月を耐え、ついに本当の名を明かした。「私の名は霍無傷(フォウーシャン)」「霍兄、すまなかった、今まで気づかぬとは…許してくれ」文(ウェン)帝は亡き義兄の忘形見を抱きしめ号泣したが、不疑は己の罪を認め、死を望むという。すると左(ズオ)御史中丞がこれ幸いと即座に死を賜るよう上奏、皇帝の逆鱗に触れても追及の手を緩めなかった。そもそも凌益(リンイー)が敵と通じた証拠がないという。しかし思いがけず廷尉府の袁慎(ユエンシェン)が証拠を持ってやって来た。凌益の妻・淳于(チュンユー)氏は職人に作らせた女媧像を汝陽(ジョヨウ)王妃に贈っていた。「その中に彭坤(ポンクン)と凌益の書簡が隠してありました、孤城を占領した証拠になるかと…」皇帝は書簡を確認、左御史に投げ渡した。しかし左御史は霍将軍にはまだ東宮の虎符を盗んで軍を動かした大罪があると食い下がる。すると今度は三皇子が駆けつけた。左御史の弟である左将軍は子晟(ズーション)の救出を邪魔しようとして捕まっていた。将軍は拷問により何もかも自供、左家は田(ティエン)家酒楼の番頭・田朔(ティエンシュオ)に大金で抱き込まれていたという。実は田朔は戾(レイ)帝付きの内侍で、腹心中の腹心だった。朝廷から戦神・凌不疑が消えれば安心して山河を奪い返せると考えたのだろう。内侍は田朔と名を変えて商人として潜伏、この数年は酒楼を隠れ蓑にしていたが、朝廷の官員も多く往来していた。「雍(ヨウ)王や小越(ユエ)侯とも結託していたのです! 父皇、彼らは田朔にそそのかされ、国と民に害を及ぼしたかと…」「田朔は霍将軍に恨みがあると言っただけ…戾帝の内侍など知りませぬ!」左御史は無実を訴えるも後の祭り、朝堂から引きずり出されてしまう。「厳しく拷問を科せ!死んでも構わん!」しかし三皇子の報告で田家酒楼はすでにもぬけの殻、謀反の証拠をつかむも田朔に逃げられてしまったという。( ๑≧ꇴ≦)ノ″ さようなら、おじいちゃ~ん!皇帝は奥殿に子晟と三皇子を呼んだ。確かに今回、子晟が虎符を使ったせいで皇太子は弾劾され、名声まで地に落ちている。三皇子は必要に駆られて使ったのだろうと庇ったが、皇帝はすでに気づいていた。「太子の手にあった虎符は偽物だ、小越侯に盗まれた虎符を子晟が取り戻し、そのまま持っていた お前たち2人は最初から…」「そうです」もはや隠し立てできないと悟った三皇子は皇兄ではこの国を担えないと訴え、楼犇(ロウベン)の事件も正しく賞罰しなかった皇兄が原因だという。実は子晟も同じ意見だった。子晟の話では皇太子のそばにいたわずか数ヶ月で東宮の全てを掌握できてしまったという。「太子が即位後、私さえ望めばすぐにでも政を乗っ取れる…そんな場面を見たいと? もちろん二心などありません、しかし私が思うに太子では重責を担えません」「よく言ったわ」すると皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)が現れた。皇后は確かに子晟の言葉は理に適っていると認めた。一連の事件は立太子を誤った皇帝、凡庸で才のない皇太子、志を抱く三皇子、深い恨みを持った子晟、そして息子を溺愛した自分自身に関係があるという。「しかし少商(シャオシャン)は?この件と何の関係が?なぜ巻き込んだの?まさかこれも国のためだと? あなたの言葉は全て正しい、小さな情を捨て、天下を潤す なら聞くわ、あの日、城陽(ジョウヨウ)侯府に赴いた時、少商を捨てると決意していたの?」その時、子晟の頬を一筋の涙が流れた。「…はい」「今の言葉は本心?今回の件を悔いてはいないと?」「悔いていません」皇后は不疑の返答に深く失望し、そこで少商を呼んだ。「少商…」子晟は少商が自分の答えを聞いていたと知り、動揺した。「少商、許しを求めるつもりはない、だが信じている、分かってくれると…」「分かっています…でもあなたは私を分かっていたかしら?」すると少商は皇帝と皇后に破談を申し出た。「少商、聞いてくれ…」「今度はあなたが聞く番よ…私は昔から運が悪かった、真心なんて信じなかったわ でもあなたに出会い、言われるがまま好きになり、頼れと言うから頼った 信じろと言うから信じたのよ?でもあなたは? あの時、伝えたはず、私を捨てたら一生、許さないと… 霍将軍、どうか旧情に免じて私を解放してください」( ;∀;)シャンシャン…崇徳(スウトク)宮を出た少商は後宮へ続く長い回廊を歩いていた。すると途中で少商を心配して待っていた袁慎と出くわす。「少商、家に帰るんだ、奴が虎符を使った以上、太子と皇后も廃されるだろう」「廃されてもそれは皇后が自ら願い出たからよ、きっとお疲れのはず… 私も疲れたわ、もう家に帰りたい」少商はとりつく島もなく、会話をさっさと切り上げて行ってしまう。一方、宣神諳は皇帝に皇后の印璽を差し出していた。皇太子を廃し、母としての責任を取って皇后の座を降りたいという。「これまで流されるまま生きて来ました… その昔、陛下に妻がいると知りながら、舅父に言われるまま嫁いだ 私を皇后に立てると言われた時も、后位が荊の道だと知りながら受け入れたのです 太子は父の性格によく似ていました 本来なら書や学説で名を馳せられたはず、でも太子となったばかりに毎日、寝食もままなりません どうか国のために私たちを廃してください 越姮(ユエホン)が皇后なら三皇子も正当に東宮へ入れるでしょう」しかし皇帝は廃后だけはどうしても認められないと拒んだ。「太子に比べて皇后の非がどこにあるのだ?!廃す理由があるか?!」すると宣神諳は初めて思いの丈をぶちまけた。「もし私にも恨みがあったと言えば? この数十年、陛下と阿姮が笑ってふざけ合う姿を見るたび、心が蝕まれる思いでした 本当はいつも嫉妬と恨みに駆られていたのです! もううんざりです、后位に就く限りこの苦しみを味わう! 想い合える夫の愛を望んでいたのに、私は仲睦まじい2人を鷹揚として受け入れるしかなかった もし陛下が私に少しでも夫婦の情があるなら、これ以上、苦しめないでください 一度でいい、宣神諳として生きてみたいのです!陛下!」( ;∀;)皇后ォォォォ~皇太子は東海(トウカイ)王に降格、皇帝は宣神諳の望み通り長秋宮での軟禁を命じた。また凌家は取り潰しとなり、凌益の三兄弟は斬首になったという。霍無傷は凌不疑の分も生きたいと名を引き継ぎ″霍不疑″と改名、償いとして北西に7年の駐留を申し出た。そんな中、曲陵(キョクリョウ)侯府に梁邱起(リャンチゥチー)を通して不疑からの伝言が届く。本日、北西に発つため少商にひと目だけでも会いたいというのだ。しかし少商は双子の兄・程少宮(チォンシャオゴン)に見送りを頼み、巾着袋を託した。「遠き地にいればもう会わなくて済む、過去は断ち切るわ」少商は父と兄たちに散歩に行くと言って出かけた。蕭元漪(シャオユエンイー)と青蓯(チンツォン)は偶然、正門へ向かう少商の後ろ姿を見かける。「女公子はすっかり変わりましたね」「以前は少しでも落ち着いて欲しいと思ったのに、今やあそこまで落ち着き払って別人のよう 何だか以前のように勝ち気で他人を圧倒し、騒ぎを起こしている方が安心する 青蓯、初めから私が間違っていたのかしら?」「成長したのです、母ならば誰もが離れゆく子の姿を見る、一生は付き添えません」少商が馬車に乗ろうとすると、母たちが追いかけて来た。「少商?どこへ行くの?」「長秋宮です」「宣皇后は廃后後、自ら軟禁を申し出た、行ってどうするの?」「そんな時こそおそばにいなくては…阿父と阿母が孤城救援のため私を家に置いたのと同じです どうか忠義を全うできるよう私を長秋宮へ」一方、霍不疑は城門で少商が来るのを待っていた。梁邱飛(リャンチゥフェイ)はそろそろ出立するよう伝えたが、不疑は動こうとしない。その時、馬を駈けて程少宮がやって来た。「少宮、少商は?」少宮は黙って巾着を投げ渡すと、縁が切れた以上は強引に求めないで欲しいという。「…少商は他に何か?」「″もう会うこともない″と…」巾着には不疑が出征する時に託した凌府の印が入っていた。…裏切れば一生許さない、それが彼女だ…不疑は涙を拭うと、北西に出発した。( ;∀;)ウーレイィィィィィィィィィィ! ←違うw少商は母と程姎(チォンヤン)に別れを告げ、宮中に向かった。黙って馬車を見送る蕭元漪、しかし長秋宮が冷宮同然だと知りながら忠義を尽くすと言った嫋嫋(ニャオニャオ)の様子が引っかかる。…まさか、戻らないつもりでは?永遠に冷宮に留まると…「早く!馬車を準備して!」蕭元漪は急いで娘の馬車を追いかけたが、嫋嫋はすでに城内へ入っていた。その時、ちょうど馬車から降りてくる嫋嫋が見える。「嫋嫋!嫋嫋!行ってはダメ!母が間違ってた!母が謝るから…嫋嫋…」蕭元漪は必死に叫んだが、虚しくも城門は閉まってしまう。つづく(⸝⸝ ˘ω˘ )いやあぁぁぁぁ~良かったこれは琅琊榜ep26と東宮最終話に続く名場面かも〜何より皇后が良かったわママ?うーん、ママは…w
2023.12.08
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第23話)第50話「我が名は…」文(ウェン)帝の命を受け、崖から落ちた凌不疑(リンブーイー)の捜索に向かった三皇子。深手を負った不疑はかろうじて山肌の蔓に絡まり生きていた。三皇子は懸命な救出作業を見守っていたが、程少商(チォンシャオシャン)の心配が的中し、左(ズオ)将軍が引き上げを手伝うふりをして縄を切ろうとする。しかし目を光らせていた三皇子が気づき、あっけなく捕まった。「…呼応する仲間を待っているのか?だが奴らは永遠に来ないぞ 収監して拷問せよ!死んでも構わぬ!」凌不疑は崖から引き上げられ、三皇子が急いで宮中に運び込んだ。皇帝と三皇子が見守る中、医官たちの懸命な治療が続いたが、不疑は琴の弦を握りしめたまま離さず、なかなか手当が進まない。「琴の弦?」「少商の弦です…意識を失っても誰にも触らせないとは…」皇帝は老三の話を聞いて少商がいないことを思い出し、すぐ呼ぶよう命じた。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は程娘子ならすでに回廊にいると伝えたが、本人曰く凌将軍とは縁が尽きたので会えないという。「首に縄をつけても連れてこい!」しかしその時、殿外から少商の笛の音が聞こえてきた。凌不疑は叶わなかった少商との成婚の夢を見た。…もし私を独りにするなら一生許さない、来世も、来来世も許さないから!…このまま死を選べば2度と少商は許してくれないだろう。走馬灯のように蘇る少商との思い出、それが不疑の生きる希望となった。…それから別院に花畑を作る、琴と笛で合奏するの、私たち2人で共白髪となり生死を共に…すると不疑は弦から手を離し、それまで無意識に受け付けなかった薬を飲み始めた。こうして不疑は峠を越え、夜が明ける。「もう凌将軍は大丈夫です!」医官の声を聞いた少商は部屋の中をのぞき、不疑の無事を見届けてから倒れた。少商が目を覚ますと皇后が付き添っていた。「せっかく子晟が目覚めたのに、そんな様子では心配になる」「…彼とはもう終わりです」少商は自分が子晟でも同じ選択をしたと理解を示したが、何が真心で何が計略なのか分からなくなったという。「あんな仕打ちは承服できない、敵を殺したいのなら、そう言って欲しかった 私も一緒に行く、たとえ黄泉だとしても一緒に行くのに… でも私を独りにするのは許せない、しかも私のためだなんて… 幼い頃は両親に捨てられ、今度は愛する人に捨てられた 陛下と皇后から教わりました、夫婦は一心同体だと…そうでしょう? でも私だけが一心で彼は隠し事ばかり、一心だったことがあったのでしょうか?」「…もう決めたのね?」「決めました」すると皇后は納得できるまで調べるよう勧めた。全てが分かった時、少商がどんな選択をしても支持するという。「余とは違ってあなたの人生は順当であって欲しい、余の分までしっかり生きるの」少商は袁慎(ユエンシェン)に頼んで淳于(チュンユー)氏と会うことにした。実は淳于氏は血の海の城陽侯符を目撃し、衝撃のあまり錯乱してしまったという。人を見ても暴れるだけで会話もできず、今は廷尉獄に収監されていた。実は少商は兼ねてから城陽侯夫妻が仲睦まじく見えず、凌益(リンイー)がなぜ非難されると知りながら後添えを迎えたのか疑問だったという。「そうか、弱みを握られ、娶るしかなかったと…」少商は淳于氏に凌益が死んだと教えた。「当時、あなたが流産した理由を知ってる?家職に聞いたの 凌益はあなたの飲食に薬を盛らせた、長年、服用すれば身ごもれなくなるわ 彭坤(ポンクン)と結託した証拠を握れば城陽侯夫人になれると思ったの? 凌益のごとき奸人が脅されたままで甘んじるはずない あなたが寄る辺もなく孤独に死ぬのを望んでいたのよ、そうしてこそ脅す気力も失せる …でも錯乱しているなら真相を知っても苦痛じゃないわね」淳于氏は激しく動揺すると、ふいに凌益に叩かれた時の事を思い出した。あの時、あまりの理不尽さに憤り、いつも手を合わせていた神像を三才観の汝陽(ジョヨウ)王妃に届けるよう頼んでいる。すると淳于氏は急にその場にひざまずき、手を合わせて一心不乱に祈りを捧げ始めた。「三才観の女媧様!私にどうか子供をお授けください…」袁慎は結局、淳于氏が錯乱しているのか偽りなのか分からなかった。すると少商はどちらにせよ生き延びるには錯乱するしかないという。「因果応報よ、これから三才観へ行く」意識を取り戻した凌不疑は朝堂で15年前の孤城陥落について証言することになった。皇帝は念のため医官を待機させ、その場で薬を煎じさせている。すると廷尉(テイイ)府・紀遵(ジーズン)が口火を切った。「教えてくれないか、当時、孤城で一体、何が起きたのか…凌将軍?」「私は霍(フォ)だ、凌ではない」今も忘れられない、あれは杏の実がなる頃だった…あの日、阿猙(アージョン)は身体が弱い阿狸(アーリー)のため、木に登って好物の杏を採ってやったしかし木から降りる時、うっかり衣が引っかかって破れてしまう『阿母が用意してくれた衣なのに…見つかったら罰を与えられる』『見せて…大丈夫、僕と衣を替えよう』阿狸は衣を交換して舅父・霍翀(フォチョン)が気づくかどうか試そうと提案した衣なら自分が破ったと言えばいいという『この杏は舅父と舅母に渡して、そうすれば阿母の前で僕をかばってくれる』阿猙は阿狸の衣を着て父の部屋に入り、書卓に杏を入れた袋を置いたすると外から父たちの声が聞こえ、咄嗟に衝立ての裏に身を隠す衝立ての隙間から見えたのは父の背中の傷を手当しながら撤退するよう説得している姑父・凌益の姿だった『援軍が遅すぎる、文氏は我らを見捨てた…将軍、孤城を守ってやる必要はありません』しかし霍翀は一蹴し、妹婿という立場に免じて聞かなかったことにすると言ったその時、阿猙は凌益が背後からいきなり父を刺すところを目撃する『ぐっ…やはり敵と通じていたか…』『なぜ降伏せぬのだ?英雄になるため我らまで道連れにすると?! 援軍は来ない、いや来られぬのだ、誰も来ない…』阿猙は父の最期を目の当たりにしながら、嗚咽が漏れないよう必死に自分の口を押さえた…「凌益の結託した相手が誰なのか謎のままでした しかし寿春(ジュシュン)で突き止めたのです、凌益と共に孤城を陥れたのが彭坤だと…」…阿猙が息を潜めて隠れていると、誰かが入って来た『投降の説得では?なぜ殺した?!』『霍翀は強情だ、絶対に投降などしない…殺さねばいつか報復される だが家族は見逃せるだろう?』『誰が見逃すと?霍翀がいなくなったのなら攻める絶好の機会だ 孤城が陥落すれば文帝の敗北を決定づける、共に主公を入城させるぞ』『騙したのか?!家族は見逃すという約束だ』『お前だけだ、どちらにせよ兵が殺す』すると凌益たちは出て行った阿猙の足元まで流れて来た霍翀の鮮血、すると建物に火が放たれ、阿猙は煙を吸い込んで気を失ってしまうしかし運良く、その日は孤城に大雨が降った阿猙が目覚める頃にはすっかり日も暮れ、外は見渡す限りの骸と血の海が広がっていたすると突然、父の妹・霍君華(フォジュンホワ)が現れ、生き残った2人は身を隠すことにするその時、稲光が暗闇を照らし、城門が見えた霍君華は悲鳴を上げ、咄嗟に甥の顔を手で覆ったが、阿猙は姑母の指の隙間からその情景を見てしまう城楼には父や叔父たちの生首が並び、その中に阿狸の顔があった…「衣を替えた阿狸は私の代わりに死んだのです」2人は賊軍がいなくなるまで丸二日、飲まず食わずで死人の山に隠れ、城門を逃げ出した。我が子の無惨な姿を見た霍君華は時に錯乱し、時に呆け、ずっと息子の名を叫びながら、都へ戻ろうと言い続けたという。そして2人は何度となく死にかけること2年、やっと都へ到着し、皇帝に謁見した。実は当時、霍君華は甥が凌益に殺されないよう阿狸と呼んでいたという。『童よ、そなたは…』皇帝はあの時、不疑に名を聞いた。しかし錯乱した婦女と幼子に過ぎない自分たちに闘う術などなく、不疑は身分を偽ったという。『私の名は…凌不疑』不疑は敵を討つために阿狸の身分でいるしかなかった。賊を父と見なし、本名を隠したのも全ては仇を葬り去るためだったという。「父のため、霍一族のため、孤城の民のため、孤城陥落に関わった者には代償を払わせる! それも達成間近と思えた… 都へ戻った私は密かに探り始めるも、凌益が次々と証拠を隠滅、そして結局、私は負けた 凌益は関わった者を彭坤も含めて全て殺害、姑母も身体が持たずに無念のうちに病死した… こうして証人が全て消え、望みは潰えた 正当に凌賊を捕らえられぬなら、自ら手を下すのみ…」「これぞ同害報復…」皇帝は不疑の前まで歩いて行くと、もう一度、あの時と同じように聞いた。「童よ、自ら言ってみよ、お前の名は?」「私の名は…霍無傷(フォウーシャン)」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 しゃんしゃ〜ん!
2023.12.03
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第22話)第49話「捨てられし者の矜持」自ら凌益(リンイー)に手を下し、宿願の復讐を果たした凌不疑(リンブーイー)。しかし静まり返った城陽(ジョウヨウ)侯府に突然、程少商(チォンシャオシャン)が現れる。寝殿は骸で埋め尽くされ、おびただしい鮮血が窓紗を染めていた。「…なぜ来た?」「あなたは誰?凌不疑?それとも霍無傷(フォウーシャン)?」「私が誰であろうと君への真心は変わらない」「でもなぜ今日だったの?…なぜ私に教えてくれなかったの?」一族を殺された仇は必ず討たねばならなかった。しかし成婚してから敵を討てば程氏一族を巻き込んでしまう。凌不疑は自分の始末は自分でつけると言ったが、その時、外から左(ズオ)将軍の怒号が聞こえた。「凌不疑!勝手に虎符を使い兵を動員したな?!謀反を画策した罪は許されぬ! 今日、この門を出ようものなら容赦なく殺す!」退路を断った凌不疑はすでに自分の命で贖うと覚悟していた。「少商…ここでお別れだ、もう会うこともない」すると不疑は満身創痍の梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)には生きて欲しいと伝え、独りで屋敷から出て行ってしまう。少商は引き止めることもできず呆然と立ちすくみ、ただ泣きじゃくっていた。門前では凌不疑と因縁のある左将軍がすでに兵を率いて待ち構えていた。そこには捕縛された程家の姿もある。不疑は深手を負いながらも警告を無視して門から出た。すると弩から放たれた弓が不疑の肩に命中する。不疑はそれでも無視して一歩ずつ左将軍へ近づくと、今度は膝に弓が刺さった。「来啊っ!」「殺ーっ!」その時、馬のいななきとともに少商が現れた。門前は騒然、さらに梁兄弟が駆けつけ馬に体当たり、左将軍を落馬させてしまう。少商は凌不疑を連れて逃亡、しかしやがて崖に追い詰められた。「少商…これは私一人で進んだ道、同行させるわけにいかない」「なら答えて、歯型の誓いは何だったの?!私たちは生死を共にすると約束した 程家もあなたを救うために来たわ…今は恨みを捨てて私のことを考えて!」「少商、君には15年前の国の悲劇だろう、だが私には長年、心に巣食ってきた深い恨みなのだ 毎夜、眠りに就く時はいつも亡魂の叫び声が耳に響く そして目の前には無惨に殺された一族と血の海が広がっている あまりに重すぎる…あまりに重すぎて捨てることができない…きっとこの先も… すまなかった、君には本当にすまないことをした 天下の大罪人となった今、私が死んでこそ君や家族を守れる…」「…もし私を独りにするなら一生許さない、来世も、来来世も許さないから!」「許してくれとは言わない…程少商、私と君の縁は尽きたのだ」その時、じりじりと迫っていた左将軍が程娘子ともども殺せと命じた。「少商…しかと生きろ、すまない」すると不疑は少商の背中を押し、独りで崖に落ちてしまう。「リンブーイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」程家は屋敷での軟禁を命じられた。少商は衝撃のあまり意識を失って運び込まれたが、家族の懸命の介抱もむなしく目を覚まさない。すると三皇子が兵を連れて曲陵(キョクリョウ)侯府に乗り込み、程少商を渡せと迫った。家族は嫋嫋(ニャオニャオ)の部屋の前に立ちはだかり抵抗、蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の閨(ネヤ)に外部の男を立ち入らせることはできないと拒否する。しかし三皇子は会えるまで帰らないと食い下がった。「子晟(ズーション)が程娘子にどれだけ尽くしたと?今日は何が何でも子晟を助けてもらう!」「裏切ったのは向こうだ!」娘を傷つけた凌不疑に憤懣やるかたない程始(チォンシー)、その時、寝台の少商がようやく長い夢から目覚めていた。三皇子が家族と対峙していると、少商が青白い顔でふらふらとやって来た。すると三皇子は子晟の父殺し、兵の動員、虎符の使用で朝廷に激震が走り、重臣18名が連名で弾劾、死罪を上奏していると教える。しかし少商は三皇子が来なくても参内するつもりだった。家族は止めたが、少商は自分に与えられた大役を果たさねばならないという。少商は皇宮に到着、輿を降りて三皇子と長い宮道を歩いた。「三皇子と子晟はいつから良朋に?」実は少商は雁回(ガンカイ)塔で密談していたのが三皇子と子晟だったと気づいていた。三皇子の話では幼い頃、池に落とされた子晟を救ったのは皇太子ではなく自分だったという。「私も子晟も独りを好み群れを嫌った、あの時も独りでいる時に溺れている子晟に気づいたのだ」「つまり幼い頃から2人は手を組んでいたと?」すると三皇子は人払いした。「バカを言うな!皇后と母妃は対立したこともない!」雁回塔では舅父の小越(エツ)侯が子晟に補佐を勧めたが、子晟は断ったという。それにしても程娘子はなぜ自分たち2人がいたと気づいたのだろうか。少商は凌不疑が杏仁を食べて倒れた時に看病したと明かした。その時、不疑が首から下げている玉佩を見たという。よく見るとその玉佩は少商が雁回塔で失くしたものだった。「あの時、2人の声が聞こえた、だから2人だと思っていたけれど、実は3人だったのね 3人目が子晟だった…」少商はようやく分かった。凌不疑が今回、皇太子の虎符で兵を動かせば当然、皇太子の位も危うくなる。つまり不疑が宿願を果たしたことで、図らずも三皇子の念願が叶ったのだ。少商はさすが抜け目のない凌不疑だと嫌味を言いながら歩き始めた。「それで?子晟を助けられるのか?」三皇子は程娘子があまりに冷静で淡々としている様子に困惑してしまう。「取り乱したり、共に尽きる気概はないのか?!」すると少商は急に立ち止まり、鬱憤を爆発させた。「いくら女でも自分の夫が何者かも知らず、蚊帳の外に置いてもいいと?! 成婚の2日前に気づいた、でも彼が話してくれるのを待ったわ もう憤ることも恨むこともできないのに、さもなければ薄情で身勝手だと思われる… 私の身体を切り開いて彼に心を見せてあげたい、彼が真心を捧げたなら、私とて彼に心を捧げた 彼に救われた命だからこの命で報いる、彼が助からないのならこの命で相殺する 死など恐れていなかったのに… 死ぬとしても生きているのに飽きたから、決して誰かと生死を共にするわけじゃない 凌不疑はこの世で最も好きな人よ、でも私は…やっぱり私なんです」その頃、朝堂では崔祐(ツイヨウ)が凌不疑への恩情を求めていた。しかし不疑に恨みがある左御史中丞は凌不疑が亡くなった母のために父を殺したと断罪する。袁慎(ユエンシェン)は左大人が早々に経緯を知っていたことを訝しんだが、返って廷尉府は凌不疑を庇うのかと非難を浴びた。寵愛する子晟の思わぬ暴挙に頭を抱える文(ウェン)帝、すると三皇子が程娘子を連れて現れる。左大人はここぞとばかりに凌不疑の父親殺しは明白であり、酌量の余地などないと訴えた。「…凌不疑は父親を殺していません、大層な意気込みですが最初から間違っているわ」「程氏、未来の夫のために嘆願に来たのだろうが、凌不疑ならやりかねん」御史台で散々な目にあった左大人は程氏も収監して尋問するべきだと訴えたが、皇帝は少商の言葉が引っかかった。「今、何と言った?なぜ父親を殺していないと?」「陛下にお答えします…なぜなら凌益は子晟の父親ではないからです 子晟の実父は霍翀(フォチョン)将軍、子晟は霍翀将軍の忘形見である霍無傷です」(O_O)言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~子晟は確かに城陽侯に似ておらず、どこか霍将軍の面影があった。少商の話では杏子が好物のはずの子晟が霍君華(フォジュンホワ)の手作りの杏仁菓子を食べ、熱を出したことがあったという。「霍無傷は杏仁に触っただけでも赤く腫れるとか、それで私は疑念を持ったのです そして宴の夜、本人から告げられました、自分は霍侯の息子・無傷だと… 陛下、凌益は孤城の陥落を企て、霍将軍を惨殺した黒幕、子晟は父の敵を討っただけなのです」全てを聞いた皇帝は呆然、腰が抜けるように少商の前で座り込んだ。崔祐は何も知らなかった霍君華を思うとやるせなくなったが、少商は臨終の時を思い出せば分かるという。あの時、霍君華は子晟に自分たちの敵を忘れるなと遺言を残した。そして最期は確かに天を見つめながら我が子の名を呼んでいる。「阿狸(アリ)や…阿母も行きますよ…」霍君華は全て分かっていた。すると左御史中丞が新婦である程氏の言葉では証拠にならないという。少商はようやく凌不疑の苦悩を理解した。自分が誰の子かも証明できず、城陽侯が死ねば証人も消え、生かしておいても実子だと断定すれば反論しても無駄になる。「陛下、子晟は仕方なくあんな下策を…」しかし皇帝には凌不疑が阿狸か阿猙(アージョン)か証明する方法があった。「阿猙が子供の頃に見たことがある、身体に変わった形のあざがあった」「虎の頭では?!耳が3つある…子晟の腰の半寸下にありました 子晟の身体を拭こうとした時に偶然、見たのです!」「そうとも、3つの耳がついていた!ぁぁぁぁ〜早く捜索に遣わせ! あの青二才を崖から救うのだ!医官も連れて行け!食料もだ!」三皇子は直ちに崖へ向かうことにした。すると少商が追いかけて引き止める。「子晟の命を狙う者がいます あの日、左将軍は私たちを追い詰めて矢を放てと命じ、それで子晟は崖に…」「分かった…今日のことは感謝する 今後、子晟は愛するそなたのいいなりだな、ふっ」しかし少商の顔に笑顔はなかった。一方、崖から身を投げた凌不疑は蔓にからまり、かろうじて岩肌に留まっていた。どうやら不疑が手首に巻いていた少商の弦が蔓に引っかかり、運良く助かったのだろう。「少商…」つづく( ́ඉ .̫ ඉ ̀)ァゥァゥァゥァゥァゥァゥァゥァゥ…私のガオハン、美しかったわ~ ←そっちw
2023.12.01
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第21話)第48話「宿願、ここに果たせり」城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)の五十路を祝うため、凌一族が屋敷へ到着した。凌益は15年も父子の団らんを阻んできた霍君華(フォジュンホワ)が亡くなり安堵したが、夫人の淳于(チュンユー)氏は子晟(ズーション)の父親を見る目が恐ろしかったと警戒する。「もしや君華姐姐から聞いたのでは?あなたが孤城で…」その時、激怒した凌益の平手が夫人の頬を激しく打ち付けた。「子もなせぬ不徳者めが、口を慎め!さもなければこの手で霍君華の元へ送ってやる」淳于氏は夫の仕打ちに憤った。当時、妻が行方不明でも再婚を望んだのは凌益、子をなせなくなったのは霍君華に襲われて子が流れたせいだ。「私の傷をあなたがその手でえぐるとは…やっと分かった、あなたの心には我が子のことだけ 父子で団らんすればいいわ、私は己のために別の前途を探す」一方、成婚を間近に控えた程少商(チォンシャオシャン)は自宅へ戻ることになった。本来なら凌不疑(リンブーイー)の喪が明けるまで待たねばならなかったが、3年も待てない皇帝は法要中の成婚を認める。しかし法要中ともなれば盛大な婚儀を行えず、皇后はせいぜい嫁荷を揃えてやることしかできなかった。「十分、盛大です、こんなに沢山の嫁荷、狭い部屋に入り切るかどうか」長秋宮の前には少商のための輿と嫁荷の長い列が待っていた。少商はもしや不疑が現れるのではと思ったが、皇后は子晟なら来るはずないという。「成婚前に会うのは縁起が悪いわ」少商は皇后に別れの挨拶をして輿に乗った。その時、皇后が前から歩いてくる凌不疑に気づく。「子晟?来たの?!」少商は思わず帷(トバリ)を開けて外へ出た。「どうしたの?」「家まで送る」「成婚までは会えないそうよ…私に話があるの?」しかし不疑は黙ったまま視線を落としてしまう。そこへ皇后がやって来た。「子晟、情けないわよ?成婚すれば毎日、会えるのだから…少商、早く行きなさい」少商は皇后に促され、輿に戻るしかなかった。…凌不疑、やはり話してくれないのね…結局、不疑は何も打ち明けられないまま、黙って少商の輿を見送った。その夜、曲陵(キョクリョウ)侯府では四娘子の成婚を明後日に控え、少商が花嫁衣装を試着していた。当日は長い間、重い衣装や冠をつけ続けるため慣れておかなくてはならない。程姎(チォンヤン)は皇后が特別にあつらえた豪華な冠をながめながら、実は蕭元漪(シャオユエンイー)も一式、準備していたと明かした。しかし少商は姎姎が嫁ぐ時に使えるという。「私が宮中にいる間、堂姉が家を支えた…堂姉がいれば娘を失っても阿母は寂しくない」「そんな…嫁ぐだけよ、失うなんて言わないで」「女が嫁げば残りの半生を夫に託す、夫に危険があれば私も戻らない」そんな娘の覚悟を程始(チォンシー)と蕭元漪が回廊で立ち聞きしていた。「嫋嫋(ニャオニャオ)のそばに戻って1年も満たぬ、埋め合わせをする前に嫁いでしまうとは…」程始は寂しさで涙が止まらなかったが、蕭元漪は娘の言葉がまるで惜別のようで心がざわついた。同じ頃、凌不疑は腹心の梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)の3人で城陽侯府を訪ねた。城陽侯の五十路の祝いだというのにどこか緊張感に包まれる宴席、すると不疑は外套を羽織ったまま早速、父に祝いの品を渡した。ひとつは銭が詰まった箱、しかしもうひとつの大きな箱から男の生首が現れる。「廷尉獄の裏庭の花職人だ… 数日前、城陽侯は自ら3万銭を渡し、独房内に花びらを吹き散らせたな? だから彭坤(ポンクン)は死んだ、今日は渡した銭と共に首もお返ししよう 満足いただけないなら、孤城三千の亡魂に代わって申し上げる ″享年五十″の祝いをな!」一方、少商はそろそろ城陽侯の祝宴が始まる頃だと気づき、冠を外した。「蓮房(リエンファン)、祝いを用意して符登(フードン)に届けさせて、今すぐよ、急いで」凌益は息子の暴挙に深く落胆した。「確かにお前の母には負い目がある、だが祖先の位牌をよく見てみよ? 教えてくれ、お前は凌氏一族なのか霍一族なのか?」「…本当に知りたいと?」「本当だ、今日、お前の剣で死のうとも疑念を晴らしたい」「では疑念を晴らさず殺すとしたら?」凌不疑の言葉が引き金になり、宴席にいた客人らは一斉に外衣を脱ぎ捨て、隠し持っていた剣を抜いた。すると凌益もゆっくり立ち上がり、剣を抜く。「せがれよ、ここまで生き抜いて来た私が退路を残していないと思うか? …この父のために疑念を晴らす気はないと?」「黄泉にて霍氏一族が語るだろう、お前が死ぬべき理由を…」一方、門前払いされた符登は急ぎ屋敷に引き返していた。「女公子、城陽侯の私兵に遮られ礼品を渡せませんでした 招状がなければ入れないと、屋敷から物音ひとつ聞こえなかったので戻りました」凌不疑は外套を脱ぎ捨て、隠し持っていた剣を梁兄弟に投げ渡した。すると私兵たちも宴席に雪崩れ込み3人を包囲、門を閉じてしまう。宴席は修羅場と化した。窓紗に映る人影は激しく争い、やがておびただしい鮮血が飛び散る。一方、少商は花嫁衣装のまま部屋を出た。しかし中庭で家族が待ち構えている。実はすでに外出禁止令が出て軍営が交代していた。「何か知っているの?」「凌不疑が大変なの、行かないと…彼に関わることなら放っておけない」蕭元漪は帝后に任せるようなだめたが、少商は例え非力でも一度きりの人生で何かを成し遂げたいという。少商は馬で城陽侯府へ急いだ。しかしすでに屋敷への道が封鎖されている。その時、軍装した家族が駆けつけ、衛兵を阻んで道を開けた。「嫋嫋!早く行きなさい!」城陽侯府は静寂に包まれた。亡骸で埋め尽くされた寝殿、凌益は薄明かりの中、決着がついたことを確認する。しかしその時、部屋の片隅から凌不疑が血を流しながら現れた。「父親殺しの汚名を着せられるぞ…」凌益は万が一に備え、皇帝に知らせていた。「何か勘違いしているのでは?お前の子とは従兄・阿狸(アリ)のことか? だったら人違いだ…阿狸はお前に殺された! お前がその手で城門を開け、敵を入城させ、骸を城壁に掛けさせた もう忘れたのか? 姑 父 大 人 !」「まさか…信じられぬ…なぜ知っている?お前は誰だ?!」「まだあるぞ…お前がその手で阿父を殺したことも知っている 叔母と都へ戻った時から決意していた、いつかお前の命を取ると… そして今日がその日だ!」「凌不疑…どちらにしても名義上は私の息子だ…独断で私を殺せば自分の命が代償となる 誰もお前を守れぬぞ!」すると不疑は血まみれの顔で不気味に笑った。「雍(ヨウ)王、小越(ユエ)侯、彭坤…一歩一歩、進みながら今日に至った 霍氏の敵を討てたら死して悔いなし…」凌益は焦って不疑の胸に剣を突き刺したが、不疑は決して退かなかった。凌不疑に徐々に迫られた凌益は足を取られて後ろへ倒れた。背後ではようやく梁兄弟が立ち上がる。「それから…」実はあの時、孤城にいた幼い不疑は偶然、父が凌益に殺される様子を目撃していた。不疑は父の無念を思いながら、ついに凌益の胸に剣を突き刺す。「…私の姓は凌ではない、私の姓は霍だ」その時、不疑が剣を深く差し込み、凌益の身体を貫く鈍い音が聞こえた。「私の名は…霍…無(ウー)」「グハッ…」「…傷(シャン)」凌不疑は霍翀(フォチョン)の息子・霍無傷だった。宿願を果たし万感胸に迫る無傷、その時、突然、門が開き、少商が現れる。つづく( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ウワッ!かなりトラウマになりそう〜だってウーレイが上手過ぎるのよせめてパンダのシャンシャンだったら良かったのに…( ;∀;)って何が?w
2023.11.25
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第20話)第47話「歯形の誓い」孤城陥落の真相を知る彭坤(ポンクン)を北軍獄に連れ去り、拷問を続ける凌不疑(リンブーイー)。すると翌朝、廷尉府侍郎・袁慎(ユエンシェン)が駆けつけ、国の法を守り、掟に従うべきだと諫言した。「程少商(チォンシャオシャン)との成婚も間近であろう?朝堂で口実を与えるな 妻に迷惑しかかけぬのなら、私が取って代わっても構わんぞ?」実はその頃、少商は御前で左(ズオ)御史中丞から追及されていた。凌不疑が彭坤の身柄を勝手に奪ったことが発覚、崇徳(スウトク)宮に皇太子や三皇子、城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)らが集まった。左御史中丞の話では程娘子が夫のため嘆願に来た身重の王姈(ワンリン)に乱暴したという。しかし少商は子晟(ズーション)を貶められて手巾で口を塞いだだけだと釈明した。皇帝は頭を抱えたが、そこへ凌不疑が現れる。「左大人は打たれ足らず、私の新婦に難癖を?」左御史中丞は凌不疑が勝手に彭坤を拷問したと非難した。するとすかさず少商が彭坤も孤城陥落に関わっているからだと反論する。驚いた左御史中丞は城陽侯の顔色をうかがったが、凌益は視線を逸らした。「小越(ユエ)侯が捕らわれたのが引き金です 乾安(ケンアン)王を陥れた彭坤は孤城の件も隠せないと悟り、造反したのです でも当時、一介の副将に主帥を陥れる度胸があるでしょうか?首謀者は別にいるはずです」少商は全て王姈から聞いたと明かした。夫は都の者と往来があり、密かに夫と接触し続けた者こそ黒幕だという。事情を知った皇帝は子晟も廷尉府と一緒に捜査することを認めたが、拷問させないよう三皇子に監督を任せた。凌不疑は自分を無視して足早に帰って行く少商を何とか引き留めた。「少商!」「…小越侯を泳がせていたのね? 文修君(ウェンシウジュン)への仕打ちも、御史台への報復も、全て私のためだと思っていた でも実際は私はただの口実だった」少商は裏で画策していたのが不疑とも知らず、皇后や皇太子を救うため奔走していたと思うと悔しくて涙が出た。しかし不疑がいくら諌めても皇太子は王淳(ワンチュン)や楼(ロウ)太傅を重用し、このままでは過ちを繰り返すだけだったという。「少商、誤解しないでくれ…君への行動は全て真心からだ」「なら教えて、将来、枕を共にし、子をなす相手の真の姿を…成婚するのに私はあなたを知らない 子晟、大切なことを隠していない?話してくれたら信じる」少商は核心に迫った。しかし不疑が何か言おうとしたところで東宮の侍従が駆けつける。「凌将軍、太子殿下がお呼びです」凌益は皇太子に頼んで東宮に子晟を呼んだ。皇太子は親切心で父子の対面に協力したが、父の顔を見た凌不疑は捜査があると断って引き返すことにする。すると凌益は息子を引き留め、成婚前に父子で話がしたかっただけだと訴えた。「私が彭坤を調べることになぜそれほど焦っている?審理を引き延ばしたいと?」「お前の身体を心配しているだけだ」しかし不疑は偽善など必要ないと捨て台詞を吐いて出て行ってしまう。皇太子は力になれなかったと落胆したが、凌益にはこの短い時間で十分だった。王姈は少商の嘆願のお陰で夫との面会が認められた。しかし独房ですでに息絶えた夫の無惨な姿を発見する。検視の結果、彭坤は独房に舞い込んだ花びらで喘息発作を起こし、急死していた。王姈の話では夫は重度の喘息持ちで、草花も嗅げなかったという。凌不疑が呆然と亡骸を見ていると、知らせを聞いた凌益が皇太子と一緒にやって来た。「明らかに報いだな、乾安王を陥れたことで孤城の陥落を招き、お前の舅父一族は惨殺された …これで肩の荷が降りたであろう、少商と成婚して憂なく暮らせ」その時、激情に駆られた不疑が凌益の胸ぐらをつかんだ。「お前だな!お前が殺したんだ!」驚いた皇太子が慌てて子晟を止めると、不疑は皇太子の手を払い退けて出て行った。その夜は激しい雨になった。憤懣やる方ない凌不疑は人けのない大街で酒をあおりながら、怒号を響かせる。その時、少商がやって来た。少商はへたり込んだ子晟に寄り添い、自分がそばにいるとなだめる。しかし不疑はもはや望みは絶たれたと泣き崩れた。「結局、私は何もできなかった…少商、目を閉じると見えるんだ 全身が血まみれになった彼らが私を責め続ける、なぜ敵を討ってくれないのかと… 本当は私も死んでいた、十数年も耐え続けたのに…全て無意味だった… 退路は絶たれた、少商、それでも私のそばにいてくれるか?」「何が起きてもあなたを助ける、どんな時もあなたの味方でいる」「程少商…実は…私の名は…」「若主公ォォォォォォォォォォォ~ッ!」その時、梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が駆けつけた。「大変です!夫人が…夫人が…」凌不疑と少商が杏花(キョウカ)別院に駆けつけると、崔祐(ツイヨウ)が霍君華(フォジュンホワ)に付き添っていた。霍君華はもはや虫の息だったが、驚いたことに我を取り戻している。「思えばあの時、あなたに嫁ぐべきだった、あなたに嫁いでいたらこんな末路は迎えなかったわ」その時、霍君華は崔祐の肩越しに凌不疑の姿を見つけた。「…こちらへ」霍君華は不疑をそばに呼ぶと、最後の力を振り絞って身体を起こし、顔を近づけた。「…忘れてはならない、我らの仇を」「約束します、決して忘れません、この仇は必ず討ちます」すると安心したのか、霍君華は最期に阿狸(アリ)の名を呼んで旅立った。凌不疑は一睡もせず母の棺に付き添った。心配した少商は薬湯を届けたが、不疑はどこか達観しているように見える。「少商、私が驚天動地の挙に出ても私への気持ちは変わらないか?」「棺の前で誓うわ、私、程少商は凌不疑を決して裏切らず、彼が離れない限り諦めないと誓います」すると少商と不疑は互いの腕を噛んで歯形を残し、誓いの印とした。「互いに噛んで誓った、この傷が互いの心を結んでる、改めて聞くわ、私に何か話はない?」不疑は喉まで出かかったが、結局、真相を明かすことはできなかった。「…何もない」≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコッ!言わないのかーい!中庭から崔祐の怒鳴り声が聞こえた。凌不疑が外へ出てみると、崔祐が凌益と淳于(チュンユー)氏に激怒している。崔祐は思わず凌益を殴りつけたが、不疑に止められ、その場を離れた。「母の霊前に何か用か?」聞けば7日後は凌益の五十路の生辰、凌氏一族も集まるため霍君華を招待に来たが、思いがけず訃報を知ったという。凌益は宴を中止にすると言ったが、不疑は決まっているなら開けばいいと勧めた。「当日は私も礼品を持って伺おう」その話を回廊で少商が聞いていた。つづく(Ŏ艸Ŏ)息を止めて子晟の告白を待ち…(๑≧ꇴ≦)その度にプハーッとなって…そしてまさかの3段落ちw
2023.11.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第19話)第46話「疑念」楼犇(ロウベン)の暗示で父が鉱山にいると突き止めた程少商(チォンシャオシャン)。こうして曲陵(キョクリョウ)侯・程始(チォンシー)は無事に救出され、屋敷へ戻った。「銅牛(ドウギュウ)県の件で家族まで巻き込むとは思わなんだ…」あの日、程始は顔忠(イエンジョン)と相談の上、陥落した場合に備えて精銅を城外に隠すことにした。しかし道中で馬忠(マーロン)の襲撃に遭い精銅を奪われ、顔忠一家は殺されてしまう。程始は応戦しながら逃げ出し、草むらで気を失った。やがて小屋の中で目を覚ますと楼犇がいたという。楼犇は鉱山で働く民が程始を救ってくれたと説明、銅牛県は李逢(リーフォン)の裏切りで陥落したと知った。何でも李逢は顔忠と程始が精銅を携え投降したと罪をなすりつけたという。驚いた程始は帰還の機会を探ったが、楼犇から止められた。馬栄の偵察に見つかれば殺されることは必至、釈明の機会を失えば程家も皆殺しになってしまうという。「汚名をすすげばまた家族団欒ができると…それで小屋に身をひそめていたんだ」それにしても楼犇はなぜ程始を見逃したのか。まだ良心が残っていたのか、それともかつて弟と婚約した嫋嫋(ニャオニャオ)への情けなのか。今となっては程始にも分からなかったが、その時、息子が目を覚ましたと聞いた老夫人が駆けつけた。母は相変わらず大袈裟で馬鹿力だった。息子の傷が癒えていなくてもお構いなし、大泣きしながら叩きまくる。「この親不孝者!お前を助けるためにへそくりまで使ったよ?! あの宝物がなければお前の娘はどうやって路銀を工面できたと?!」すると姑にいつも辛辣な夫人がなぜか母を立てた。「そうです、君姑が節約に励んだおかげで今の程家があるのです」「さすがは蕭元漪(シャオユエンイー)ね…」程始は手を取り合う母と夫人の姿に目を丸くし、自分が留守の間に一体、何があったのかと首を傾げた。その頃、少商は都を離れる楼垚(ロウヤオ)を見送るため城門にいた。皇太子も故郷へ戻ることになった楼太傅と別れを惜しんでいる。「阿垚、私、何と謝ったらいいのか」「″程娘子″、君は悪くない、全ては大兄の自業自得だ」「なぜ赴任先を驊(カ)県にしたの?」「驊県にいる時が人生で1番楽しかったから… でももう一度、選べるなら、君に出会わず、驊県にも行かない人生がいい」いくら道理の分かる楼垚でも、今はまだ少商と向き合う余裕がなかった。まさか少商が推挙したおかげで赴任が叶ったとも知らずに…。一方、楼伯夫人は実家へ帰されていた。楼犇の遺言を知った楼家の長老たちは楼太傅が子弟の前途を阻んで災いを招いたと糾弾したが、楼太傅は全て妻に責任転嫁したという。「まさに″同じ森に棲む鳥も難に遭えば各自飛ぶ″ね…」※夫妻本是同林鳥 大難臨頭各自飛しかし凌不疑は王延姫(ワンイエンジー)は違ったと教えた。実は王延姫は身ごもったまま夜の川に入水し、未だ行方知れずだという。少商は自分に良くしてくれた王延姫の末路を思うと胸が痛んだ。「私のせいね、思えばあの時、父のことばかり案じて慰めの言葉さえかけなかった… 子晟(ズーション)、栄華は求めない、平穏ならいいの、あなたは道を踏み外したりしないでね 絶対、後悔したくないから…」不疑は黙ったまま何も言わなかった。「どうかした?」「…阿母が病なんだ、一緒に来てくれるか?」凌不疑と少商が杏花(キョウカ)別院に到着する頃にはすっかり日も暮れていた。すると今日も崔祐(ツイヨウ)将軍が霍君華(フォジュンホワ)の相手をしてくれている。霍君華は息子の顔を見ると嬉しそうに手招きした。「阿狸(アーリー)!杏仁菓子を作ったわ、食べてみて!」少商と崔祐は母子水入らずにして回廊へ出た。未来の君姑は元気そうに見えたが、崔祐の話では命の灯火がすでに消えかかっているという。霍君華は早産で生まれつき病弱だった。危険を承知で凌益(リンイー)のために命懸けで息子を産み、結局、こんな末路を迎えることになったという。「子晟も早産だった、当時は皆が長生きしないと心配してな 一方、霍家の奥方の産んだ子女たちは皆、健康で身体も丈夫だった そこで験担ぎのため息子に用意した名を取り替えたのだ」こうして霍翀(フォチョン)の息子・阿猙(アージョン)は″不疑″から″無傷(ウーシャン)″へ、阿狸は″無傷″から″不疑″へ名を変えた。不疑と無傷は良く似ており、霍君華は2人にそっくりな格好をさせてはどちらが息子か当てさせたという。凌益は息子を数える程しか抱いたことがなかったせいか、時に間違えることがあった。しかしいくら外見が似ていても、性格はかけ離れていたという。一方は腕白で駆け回り、一方は物静かで理に明るく、書や習字を好んだ。「阿狸は杏仁が好きでな、阿猙は杏仁に触ると発疹が現れるのに木に登って摘んでやっていた」崔祐は改めて少商に子晟のことを頼み、自分からも嫁荷を贈りたいと申し出た。少商は嫁荷なら十分だと遠慮したが、崔祐はあの裕昌(ユーチャン)郡主に対抗するには嫁荷が多ければ多い方が良いという。「郡主は琴棋書画、料理や裁縫にも通じる、そなたは?鶏のごとき鎧を縫ったそうだな? 子晟は将官らの笑い物になっていたぞ?」崔祐は少商の地雷を踏んだ。( ー̀ωー́ )<崔舅父、あなたとは縁が切れましたので見送りは不要です…少商は鶏ではなく鴛鴦だと捨て台詞を残して帰ってしまう。「あの子娘、ふっ、面白い」すると帰りの馬車の中、不疑は身体中に発疹が現れ、倒れてしまう。凌不疑は杏仁を食べて熱を出した。梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は明日になれば治ると聞いて安堵したが、若女君が早々に帰ってしまったことが気にかかる。「彭坤(ポンクン)が孤城の真相を白状すれば若主公もわだかまりを捨て、成婚できるさ」その時、寝所から不疑がふらつきながら現れた。「廷尉府から身柄を奪うぞ」凌不疑は廷尉獄に収監された彭坤を連れ去り、北軍獄で拷問した。彭坤は確かに出世のため乾安王を殺したと認めたが、孤城の陥落は完全に霍翀の運が尽きたからだという。これに不疑は激怒、思わず彭坤の首をつかんだ。「凌益に関係があると言ったな?!どういう意味だ?!孤城陥落は凌益が呼応したからか?!」「ふん、すっかり文(ウェン)氏の犬になったのか?実の父親にまで噛みついて功績を求めるとは」不疑は彭坤の首を締め上げたが、ぎりぎりのところで手を離した。「死んだ方がマシだと思わせてやる」すると不疑は拷問の道具を手にした。一方、少商は杏仁で熱を出した子晟を怪しみ、悶々としていた。すると夜更けというのに皇后が訪ねて来る。「最近、体調が悪くて眠りも浅くてね、まだ部屋の灯りが見えたから来てみたの」少商は皇后が皇太子を心配していると分かった。王淳(ワンチュン)、文修君(ウェンシウジュン)、五公主に続き、楼太傅まで騒動を起こして失脚、確かに東宮は無関係で済んだが、皇太子の心中は察して余りある。「私の調査のせいで殿下にご迷惑が…私を責めないのですか?」「なぜ責める必要が?…余が若い頃、そなたのように勇敢なら両親を救えたかもしれないわ」そこで少商は皇后に子晟のことを聞いてみた。「皇后…子晟は幼い頃から物静かで落ち着いていましたか?」「そうね、子晟は朗らかな子で、無傷は寡黙で大人びていたわ でもあんな事になって子晟は無傷のように笑わなくなったの 以前、子晟は死んだ無傷の分まで懸命に生きねばと陛下に言ったそうよ あの子は過酷な半生を送った、でも幸いにも余生をあなたと過ごせる」「…皇后、今夜は一緒にいても?」「もちろんよ…」翌朝、少商の部屋に王姈(ワンリン)が押しかけて来た。王姈は夫を助けて欲しいと嘆願、恥も外聞もなく少商に泣きすがる。「あの人の子を身ごもっているの…お願い、私を助けて!」高貴な育ちでも家庭の温かさを知らずに育った王姈、そんな王姈にとって彭坤は誰より情の厚い夫だった。しかし少商は今回ばかりは力になれないと冷たく追い返す。王姈は諦めて立ち上がったが、どうやら少商は十一郎のことを何も知らないのだと分かった。「凌子晟こそ、この世で最も腹が読めず、最も恐ろしい男よ? 都に夫の内偵は多い、夫が言ってたわ…」王姈の話を聞いた少商は…。つづく(Ŏ艸Ŏ)ウオオオオオオオオ~!フラグ立ちました!それにしても鶏がここまで尾を引くとはねwww
2023.11.19
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第18話)第45話「行き場なき志」誼のあった馬栄(マーロン)に投降を促し、銅牛(ドウギュウ)県を無血開城した楼犇(ロウベン)。しかしこの降って湧いた功労者に凌不疑(リンブーイー)と程少商(チォンシャオシャン)は疑いの目を向けた。不疑は顔忠(イエンジョン)にも密かに交流のある″旧友″がいたと知り、楼犇に探りを入れる。「世家の子弟だそうだ、ただ世家に迎合したと思われるのを恐れて交流を隠していたらしい 楼兄、ご存知か?」「凌将軍に隠し事はできぬな…その旧友とは私だ」楼犇は潔く認めたが、まさか顔忠が敵に投降するとは思わなかったと嘆き、かと言って友を貶めたくもないので伏せていたという。「…顔兄は家族の命を盾に脅され、馬栄と結託しただけ 精銅を渡して家族を助けるつもりが、馬栄によって一族皆殺しにされたのだ」少商は楼犇の言葉尻を捕らえようとしたが、不疑はこっそり少商の手を握りしめ制した。「楼兄は功績を得た、都へ戻れば必ずや高みに登るはず…先立ってお祝い申し上げる」すると楼犇は都へ戻るため荷物をまとめると言って部屋を出た。実は顔一族が殺された件はまだ伏せていた。どうやら楼犇は焦って口を滑らせたのだろう。凌不疑と少商も皇帝から帰京を命じられていたが、2人はこのまま証拠探しを続けることにした。一方、廷尉府の地下牢では程少宮(チォンシャオゴン)が趣味の亀卜(キボク)でこの先を占っていた。すると″絶体絶命に活路を得る″と出る。少宮は必ず出られると喜んだが、程頌児(チォンソンアル)は弟の占いが当てにならないと知っていた。「何が私の成婚は嫋嫋(ニャオニャオ)より早いだよ…」その時、突然、男装した万萋萋(ワンチーチー)が現れた。萋萋は父に頼んで看守に賄をつかませ面会にやって来た。すると外衣を脱ぎ捨て、真紅の婚礼衣装姿になる。「もう時間がない、だから今夜からこの萋萋、あなたの妻になります! もしあなたが死んだら寡婦のまま一生、再嫁しない 断るならここで髪を下ろし、出家するわ!」萋萋の思わぬ決断に言葉をつまらせる頌児、その時、向かいの牢にいる祖母が賛成すると言った。「程家の男たちが全員、斬首になろうという時にこんな忠義ある嫁を得るとは… 萋萋や、程家代々の先祖に代わってお礼を言う 2人が想い合っているなら頌児を万家の入婿にしてもいい」老夫人は感激して萋萋に自分のかんざしを贈ったが、ふと嫁の顔を見た。「あなたは…やっぱり反対するの?」しかし蕭元漪(シャオユエンイー)は珍しく素直に君姑に従った。確かに以前は真っ向から対立していたが、思えば嫁姑の諍いも程家の子女のため、家族なら根に持たず、何事も一緒に乗り越えようという。こうして頌児と萋萋の結婚は姑と嫁の溝を埋め、程家の結束を強めることになった。楼府では銅牛県で功績を上げて帰京した楼犇のため盛大な祝宴が開かれた。愛妻の王延姫(ワンイエンジー)はもちろん、二房を見下していた楼縭(ロウリー)まで急に従兄を称賛している。「この銅鏡は従兄が自ら磨いて10種の字体で蒹葭(ケンカ)を刻んだの」その時、遅れて少商が現れた。王延姫は少商の来訪を喜んだが、少商はちょうど楼縭が自慢していた誓いの銅鏡を見せて欲しいという。すると凌不疑が袁慎(ユエンシェン)と黒甲衛(コクコウエイ)を引き連れ、乗り込んだ。客人が騒然とする中、袁慎は勅命を示し、銅牛県令一家殺害の被疑者を捕らえに来たという。楼犇はひとまず場所を変えようと提案、家族たちと別室に移動した。凌不疑の話では楼犇が顔忠を騙して一家もろとも殺害、その後、馬栄に投降を促して罪を曲陵(キョクリョウ)侯になすりつけたという。恐らく彭坤(ポンクン)の義子に刺された馬栄も楼犇が殺すよう仕向けたのだろう。楼犇は筋書き頼みかと呆れたが、不疑は証拠を持っていた。馬栄は証拠の隠滅を頼まれていたが、万が一に備えて書簡を残していた。その書簡は楼犇が顔忠に宛てたもので、2人が知り合ってから実際に面会し、家族を連れて程将軍と銅を運び出すよう唆すまで克明に記されている。呆然となる楼家の面々、しかし楼犇は自分の筆跡ではないと否定した。「凌将軍、私の書簡を確認してみよ」「確かに違う」しかし少商が夫人への誓いの品である銅鏡が証拠だと言った。少商はかつて楼垚(ロウヤオ)との婚約で楼家を訪ねた時、二房夫人が自慢げに話していたのを覚えているという。『大郎は書道が得意で、銅鏡の裏に異なる字体で詩を彫ったのよ』楼犇は言い逃れできなくなり、罪を認めた。これも全て出来損ないの息子を守るため二房を押さえつけて来た楼太傅が発端だったが、だからと言って他人を殺して良い理由にはならない。少商は内輪揉めする楼家に嫌気が差し、父の居場所を聞いた。「答えて、私の阿父はどこにいるの?!」すると楼犇は知りたいなら単独で教えると言った。楼犇は少商と2人で書房に入った。すると楼犇は自分が遊歴して書き記した″十四州疆(キョウ)域全図″を広げて見せる。「罪滅ぼしとしてそなたに贈ろう…朝廷でこれを欲しがらぬ者などおらぬ」少商は父の居場所さえ教えてくれれば良いと言ったが、確かにその堪輿(カンヨ)図は見事だった。「これを陛下に献上すれば生きる道を残してくださるはずよ?」しかし楼犇は少商に剣を突きつけた。楼犇は少商を人質にして書房を出た。まさかの事態に楼家も激しく動揺し、楼太傅は一門の不幸だと嘆くあまり倒れてしまう。凌不疑は仕方なく王延姫を捕らえた。「少商を解放して程将軍の行方を吐け、陛下には酌量を嘆願しよう」「嘆願?笑わせる」楼犇は自分の志が天下をも動かすと自負し、悲しいかな皇太子が楼太傅の言いなりで日の目を見ることができなかったと嘆いた。本当なら袁慎のように若くして地位を得られたはず、それが行き場も見つからぬまま落ちぶれようとは…。自分が官職についていれば母も虐げられることはなかっただろう。これも長子として家を支え、自分や弟の子孫を蔑まれ者にしたくない一心だった。「だが妻まで巻き込めぬ、阿垚、泣くな、これからはお前が楼家を支えなくては…」「夫君!まだ引き返せる!名声も地位もいらない、あなたと生きたいだけ!」「延姫…もう君と一緒に蓬莱仙境を探しに行けないな…すまない」すると楼犇は少商を解放して突き飛ばし、自ら首を斬って自害してしまう。王延姫は夫の元へ駆けつけ、泣き崩れた。「目を覚まして!私たちの子を宿したのよ?!」しかし無情にも袁慎は亡骸を廷尉府に運ぶと告げる。少商は取り乱す王延姫の姿に胸を痛めたが、その時、楼犇の言葉を思い出した。『苦難か簡単かは全て心次第…因とは果、果とはすなわち因』すると少商は因が精銅なら果は鉱山だと気づく。「馬はある?阿父を探しに行く」つづく(´・_・`)ベン…何してるのよ…そしてまた独り闇落ちしそうな人が…
2023.11.17
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第17話)第44話「降って沸いた功労者」行方不明の程少商(チォンシャオシャン)を探すため銅牛(ドウギュウ)県に入った凌不疑(リンブーイー)。そこで待っていたのは馬栄(マーロン)を説得して城内を解放させた河東楼(カトウロウ)氏二房の楼犇(ロウベン)だった。馬栄には投降を勧めたものの、彭坤(ポンクン)の配下に殺されてしまったという。「出征前、楼兄も同行させたいと申し出たが、楼太傅は婉曲に断った まさか楼兄が危険を冒し、銅牛県で手柄を立てるとはな」「去年、寿春(ジュシュン)へ行き馬栄と面識があったゆえ、数言ほど話せただけだ」「謙遜を…一城を守る将を数言で投降させることなどできない で、楼兄は顔忠(イエンジョン)が投降したと信じるのか?」すると楼犇は県丞・李逢(リーフォン)の証言だけでなく、県衙(ガ)の書房で顔忠の詫び状が見つかったと報告した。しかし少商の父・程始(チォンシー)の行方については何も知らないという。「それで李逢は?投降を拒んで投獄されたのであろう?」「あ、この数日、慌ただしくてな…すぐ釈放する」その時、衛兵が駆けつけた。「大変です!県衙の牢が火事です」↓まさに降って湧いた感w凌不疑は直ちに県衙の地下牢に駆けつけた。大事な証人だった李逢はすでに息絶えていたが、その時、誰かの咳き込む声がする。それは火事に巻き込まれ、炭で顔が真っ黒になった少商だった。凌不疑は無事に少商と再会、安堵した。少商もようやく身なりを整え、不疑に痛めた手首を手当してもらいながら、ここへ来るまでの苦労を切々と訴える。「でね、糞尿の桶に隠れて城内に入ったの、あの臭い、今、思い出しても頭が痛くなる…(´゚艸゚)ォェッ それで考えたの、李逢が鍵を握っていると…でも牢獄でしょう? だから焼餅(シャオビン)を2枚盗んで捕まるしかなくて…」すると不疑は急に少商が愛おしくなり笑ってしまう。「笑うところじゃないわ!」「はおらはおら~、私が来ただろう?…私は君の未来の夫だ、当然、程家の人間でもある 孤軍奮闘しなくていい、君の父は私の父でもあるのだから」「大事な時にそばにいてくれなかったじゃない(ボソッ)そうだ、牢獄では収穫もあったの」その時、部屋の外に楼犇がいた。楼犇は少商が何か嗅ぎつけたと気づいて立ち聞きしようとしたが、不疑に気づかれてしまう。「誰だ?!」「私です」仕方なく楼犇は部屋に入り、火事の死傷者名簿を渡して出て行った。少商は楼犇を疑っていた。実は収監された李逢がいずれ昇進して財を成すと自慢し、楼犇が銅牛県を奪還すれば贅沢できると話していたという。李逢は朝廷の兵が来れば馬栄が投降すると知っていたのだ。さらに火事で大騒ぎになった時、″裏切り″だの″口封じ″だの叫ぶ李逢の声が聞こえたという。「誰かと結託していたのね…阿父の失踪と何か関係があるのかしら?」少商と凌不疑は李逢の葬儀に出かけた。位牌の前で悲しみにくれる李夫人、2人は中庭から哀れな夫人の姿を見ていたが、その時、楼犇が夫人に何やら耳打ちしている様子を見かける。今や楼犇は銅牛県を救った英雄となった。少商はなぜ父が県令と精銅を運び出したのか疑問だったが、参列者の話ではあの日、程将軍と顔忠は寿春に隣接する銅牛県から精銅を守るため都に戻すという名目で運び出したという。その時、顔忠はなぜか家族も一緒に連れていた。「その経緯は誰から?」「李県丞です」するとしばらくして李夫人がふらふらと外へ出て行った。少商と凌不疑は李夫人の様子を訝しみ追跡した。李夫人は家財を売り回っているだけだったが、やがてある質屋で騒ぎを起こす。店主の査定に納得できず、外に飛び出して虐げられたと通行人に訴えたのだ。李夫人は激怒した店主に突き飛ばされて転倒したが、その時、少商は夫人が巾着を落とすのを見逃さなかった。少商は人混みから李夫人の落とした巾着を拾って凌不疑と戻った。中から出て来たのは役所の書類だったが、県の区画図を見るに顔忠が水路を掘って道を舗装する予定だったと分かる。果たして城内の整備を考えていた人間が急に投降などするだろうか。恐らく顔忠の投降が疑われないよう李逢が隠したのだろう。李夫人の回りくどい演技も、焼香を口実に現れた楼犇に脅されたせいだと察しがつく。すると少商は確かに李夫人の話は辻褄が合わないと気づいた。「李夫人は30里先の実家に戻るため質に入れると言ってた でも女の足でも2日、そんなに路銀が必要かしら? それに李逢に両親はいないのに″亭長の父親″って…誰? 30里…亭長…亭・・・ハッ!」少商の予想通り黒甲衛(コクコウエイ)は30里先の山道で亭(アズマヤ)を発見、付近で埋められた遺体を発見した。掘り出された遺体は身なりからして顔忠一家だと思われ、残りの遺体も服装から程将軍に同行した護衛だと分かる。少商は不疑が止めるのも聞かず、自ら腐敗した遺体を確認して父を探した。「少商、見つからないのは生きている証拠だ」「(ハッ!)そうね、そうよね、どこかで助けを待っているのかも…」すると少商は矢も盾もたまらず父を探しに走り出してしまう。凌不疑は慌てて少商を追いかけ捕まえた。「少商!冷静になれ!」「冷静になれるはずない!早く阿父を見つけなければ手遅れになってしまうわ!」少商は泣き喚いて父を探すと暴れたが、不疑が点穴して少商を眠らせてしまう。「君の心境は誰より私が分かっている…心配ない、私が受けた苦痛を君には味わせないよ」少商が目を覚ますと寝台だった。凌不疑の話ではまだ父は見つからず、やはり遺体の中にもいなかったという。「…阿父を探さなくては」少商は引き止める不疑に激怒したが、その時、控えていた梁邱飛(リャンチゥフェイ)が思わず口を滑らせた。「若主公は数時も若女君を背負って帰り、まだ水も飲まず…」梁邱起(リャンチゥチー)は咄嗟に弟を制したが、阿飛は何も知らずに若主公を困らせる少商に我慢できなかった。「曲陵侯の件を聞いた若主公は単身、寿春に潜入して刺されたんですよ? それでも若女君を案じてその足で銅牛県に来た この数日、不眠不休なのに少しはいたわってくれても…」「阿起、罰を受けさせろ」すると邱起は邱飛を連れて下がった。少商はようやく冷静になった。「今後は覚えていて、私のためでも命を投げ出さないと」「君のことばかり案じていた、命など考えている暇はなかった」凌不疑は少商の鎖帷子のおかげで救われていた。「時々、思うんだ、君が優しくしてくれるなら、身体にもっと穴が開いても良いと…」舅父の霍翀(フォチョン)が亡くなって母は錯乱、この世で自分を心配してくれる者は誰もいなくなった。不疑は霍家の最後の人間である自分だからこそ、今の少商の不安が痛いほど分かるという。すると少商は不疑の胸に顔を埋めた。「もう独りじゃない、私がいるわ…これからはあなたも孤軍奮闘しなくていい 私が永遠にそばにいてあなたを守る」「少商…私は…」「何?」不疑は何か言いかけたが、しばし少商の顔を見つめてから言い直した。「私は…君が必要だ」一方、文(ウェン)帝は何かと諫言してくる御史たちにうんざりしていた。その夜も左(ズオ)御史中丞が程始や程娘子を弾劾すべく謁見を願い出ていたが、皇帝は誰とも接見しようとしない。しかし左御史中丞が先に待っていた万松柏(ワンソンバイ)と言い争いとなり、腕をひね上げられ脱臼してしまう。「陛下!万松柏を訴えます!同僚に乱暴した無法者です!陛下!」皇帝は仕方なく謁見を認めると、一緒に待っていた袁慎(ユエンシェン)と楼太傅もやって来た。万将軍は転んだ左大人(ダーレン)を支えようと腕を引いただけだと釈明した。すると袁慎はもちろん、甥の功績のことで嫌味を言われた楼太傅までその通りだと認めてしまう。左御史中丞は悔しさと肩の痛みをこらえながら、未だ行方知れずの程始こそ精銅を盗んで顔忠一家を抹殺したと弾劾、一刻も早く曲陵侯一族を死罪に処し、程娘子も罰を受けさせるよう訴えた。そこで袁慎は戦の終結で慌ただしい中、御史台だけが暇を持て余していると指摘し、程娘子を帰京させる伝令は左大人自ら行ってはどうかと提案する。「なぜ私が内侍官の仕事を?!」「それはいい、確か子晟(ズーション)と程娘子とは旧情を交わした仲であろう?決まりだ!」左御史中丞は凌将軍から罰を受けたことを揶揄され、皇帝に何も言えなくなってしまう。「それから楼太傅の甥も一緒に戻ると良い、しかと論功行賞を行わないとな」楼太傅は偶然の産物だったと謙遜して辞退しようしたが、皇帝はすでに決めたことだと取り合わなかった。翌日、凌不疑と少商は楼犇に探りを入れることにした。実は顔忠にも密かに交流のある旧友がいたという。「世家の子弟だそうだ、ただ世家に迎合したと思われるのを恐れて交流を隠していたらしい 楼兄、ご存知か?」つづく( ;∀;)パパ~どこにいるの?!ルースー上手いわ~でも今回はウーレイのウルウルしたチワワのような瞳が全て持って行ったわw※亭長:役場町の長
2023.11.13
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第16話)第43話「鴛鴦将軍」越姮(ユエホン)は雨に濡れた皇后を心配し、生姜汁を準備させた。宣神諳(シュエンシェンアン)は皇帝が程少商(チォンシャオシャン)に接見してくれたのも越妃の助け舟のおかげだと感謝したが、越姮は自分の功績ではないと否定する。「陛下が嘆願している皇后を案じたからですよ」「慰めてくれなくていいわ、陛下とあなたは幼い頃からの誼 当時、天下のため乾安(ケンアン)王と結盟しなければ余を娶らなかった…」宣神諳は越姮の夫を横取りしてしまった後ろめたさに苛まれて来たが、越姮は20年も前のことだと笑った。当時は確かに激怒して皇帝を罵倒し、叩いたりもしたが、怒りはとうに消えたという。「余もそんなあなたの性格を大好きになった、どうりで陛下が深い情を寄せるわけね」「皇后、確かに私と陛下には幼なじみの情義があります でも皇后と陛下も苦難を共にして来た情義がある どちらが真の夫婦か、区別する必要がありますか?」越姮は皇后を実の姉のように気遣い、くれぐれも身体を大事にして欲しいと言った。そこへ長秋宮の翟(ジャイ)媪(ウバ)が駆けつけ、少商が戻ったと報告する。しかし皇帝は少商が勝手に動かないよう禁足を命じていた。皇后は悲しみに暮れる少商のため、皇帝に背いても投獄された家族に会わせてやろうと決めた。しかし意志の固い少商のこと、誰が反対しても父親を探しに行くつもりだろう。皇后は少商を阻む関となるより後ろ盾になってやりたいと願い、外出許可の命令書と一緒に令牌を持たせて見送った。「もう戻って来ないつもりね…」皇后は自ら皇帝に罰を請うつもりだったが、少商は皇后を巻き込まぬよう命令書と令牌を部屋に残していた。少商は家族との面会を求めて廷尉府にやって来た。恐る恐る偽造した令牌を出す少商、その時、ちょうど廷尉府侍郎の袁慎(ユエンシェン)が現れ、中に入れてくれる。「偽物の令牌で守衛を騙せると思ったのか?今夜、慌てて作ったのだろう?塗料が乾いていない 次も私に会えると思うn…」「次はない、今回はありがとう」袁慎はここで待っていると伝えようとしたが、少商は家族の元へ一目散に駆けて行った。地下牢では蕭元漪(シャオユエンイー)が君姑に手を焼いていた。老夫人は食べたくもない粥を無理やり飲まされ憤慨、嫋嫋(ニャオニャオ)を放任した復讐なのかと口を滑らせてしまう。しかし蕭元漪はそれでも夫の母だからこそ我慢して敬ってきたと本音を漏らした。すると突然、嫋嫋が現れる。蕭元漪は長秋宮に戻って父が帰るのを待てと言ったが、老夫人は嫋嫋にへそくりの場所を教え、その金で父と叔父たちを助けるよう頼んだ。「大母…身勝手な人だと誤解していました」「救えるだけ救うのよ、忘れないで、男たちが先だと…」↓( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)・・・一方、出征した凌不疑(リンブーイー)は被害を最小限に抑えるため情報戦を仕掛けた。寿春(ジュシュン)に立てこもる彭坤(ポンクン)は凌軍が山賊と交戦中だと信じ、この機に乗じて食料を奪うことにする。しかし補給部隊は帰り道で黒甲衛(コクコウエイ)の奇襲に遭い、将軍・梁毅(リャンイー)は生け捕りとなった。「凌不疑!こざかしい真似を!何だ?!その鶏の羽をつけた鎧は!」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ <鶏ではない!鴛鴦だっ! ←そこ?wすると不疑は役立つ情報を吐かねば助けられないと脅し、ひとまず梁将軍を投獄した。寿春は四方を守りで固め、城門は懸門(ケンモン)で縄で吊り橋を上下させていた。梁邱起(リャンチゥチー)は城外に堀があるため門が開かねば大軍が入れないと言ったが、梁邱飛(リャンチゥフェイ)は壕橋(ゴウキョウ)を架けて突入すればいいという。しかし凌不疑は犠牲者を出さないためにも戦わないと決めた。「補給を断てば一月余りも経たず自滅するだろう」そこへ伝令兵が駆けつけた。銅牛(ドウギュウ)県で県令の顔忠(イエンジョン)と程始(チォンシー)が精銅を携え投降し失踪、程家は投獄され、程娘子は都を出て行方知れずだという。夜も更けた頃、少商はついに銅牛県に到着した。するとちょうど糞尿の回収へ向かう老人と一緒になる。聞けば父は家族を連れた県令と一緒に荷車を引いて城門を出たまま行方不明になっていた。半日後に戻ったのは県令の印を持った賊軍の将軍・馬栄(マーロン)。投降を拒み続けた県丞・李逢(リーフォン)と尹嶗(インラオ)は引き回しにされたという。その際、李逢が顔忠と程将軍が敵に投降したと叫んだため、見物人たちの間で噂が広まった。「で李逢は殺されたの?」「投獄されたと聞いたが、殺されたかは知らんな」「…検問でこの荷車は調べられるかしら?」凌不疑は寿春を兵糧攻めで落とすつもりだったが、一刻の猶予もなくなった。しかし自分のために全軍の将兵を道連れにできず、梁将軍を利用して単身、乗り込むことにする。寿春では厳しい検問が待っていたが、梁将軍は大事な食料を大切に扱うよう厳命した。「異常はありません!」「…ひとつ聞きたいんだが、鶏と鴛鴦は似ているか?」「似ていません!」「俺もそう思う…どうかしているぞ」こうして不疑は梁将軍が運び込んだ食料の中に身を隠し、無事に城内へ潜入した。キリッ!( ・`ω・´)<これは鴛鴦彭坤はその夜もなかなか寝付けずにいた。その時、誰かの気配を感じて飛び起きる。彭坤の首に剣を突きつけたのは凌不疑だった。「文(ウェン)帝は私の討伐にお前をよこしたのか、だが早くここから離れろ 私に何かあればお前の父も窮地に立たされるぞ?」「どういう意味だ?!」驚いた不疑が彭坤の首に刃を立てると、運悪く王姈(ワンリン)が現れた。「まだ寝ていないの?(はっ!)誰か!刺客よ!」凌不疑は彭坤を人質にして城門まで辿り着いた。すると彭坤は自分が死ねば孤城陥落の真相を知る者がいなくなると開き直る。「父親から何も聞いていないのか?我らは同じ穴の狢、私が死んであの男に何の得がある?」不疑はすでに賊兵たちに包囲され身動きが取れなくなった。そこで彭坤は不疑が寿春から一歩でも出たら自分もろとも殺せと命じる。しかしその時、外から梁兄弟の叫び声が聞こえた。「若公主は中にいるはずだ!突入するぞ!」驚いた不疑は咄嗟に彭坤を蹴り飛ばし、城門を開けるべく孤軍奮闘した。凌不疑は独りで賊軍たちを蹴散らしながら橋の仕掛けを破壊、ついに城門が開いた。その時、彭坤が落ちていた剣を拾って背後から不疑に襲いかかる。不疑は振り返りざまに刺されたが反撃、彭坤を退けた。黒甲衛たちが城内に雪崩れ込み、寿春は平定された。凌不疑は少商の鎖帷子のお陰で命を救われ、被害も最小限で済んだと分かる。そこで彭坤を都まで護送するよう命じ、急いで銅牛県へ向かうことにした。阿起の報告では銅牛県を落とした彭坤の副将・馬栄が楼犇(ロウベン)の説得により投降したという。しかし不疑は行方不明の少商を探さねばならなかった。「程将軍が失踪し程家は投獄、少商が黙っているはずがない、必ず銅牛県にいる!」つづく( ๑≧ꇴ≦)ヤメロー!ハライタイィィィィィィィィィィ!おしどり将軍の破壊力が凄すぎてwww全ての感想がふっとんでしまった!wwwww
2023.11.10
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第15話)第42話「家門の災い」凌不疑(リンブーイー)は寿春(ジュシュン)に出征。程少商(チォンシャオシャン)は成婚の準備をしながら不疑の凱旋を待つことになった。曲陵(キョクリョウ)侯府では老夫人と蕭元漪(シャオユエンイー)が新婦のかんざし選びで揉めていたが、少商は心配無用だと止める。「皇后が早くから宮中の繍女や匠に作らせたのがあるから…へへ」実は子晟(ズーション)の成婚を心待ちにしていた皇帝と皇后は毎年のように準備していたため、すでに十分に揃っていた。「予定通りなら私は宮中で嫁ぎます、皇后が閨(ネヤ)も用意しているそうです」老夫人はそれならお金もかからないと喜んだが、全く出番のない母はどこか寂しそうに見えた。袁慎(ユエンシェン)は宮中で偶然、回廊で物思いにふけっている少商を見つけた。花嫁衣装や装飾品の試着でくたくただという少商、しかしふと袁慎に話しても無駄だと思い出す。「あなたは成婚と無縁だものね」「成婚できるのは自分だけだとでも言いたいのか?…だいたい成婚に何の利がある?」「あなたには″一日三秋″がどんな心情か分からないでしょうね 成婚すれば毎日、会えるし、帰りを待ちわびずに済むわ」すると負けず嫌いの袁慎は自分が先に成婚してみせると啖呵を切って行ってしまう。(」゚ロ゚)」<善見(シャンジエン)!無理しないで~!官媒(カンバイ)は袁慎に釣り合うよう才女と評判の蔡(ツァイ)氏の娘を斡旋してくれた。しかし袁慎は文句ばかり、従者は何が不満なのか分からない。「私の理想はそれほど高くない 頭は程娘子より鈍くなく、性格は程娘子より素直、容貌は程娘子より優れていれば…」「なぜどの条件も程娘子が基準なのですか?」ぁ..,..( ̄◇ ̄)(; ̄◇:;.:... (; ̄:;..,..::;.:. :::;.. .. .「程娘子に侮られたくない」すると袁慎は成婚の日取りを少商と同じにすると言い出した。そうすれば朝廷中の賓客が袁家に祝いへ来るため、少商が慌てふためくはずだという。( ゚ェ゚)…公子、あんたどうかしてるわ@従者袁慎はめかし込んで参内、早速、宮中にいる少商を見つけて自慢げに婚約したと報告した。しかし少商は袁慎が単に自分に対抗しているだけだと見抜いている。「私は子晟と巡り会えた、あなたも出会えるといいわね…あっ間違えた 婚約したのよね?じゃあもう出会えないんだ〜 でも悪くないわ、家柄の合う縁談でも満足しなくちゃね」少商は我関せず、袁慎は肩透かしを食ってしまう。↓( ˘ω˘ )<ま、せいぜい頑張れよ的な余裕w一方、寿春に出征する班(バン)侯は孫を心配し、班嘉(バンジア)の面倒を曲陵侯府に頼んだ。班嘉は一目惚れした程姎(チォンヤン)と毎日、食事を共にするようになったが、姎姎は嫁がずに伯母のそばにいたいという。そんなある日、突然、程家に災難が降りかかった。勅命で銅牛(ドウギュウ)県に向かった少商の父・程始(チォンシー)。しかし銅牛県は陥落、曲陵侯と県令・顔忠(イエンジョン)が敵と通じていたと報告が来た。朝臣たちは見せしめに曲陵侯を九族皆殺しするよう奏上し、激高した皇帝は誰とも会わず、食事も絶ってしまう。皇后は謁見できず外で待つことにしたが、そこへ越(ユエ)妃が駆けつけた。「妹妹、良いところに来てくれたわ」「…私が見て来ます」するとさすがに皇帝も寵愛する越姮(ユエホン)だけは追い返せなかった。越姮は皇帝の怒りが領土を失ったことではなく、天下の寒門のためだと分かっていた。実は程始と顔忠は皇帝が群臣の反対を押し切って選んだ寒門、その2人が敵に投降したとなれば世襲の打破は更に難しくなってしまう。「しかし両県丞(ケンジョウ)が見たのだ、2人が精銅2千斤を携え、敵に投降したと… だが当人がおらぬゆえ朕が濡れ衣だとかばったところで証明できぬ 父を処刑されたら程娘子は?子晟は?2人の婚姻はどうなる?!」越姮は皇帝の気掛かりが成婚だと知り、ひとまず表向きは法に従って公正に処理し、内情を少しずつ調べるよう助言した。皇后は皇帝と越妃の絆に割って入ることができず、黙って回廊で待っていた。やがて越姮が現れ、曲陵侯の家族は投獄され、審問を受けると報告する。「曲陵侯の件は陛下がお調べになります、ただ国の法に私情は挟めません 程娘子なら十一郎と婚約し凌家の人間とみなされ、放免されるでしょう」銅牛陥落の噂が朝廷中に広まった。何も知らなかった少商は父が処罰されると知り、勝手に宮中を飛び出してしまう。すると城門でちょうど参内した袁慎と出くわした。「少商、私の馬車を使え…私は御前で嘆願する、そなたの父親を放ってはおけない」「ありがとう」しかし曲陵侯府にはすでに太尉府の左(ズオ)将軍が程家の捕縛に来ていた。蕭元漪たちは強引に屋敷に乗り込んだ左将軍に憤慨、前庭で対峙した。聞けば夫が銅牛県令を惑わし、精銅2千を盗んで敵に投降したという。「曲陵侯府を封鎖し、共犯を捕らえるのだ!」驚いた程頌児(チォンソンアル)と程少宮(チォンシャオゴン)は剣を抜いたが、その時、少商が駆けつけた。「程氏が背いたかは陛下が判断する、この機に乗じて私怨を晴らすつもり? 私があなたの姪に汚水をかけ、夫があなたの兄の足を折った… だからあなたも殴られに来たの?」一触即発の様相となる少商と左将軍、しかし危ないところで袁慎が勅令を携えて現れた。「陛下は程娘子を巻き込むなと仰せだ」皇帝は本件を廷尉府に託し、被疑者の家族は廷尉府に護送して審問することに決めたという。蕭元漪は夫の無実を信じ、潔く一族で廷尉府の審問を受けると決めた。しかし少商だけは凌家の嫁と見なされ、無関係と判断されたという。袁慎は長秋宮に戻るよう伝えたが、少商は家族と一緒に行くと拒んだ。「嫁ぐまでは程家の娘なのよ?一人だけ生き延びるなんてできない」すると少商の言葉を聞いた蕭元漪がいきなり娘の頬を引っ叩いた。「程少商、程家がどうなろうとあなたは生き続けるの! 生き延びなければ程家の祖先が許さない!もちろん私も阿父もよ…分かるわね?」その夜は激しい雨となった。宮中に戻った少商は崇徳(スウトク)宮でずぶ濡れになりながら嘆願を始めたが、拝謁は叶わない。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は戻るよう説得していたが、少商はあきらめなかった。すると皇太子が駆けつけ、少商の隣にひざまずく。「余も曲陵侯を信じる」少商はようやく禁足が解けた皇太子まで巻き込めないと言ったが、そこへ皇后までやって来た。「私も一緒に立つわ」「お体を壊してしまいます!」その時、見かねた越姮が皇帝を強引に外へ押し出した。廷尉府の地下牢に袁慎が食事の差し入れにやって来た。しかし程老婦人は二郎と三郎も拘束されたと知り、絶望する。「首を斬られてバラバラになるより餓死すれば亡骸だけは欠けずに残るわ」「私たちは食べます、潔白を証明する前に餓死してたまるもんですか」蕭元漪たちは程始を信じて必死に生きようとしていた。皇帝は渋々、少商の話を聞くことにした。「阿母や兄たちは都にいて生活に不自由などなく、私も子晟に嫁ぎます 阿父は何も不満がないのになぜ敵に通じる必要が?…つまり濡れ衣です」少商は目下、行方知れずとなった父と消えた精銅2千を探すため銅牛県へ行きたいと嘆願した。しかし皇帝が認めてくれるはずもなく、長秋宮での禁足を命じられてしまう。つづく工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工急に何なの?!
2023.11.06
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第14話)第41話「約束の地」皇太子妃孫(スン)氏は庶民に降格、北宮送りとなった。もはや孫氏を気に掛ける者などいなかったが、程少商(チォンシャオシャン)だけが最後の別れにやって来る。「…約束を守って成婚した太子殿下と支え合いながら縁を大事にするべきでした 殿下が曲泠君(チューリンジュン)を忘れられなかったのではない、あなたが思い出させたのよ? 自分の不幸を人のせいにしないで」しかし孫氏は非を認めず、反省すべきことなどないと頑なだった。少商は話しても無駄だとあきらめ、帰ることにする。「あなたを縛り付けているのは宮中ではない、あなたの心よ?」こうして冷宮の門は堅く閉じられた。少商はようやく皇太子と曲泠君が結ばれると思ったが、驚いたことに曲泠君は梁無忌(リャンウージー)に再嫁すると知る。確かに梁州牧(シュウボク)はこれまで身を挺して曲泠君を庇っていた。凌不疑(リンブーイー)は磊落(ライラク)な梁州牧のこと、成婚後は曲泠君の子を我が子とみなしてくれるはずだという。すると少商はしみじみ子晟(ズーション)と巡り会えたことに感謝した。「自分は不運だと思っていたけれど、これまでの運をためてあなたに出会えたのね… 私は運が良く、見る目もある、ふふ」「見る目があるのは私だろう?」そんなある日、寿春(ジュシュン)に有事との急報が舞い込んだ。文(ウェン)帝は早速、寿春平定のため策を練ることにした。集まったのは凌不疑と将軍の万松柏(ワンソンバイ)、崔祐(ツイヨウ)の3人、どちらにしても寿春は挙兵に適さない土地のため、孤立させれば落とすのは早い。そうと知ってか、今回は朝臣や世家が適齢の子息たちを軍に入れて鍛えたいと嘆願する上奏が絶えなかった。とは言えひ弱な子息たちを率いるのは難儀だろう。すると成婚を控えた凌不疑が出征したいと名乗りを上げ、皇帝の逆鱗に触れた。少商は戦術会議に手作りの甘酒を差し入れるつもりだった。しかし凌不疑が皇帝を怒らせてしまい、届けられそうにない。不疑が心配で心ここに在らずの少商、そこで皇后は皇帝を説得する知恵を授けた。皇帝は将軍2人を追い返し、子晟の首根っ子を捕まえて部屋の隅に立たせた。「この青二才め!寿春などお前が案じるまでもない!」「彭坤(ポンクン)も孤城の陥落を招いた一因、戾(レイ)帝と結託していたはずです」不疑は彭坤に直接、確かめたかったが、皇帝は都でおとなしく成婚を待つよう言い聞かせた。「万が一があれば成婚できないぞ?!」少商は甘酒の差し入れを口実に崇徳(スウトク)宮にやってきた。実は皇后から皇帝に伝言があるという。「将軍は戦場へ馳せるべし、都に隠れ、怠惰であれば、子晟の徳は位負けすると指摘される…」「本当に皇后が言ったのか?」皇后は皇太子の一件から身体が衰える一方だった。皇帝もそんな中での諫言を無視できなかったが、やはり子晟を無事に成婚させなくては気が休まらない。しかし少商は子を思うなら背後から支持すべきだと諌め、親だけでなく妻も夫を支持する必要があると訴えた。皇帝は仕方なく子晟の出征を認めた。ただし彭坤を捕らえてすぐ都に戻り、必ず予定通り婚儀を上げろと命じて2人を解放する。すると少商は凌不疑の顔を両手で挟み、まじまじと見つめた。「じっくりと眺めて覚えておかなくちゃ 阿父が戻った時は目の半分と歯が白いだけで、残りは真っ黒だったから 身を粉にして戦わないで、墨と成婚するのは嫌だもの」「それほど心配ならなぜ陛下に出征を勧めたんだ?」「舅父の死と孤城の全滅はあなたの心痛であり、わだかまりでもある ご不調の皇后の世話がなければ私もあなたと敵を倒しに行っていた …子晟、あなたが彭坤を捕らえる姿を見たかった、敵討ちの痛快さを私も味わいたいもの」「はお、その言葉だけで十分だ」「早く戻ってきてね、待ってるわ、あなたが娶ってくれるのを」「最も盛大な婚礼を挙げるよ、待っていてくれ」ある夜、少商は大きな荷物を背負い、黒衣で変装して凌軍の大営に潜入した。しかし難なく将軍の天幕に到着、もしこれが敵の偵察だったらあっさり手中に落ちているだろう。少商はあきれたが、凌不疑は巡回中の兵士たちが気づかないと思うのかと笑った。実は兵士たちはわざと将軍の新婦を見逃し、それとなく将軍の天幕まで誘導してくれたという。「つまり私を笑って眺めていたの?…チッ!クソリンブーイー(ボソ」すると不疑は出発前に贈り物があると言った。凌不疑は少商を連れて櫓に登り、草原を指差した。実は皇帝に凱旋後、何が欲しいか問われ、軍営の横の土地と答えたという。不疑は少商が自分で屋敷を建てるのが夢だと覚えていた。「そこが私たちの住む屋敷になる、全て自由にしていい、今後、あの地が私たちの家だ 求めていただろう?正真正銘の自由な地を…そこなら誰にも責められず、誰からも足蹴にされない あの地で子を産み育て、老いていく、連れ添いながら…」少商は感激のあまり声が出なかった。誤解した不疑はまた勝手に決めたことを謝ったが、少商は喜んで口づけする。「気に入ったわ…」少商は自分も三叔父夫妻のように花や月を愛でながら、子晟と共白髪となり、生死を共にできると思うと万感迫る思いだった。「約束して、凱旋したら私たちの新しい家を建てると…」「はお、約束するよ」「私が危険を冒して来た理由が分かる?…贈り物を持ってきたの」凌不疑の出征の日、城門では若い未婚夫婦が別れを惜しんでいた。不疑は少商がくれた鎧をまとっていたが、少商の痛々しい指に気づいて驚く。「今後は2度と裁縫しなくていい」「鴛鴦が気に入らないの?」「鴛鴦?てっきり鶏の羽かと…」「鴛鴦よ!命を顧みない時、この羽を見れば都で待っている私を思い出すでしょう?」背後で控えていた護衛・梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は愕然となった。まさか若公主の甲冑に鴛鴦の羽が施されていたとは…。( ̄▽ ̄;)<出征したくなくなった…敵軍に笑われる「気に入らなければ羽は外していいけれど、この帷子(カタビラ)は脱がないでね 銅の糸と麻で織ってあるから、軽いけれど刀傷を防げる…兎の刺繍も入れたのよ?」「あれは兎?…鼠だとばかり」「兎よ…私の干支だから…」「そうだ、兎だ、君が兎と言えば兎だ」「…もともと兎なんですけど(ボソッ」そんな仲睦まじい若夫婦の様子を城楼から皇帝たちが眺めていた。皇帝と越(ユエ)妃は2人にかつての自分たちの姿を重ねて懐かしんだが、そこに皇后の入る隙はない。一方、少商の父も支援部隊として銅牛(ドウギュウ)県へ銅を運ぶ任務を命じられていた。程始(チォンシー)は娘が自分には襪子(シトウズ)すら縫ってくれなかったとぼやいたが、蕭元漪(シャオユエンイー)はあの恥ずかしい鎧を着たいのかと笑う。「そうだな、鶏の羽なんぞまとったらさらす顔もないw」凌不疑は必ず生きて戻ると誓い、馬にまたがった。すると少商に小さな袋を投げ渡す。中には凌府の印章が入っていた。「世の情人が結ばれるのは最も美しいことですね」皇后は若い夫婦の姿に感銘を受けたが、ふと寂しさを覚えた。…だけど私はそんな想いを味わえなかった…つづく( ;∀;) イイハナシダナーと思っていたのに、羽のせいで台無しよwwwww
2023.11.05
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第13話)第40話「首謀の尻尾」梁尚(リャンシャン)殺害事件は私事として袁(ユエン)夫人が審理を取り仕切ることになった。曲泠君(チューリンジュン)は無実を主張、あの日、夫の部屋に食事を届けたのは自分の外套を来た侍女・幼桐(ヨウトン)だったという。そのため下僕たちはてっきり夫人が部屋に入ったと誤解したのだ。程少商(チォンシャオシャン)は審理を見守っていたが、自分に調べさせて欲しいと嘆願し、袁夫人も認めてくれる。すると袁慎(ユエンシェン)がまた難癖をつけて少商を挑発した。「自分を有能だと思っているのか?…学もないのに捜査したいとは笑わせる、ふっ」しかし少商は言い返しもせず、袁夫人に拝礼して出て行ってしまう。「おい!本気なのか?!」肩透かしを食った袁慎は自分も調べてくると母に断り、慌てて少商を追いかけた。袁慎は相変わらず減らず口を叩いていたが、内心では女子の身で現場に入った少商が心配だった。「あいつの捜査を待ったらどうだ? …それにしても穏やかになったな、以前ならすぐ言い争いになったのに」「子晟(ズーション)のおかげね、彼は私を溺愛し、大切にしてくれる、だから私も他人と争わなくなった 彼に嫁ぐなんて想像もできなかったけれど、でも考えてみたの もし彼と出会えなければ一生の心残りだとね…って、あなたに言っても無駄よね」少商は袁慎も早く妻を見つけるよう勧めた。意中の相手がいないため、自分たちのように仲睦まじい夫婦が気に食わないのだという。「あ、でも理想は下げた方がいいわ、私のような優秀な娘は見つからないから」袁慎の気持ちを知ってか知らずか痛い所を突く少商、すると捜査の妨げとばかりに袁慎は部屋から追い出されてしまう。少商は現場の部屋が外観に比べてやけに狭いと気づいた。そこで回廊を歩いて外周を図ってみたところ26歩、しかし部屋の中は20歩だと判明する。「残りの6歩はどこ?」壁には梁尚が大事にしていた金石で作った彫刻が飾られていた。その頃、凌不疑(リンブーイー)は真犯人に目星をつけ、梁家の男全員を集めていた。「梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧(シュウボク)、あなたが真犯人では?」「私は梁家の養子に過ぎぬ、梁尚に代わり家主を務めているだけ 梁尚と梁遐(リャンシア)は同腹の兄弟で梁太公の血脈だ 梁尚を埋葬してから家主の位は三弟の梁遐に引き継がれる…」梁無忌(リャンウージー)は三弟に話を振ろうとしたが、梁遐はいつの間にか姿を消していた。少商は壁を叩きながら歩いているうち、音が違う場所を見つけた。そこで力一杯、壁を押してみると、隠し部屋に潜んでいた梁遐に引き込まれてしまう。「三公子…あなたが犯人ね?」隠し部屋には血だらけの衣があった。梁遐は凌将軍の捜査が自分に及ぶと恐れて密かに隠し部屋へ戻り、証拠となる衣を処分しようとしたのだろう。すると梁遐は少商の首に短刀を突きつけ、少商を殺して逃げると言い出した。少商は咄嗟に自分を人質にして交渉すれば逃げられると提案したが、梁遐は信じようとしない。その時、突然、外から凌将軍の号令が聞こえた。「部屋を壊せ!」現場を捜査していた少商がこつぜんと姿を消した。報告を受けた凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)に離れを破壊するよう命令、追い詰められた梁遐は仕方なく少商を人質にして外へ出る。驚いた袁慎は思わず身を乗り出したが、袁夫人は息子を止めた。「君子、危うきに近寄らずよ…行っては駄目」すると凌不疑はちょうど集まっていた梁一族を包囲し、少商を放せば一族も母親も見逃すと条件を出す。その時、少商が真犯人は三公子だと暴露した。退路を失った梁遐は少商を道連れにすると言い放ち、母親など殺せばいいと開き直る。そこで凌不疑は梁母を引きずり出し、目の前で腕を捻り上げた。母の悲鳴を聞いた梁遐はさすがに気が動転、その隙を突いて凌不疑が短剣を放ち、見事に梁遐の手に命中させる。少商は梁遐の手が離れた瞬間に逃げ出し、不疑は無事に少商を奪還した。↓少商、いつの間に護身用の刀を出したの?黒甲衛は梁遐の両膝に矢を放ち、逃亡を阻止した。老夫人は溺愛する梁遐に抱きついて悲しみに暮れたが、当の息子は母が自分のために何もしてくれなかったと嘆く。父は養子である長兄の無忌を州牧に推挙し、家主には二兄の梁尚を指名した。これも一族に有能な子弟がいなかったせいだが、梁遐は嫡子で志もある自分だけ何も手に入らなかったと母に八つ当たりする。「俺がこうなったのもお前のせいだ!いちいち騒ぎ立てるから収拾がつかなくなっただろう?!」凌不疑も少商も梁遐が誰かにそそのかされて急に事を起こしたと分かっていた。そこで不疑は廷尉府に梁遐を連行し、首謀者の名を聞き出すことにする。しかし梁遐が何か言いかけた時、上階から梁無忌が放った矢が喉を貫通した。皇帝は梁州牧が証人の口を封じをしたと知り激怒した。これでは自ら首謀者だと明かしているようなものだが、梁無忌はこの件を追及しても大局にとって利なしだと訴える。皇帝も子晟もその意味を悟っていた。そこで皇帝はひとまず梁州牧を下げる。「子晟…首謀者はもしや太子妃の従兄では?別院の警護を任されておるし」「孫勝(スンション)ならもう捕らえました、解放すれば数日も生きられないでしょう 首謀者が誰なのか、陛下もすでにお気づきかと…」その夜、越姮(ユエホン)は永楽宮に三兄を呼びつけ、厳しく追及した。「亡き大兄の半分でも知恵があったら太子を陥れようなんて愚かなことはしない!」「不服だったのだ… もともと饟(ジョウ)県越氏は安泰だったのに、なぜ文(ウェン)氏と共に造反せねばならなかったのか」小越侯は妹から何度、諌められても諦めがつかず、恨み言を漏らした。本来なら妹が皇后となり、三皇子が世継ぎとなって次の皇帝になれたはずだという。しかし越姮は三兄が自分たち母子のためではなく、自分が国舅(コッキュウ)になりたいだけだと分かっていた。「霍翀(フォチョン)に代わって不満を言える立場?! 三兄、なぜ孤城に遅れて到着したの?瘴気(ショウキ)を口実に霍翀を死に追いやろうとしたのでは?」「言いがかりだ!」すると越姮は凌不疑のこと、貨幣の鋳造の件も韓武(ハンウー)に刺客を送り込んだことも、少なからず証拠を揃えているはずだという。それでも上奏しないのは越氏の面子を考えて三兄の自首の機会を与えてくれたのだろう。「なぜ瘴気に毒があると言いながら馬だけは無事だったの?なぜ軍報には記されてなかったの? 答えなさいっ!」「…救援の要請を受け出征後、道中で前方に瘴気があると知ってな しかし調査した斥候が瘴気は問題ないと報告した ちょうどその頃、乾安(ケンアン)王の軍も急いで向かっていた そこで考えた、乾安王の救援の時間を遅らせることができたら陛下は宣(シュエン)氏を咎めるとな だから斥候を殺した」その話を皇帝と凌不疑が聞いていた。凌不疑は越妃の公正な判断のおかげでついに小越侯の尻尾をつかんだ。あの時、乾安王は長年、不仲だった小越侯を信じられず、自ら一隊を率いて瘴気を調べに向かったという。やがて配下の彭坤(ポンクン)から乾安王が瘴気に侵され、密林で死んだと報告を受けた。しかし瘴気に毒はなかったはず、つまり彭坤がこの機に乗じて乾安王を殺害し、兵権を奪ったのだろう。一方、孤城は雍(ヨウ)王が兵器をすり替えたせいで10日は持ちこたえられる所、2日で陥落していた。孤城の惨劇は奇しくもそれぞれの私心が重なり招いた結果だった。小越侯は武器のすり替えなど知らなかったと否定、確かに援軍が遅れるよう画策したが、たとえ数日、遅れても間に合うと確信していたからだという。「乾安王を殺してなどおりません!ましてや兵器のすり替えなど… 陛下、私は孤城陥落とは無関係です!」しかし15年前ならいざ知らず、皇太子を失脚させるべく罠にはめたことが皇帝の逆鱗に触れた。兄との今生の別れを覚悟し、そっと目を閉じる越姮。すると皇帝は越氏一族の忠誠と生き残った兄妹に免じて命は奪わず、爵位を剥奪して皇陵の墓守を命じるという。越姮はむしろ皇帝の優柔不断さに驚いたが、凌不疑は反発する様子もなく、ただ黙っていた。凌不疑が長秋宮に戻るとまだ少商がいた。少商は今日のことを両親が知れば説教されるため、帰らなかったという。「無茶をするなと言ったのに、なぜ危険を侵す?」「私でなければ誰が皇后と太子の汚名をそそぐの?…助けたかったの、だから怒らないで」「はぁお、責めないよ、でも君に何かあったら自分を許せない」すると少商は凌不疑の眉間の皺を伸ばした。「孤城の件は決着したのに嬉しくないの?」「少商…家族を傷つけた相手を法で裁けないとしたらどうする?」「まだ敵がいるの?」「いや、仮定の話だ」「私はやられたら必ずやり返す、家族を傷つけた人は許さない、千倍にして返すわ」「ではもし復讐することで愛する人を傷つけるとしたら?」「…人生は取捨選択、重要な方を選ぶ」その答えを聞いた不疑は思わず少商を抱きしめた。一方、屋敷へ戻った袁夫人は息子に妻を選ぶよう勧めていた。母の思わぬ言葉に驚く袁慎、実は夫人は息子の意中の相手が程娘子だと気づいたという。袁慎は少商が婚約してから何度も縁談を探したが、満足する相手が見つからなかったと話した。「今になって思えば、面影が重ならぬからかも…一手の遅れが運の尽きでした しかし程少商が成婚しても私は日々を生きていかねば」↓(´ω`)しょぼん凌不疑は越妃に呼ばれて再び永楽宮を訪ねた。実は越姮が兄を誘導して処罰させたのは霍家と霍兄、そして何より子晟のためだという。「兄に対する処罰に不満でしょうね… でもあなたには長年のわだかまりを捨て成婚して欲しい、普通の暮らしをするべきよ」しかし不疑は小越侯の処分に不満はなかった。舅父は小越氏の手で死んだわけではなく、越氏とて大勢が亡くなっている。「皇帝が厳罰を避けた心情を子晟も理解できます 今後は越氏に償いは求めません、ただし黒幕の罪は一生を費やしても償いきれないでしょう」すると不疑は帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)うわっ!不吉な予感!w子晟、どうやら黒幕を知っているみたいだねそれにしても袁慎がらしくなくてちょっとつまらないw
2023.10.30
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第12話)第39話「積もる痴情のもつれ」皇帝に呼ばれて参内した小越(ユエ)侯。すると崇徳(スウトク)宮には杖刑で負傷した凌不疑(リンブーイー)の姿もあった。「越卿、実はそちに相談があってな…五公主とそちの末息子を早く成婚させたい」小越侯は困惑した。今や都中が五公主の噂でもちきり、そんな中で成婚すれば越氏まで影響を受け兼ねない。しかし皇帝は越氏があえて今、五公主を嫁に迎えることで噂が嘘だと示し、五公主の名誉を守りたいという。小越侯は皇帝の命に背くこともできず拝命するしかなかったが、これが凌不疑の差し金だと分かった。一方、皇太子の想い人だった曲泠君(チューリンジュン)は旧友と積もる話もできないまま慌ただしく宮中を出た。夫・梁尚(リャンシャン)が曲泠君をぞんざいに扱う様子を目の当たりにした五皇子妃は、かつて仲良く遊んでいた友の境遇が気がかりでならない。しかし程少商(チォンシャオシャン)は常識的で誠実だと評判の梁(リャン)州牧(シュウボク)が義兄なら夫人も大丈夫だと安心させた。その頃、梁尚は苛立ちながら曲泠君を連れて城門を出ようとしていた。すると東宮の使いが現れ、辞別の品を届ける。曲泠君は夫の手前、辞退したが、使いは皇太子が別れを惜しんで自ら授けた品だと釘を刺した。そこで代わりに梁尚が化粧箱を受け取ったが、中身が皇太子の手巾だと知るや馬車に乗り込むなり曲泠君に暴行してしまう。走り去る馬車から漏れ聞こえる曲泠君の悲鳴、皇太子妃はその声を城楼で耳にしながらほくそ笑んでいた。そんなある日、凌不疑が長秋宮にやって来た。少商はちょうど皇后や皇太子夫妻と談笑していたが、驚いたことに曲泠君が夫を殺したという一報が入ったという。「廷尉府が捕らえに向かいました、殺めたのは昨日の午の時の頃だとか 曲泠君が食事を届け、その後、刺された梁尚を下僕が発見しました」しかし皇太子が殺したのは曲泠君ではないと断言した。実はその時間、皇太子と曲泠君は紫桂(シケイ)別院で会っていたという。一方、梁府では廷尉府侍郎である袁慎(ユエンシェン)が舅父・梁無忌(リャンウージー)と対峙していた。袁慎は不明な点が多いため廷尉府が遺体と容疑者を預かると決めたが、公にしたくない舅父に邪魔されてしまう。「お前の母も梁家の嫡女だ、母方の名声にも関わる、連行はさせられん」結局、袁慎は伯父に阻まれ断念、改めて人を遣わすことにした。皇太子妃は皇太子と曲泠君が密会していたと知り深く傷ついた。「それほど彼女は魅力的ですか?再会しただけで理性を失わせ、醜聞を引き起こすとは… しかも死人まで出して、とても取り繕えない」皇太子妃は曲泠君が皇太子と復縁するため夫を殺したと決めつけると、ついに皇太子は堪忍袋の尾が切れた。「彼女と会ったのは梁尚から十余年も乱暴されていたからだ 曲泠君の悲惨な境遇もそなたのせいだ!答えよ、余の手巾がなぜ曲泠君の手に?」実は皇太子妃の嫌がらせは今日に限ったことではなかった。皇太子は皇太子妃がこの十余年、自分の名義で梁家に事ありげな品を贈り続けていたことを把握していたという。これでは梁尚が自分たちの関係を疑い、乱暴するのも当然だった。少商は衝撃の事実に驚愕、その時、初めて東宮を訪れた時のことを思い出し、はっとする。あの時、確かに皇太子妃は自分のかんざしを外し、梁夫人に渡すよう指示していた。しかし皇太子妃は原因なら皇太子にあると反発する。「曲泠君にとってこの十余年は生き地獄だったしょう、では私はどうだったと? 枕を同じくしても殿下の心は遠く離れていた…私の心が痛まないとでも思いますか?」「縁は切れたと言ったであろう?!成婚した時に誓った、そなたと余生を歩むと… だかそなたは改めもせず、結果、今に至り、余が好まぬばかりか、宮中の誰にも尊敬されぬ」すると皇太子は皇太子妃に最後の機会を与えた。「望むなら曲泠君のために陛下の前で余と一緒に嘆願するのだ 望まぬのならすぐに消えうせろ!」「…曲泠君はまるで私と殿下の心に刺さる棘のよう あんな女、今すぐ廷尉府の牢に入れられ死ねばいいのよ!絶対に嘆願などしない」皇太子妃は積年の恨みをぶちまけ、皇后に拝礼して長秋宮を出た。その夜、皇太子は父皇に事情を説明し、廷尉府に曲泠君の潔白を証明してほしいと嘆願した。皇帝は臣下の妻と密会していた皇太子に激怒、すぐ廃することもできると怒号を響かせる。「男女が別院で密かに会いながら潔白だと主張して誰が信じるというのだ?! 天下の見本になるべき太子が男女の情などで己の名声を壊すとは!」すると皇后が矢も盾もたまらず、涙ながらに母として子を信じると訴えた。「陛下は父として息子を信じてくださいますか?」結局、皇帝は東宮と天下のために示しをつけるとし、子晟(ズーション)に真相解明を命じた。凌不疑は拝命して寝殿を出た。すると物陰で聞き耳を立てている少商を見つける。ばつが悪い少商だったが、調査に行くなら一緒に行きたいと頼んだ。本当のところ不疑は嫁選びを誤り、自分の首を絞める結果になった皇太子に呆れているという。しかし少商は皇太子の果敢な決断に敬服すると言った。「太子が自分の名誉のために曲泠君の苦難を見過ごせば、それこそ失望するわ …ねえ、行ってもいいでしょう?」「分かった、だがかき乱さないと約束してくれ」「いつ私がかき乱したの?」「いつもだろう?」凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)を引き連れ、梁家の捜査にやって来た。梁州牧と梁尚の同腹の弟・梁遐(リャンシア)が現場となる部屋に案内したが、まだ生々しい血の痕が残っている。不疑は同行した少商を気遣い、曲泠君の様子を見て来るよう頼んで外へ出した。「私は梁州牧に話がある、事は梁府の男全員に関わる…全員に同席してもらおう」その頃、曲泠君は子供たちと引き離され、君姑から容赦ない制裁を受けていた。「お前を打ち殺してくれる!息子の敵討ちだ!」驚いた侍女・幼桐(ヨウトン)は咄嗟に主に覆い被さってかばったが、そこへ少商が駆けつけ止めた。「老夫人、調査中なのに私刑に処すとは…」しかし老夫人は少商が皇后付きだと知り、皇后が息子を助けるため送り込んだと誤解してしまう。「自分の息子は大事で、私の息子は死ねばいいというの?そんな理不尽なことがあると?」老夫人は興奮して再び曲泠君を打ち据えろと叫んだが、その時、袁慎が母を連れてやって来た。袁夫人は早速、長老を呼び集め、嫡女として一族の掟に従い審理を始めた。当時はまだ父の側女だった庶母、寒門の出なのはともかく、狭量で私心しかなく、到底、父の妻とは認められないという。すると老夫人は正妻となっても一族に見下されていたと不満を漏らした。溺愛する梁遐を仕官させたくても一族が推挙してくれず、家主にしようとしても年功序列だと言って機会を与えてくれなかったという。しかし袁夫人はそもそもこんな騒動となった発端は老夫人にあると指摘した。実は老夫人が正妻になったのは梁尚を産んだ時ではなく、梁遐を産んだ時だったという。そのため老夫人は梁尚が庶出だと知られるを嫌って梁遐にばかり目をかけ、そのせいで梁尚は神経質で疑り深い性格に育っていた。「末子に家主を継がせたいから曲泠君の断罪を急いだのね 梁家がなければ甲斐性なしの2人の息子の命など何の価値もないけれど…」袁夫人は聡明な曲泠君がなぜ虐げられても訴え出なかったのか訝しんだ。実は曲泠君は何度か離縁を申し出たが、梁尚から皇太子との醜聞を言いふらすと脅され断念したという。子ができてからも離縁を考えたが、出て行くなら子を置いて行けと迫られ諦めていた。すると袁夫人は事件当日、梁尚に食事を届けたのは誰なのか確認する。「侍女の幼桐です」その頃、凌不疑は梁家の男たちを集め、この中に犯人がいると踏んでいた。女が背後から一太刀(ヒトタチ)で胸を刺し、命を取るのは難しい。しかも梁尚は交友がなく、終日、部屋に閉じこもって金石の彫刻に没頭していた。「彼に恨みがあり、利害を争うのは外部の人間ではない、梁家の者だけだ 本件は太子に関わり、たった1日で都中に広まった 犯人の手際がいいのも呼応する者がいたからだ それに梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧、あなたが真犯人では?」つづく( ゚ェ゚)… ←皇后も所在なさげw
2023.10.28
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第11話)第38話「愛を叫んで」凌不疑(リンブーイー)の企みにより情夫を囲っていたことが都中に知れ渡ってしまった五公主。程少商(チォンシャオシャン)は五公主の噂をわざわざ皇后の耳に入れた皇太子妃に憤ったが、皇后は皇太子妃の胸中をおもんばかった。思えば皇太子妃は五公主から日常的に侮辱を受けており、平静でいられないのも仕方がない。何より寿誕の宴で美しい曲泠君(チューリンジュン)の姿を見れば心中、穏やかではいられないだろう。実は皇太子にはもともと想い人がいた。曲泠君は皇太子妃より家柄や品格に優れ、当時は頻繁に宮中に来て皇太子ら兄妹と遊んでいたという。「2人が想い合っていることは誰の目にも明らかだった ただ陛下が故郷にいた頃に婚約を決めていたの、権力を得た後に破棄すれば信用を失う だから太子は約束通り孫(スン)氏を娶るしかなかった」「太子は約束を守らなければ良かったのに…」「子晟(ズーション)も同じことを言ったわ… 幼いながらも私や陛下にこの縁談は太子にとって害になるとね」しかし結局、皇太子は孫氏を娶り、曲泠君も別の人に嫁いでしまう。「聞くけれどあなたは心から子晟のことが好きなの?」「…好きです、以前は彼のことを天上の明月のような遠い存在だと思っていました でも彼も私と同じように血が通い、喜怒哀楽もある、想いは深まりました」「陛下は子晟が身を固めぬことを案じ続け、余は子晟を理解できる者が現れるだろうかと案じた 子晟があなたを選んだのは正解だったわ」その時、翟(ジャイ)媪(ウバ)が血相を変えて寝所に駆けつけた。「皇后!大変です!十一郎が陛下を怒らせ、杖(ジョウ)刑に処されると…」少商が駆けつけるとちょうど凌不疑が皇帝から叱責されていた。何でも不疑は少商を落水させた八家の息女を突き止め、その父兄を殴打したという。実は皇帝は五公主に加担した息女たちが普段から傍若無人に振る舞っているのではと懸念した。そこで父兄らが権勢を笠に着ていないか調査させていたが、賄賂をもらっていたことが発覚する。すると不疑はこの機会を利用し、廷尉府を無視して自ら制裁を加えていた。皇帝は皇権を乱用した私刑だと激怒、厳しく罰すると怒号を響かせた。驚いた少商は許しを乞うたが、不疑は嘆願なら必要ないと冷たい。「己の罪は己で償う…君と同じように私にも矜持(キョウジ)がある、これが凌不疑だ」少商は自分への当てつけだと気づき、無茶をして婚約を台無しにするつもりかと言いかけた。その時、不疑の口から思わぬ言葉が飛び出す。「辞官して君と隠居したい、君の求める田舎でな」凌不疑の無謀な行動は全て少商のためだった。そこで少商は昨日、自分と言い争ったことが原因だとかばったが、かえって皇帝からなぜ喧嘩ばかりするのかと責められてしまう。「今度、言い争ったら何だ、朕の崇徳(スウトク)殿を襲うのか?!」すると皇帝は罰として杖刑100回後、流刑に処すと命じた。少商は何とか見逃してもらおうと必死だったが、不疑はあっさり拝命すると告げて出て行ってしまう。「ちょ…凌不疑っ!」刑場はちらちらと雪が舞い始めた。少商は皇帝と共に城楼から刑の執行を見守ったが、やがて耐えられなくなり刑場へ降りてしまう。すると知らせを聞いた皇后と越(ユエ)妃が城楼へ駆けつけた。皇后は皇帝の非情な仕打ちに心を痛めたが、越姮(ユエホン)はこれが皇帝の謀だと気づく。実は軍営での杖刑には一見、血みどろに見えても大して支障のない打ち方があった。そうとは知らず刑場に入ろうとした少商は衛兵に止められながら、なりふり構わず叫んでいる。「子晟!誓うわ!2度とあなたと喧嘩しない! いくら私に怒っていても自分の身体を犠牲にしてまで意地を張るなんて馬鹿なことしないで!」そこで皇帝は少商を止めている衛兵の手を緩ませ、子晟に近づかせるよう命じた。少商は執行台へたどり着くと、杖を振り下ろそうとした衛兵を突き飛ばして刑を止めた。「子晟、今後は何事もあなたに相談すると約束するから… これからは真心をあなたに捧げる、私のために馬鹿な真似はやめて、いいわね?」すると少商は思わず凌不疑を抱きしめた。「もうとっくにあなたを愛していた…なぜ気づかないの?」「…今、何と言った?朕は聞こえなかったぞ?!何だって?!」城楼では皇帝が少商の気持ちを確認しようと必死だった。しかし越姮は聞こえずとも見れば分かると呆れる。安堵した皇帝は刑の中止を命じたが、皇后は皇帝のやり方に反発して帰ってしまう。凌不疑は幼い頃に過ごした長秋宮で静養することになった。夜になっても不疑が心配で落ち着かない少商、しかし皇后は医官がついているとなだめる。「翟媪に安神薬を用意させたわ、ずっと泣き続けて声も枯れたでしょう? 薬を飲んで早く眠りなさい」しかし少商は矢も盾もたまらず、こっそり不疑の部屋へ行ってしまう。不疑は少商の姿を見ると嬉しそうに身体を起こした。負傷した割には元気そうな不疑、少商は思えばあの時、子晟があまりにあっさり皇帝の罰を拝命したことに気づく。「負傷したのは芝居なの?」「なぜ芝居だと?」「私が心を傷めれば目的を果たせる」「…少商に心を痛めてもらえるなんて、こんな幸せはない」少商は子晟が愛しくなり、おでこに口づけした。すると2人は見つめ合い、自然と顔を近づけて唇を重ねる。「こんなことは成婚まで待つべきか?」「それは私の台詞でしょう?」少商は子晟に笛を吹いて聴かせた。すると不疑は灯会(トウエ)で初めて少商の顔を見た時のことを思い出す。「あの時も今のように君は美しかった」「だったらなぜ後日、会いに来なかったの?」「あることを遂げるまで娶る決断ができなかった」「一目見ただけで娶ると?」「一目で十分だ…一度、見ただけで分かった、余生を共にするのは君だけだとね」「この先、欺かれない限りこの少商、あなたを裏切らないわ」こうして何度もぶつかり合いながら愛が深まった少商と不疑。その頃、曲陵(キョクリョウ)侯府では蕭元漪(シャオユエンイー)がなかなか戻ってこない嫋嫋(ニャオニャオ)に苛立っていた。少商は皇后から賜った外套を母に届けたが、蕭元漪は皇后に懐いてすっかり母を忘れた娘からの贈り物に見向きもしない。程始(チォンシー)は思わず失笑し、会えなくなると気がかりになるのかと揶揄した。「夫人、嫋嫋は凌不疑と一緒になってから、さほど問題は起こしていない」「そうね、誰が予測できた?凌不疑の方が嫋嫋より常軌を逸しているなんて…」凌不疑が報復した八家のひとりは御史中丞だった。皇帝は不疑が乗り込んでめちゃくちゃにした御史台の修理を命じたが、不疑はこの機に乗じて15年前の越氏の軍報を持ち出すことに成功する。すると予想通り軍報には戦馬の損傷は記載されていなかった。「恐らく兵の死因も瘴気ではない、小越侯は嘘をついている」しかし証人の軍医が死んで韓武(ハンウー)も殺され、当の小越侯は狡猾でなかなか尻尾を出さない。「奴がボロを出さねば…仕向けるまでだ」つづく( ˘ω˘ )さすがに真心うんぬんはもう飽きてきた…それにしても今回は上手い人が多いね~
2023.10.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第10話)第37話「報復の流儀」程少商(チォンシャオシャン)は池に落ちてびしょ濡れになった五皇子を長秋(チョウシュウ)宮で着替えさせることにした。五皇子は誰かに見られたらあらぬ誤解を受けると心配したが、嫌な予感は的中する。「あらあら、本当に皇兄と程娘子が密会していたのね~」五公主の勝ち誇った顔を見た少商はこれが五公主の仕業だとすぐに分かった。五公主は父皇と母后の前で五皇子と少商を追及した。焦った五皇子は五公主の取り巻きから鏡心(キョウシン)池で佳人が待っていると聞いたと訴えたが、肝心の証人の姿がない。少商も池に落ちた五皇子を助けただけだと釈明したが、五公主はそんな言い訳を誰が信じるかと鼻で笑った。「ごぅら(够了)っ!」皇后は思わぬ騒ぎに不快感をあらわにし、宴に戻らず長秋宮に帰ってしまう。皇帝は祝宴を台無しにされ怒り心頭だった。しかし皇后の寿誕に免じて今日のところは不問に付すという。こうして一同が引き上げ、五皇子も逃げるように帰って行った。すると凌不疑(リンブーイー)がやっと少商に声をかける。「大丈夫か?」「私を信じる?」「もちろん」「よかった、私は皇后のところへ行くわね」少商はそれ以上、何も言わずに急いで戻って行った。皇后は結局、寝付けないまま朝を迎え、付き添ってくれた皇帝を見送りに出た。するとまだ夜が明けたばかりというのにどこへ出かけていたのか、少商が長秋宮に戻ってくる。「少商、宴の準備で大変だったわね…早く支度して家に帰りなさい」「ありがとうございます、陛下、皇后」その時、五公主が凄まじい剣幕で長秋宮に乗り込んできた。「程少商!殺してやる!」五公主はなぜかびしょ濡れで、全身が真っ黒に汚れていた。五公主は息女たちと飲み明かし、朝方に瓏園(ロウエン)へ戻った。しかし息女が扉を開けた途端、仕掛けてあった桶が飛び出し汚水をぶちまけ、さらに勢いよく放たれた荊が身体を打ち、最後には灰を浴びせられたという。五公主は全て少商の仕業だと訴えたが、皇后は証拠がないと退けた。これに五公主は憤怒、なぜ娘ではなく少商の肩を持つのかと嘆く。そこへ越(ユエ)妃が現れた。「母后の干渉を嫌がって公主府で悠々自適に暮らし、孝行することもなかったくせに 何を今さら…」越姮(ユエホン)は自分の瓏園で起きた騒ぎのため座視できないという。すると五公主は日頃の越妃への鬱憤が爆発、暴言を吐いた。「母が皇后だと忘れている!四六時中、父皇と睦み合い、長秋宮を…」その時、越妃が五公主を平手打ちした。「私を叩いたわね…ワナワナ」「母親の寿誕の宴で程少商を陥れたのよ?ぶたれて当然では?」「嘘よ!証拠があるの?!」「あるとも!」凌不疑が五皇子を池に誘い出した息女を連行した。すでに息女は全て五公主の所業だと白状したという。「五公主は我が新婦が池に行くと知り、五皇子を誘い出して彼女の名声を辱めようとしました」しかし御前に突き出された息女は恐怖のあまり、証言する前に気絶してしまう。五皇子は全て五妹の指示だったと告発した。これに激怒した五公主は兄である五皇子を″雑種″呼ばわりしてしまう。「父皇、私は長秋宮の嫡出、なぜ卑しい者の言葉を信じるのですか?!」皇后は傍若無人な娘の姿に唖然とし、全ては自分の過ちだと嘆いた。「余は若い頃、苦労を重ねた分、子には楽をさせたかった…まさかここまで思い上がるとは… 兄弟への情がなく、越妃に不敬を働き、父皇も尊ばない しかも余の寿誕の宴で少商を陥れるなんて…誰かっ!」驚いた五公主はひざまずき、悪いのは何の因縁もない自分に報復した程少商だと訴えた。しかし五皇子が因縁ならあるとばらしてしまう。「先日、息女たちと程少商を池に落としたくせによく言うよ」何も知らなかった凌不疑は驚愕、少商がまた独りで行動を起こしたと知った。少商は自分が罠を仕掛けたと認めて謝罪した。確かに五公主に池に落とされたが、皇后の寿誕の宴を目前に控えていたため、終わるのを待って報復したという。「池に落とされたから汚水をかけ、宴をぶち壊しにしたから″荊の杖を背負う罰″を負わせたのです 五公主、少しは目が覚めました?…どうやら無駄だったようですね」「程少商っ!こんなことなら毒蛇を放って殺しておけば良かった!(はっ!)」激情に駆られた五公主はうっかり口を滑らせたが、開き直って武将の娘など死なせれば済むことだと言い放った。「公主の私が殺すのは蟻を潰すも同じ、彼らの命に価値はない! 父皇、母后、娘ではなく他人に味方するのですか?!」「…お前はどうかしている、どうかしているぞ!」増長した五公主の悪辣な行動は皇帝と皇后の逆鱗に触れた。皇后はすぐに消えろと叫び、怒りのあまり卒倒してしまう。そこで皇帝は五公主を皇陵に閉じ込め半日ほど反省させるよう命じ、今後は許可なく公主府を出るなと厳命した。皇帝は人払し、皇后を心配して寝殿に入った。すると越姮が引き上げようとした駱済通(ルオジートン)を引き止める。「五公主は帝后が罰する、では密会だと騒ぎ立てた春笤(チュンティアオ)は?」「心ある奴婢を留めて置くことはできません、父兄に頼んで辺境へ売ってもらいます」「ふっ…あなたを侮っていたわ、これほど果敢だったとはね」凌不疑は少商を連れて長秋宮を出た。「あの夜、泣いていたのは辱められて悔しかったからだったのか…いつまで隠すつもりだった? なぜ自分だけで動く?私が信じられないのか?」不疑は縁談が決まった時、これからは少商の後ろ盾となり、知己となって、少商の恐怖や孤独を共有しようと思っていたという。しかし結局、少商にとって自分は恐れ多く、近づきがたい存在のままだった。「楼垚(ロウヤオ)なら君は怯えずに済み、自由気ままでいられた だが私は君を宮中に閉じ込め、恐れを抱かせてしまう…嫌悪感すらも…」不疑は今さらながら少商を留めるべきではなかったと後悔し、独りで行ってしまう。「凌子晟(ズーション)!私は一匹狼、やられたらやり返す!そんな私が好きなのよね?! なのになぜ急に変われと強いるの?!私は程少商よ!凌子晟の新婦というだけじゃない!」すると不疑がふと立ち止まって振り向いた。「分かっている、そのままでいい」少商は皇宮も不疑も受け入れているつもりだった。…それなのになぜこのままの私を受け止めてくれないの?…少商は長秋宮に戻り、改めて皇帝と皇后に謝罪した。すると自分がめちゃくちゃにした瓏園を凌不疑がすでに配下に命じて修復させたと知る。驚いた少商は自分で責任を取ると言ったが、その時、ふせっていた皇后が身体を起こした。「少商、子晟があなたの未婚夫なら余と陛下はあなたの君姑(クンコ)であり君舅(クンキュウ) 誰かに陥れられたのに相談もせず自分で動くとは… 私や陛下を親とも思わず、子晟に愛も注がぬのなら、皆の心を失望させるだけよ?」「…もっと早く教えてくださればいいのに、今さら手遅れです(ボソッ」少商は思わず恨み言を漏らしたが、皇帝は不疑への真心を学ぶことなら今からでも間に合うと諭した。一方、凌不疑は五皇子を待ち伏せし、少商を池に落とした息女たちを全て教えるよう迫った。すると不疑は宮中にいる息女の父親を次々と捕らえ、引き回しの刑にしてしまう。「世に知らしめなければならぬ、これが我が子を躾けぬ親の末路だとな」その夜、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は皇帝の命で五公主を公主府まで送り届けた。しかし五公主に反省の色は見えず、父皇と母后の容赦ない罰もしょせんは自分を怯えさせたいだけだと侮っている。その余裕も屋敷に入るまでだった。前庭には公主をそそのかして愚行たらしめた罪により死を賜った幕僚たちの亡骸が並んでいる。五公主はようやく自分の過ちの大きさに気づき、その場で泣き崩れた。五公主の″情夫″に死を賜るよう上奏したのは凌不疑だった。そのせいで都中に五公主が情夫を囲っていたと噂が広まり、小越侯は将来の君舅として面目丸潰れとなる。怒り心頭で酒楼に閉じこもった小越侯、すると番頭の田朔(ティエンシュオ)が現れ、いずれ吉報が届くとなだめた。「三皇子は品行方正で厳正中立、陛下も絶賛しておられるとか 君子とは真っ直ぐで邪のない者、三皇子は天子になる運命かと…」「…だが太子という邪魔者がいるかぎり、吉報が届くのは無理だろうな」皇太子と皇太子妃は母后を見舞った。すると皇太子妃が五妹の悪い噂が都に広まっていると報告、皇太子と少商は眉をひそめる。「…母后、どうか気に留めないでください」皇太子は五妹も少しずつ改めるはずだと安心させたが、皇太子妃は罰してこそ教訓になるため溺愛は禁物だと諫言した。「儲妃、少し遠慮しては?良かれと思っても、その言い方は人を不愉快にさせるだけ 慈悲深い皇后は怒りませんが、もし越妃だったらどうなると?」見かねた少商が釘を刺すと、皇太子妃は気まずくなって口をつぐんだ。皇太子妃は東宮に戻ってから皇太子に叱責された。いくら五妹と確執があるとは言え、父母が娘のことで胸を痛めている時に火に油を注ぐなという。皇太子妃は失言を詫びたが、皇太子はあきらかに悪意があったと指摘した。すると皇太子妃は報復するとすれば相手は五妹ではなく、我が子を死なせた曲泠君(チューリンジュン)だという。「曲泠君と殿下が怪しい仲でなければ、私も体調を崩して子を失いませんでした… 彼女は宴であなたに何度か視線を向けた、それだけでこの数日、殿下は心ここにあらずです」皇太子妃はそもそも自分を娶ったのが間違いだと嘆いた。曲泠君に未練があるなら入内(ジュダイ)させて良娣(リョウテイ)に封じれば自分も苦しまずに済むという。皇太子は疑心暗鬼に陥った皇太子妃を持て余し、無益な争いは好まないと言い捨て出て行った。つづく( ゚ェ゚)え?また振り出しに戻るの?ってか今さら阿垚を持ち出すとかエェェェ…そもそも不疑ソックの不具合が原因なのに…w
2023.10.22
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第9話)第36話「負けず嫌いの涙」凌不疑(リンブーイー)は宮中に留まる程少商(チォンシャオシャン)を気遣い、曲陵(キョクリョウ)侯府から少商の荷物を運び込んだ。少商は届いた荷物を見ると家が恋しくなる一方だとぼやいたが、皇后は単に宮中での暮らしが窮屈なだけだと見抜く。思わず顔を見合わせて失笑する皇后と少商、しかしそこへ五公主が現れ、寝殿のなごやかな空気は一変した。五公主は珍しく殊勝な様子だった。「どんな貴重な礼品も父皇と母后の権勢を借りて得たもの そこで自ら舞人を招いて演舞を編成し、長く練習しました」「母后はあなたの孝心を知っているわ」少商の前で褒められ得意げな五公主、しかし喜んだのも束の間、母后から弘農(コウノウ)郡で広大な田畑を荘園にしたことを咎められてしまう。「でも放置されている荒れ地です 荘園にして水路を開き流民に開墾させれば、食糧も増え、民も安心かと…」「天下は王の領地ゆえおのずと開墾する民もいる、心配には及ばない」しかし五公主は少商のすることには援助しても自分は叱責されると恨み言を漏らした。皇后は少商なら自腹であり私欲でもないと呆れ果て、話をそこで終わらせてしまう。病み上がりの皇后は五公主が宴に招いた世家の息女たちが煩わしく、越(ユエ)妃の永楽宮へ預けることにした。少商は駱済通(ルオジートン)と一緒に五公主たちを瓏園(ロウエン)まで案内することになったが、庭園の橋を渡っている時、五公主の取り巻きに突き飛ばされて池に落ちてしまう。すると五公主は少商を怖がらせようと池に蛇を投げ込ませた。驚いた少商は必死に逃げ惑いながら岸に上がったものの、足首をかまれてしまう。蛇には毒がなく少商は無事だった。五公主はびしょ濡れのまま逃げるように長秋宮へ戻った少商の姿を見て溜飲を下げ、駱済通に口止めしておく。「嫁ぐ前に公主を怒らせて騒ぎを起こせばどうなるかしら…」思わず口ごもる駱済通、その時、物陰から音が聞こえた。「何の音?!出て来なさい!」全てを見ていた五皇子は申し訳なさそうに姿を現したが、嫡子の五公主には頭があがらない。五公主も父皇が過って宮人に産ませた五皇子など歯牙にも掛けず、余計なことは言うなと釘を刺しておいた。少商が湯浴みから上がる頃にはすでに夜になっていた。すると急に凌不疑が訪ねてくる。「宮中なら昼夜、会えると思ったが、君はずっと忙しくて差し入れも使いをよこす 以前よりも会うのが難しくなるとはな…それで今夜はどうにも恋しくなって会いに来た」少商はかろうじて笑みを浮かべたが、涙があふれそうになって背を向けた。「今や朝堂では誰もが私を羨む、賢恵な女子を妻にできると… 陛下すらも君が賢く有能だと褒めた、長秋宮を見事に差配しているとね 君は誰かに尽くすと決めたら全身全霊でその人のために献身する、たとえ自分が辛くても…」不疑の称賛の言葉を聞いた少商はかえって悔しさと惨めさが募り、ついに泣き出した。「嫋嫋(ニャオニャオ)?どうした?」少商は思わず不疑に抱きつき、泣きじゃくってしまう。驚いた不疑は少商を強く抱きしめながら理由を聞いたが、少商は家が恋しいだけだと嘘をついた。凌不疑はそれ以上、追求しなかった。その代わり少商を抱き寄せる口実に、背中にある急所・命門(メイモン)の場所を教える。「…他に教えられることがある?例えば誰かに虐げられた時、応戦する方法よ」「私がいる、誰も虐げない」「でもいない時は?!」「何を学びたい?」「こんな風に後ろから押されたら?」少商が不疑の背中を押そうとすると、不疑はあっさり避けて少商の腕をつかんで見せる。「じゃあこうしたら?」すると不疑は攻撃を華麗にかわし、少商を捕まえて寝台の上に押し倒した。「どうだ?」「…使えるのは手一本よ」「はお」不疑は片手だけでも軽々と少商の手を封じてしまう。「手一本も使わないで」そこで不疑は両手を使わず、少商に覆い被さった。思いがけず唇と唇が触れ合いそうなほど接近してしまう2人…。少商は恥ずかしくて視線をそらしたが、その時、不疑が少商の手を取って自分の背中に回した。「この先、私の命門は君に託した…嫋嫋、何が起きたんだ?」「…ひとつお願いがあるの」「君が望むなら全て叶える」皇后の寿誕を祝う宴、少商は見事に取り仕切って見せた。最初の余興は意表をついて凌将軍が琴を披露、実は不疑は皇帝に頼まれても腕が鈍っているからと断り続けて来たという。どうやら不疑を弾かせる気にさせるのは少商だけらしい。次に三皇子がちょうど皇后の寿誕前に封土で新たな鉱脈を発見したと報告した。「これも母后の福がもたらしたものでしょう」皇帝が上機嫌になったところで今度は皇太子と皇太子妃が西域で購入した玉麒麟(ギョクキリン)一対を献上した。しかし皇太子妃がうっかり銀銭をつぎ込んだと口を滑らせ、失笑を買ってしまう。倹約を推奨する皇帝の前での失言に顔を引きつらせる皇后と皇太子、その時、少商が助け船を出した。少商は皇太子妃の隣にひざまずき、皇太子からの祝いは他にもあると上奏した。実は今日の酒は皇太子が西域から取り寄せた種から実った果実で作ったという。「果実酒なら浪費にならず存分に飲めます」また料理も皇太子が求めた胡桃の油を使っていた。「胡桃は腹持ちするため欠かせぬ食物なのです、太子に感謝します」少商の機転で皇太子は面目を保ち、皇帝も民の心が分かる皇太子だと喜んで褒賞を授けた。安堵して席に戻った皇太子、しかしふいに向かいの席にいる想い人に気づく。2人はしばし見つめあったが、それを見た皇太子妃は激しい嫉妬に苛まれた。五公主は二公主と駙馬(フバ)が奏でる音楽に合わせて群舞を披露した。しかし人数が多すぎたせいか途中でぶつかり合い、転んでしまう。皇帝は意気消沈する小五を慰めるため褒美を出すと言ったが、宴席は何とも言えない微妙な雰囲気に包まれた。凌不疑と少商からの祝いの品は書簡だった。皇后は献上された書簡を早速、開いてみると、それが亡き父が記した詩文だと分かり、思わず涙ぐむ。宣(シュエン)太公は詩文を好んでいたが、記した詩文を惜しむことなく友に贈り、屋敷には書簡が残っていなかった。「…父の墨宝は2度と見られないと思っていたわ」皇帝は心がこもった礼品だと感激し、皇后も子晟(ズーション)と少商が自分を心から気にかけていることを知っていると感謝した。宴席で並んで座る凌不疑と少商はすでに夫婦のように仲睦まじかった。皇帝はそんな2人の様子を見て目を細めたが、袁慎(ユエンシェン)や駱済通は内心、穏やかでない。そうとは知らず、少商と不疑は同じ杯の酒を分け合いながら飲んでいた。その時、少商は不疑の右薬指に巻いた包帯に気づき、琴の練習のせいかと尋ねる。しかし不疑はなぜか黙ったまま何も答えなかった。少商はふいに昨夜、不疑が自分を押し倒した時のことを思い出し、何とも言えない愛おしさが湧き上がる。すると少商は衝動的に不疑の横顔に口づけし、照れくさそうに宴席を出て行った。駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は五公主が取り巻きの娘を呼んで悪巧みしていることに気づいた。すると令嬢が早速、五皇子に何やら耳打ち、五皇子は千鳥足で宴席から出て行ってしまう。春笤はこっそりあとをついていくと、五皇子が庭園で少商を待ち伏せしていた。五皇子は酔った勢いで少商にちょっかいを出そうとしたが、少商は凌不疑を真似て五皇子の腕をつかむと池に落としてしまう。「俺は泳げないんだぞ!助けてくれ!」しかし少商は泳げなくても岸へたどり着けることを知っていた。すっかり酔いが覚めた五皇子は激怒、少商の悪辣さは凌不疑と同じだと批判した。実は五皇子は幼い頃から凌不疑にいじめられていたという。「奴は陰湿で必ず報復する、手段も選ばない、そなたとお似合いだな!冷酷で無慈悲だ!」出自のせいで卑屈な五皇子は少商まで軽視すると嘆いたが、少商は五皇子が独特な見解を持っていると知っていた。「五皇子は異国の風土の話がお好きだとか? …朝堂に無益と知りながら探求しようとするのは純粋な心からです 誰にも称賛されないからって何です?自分が好きならそれでいい その点で私と五皇子はよく似ています」「…そこまで言うならもう難癖はつけまい」「はお、では今日から私たちは友ですね」駱済通はせめてもの思い出に凌不疑と別れの杯を交わしたかった。そこでちょうど少商が席を離れた隙に凌将軍に声をかける。「北西に嫁いだら今度はいつ会えるか…私から将軍に一献を…」すると春笤が慌てた様子で戻ってきた。「大変です!…五皇子と程娘子が鏡心(キョウシン)池で密会しています!」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 にゃおにゃお〜それにしても3も5も声が上手いわ、意地悪だけどw
2023.10.16
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第8話)第35話「月と星の関係」袁慎(ユエンシェン)は程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)の婚約の宴から追い出される汝陽(ジョヨウ)王妃と城陽(ジョウヨウ)侯夫人を目の当たりにした。「程娘子の婚約は慶事と言えなくもないが、汝陽王にとっては大慶事だな…」「″言えなくもない″って何よ?」少商は回廊にいた袁慎の失礼な物言いを聞き逃さなかった。「そんなに嫌味ったらしいのは嫉妬しているから?前の縁談が潰れてもすぐ次が決まった 善見(シャンジエン)公子なんて子晟(ズーション)と同年代なのに妻もいない 今日は世家の娘が大勢来ているから私が取り持ってあげましょうか?」すると憤慨した袁慎は低俗だと言い捨てて行ってしまう。万松柏(ワンソンバイ)が凱旋、匪賊を討伐して無事に人質だった王隆(ワンロン)を解放した。事情を聞かれた王隆は、持ち場を勝手に離れたのも父・王淳(ワンチュン)の軍令に従ったからだと釈明したという。皇太子は自分が慎重に調査すると申し出たが、その時、廷尉(テイイ)府・紀遵(ジーズン)が自分たちに任せて欲しいと嘆願した。「善見、陛下にご挨拶を…」仕官した袁慎は御前で拝礼し、見解を述べようとした。すると凌不疑が話を遮り、実は昨夜のうちに調査を済ませたという。実は王隆への軍令は文修君(ウェンシウジュン)が夫の文として偽造し、印章も偽物だった。しかも文修君は寿春(ジュシュン)にいる弟・小乾安(ケンアン)王を援助するため、銭の鋳造をそそのかしたという。皇帝もこれ以上かばい立てできず、文修君の封号を剥奪して自害を命じ、また王父子は官位を剥奪され庶民に落とされた。朝議が散会した。すると朝堂を出た凌不疑に少商からの差し入れが届く。何とも微笑ましい様子に紀遵は目を細めたが、袁慎は内心、面白くなかった。「善見、お前もいい年だ、身を固めないのか?」「縁談に興味はありません」↓善見ザマアァァァwww王姈(ワンリン)は長秋(チョウシュウ)宮へ駆けつけ、皇后に母の命乞いを続けた。しかしちょうど母の見舞いに来ていた五公主が現れ、立ち去らなければ宮廷を騒がせた罪で打ち据えると脅す。驚いた少商はそこまでせずとも自分が追い払うと約束し、王姈を助けた。「死にたくなければ黙って…事は重大よ、私たちでは何もできない」その夜、少商は寿春料理を作って皇帝に届けた。皇帝は舌鼓を打ちながら老乾安王を懐かしんだが、少商が遠回しに嘆願に来たと見抜く。すると少主は嘆願が皇后のためでもあると言った。「皇后は乾安王に養育されました 文修君がどれほど横暴で不敬な態度でも耐えて来たのは、ひとえに故人を偲んでのこと 文修君が死を賜ることになり、皇后はまた病に伏されました、きっとお辛いはずです」皇帝は子晟からも同じことを言われたと明かした。老乾安王は霍(フォ)兄のために亡くなり、文修君と弟はその乾安王が残した唯一の血脈だという。「…いいだろう、幸いひどい事態は招いておらぬ、死は免じよう」 王姈は彭坤(ポンクン)へ嫁ぐことが決まり、その前に生涯軟禁となった母を訪ねた。夫や娘を顧みず大罪を犯した母、しかし未だ過ちを認めず、気概がない娘を引っ叩いてしまう。すると王姈はついに母を見限った。「阿母、舅父は陛下への書状で全ての罪を阿母に着せたわ 自分は貨幣のことも知らず、軍を動員したこともないと… 最初、陛下は自害を命じた、でも皇后に免じて監禁に留めてくださったのよ」結局、文修君は自分が守ろうとした弟に裏切られ、恨んでいた相手に命を救われることになった。それでも文修君は弟をかばい、全ては大局を考えてのことだと訴える。王姈は哀れな母に深くし失望し、寿春へ行ったら毎日、皇帝と皇后のために祈ると言った。「あなたは永遠に実現しない夢を見ながら、この部屋で一生、過ごすのね」五公主は病み上がりの母后を訪ね、寿誕の宴を自分に任せて欲しいと頼んだ。父皇は少商を指名したが、母后から推薦して欲しいという。しかし皇后は娘が宴の予算に目をつけ、自分の懐を潤すつもりだと分かっていた。五公主は悪びれる様子もなく、幕僚たちを養う元金が必要だと訴える。その時、どこからともなく甘い匂いが漂って来た。「(クンクンクン…)何の匂いですか?」少商が新しい甘味を作っていると、皇后と五公主が様子を見にやって来た。「また子晟に食べ物を?」実は大臣たちも少商が子晟の馬車に差し入れを運ばせているのを目撃し、今や賢妻と評判になっているという。「でも孝行者とは聞かないわね~」皇后が遠回しに嫉妬すると、少商は今回の試作が皇后のためだと教えた。早速、試食した皇后は甘くて美味しいと笑顔、そこへ皇帝が凌不疑を連れてやって来る。「…誰かさんは朕より皇后を喜ばせられるようだな」少商は皇帝にも新しい甘味を勧めた。飴糖(イトウ)は高価なため甘蔗(カンシャ@サトウキビ)を絞り、小豆と糖汁を煮詰めたという。すると少商は五公主を尻目に不疑にも甘味を渡した。「ご安心を、甘蔗は自腹で買いました、皇后を喜ばせるため一文なしです、ふふふ~」「そなたは孝行者だな、子晟、お前の新婦は出来がいい」皇帝は喜んで不疑に食邑200戸を授けたが、少商はなぜ自分ではなく不疑が褒美をもらえるのか分からなかった。↓(๑・᷄ὢ・᷅๑)何でなん?五公主は娘の自分を差し置いて父皇と母后に寵愛される少商が面白くなかった。すると帰りの道すがら回廊で偶然、駱済通(ルオジートン)と出くわす。「あなたは私の伴読を務め、翟(ジャイ)媪(ウバ)を支えて宮中の雑務を行って来たわ でも母后は差配を程少商に任せるそうよ? …母后はあなたを十一郎に与えると思ったのに、まさか先を越されてしまうなんてね~」駱済通は寛容な対応を見せたが、内心は少商に激しく嫉妬していた。その気持ちを見透かすように侍女の春笤(チュンティアオ)は皇后の寵愛があっさり少商に移ったことに不満を漏らす。しかし何にせよ誰が皇后の意向に異論を唱えられるというのか。その夜、少商は皇后に今日の皇帝の褒賞について尋ねた。「陛下は私を褒めたのに、子晟に褒美を与えました… 200戸が惜しいわけではなく、私の出来が良かったのになぜ子晟の手柄になるのですか?」すると皇后はかつて楼(ロウ)家で少商が皇帝から表彰されたのは子晟が願い出たからだと明かした。当時、子晟は自分の褒賞を求めず、少商が楼家で見下されぬよう嘆願したという。何も知らなかった少商は驚いたが、ただ周りから子晟の妻としか見られず、自分自身がないことに納得できなかった。皇后はならば皇帝の麾下(キカ)である将士や大臣たちなど自分の居場所すらなくなるという。「良策を立て戦に勝利しても陛下の領土を広げただけ、自分たちとは何も関係ない 策が悪く、破れれば陛下の落ち度になる…でも古(イニシエ)よりこの満天の星の下では 合従(ガッショウ)や連衡を唱えて来た名将や策士も同じ星の河に名を連ね、明るくその輝きを放つ…」皇后は孤独に育った少商がこれまで自分の栄辱ばかり考えて来たが、成婚すれば別のやり方が必要だと諭した。「…皇后の言うとおりです、郎君が陽光で万里を照らすなら、私たち女は明るい星、星河に輝く」少商は日月と星河に高低は関係なく、互いが欠かせない、共存することでこの天地を成すのだと理解した。程家では一家が宮中から戻らない嫋嫋(ニャオニャオ)を恋しがっていた。嫋嫋がいない食卓は火が消えたようだったが、老夫人だけは気にかける様子もなく食欲が落ちることもない。すると朝餉の時間というのに突然、凌不疑が尋ねて来た。実は少商が皇后の寿誕の宴を仕切ることになり、皇帝に命じられて宮中に留まることになったという。「宴が終われば帰れるかと… それで少商が暮らしに困らぬよう、使い慣れた小物を取りに伺いました」程始(チォンシー)は了承したが、凌将軍は全ての荷物を運び出し、少商の部屋は空っぽになってしまう。つづく( ゚ェ゚)そしてまた独り消えた…ようやく原題の意味が出て来ましたね
2023.10.14
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第7話)第34話「役者揃う婚約の宴」婚約前に程少商(チォンシャオシャン)を母に会わせた凌不疑(リンブーイー)。しかし急に錯乱した霍君華(フォジュンホワ)から激しく手を噛まれてしまう。少商は中庭で手当てしながら、不疑がなぜ冷酷無情で親不孝と噂されても城陽(ジョウヨウ)侯と夫人を嫌うのか分かった。「子晟(ズーション)、あなたは無情なんかじゃない… それに心配しなくても阿母(アームウ)のそばには優しい叔父(シューフー)がいるじゃない」その叔父とは崔祐(ツイヨウ)将軍だった。実は将軍は霍君華を娶ると心に決めながら、母親に成婚を強いられて諦めたという。結局、夫人は難産で亡くなり、程なくして霍君華も凌益(リンイー)から離縁された。「それで崔叔父は誓ったのだ、後添えは取らず、母のために独り身を貫くと…」「そんな一途な郎君がいるのね…その篤い情義は万金でも代え難い」「少商、君への情義もかくの如しだ」不疑は今後、頻繁に母に会う必要はないと安心させた。しかし少商は未来の君姑(クンコ)に覚えてもらえるよう杏花(キョウカ)別院を訪ねたいという。不疑はそんな少商の気遣いが嬉しかった。すると少商はこれから宮中への送迎なら不要だと断り、代わりに自分が早起きして宮門で落ち合おうと提案する。「だがそれでは君が早起きしないと…」「皇后の前で居眠りすればいいわ」「私のために支障が出たら…」「心は2つに割れない、宮中の任務だけに捧げるか、あなたに捧げるか、あなたが選んで」「私に捧げてくれ」不疑はそんな少商が愛しくなり、明日にでも婚約の宴を開きたいと言った。「いいわ」「ふっ、ちょっとからかっただけだ、さすがに宴の準備には最低でも3日はかかる 早く当日になって欲しい、婚約すれば安心できるよ」「安心?どうかしら、以前も大勢の人を招いたのに、結局、縁談は…」その時、突然、不疑が少商に口づけした。「もし耳障りな話をしたら、また口を塞いでやる」( *´꒳`* )ふふふ… ←勝手に参加している気分w屋敷に戻った少商は婚約の宴が3日後に決まったと報告した。蕭元漪(シャオユエンイー)や程姎(チォンヤン)は慌ただしすぎると難色を示したが、少商は全て凌不疑に任せれば大丈夫だと太鼓判を押す。すると耳ざとい城陽侯夫人・淳于(チュンユー)氏が早速、曲陵(キョクリョウ)侯府にやって来た。淳于氏はすっかり態度を軟化させ、婚約の宴について相談したいと切り出した。どういう風の吹き回しかと思えば、礼品として少商に2人の侍女を贈るという。「城陽夫人って面白い人…ふふ 私が子晟の寝所も触っていないうちから美しい侍女と夫の寝所を享受しろと?」淳于氏の魂胆は見え見えだった。呆れた少商は城陽侯夫人が姉も同然だった霍君華から夫を寝取ったと言い放ち、淳于氏は激怒して帰ってしまう。蕭元漪は娘がわざと城陽侯夫人を挑発したと分かった。しかし凌不疑の実母でなくても名義が立つため、家に面倒を招くかもしれないと嫌味を言う。侍女・蓮房(リエンファン)も未婚妻が婚約の宴で門前払いされたら笑い物になると心配した。「阿母、昨日、霍夫人に会いました、あの人のせいで子晟母子は苦しんでいます 私は横恋慕が大嫌い、あんな人におべっかは使えません …見てなさい、どちらがどちらの家で門前払いされるか」婚約の宴の当日、淳于氏は少商に凌府の敷居をまたがせまいと意気込んで出かけた。しかし婚約の宴が行われるのは曲陵侯府、しかも招状を持っていなければ入れないと知る。その頃、曲陵侯府にはすでに多くの招待客が集まっていた。凌不疑の姿はまだなかったが、その時、蓮房が宴席にいる女公子の元へ駆けつける。「凌将軍から伝言です、すぐ着くので焦らなくて良いと、それから… ″今日、誰に会い、何が起きても怖がらず、好きなだけ啖呵を切れ″と…」少商は何のことか分からなかったが、その意味をすぐ知ることになった。曲陵侯府に袁慎(ユエンシェン)の馬車が到着した。従者は賑やかな場所を嫌う主がなぜ他人の婚儀の見物に来たのか分からなかったが、袁慎は師匠として弟子を苦海から救いに来たという。「この世で人を溺れさせるのが成婚、このまま危険に飛び込ませられぬ」公子の屁理屈に呆れる従者、その時、ちょうど汝陽(ジョヨウ)王妃が淳于氏を連れて曲陵侯府にやって来た。門衛は招状を確認しようとしたが、王妃の侍衛に追い払われてしまう。「…これで私が手を出すまでもないな、ふっ」宴席に汝陽王妃と淳于氏が乗り込んできた。汝陽王妃は少商を見つけるなり跪けと命じ、未来の君姑である淳于氏への無礼を罰するという。しかし少商は拒否、蕭元漪と万萋萋(ワンチーチー)が咄嗟に盾となって少商を守った。「君姑なら2日前にお会いしました、今は杏花別院で療養中です 今日、来た君姑とはどなた?…ああ~外従兄の寝床に入り込んだ人のこと?」「何て言い草なの?!しかと指導してやらなくては…誰が私を阻めると?!」「叔母(シュームウ)?…余(ヨ)が阻むと言ったら?」その時、皇后が現れた。↓( ๑≧ꇴ≦)アルソック皇后!少商は皇后の顔を見ると自然と笑顔になった。その様子を見た蕭元漪は2人の間に深い絆があると気づき、何とも複雑な気分になる。「今日は子晟と少商の婚約を祝いに来ました 程伯夫人、他に静かな場所はある?ここでは客人たちの興を削いでしまうわ」「はい、ご案内します」「叔母、城陽侯夫人(フーレン)、行きましょう…少商、あなたもよ?」「はい」蕭元漪が偏殿を出ると戸が閉まった。程家も客人たちも露台に集まり固唾をのんで見守ったが、その時、皇帝が越(ユエ)妃や凌不疑を連れてやって来る。慌てて平伏する程家と客人たち、すると皇帝は礼を免じて偏殿に入った。汝陽王妃は皇帝に程少商の無礼を告発、放任してはならないと訴えた。ちょうど汝陽王も一緒にいたことから自分に加勢するようけしかけたが、けんもほろろに断られてしまう。汝陽王妃は仕方なく数日前、城陽侯夫人を辱めた落とし前をつけるよう少商に迫った。その時、越姮(ユエホン)が凌不疑の未婚妻である少商に立つことを許す。皇帝も目配せして少商を立たせた。「感謝します…陛下にお答えします、私は事実を述べたまで、辱めたりしていません」「陛下!本当です!命を懸けて誓います!」焦った淳于氏が泣きつくと、汝陽王妃も城陽侯夫人の方が信頼できるという。「…王妃、それは違います 私は目上の方に従い婚約しました、自ら画策して嫁いだ人とは違います 長年、霍家の世話になりながら機を見てその地位を奪った… 私の誓いは信じられても、あの方は信じないように」「程少商にここまで侮辱される謂れはありません、陛下が咎めぬのなら私は命を断つしか…」「城陽侯夫人…十数年前もなぜ同じように振る舞わなかったのですか? そうすれば霍夫人も離縁されず、様々なことが今とは違っていたのに…」越姮は少商の言葉に深く感銘を受けた。確かに霍君華とは因縁があったが、成婚後の霍君華は凌家に尽くし、夫にも情義は深く、惜しみなく支えていたという。それに比べ凌益は妻子が行方知れずとなって1年も経たずに淳于氏と深い仲になった。「母子でさまよっていた時、霍君華は皮衣を子晟に着せ、わずかな食物も子晟に与えた 戻った時の霍君華は骨と皮だけで誰か分からないほどだったのよ? 良い母親だったことに違いない」越姮は淳于氏を嫌って参内を禁止すると命じた。しかし汝陽王妃が反発、自分の命の恩人である淳于氏への侮辱は自分への侮辱だと訴える。「もし納得のいく説明がなければ…」「(はっ!)死ぬのか?死ぬのか?それは良かった!」汝陽王は早合点して喜ぶと、王妃は外で嘆願するだけだと慌てて否定した。汝陽王はもはや癇癪持ちの王妃に耐えられなかった。「陛下、ご覧の通り、手がつけられません! 少しでも気に食わぬと叫びまくる!当時もそうでした」実は汝陽王が修行に出たのは皇帝からの提案だった。当時、皇帝は糟糠(ソウコウ)の妻を捨てないよう汝陽王を説き伏せ、修行と称して別居させたという。しかし王妃は相変わらず、汝陽王も我慢の限界だった。「縁を切る!これで終わりだ!」「こんな仕打ちをするとは!」王妃はひとしきり汝陽王を叩きまくると、その場で泣き崩れた。すると皇帝は儒教が盛んな今、離縁を持ち出せば儒生たちに非難されるのは必至だと叔父をなだめる。その時、越姮に名案が浮かんだ。「世俗を好む叔父が修行してどうします?むしろ叔母が三才観で修行すべきでは?」皇帝は汝陽王妃が耄碌(モウロク)して暴挙を重ね、御前で失態を犯すに至ったとし、三才観での静養を命じた。また淳于氏は禁足を命じられ、今後は屋敷から出られなくなってしまう。程家の面々は偏殿から連れ出される汝陽王妃と城陽侯夫人の姿を見送りながら、少商の無事を確信して胸を撫で下ろした。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャアァァァァァァ〜!ウーレイ!思うところは色々あったのですが、ウーレイがカッコよすぎて全て吹っ飛びましたwww
2023.10.09
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第6話)第33話「夫婦のあり方とは」皇帝から虎符の管理を任された皇太子。しかしその重責から寝食もままならなくなってしまう。見かねた皇太子妃は人の多い宮中ではなく、紫桂(シケイ)別院に預けてはどうかと提案した。皇太子は妙案だと喜んだが、これが思わぬ事件を引き起こしてしまう。凌不疑(リンブーイー)に叱られた程少商(チォンシャオシャン)は書卓で考え込んだままいつのまにか眠っていた。すると朝の支度にやって来た侍女・蓮房(リエンファン)が床で倒れている少商を見つける。「女公子?どうしたんですか?そんなところに寝て…今日は凌将軍とお出かけですよね」「…行かない」「また喧嘩ですか?…ふふ、都で誰もが知る″鉄面将軍″と喧嘩できるのは女公子だけですよ~」そこへ使用人の符登(フードン)が現れた。皇太子妃の使いから連絡があり、すぐ参内して欲しいという。皇太子は皇太子妃の従兄・孫勝(スンション)に命じて虎符を別院へ運ばせた。しかし道中で虎符が紛失、万(ワン)将軍の出征は2日後に迫っている。知らせを聞いた凌不疑は慌てて東宮へ駆けつけた。「なぜ動かしたのですか?!東宮に置くよう念を押したはずです!」不疑は全て皇太子の身びいきが招いた結果だと呆れたが、そこへ皇太子妃が現れた。「私たちにはお手上げでも、陛下が溺愛する子晟(ズーション)なら造作ないのでは?」「確かに難しくはない、ですが太子妃から陛下に謝罪してください 全ては己の過ちで太子を巻き込んだと…」その話をちょうど東宮に到着した少商が聞いていた。「男が揃って責任転嫁ですか?」「少商?休みの日だろう?なぜ東宮に?…出ていろ」不疑は皇太子妃がこの大事に少商を巻き込んだと知って驚き、思わず語気を強めた。すると憤慨した少商は自分を呼んだのは皇太子妃だと反発、焦った皇太子妃は母后から信頼されている少商に力になってもらいたかったとかばう。「私のせいで争わないで…少商、行きましょう」皇太子妃は少商を連れて回廊へ出た。自分を追い出した凌不疑への不満を漏らす少商、すると皇太子妃は同情を引くため自分が罪を認めれば済むと漏らす。「殿下には想い人がいたの、私が座を譲れば想いを遂げられるわ…」「儲妃…」少商が何か言いかけた時、不疑が回廊に現れた。しかし不疑は黙って城門の方へ歩いて行ってしまう。珍しく不疑に無視された少商は困惑、急いで後を追いかけたが、城門で待っていたのは馬車だけだった。梁邱起(リャンチゥチー)は若主公から命で少商を送ると伝えた。若公主は王隆(ワンロン)救出の件で万将軍に呼ばれたという。しかし少商は車に上がる踏み台がないことに気づいた。「なぜ踏み台がないの?」「踏み台があると若主公が若女君を抱き上げることができません…ぁ!」梁邱飛(リャンチゥフェイ)は慌てて口をつぐみ、自分の背中を使うよう促した。困惑した少商は必要ないと拒否、歩いて帰るという。するとふいに引き返して来た不疑が少商を片手で抱え、馬車まで連れ戻した。「うわっ!りんぶーいー!降ろして!」「…少商、君を責めたことは謝る、ただ虎符の件は一大事だ 語気を荒らげたのも君を巻き込まないため、この件は私に任せてくれ、いいな?」しかし少商は横暴な不疑に憤慨して返事もせず、宮中に戻ってしまう。( ・ノェ・)コショッ<若女君、怒ってる?@飛(# ー̀ωー́ )<シッ!@起梁兄弟は2人の仲を心配したが、不疑は簡単に納得したら少商ではないと言った。「東宮を見張れ、特に儲妃をな…」少商は長秋(チョウシュウ)宮を訪ねた。すると寝殿からちょうど皇后と翟(ジャイ)媪(ウバ)の昔話が聞こえてくる。皇后は二子三女を出産したが、皇太子が生まれた時は皇帝の大業がまだ道半ばで、10時(トキ)もの難産でようやく生まれたという。「陛下が虎符を授け、異論がある者を震撼させた…これで太子の座も安泰ね 確かに太子が後継者にふさわしいとは思わない でも廃された皇家の子の末路は自害するか殺されるかよ お腹を痛めて産んだ子が後継争いで非業の死を遂げたら、私の余生もそこで終わりとなる…」少商は敬愛する皇后を案じ、結局、そのまま引き返して太子妃を訪ねた。「虎符の形を見たことはありますか?」いよいよ万将軍が匪賊討伐へ出征する朝、皇太子は皇帝の前で万将軍に虎符の片割れを授けた。その様子を遠目から少商と皇太子妃が固唾をのんで見守っている。すると小越(ユエ)侯が万将軍を呼び止めた。「虎符には磁石が入っており、ぴたりと合う…念のため調べてはどうか」小越侯は明らかに虎符が偽物だと疑っていたが、不疑が皇太子の虎符と万将軍の虎符を合わせると、驚いたことにぴたりと吸いついた。皇太子は大役を果たし、万将軍を見送った。しかし少商は困惑する。…私が作った虎符は形だけが同じで磁石は入っていない、なぜぴたりと合ったのかしら…その時、少商は点将(テンショウ)台にいた凌不疑と目が合った。『私に任せておけ』昨夜、凌不疑は梁兄弟から少商がやはり東宮を訪ねたと聞いた。『彼女らしい、自分の敵は許さず、よくしてくれた者に報いる…』実は小越侯は孫勝を抱き込み、難なく虎符を手に入れていた。不疑はもはや皇太子では収拾できないと考え、かつて皇帝が溺愛する霍(フォ)家だけに授けた虎符を使うことにする。『若主公、霍将軍の唯一の遺品ですよ?渡せば霍氏の遺物がなくなってしまいます』梁兄弟はさすがにそこまでする必要があるのかと訴えたが、不疑は虎符が偽物だと露呈すれば少商に行き着くと分かっていた。『少商と約束した、何をしようと私が守ると…そしてこたびも例外ではない』少商は再び凌不疑に救われた。しかし2人の関係は一進一退、自分の意思を通すこともできず、もはや成婚そのものに疑問が湧いてくる。そんな中、少商の堂姉・程姎(チォンヤン)にも縁談が舞い込んでいた。実は22話で姎姎に一目惚れした班嘉(バンジア)が毎日のように屋敷を訪ねて来るという。蕭元漪(シャオユエンイー)は良縁を喜んで姎姎の気持ちを確認したが、姎姎は自分の意思で何かを決めたことがなかった。「好きな人には好かれていないし…(ボソッ)でも伯母が嫁げというなら喜んで嫁ぐわ」(・Д・)<それでいいの?!@嫋嫋一方、万萋萋(ワンチーチー)と少商の二兄・程頌児(チォンソンアル)は口づけ以来、急接近、2人は婚姻の約束を交わしていた。萋萋は自分が嫁ぐのではなく婿を娶ると話し、夫唱婦随(フショウフズイ)ならぬ婦唱夫随だと笑う。( ー̀ωー́ )<…聞くだけ無駄だった@嫋嫋すると萋萋はあれこれ悩むなど少商らしくないと鼓舞し、男女の間柄など本来は至極、単純なものだと諭した。「好きなら一緒にいる、嫌いなら別れる…で、凌不疑が好きなの?よく考えてみて 相手といる時、嬉しいと感じる方が多いか、それともあんたを怒らせる方が多いか」少商は早速、良いことと悪いことを順番に思い出しながら数え始めた。しかし早々に萋萋から止められてしまう。「ちょっと~それじゃ不公平よ? 惚れた弱みにつけ込んで相手だけ尽くすのが当然のことだと思っているの?」萋萋は命を懸けて少商を救った凌不疑と比べれば、少商の不満など大したことではないという。姎姎も自分が危険な時に命を顧みず救ってくれたり、助けがない時に守ってくれる人なら好きになるに値する人だと言った。「絆を築くのは真心を捧げ合うことよ?深い情を無下にしないで」少商は萋萋と姎姎の言葉で目が覚めた。そこで慌てて凌不疑に会いに行こうと決めたが、門を飛び出すと不疑の姿がある。少商は今さらながら不疑がこうしていつも自分を見守っていたのだと気づいた。「これまで妥協して譲歩した気でいた、でも妥協して譲歩していたのはあなたの方だったのね」「私が好きなのは勇敢な君なのに、君を束縛して干渉してしまった… 嫋嫋、私が好きなのはありのままの君だ」「…実はふたつ伝えたいことがあったの、この先は精一杯、あなたによくする」「はお、ひとつ目は覚えておく、でふたつ目は?」「共白髪になるまであなたの優しさと今日のことを忘れない」すると不疑は少商を抱き寄せ、婚姻を早めたいと言った。凌不疑は少商を連れて杏花(キョウカ)別院の母を訪ねることにした。「少商、中に入って何を見聞きしようと、まずは黙って合わせてくれ あとで説明するよ、いいね?」屋敷に入った2人はちょうど中庭にいる霍君華(フォジュンホワ)と崔祐(ツイヨウ)を見つけた。しかし不疑は母を女公子と呼び、甥として挨拶する。どうやら霍君華は錯乱し、自分が16歳だと思い込んでいるらしい。「待ってるがいいわ!越姮(ユエホン)の顔に泥を塗って笑い物にしてやる!」少商は越妃の昔話を思い出し、2人の間に因縁があったのが事実だと分かった。そこで崔祐は天下には文(ウェン)兄以外にも男がいるとなだめる。「他の男にも嫁げるぞ?」「そうね、あの″凌″って男、顔は見るに堪え得る… でも田舎から避難して来て薬代もままならないほど貧乏よ あ、兄長が援助すればいいわ!兄長?…兄長はどこかしら…兄長…(はっ!)兄長は死んだ!」霍君華は兄が亡くなったことを思い出し、急に興奮した。すると不疑を凌益(リンイー)だと勘違いして激高、不疑の手に噛みついてしまう。崔祐は慌てて霍君華を不疑から引き離すと、あとは自分に任せて手当てをしろと言った。つづく( ๑≧ꇴ≦)念願の片手抱っこ来たわ!やっと想いが通じ合いめでたしめでたし?とはいかないのでしょうな〜
2023.10.07
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第5話)第32話「予期せぬ波紋」文修君(ウェンシウジュン)が独断で息子に山賊の討伐を命じ失敗、全軍が捕虜となった。皇太子は凌不疑(リンブーイー)から身びいきを諌められたが結局、王淳(ワンチュン)を罷免できず、皇帝からも厳しく叱責されてしまう。これをきっかけににわかに廃太子の憶測が流れ、途端に小越(ユエ)侯に取り入ろうとする輩が増えた。皇后の寿誕の宴の差配を任された程少商(チォンシャオシャン)は東宮で皇太子妃の協力を仰いだ。何事もてきぱきこなせる少商だが、さすがに文武百官の家族の席順まで決めようがない。( ;∀;)<十一郎の妻になるのは驊(カ)県の管理より大変よ〜皇太子妃は思わず自分も夫が皇太子になるとは思わなかったと吐露した。実家の一族は娘を当てに出世を望むが、自分にそんな力などない。「祖先を捨てたと罵られようと、誰が私の苦しい胸の内を分かってくれるというの…」しかし少商は優しい皇太子夫婦をかばい、周りが欲深いだけだと慰めた。その時、東宮に五公主が現れる。実は昨夜、五公主は酒楼で偶然、小越侯と出くわした。小越侯は息子の未婚妻が幕僚と称する男たちと遊んでいる様子に眉をひそめたが、ふと思い立ち、番頭に頼んで廃太子の噂を吹き込むよう頼む。寝耳に水だった五公主は憤怒、早速、東宮へ駆けつけ、優柔不断な皇兄を厳しく追求した。「王隆(ワンロン)なんて死なせておけばいい!父皇を怒らせて廃されたいの?! 太子でなくなったら我ら長秋宮の子女は何を拠り所にしろと?! 私が男だった皇兄に役目は回ってこなかったのに!」皇太子は妹の暴言にも罰を与えることはなかったが、その代わり越氏に嫁ぐ時には嫁荷を奮発すると嫌味を言った。皇兄と話してもらちが明かない五公主は長秋宮で母后に不満をぶちまけた。これに皇后は激高、娘を追い出すと寝込んでしまう。駱済通(ルオジートン)が差し入れた粥にも口をつけず、翟(ジャイ)媪(ウバ)もお手上げだった。しかし東宮から戻った少商が事情を知り、一計を案じる。「皇后にお願いが…これは家で育ててみた胡瓜(キュウリ)です 胡瓜は西域の朝貢品、皇后なら味をご存知のはずです 西域の胡瓜と同じ味か比べてみてもらえませんか?」皇后は仕方なく一欠片だけ食べてみたが、塩気が強過ぎた。そこで少商は塩辛ければ粥で薄めるよう提案、見事に粥を食べさせることに成功する。「悪知恵が働く子ね…まだしょっぱいわ」皇后は少商の機転で笑顔になり、不思議と食欲が戻った。安堵した翟媪は駱済通を連れて寝殿を出た。「2人の邪魔をしないようにね、皇后が宮中で心を開ける人に出会えて良かった 十一郎も良い妻を選んだわね」嬉しそうに仕事へ戻った翟媪、しかし駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は程娘子が主から皇后と凌将軍を奪ったと恨みを募らせた。駱済通も心中穏やかではないが噯(オクビ)にも出さず、これも運命だとなだめる。「実に幸運な人ね…想い人に嫁ぎ、帝后の庇護も得られるなんて」少商を幸運だと羨む者がいれば、皇后はどうすれば少商のような利口な子に育つか両親に教えて欲しいと羨んだ。すると少商はすぐ両親を呼び寄せ、2人の前で思い切り自分を褒めて欲しいと懇願する。「そうすれば悪いのは私ではなく、我が子を大切にせず他人の子を羨んでいると気づくはずです 皇后のように我慢強く諭すのがいい親だと知らしめなくては…」しかし皇后は少商も間違っていると諭した。「世の親は我が子が一番だと思うものよ、他の家の子を羨むのは教えの一環に過ぎない」親も当然、子から恨まれると分かっているが、人生に2度目はなく、やり直しができないという。「子が強くなる分、親も安心できるの、子に強いることは自分に強いることも同じなのよ」少商が寝殿を出ると皇太子が中庭で待っていた。皇太子は父皇を失望させて母后を傷つけたと意気消沈し、合わせる顔がないという。しかし少商は皇后が傷ついているのは自分が息子を守ってやれないためだと話した。「殿下は太子である前に陛下と皇后の息子です 太子として王将軍を助けるのではなく、子の立場で従兄の嘆願をすることはできます 確かに陛下は冷徹になれない太子に失望するでしょう でも父親なら情け深い子に失望するはずがない この件で両親と疎遠になれば、かえって子の指導が誤っていたと失望させるだけです」「…程娘子、ありがとう」朝臣たちは先走って後継者の交代を上奏し始めた。その夜、皇帝は野心をあらわにした臣下たちに怒り心頭だったが、そこへ皇太子がやって来る。皇帝は息子もようやく尻に火がついたと思ったが、皇太子は碁盤を運んできた。「寝付けないので一局どうかと…」すると皇帝はまだ幼い皇太子に碁を教え始めた頃を懐かしんだ。当時は皇太子が少しもじっとしておらず、碁盤のそばに貼り付けようと必死だったという。一方、少商を迎えに行った凌不疑は少商の様子がいつもと違うことに気づいた。「機嫌が良さそうだ、何か良いことでもあったか?」「そうでもないわ、ただ問題を解決できて痛快なの」すると不疑は三公主が禁足になったことも痛快かと聞いた。少商はやはり自分の仕業だとばれていたと知り、法事をぶち壊したことを謝罪する。「君は私が強引だと怒るが、君こそ独断で決める、あまり無茶をされると心配になる」「…怒らないの?」「私を信じるならやりたいことは私に任せて欲しい、敵への報復も…」確かに必ず守ると約束はしたが、不疑はせめて機会が欲しいという。そこで少商は皇后が廃太子の噂を聞いて心を痛めていたと報告し、雁回(ガンカイ)塔で皇太子を悪く言っていた人と関係があるのかと訝しんだ。不疑は驚き、皇太子に不満を抱く者も多く、広範囲に及ぶため関わるなと釘を刺す。「君も東宮へは行かないほうがいい…で、痛快だったとは何のことだ?」「ぁ…皇后が粥を食べてくれたの…」少商は皇太子に助言したことを言い出せなかった。皇太子は途中で手を緩め、わざと負けた。もちろん皇帝には見抜かれていたが、皇太子は囲碁を学び始めた当初、父も同じように手加減して負けてくれたという。「父皇は勝ち負けより私の気持ちを考えてくださった、今日の私も同じです」皇太子は勝敗より家族の気持ちが大切だと訴え、全てに負けたとしても我が手に悔いはないと言った。翌日、皇帝は朝儀の場で皇太子に虎符の管理を任せると宣言した。皇太子は事実上、全軍を動かすことが可能となり、皇帝は暗に廃太子の意思がないと示したことになる。結局、皇帝は大軍を危険にさらした王隆(ワンロン)を罷免するに留め、父の王淳には罪を問わなかった。匪賊の討伐については凌不疑と将軍たちに任せ、出征の時には皇太子が点将(テンショウ)台で将兵を遣わすよう指示する。しかし不疑はなぜ皇帝が急に譲歩したのか分からなかった。朝儀が散会、子晟(ズーション)を連れて東宮に戻った皇太子はようやく従兄を救出できると喜んだ。すると子晟が皇帝をどうやって説得したのかと訝しむ。皇太子は少商から助言されたことを明かし、昨夜、父皇と碁を打ちながら昔話をしたと教えた。「父皇は我ら父子の情に免じて王将軍と私に機会を与えてくれた お前たち夫婦は余(ヨ)の幸運の星だな」凌不疑は昨夜、少商の機嫌が良かった理由を知った。その夜、少商を迎えに行った凌不疑は改めて皇太子に助言したのかと確認する。少商は認めたが、皇太子を助けたのではなく、皇后の力になりたかったと説明した。しかし皇后のためを思ってしたことが、実は皇后と皇太子を追い込むことになると知る。「君の献策のおかげで陛下は王家を見逃した 少商、何度も言ったはずだ、宮中や朝廷の争いに巻き込まれるなと…なぜ耳を貸さない? もう一度だけ言っておく、宮中では少し触れても全体に及ぶ、簡単なことではない」不疑は厳しく戒めておいたが、少商は最も難儀なのは宮中ではなく凌不疑だと反発した。「あなたの計算や考えを何も教えないくせに何を気をつけろって言うの? そもそも私は関わる必要などなかった 普通の夫に嫁いで普通に暮らせるはずだったのに、あなたが引き入れたのよ? それでも一緒になると決めてから受け入れようとしてる でもあなたは複雑な世界に愚かな私は関与するなという」「君を思ってのことだ」「阿母からもよく言われたわ、あなたのだめだと…私が不十分だからそう言うのね?」少商はまた分からなくなった。ありのままの自分でいながら周りの期待に応えるためにはどうしたら良いのだろうか。「…失望させたわね」すると少商は不疑が引き止めるのも聞かず、独りで帰ってしまう。 屋敷に戻った少商は凌不疑の話を思い出し、悶々とした。…少商、自分は正しいとでも?…陛下が王家を追及しないことで朝臣らの恨みや不満が皇后と太子に向けられる…東宮位を狙う者がいる以上、君の行動は太子を助けるどころか不利にする…しかも皇后も巻き込む、彼らを生贄にするも同じだ「はあ〜凌不疑との成婚は面倒ね」つづく( ゚ェ゚)うむ、確かに少商の不満は分かるな
2023.09.30
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第4話)第31話「天下の母の苦悩」霍(フォ)将軍の命日。汝陽(ジョヨウ)王妃は愛孫を出家へ追い込んだ程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)への腹いせに家族の宴へ乗り込んだが、皇帝の寵姫・越姮(ユエホン)から辛辣な言葉を浴びせられてしまう。「子晟(ズーション)、あなたの妻に難癖をつける者などくそ食らえよっ」文(ウェン)帝も子晟が望む者を娶れば良いとかばったが、汝陽の怒りは収まらない。「確かに陛下が決めた縁談なら誰も口を挟めません ただ淳于(チュンユー)氏にはしかるべき対応があっても…」すると越妃は急に話を遮り、子晟と少商だけを残して皇太子夫婦と皇子たちを下げた。汝陽は霍君華(フォジュンホワ)と因縁がある越妃がなぜ淳于氏の肩を持たないのか分からなかった。当時、霍君華は越妃を誘き出して匪賊(ヒゾク)に襲わせたことまであったという。しかし越姮は淳于氏も劣らずろくでもないと言い放った。「叔母、まだ淳于氏をかばうなら叔母の″功績″を評価させてもらいますよ?」すると頃合いを見ていた皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)が助け舟を出した。「昔の出来事は私も口を挟めないわ…食事を中断したことだし、そろそろ奉先(ホウセン)殿へ…」こうして人騒がせな汝陽王妃も退散するしかなくなった。少商は祭壇に供物を並べながら霍将軍の絵姿に見入っていた。そこへ皇太子妃が薫物(タキモノ)を届けにやってくる。「子晟は霍将軍によく似ていますね…」「舅夫に似ることは珍しくないわ…すぐ気づくとは子晟と情が深いのね」「太子と太子妃には到底、及びません 殿下は朝臣から側妃を娶るよう進言されても応じないとか…」皇太子妃は愛想笑いで誤魔化したが、運悪く三公主が現れた。「皇兄が応じないのは夫婦の情が深いからではなく、″旧知″が忘れ難いからよ~」すると三公主は少商が持っている薫物に目をつけた。「母后は宮中の倹約を求めているけれど、儲妃の実家は普通の農民… 用度品を削られ困窮しているのでは? 供養向けのも薫物も安くはない、銭をかき集めても足りないかと心配したほどよ? 夫に嫌われているから助けてもらえないものね~」三公主は勝ち誇ったように偏殿へ向かうことにしたが、その時、少商が咄嗟に薫物を床にばら撒き、足を滑らせた三公主は転倒してしまう。その時、少商は三公主のめくれた裾の下からちらりとのぞく赤色を見逃さなかった。(´・ω・`)<三公主、お怪我はありませんか?(`ω´ )o<しらじらしい…程少商、いずれ片をつける!霍将軍の法要が始まった。皇帝は改めて今日の栄華を与えてくれたのが霍氏であると知らしめ、粛々と焼香が始まる。抹香(マッコウ)を渡す役目の少商は祭壇の横に控えていた。やがて三公主の順番になると、三公主は差し出された抹香にわざと息を吹きかけ、少商の顔に浴びせかける。「あら、少商妹妹、気をつけて〜粉は目に入りやすいわ」少商は黙って耐えたが、三公主が焼香している間にこっそり腰飾りの紐を燭台の足に絡ませておいた。すると焼香を済ませた三公主が立ち去ろうとしたその時、引っ張られた燭台が倒れ、衣に飛び火してしまう。火はすぐ消されたが、皇后は侍女たちに急いで三公主の上着を脱がせるよう指示した。しかし三公主は慌てふためき、自分に触るなと拒む。越妃は実は娘が着替えていなかったと気づいて激怒、すぐ上着を脱がせろと命じた。すると案の定、上着の下から赤い衣が現れる。五公主は犬猿の仲である三公主の失態を喜び、ここぞとばかりに追い詰めた。「父皇、三駙馬の表哥の俸禄は1年で300貫ほど、でもその身なりは百金は下らぬはず 最近の三姉は羽振りが良いようで、新品の装飾品も多いわ〜」金の出どころを怪しまれた三公主は酒楼を開いたと誤魔化した。しかし思いがけず同腹の三皇子に裏切られてしまう。「父皇…これは三妹の領地で流通した贋金(ガンキン)です」実は貨幣を運搬する者を捕らえて尋問したところ、贋金は寿春(ジュシュン)で鋳造されたものだと分かった。三公主は知らずに使ったと言い訳し、寿春は小乾安(ケンアン)王の封地で管理しているのも配下の彭坤(ポンクン)、つまり宣家の仕業だと訴える。すると皇帝は凌不疑に紀遵(ジーズン)と共に調査するよう命じ、小乾安王から鉱山を召し上げるよう指示した。「父皇!小乾安王を殺さないのは皇后の恩人だからですか?!」舅父から入知恵されて育った三公主は思わず口を滑らせた。「黙れ!この後に及んで反省もせず、他人を巻き込むとは…ワナワナワナ…」皇帝は激怒して三公主を引っ叩き、杖罰を命じた。小越侯は知らせを聞いて慌てて永安宮に駆けつけた。三公主は程少商が罠にはめたと泣きわめいたが、越姮は娘を心配するどころか、そのおかげで面汚しが止まったと感謝する。実は越姮は三公主が贋金を意図的に使ったと見抜き、愚かな娘が文修君(ウェンシウジュン)を利用して金を稼ぐ方法など思いつくはずないと分かっていた。「陛下が厳しく追及せぬのは私たち越氏の面目を残してくれたからよ」しかし小越侯は長秋宮の顔を立てて小乾安王を許した皇帝への不満を募らせた。当時、越氏が追随した時、皇帝は無一文で、挙兵した時も越氏が支えた。皇帝は妹に一目惚れして妻にすると誓ったが、幼馴染の情も天下の偉業には勝てず、宣氏の財を借りて兵馬を使うため宣神諳も娶ることになる。それだけならいざ知らず、天下平定後、皇帝は宣氏を立后し、妹は妃嬪に成り下がった。「不公平だ!」「…宣氏は陛下の覇業のため身代まで潰した、追随した霍氏も一族は死に絶えたわ でも越氏は我ら兄妹が残った それに陛下は私を慰めるため両宮を同位と命じたわ、天下の母である皇后にとって公平かしら? 錯乱した霍君華にとって公平だと思う?」越姮は自分の望みなら叶ったと話し、また面倒を起こせば兄妹の情を断ち切るとまで言い放った。一方、凌不疑は母が暮らす杏花(キョウカ)別院の祠堂にいた。母と越妃に因縁があると知った不疑は母に越氏を怒らせたのか聞いたが、霍君華は悪びれる様子もない。「越姮を襲わせたの、二兄と文兄が助けなければ終わりだったのに… でもあの日から文兄は私を避けるようになったわ」←当たり前w不疑は実は母が小越侯の恨みを買っていたと知り、顔を曇らせた。梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は庭で若主公を待ちながら、少商を絶賛していた。「程四娘子が暴いてくれて幸いだ」「こんな報復上手な若女君は実に痛快だ!」実は三皇子に贋金の情報を流したのは不疑だった。梁兄弟に調べさせたところ予想通り文修君は小越侯に利用され、小乾安王に貨幣を鋳造させるよう指示したと分かる。結局、皇帝は三公主、文修君、小越侯に関わることから公平さを鑑みて軽い処分に留め、小越侯を追い詰める事はできなかった。ただ乾安王の子女が死罪を免れたことを思えば、これで舅夫への恩は返せたことになる。しかし不疑は命拾いした文修君が全く懲りていないと知った。そんなある日、少商は皇后が皇帝と囲碁に興じている間、苦手な刺繍に手こずっていた。皇帝は皇后から自分の寿誕の宴の差配を少商に任せたいと聞いたが、嫁荷の刺繍さえままならない少商では心配になってしまう。「そんな手際で務まるのか?」「陛下、もちろん無理です! それに私は陛下の指導を毎日、胸に刻み、凌将軍とも愛を語り合いませんと…」少商はとても重積に耐えられないと訴えたが、かえって皇帝から責任逃れのために自分を言い訳にしたと叱られてしまう。「決めたぞ!嫌でもそなたに仕切らせる!」一方、梁兄弟から報告を聞いた凌不疑は皇太子を訪ねていた。実は文修君が息子・王隆(ワンロン)に名を上げさせるため勝手に山賊の討伐を命じ、全軍が捕虜になってしまったという。不疑はこの機に乗じ、車騎将軍・王淳(ワンチュン)に責任を取らせて辞官させるよう提案した。しかし皇太子は壮年の王将軍が官を辞するのは忍びないと難色を示し、不疑にこっそり救出して欲しいという。「殿下、独断で出征するのは君主を欺く大罪ですぞ?」「だが王将軍は親戚でもある」「殿下、天子は群臣を操るもの、操られてはなりません そもそも王淳は将の器ではなく、殿下が職位を与えねば遠く値しない 皇位を継ぐのなら、一家や一族だけ顧みるのではなく、天下の民を見なければ… 君主として身びいきは御法度です」少商は皇帝から差配を命じられ、慌てて辞退しようとした。すると皇后はいずれ凌府の差配を一手に担うことになり、避けて通れないと説得する。「あなたならできるわ、もう辞退しないで」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコクその時、皇太子が駆けつけ、急用のため謁見したいと願い出た。皇后は少商と自分の寝殿に戻ったが、正殿から皇帝の怒鳴り声が聞こえてくる。心配そうに正殿を眺める皇后、実は皇帝の叱責は初めてではないと明かした。「太子は優柔不断で身内に甘く、母譲りの性分に育ってしまったわ」少商にはそれのどこが悪いのか分からなかったが、皇后はしみじみ普通の母子でいられたらどれだけ良いかとため息をついた。その夜、蕭元漪(シャオユエンイー)は宮中から戻った娘が回廊で物思いにふけっている姿を見かけた。「どうしたの?何も羽織らないで…」蕭元漪は娘に外套をかけた。すると少商は自分が産まれる前、娘がどんな子になるのか考えたことがあるかと聞いてみる。「急になぜそんなことを?」「皇后が言ったの、太子が普通の子ならたとえ凡庸でも、楽しく平穏に暮らせれば一番だって(あっ)阿母は堂姉のような物分かりのいい子が好きだったわ 阿母を失望させましたね…ではもう寝ます」程始(チォンシー)は回廊で物思いにふけっている夫人を見つけた。「どうした?こんなところで」蕭元漪は娘が皇后から聞いた話を伝え、嫋嫋(ニャオニャオ)もようやく親の苦労が分かるようになったと感慨深い。しかしその苦労が自分たちの苦労ではないと思うと複雑だった。「夫人?…親の苦労を感じ取らせた皇后に嫉妬しているのか?」すると図星だった蕭元漪は怒って寝殿に戻ってしまう。つづく( ˘ω˘ )皇后と少商のシーンはいいわ〜
2023.09.29
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第3話)第30話「招かれざる客」皇后をかばって手首を痛めた程少商(チォンシャオシャン)。帰りの車の中、凌不疑(リンブーイー)は少商を手当てしながら、今後は己の力の及ばぬことに首を突っ込まないよう釘を刺した。いくら文修君(ウェンシウジュン)が愚かでも限度はわきまえているはず、燭台を倒すにしても皇后に当たらない方向だったはずだ。「高貴な2人の争いに君の保護が必要だと思うか?」しかし少商はカチンと来てつい言い返してしまう。「つまり皇后は私の保護など必要としていないと?確かに皇后はこの上なく尊いわ でも彼女が文修君(ウェンシウジュン)に蔑まれていた時、あなたと陛下はどこにいたの? なぜ強い人は守る必要がないって思うの?」「では君はどうなんだ?少商、君のように強い人はなぜ私の保護など必要ないと思う?」その時、馬車が曲陵(キョクリョウ)侯府に到着した。少商は馬車を降りると、不貞腐れたまま門に向かった。すると不疑が少商を呼び止める。「君が私と話をする時の縛られぬ姿が好きだ、権勢も苦難も恐れぬ君が好きだ 覚えておいてくれ、君が先に仕掛けたと…」少商は慌てて言い訳しようとしたが不疑に遮られた。「私は簡単に真心を委ねぬ、だが一度、委ねたら撤回はしない だが君が私に真心を委ねることができないというなら、私の真心を引き払うこともできる」結局、翌日の朝、凌不疑は用事があって少商を迎えに来なかった。一方、三公主は舅父(キュウフ)・小越(ユエ)侯と酒楼で密談していた。何も知らず皇宮から逃げるように帰っていった文修君、まさか舅父の妙策で小乾安(ケンアン)王が鋳造(チュウゾウ)権に食いついたとも知らず皇后に無心に来たのだろう。実は舅父はすでに文修君の腹心も手なずけていた。「いずれ贋金(ガンキン)は安値で我らの手に入る、その際はお前も封地で使うがよい」貨幣の偽造は謀反と同罪だった。しかし鉱山があるのは寿春(ジュシュン)で鋳造するのは小乾安王、もし追求されても過って贋金を使ってしまったとごまかせば良いという。独りで参内した今日に限って少商は意地悪な三公主と遭遇した。少商は掟通り拝礼したが、三公主は自分の許可なく頭をあげたと難癖をつけ、ひざまずけと命じる。「私は身の程知らずが一番嫌いなの」すると侍女たちが少商を無理やり平伏させ手を踏みつけ、頬を引っ叩いた。しかし運良く皇太子妃が通りかかり、少商を助けてくれる。「宴が始まるのに程娘子(ニャンズー)がいないと母后が案じていたわ、何と説明するつもり?!」「それほど慌てること?ちょっとふざけていただけよ~」皇太子妃は東宮で少商の腫れた手首を冷やしてくれた。2度も同じ手を負傷した少商、しかし多忙な皇后を煩わせることはできず、かと言って凌不疑には意地でも頼りたくない。すると皇太子妃が三公主の性分を教えてくれた。三公主は皇帝の寵姫である越妃の娘で、兄の三皇子も有能なため長秋(チョウシュウ)宮も東宮も眼中にないという。小越侯のもとで育ったせいか贅沢を好み、傍若無人なのも仕方がないのだろう。幼い頃は子晟(ズーション)を見下していたが、功績を残すようになると急に気に留めるようになった。恐らく子晟を好きというより、容貌と権勢に執着しているだけだという。「子晟も宮中に入った時は蔑まれ、あなた以上に酷い目に遭ったのよ? ある時、川に突き落とされてね…幸い太子が助けたの その頃の子晟は宮女を連れて食事に付き合わせるのが好きだった 家族と座して食事をしたことがなかったから… 幼い頃は毎年、必ず灯会(トウエ)に出かけ、灯火の見える高台で世の人々の団らんを見渡していたわ」一方、皇太子は長秋宮での騒ぎを知り、凌不疑を呼び出していた。車騎(シャキ)将軍・王淳(ワンチュン)も凌不疑も大事な右腕、婦人の諍いで離間して欲しくないという。しかし不疑は恨みではなく、王淳の能力では任に耐えられないと諫言した。「後継者として親族を重用するのではなく、国事を第一にお考えください 太子妃の従兄も遊びにかまけ酒で事を誤る、東宮侍衛の首領など務まりません できるだけ早く最適な人選を…では他に用件もありますのでこれで」「あ、お前の未婚妻が東宮に来ているぞ?」皇太子妃の寝殿に侍女が礼品の受け取りにやって来た。皇太子妃はすでに準備していた礼品を渡したが、ふと思い立って自分のかんざしを外し、梁(リャン)夫人に渡すよう頼む。「太子妃、それは殿下への朝貢の品では?」「殿下の物なら功績ある大臣に与えるのが一番だわ」やり取りを見ていた少商はしみじみ皇家の妻を務めるのは至難の業だと漏らした。「確かに宮中など身を置かぬ方が良い、でも今となっては突き進むしかありません 彼がここで成長したのなら、私も同じ道を歩んでみたいのです」その話をちょうど皇太子と凌不疑が聞いていた。凌不疑は少商の言葉が内心、嬉しかった。そこで手を取って連れて帰ろうとしたが、少商は思わず顔を歪ませてしまう。驚いた不疑が袖をまくってみると、少商の手はひどく腫れていた。気が強い少商は相変わらずなぜ負傷したか言おうとしなかった。すると凌不疑は少商を欄干に座らせ、隠しても自分で調べれば分かることだという。「それからもうひとつ、少商、今後、東宮や太子妃とは距離を取れ」「なぜ?太子妃は威張らず、東宮では侮辱されたりしないわ」「参内して日の浅い君にはまだ分からないことがある 宮中の内情はそう簡単ではないし、心の善悪も一目では見抜けないものだ 利害がなければ誰もが善良だが、権勢が絡むとそうもいかない」東宮と言えば争いの渦中、雁回(ガンカイ)塔での一件もあり、不疑は宮中のもめ事から少商を遠ざけたいという。しかし少商は凌不疑の未婚妻になって遠ざけられるのかと聞いた。「あなたのために順応しているのよ?あなたの直面する全てに私も直面するのだから あなたが宮中で経験したことを私も少しずつ理解するつもり だって未来の夫がどんな人か知りたいから…」「それはつまり…全ては私のためだと?」「違う、自分のためってことよ」「分かった、望むままやってみればいい、私が守る」すると2人はわだかまりが解け、見つめ合った。( ๑≧ꇴ≦)アップデートしたアルソックw三公主が真紅の衣に豪華な装飾品で永楽宮に現れた。越姮(ユエホン)はつくづく皇帝に追随して出征するため娘を三舅母(キュウボ)に預けたことを後悔し、俗っぽく山猫のようだと揶揄する。「でもなぜ急に豊かになったの?」「ささやかな商売を始めただけ、都の酒楼よ」三公主は母に牡丹の金のかんざしを献上したが、越姮は全く興味がなかった。「今日は霍(フォ)将軍の命日よ、昼は長秋宮で宴があり、午後は陛下が弔いを行う お前も奉先(ホウセン)殿へ…」すると越姮は侍女に命じ、三公主を白い衣に着替えさせろと命じた。長秋宮での宴、少商も凌不疑の未婚妻として列席した。少商の斜め後ろには相変わらず風来坊のような五皇子がいる。当時、皇帝が酔った勢いで徐(シュ)美人を寵愛し産ませたのが五皇子、その過ちを深く反省した皇帝はそれ以来、后妃と曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)しかそばに置かなくなった。他にも駙馬や皇子の夫人たちも顔を揃えていたが、気性の激しい三公主や五公主と違い、二公主や五皇子妃は穏やかで少商を家族として歓迎してくれる。しかしその様子を見た三皇子が思わず失笑した。「今や誰もが子晟に擦り寄るとはな…」皇帝は亡き義兄を思うと酒を飲む気分にもなれず、沈み込んでいた。そんな中、宴に招かれざる客が現れる。汝陽(ジョヨウ)王妃は家族の宴を理由に参内し、愛孫の裕昌(ユーチャン)を出家に追い込んだ少商と孫を捨てた凌不疑への鬱憤を晴らしにやって来た。そこで普段は宴に参加しない越妃の席に勝手に座ったが、珍しく越姮がやって来る。「叔母(シュームー)、そこは私の席です、空けていただけますか?」越姮は叔母の席を用意するよう命じ、汝陽王妃を移動させた。越姮は孫を甘やかす汝陽王妃を牽制するため、子女たちに厳しい戒めを与えた。三公主には騒ぎを起こせば食邑(ショクユウ)や奴婢を全て召し上げると脅し、二公主が妹をかばえば、女媧(ジョカ)に頼んで三妹のような愚かな娘を産ませると容赦ない。皇太子妃に至っては自分の手の内を管理しろと叱られ泣き出す始末、五公主はひどいクマができていると指摘され、今夜は独りで過ごしたらどうかと揶揄された。さすがに汝陽王妃は残酷過ぎると呆れたが、越姮は子女たちを教育しているだけだという。すると越姮は駙馬や公主たちを下げてから昔話を始めた。「当時、長公主は懐妊中で身体が弱るも、叔母は肉を買う金も貸さなかった 陛下は姉のために獲物を狩ろうと凍える雪の日、山に入るしかなかったのです 霍翀(フォチョン)兄が駆けつけた時、陛下は凍えていたとか その後、霍翀兄が金を出して長公主と凍傷の陛下を世話してくれました…」汝陽は慌てて皇帝が山に入ったことなど知らなかったと言い訳したが、皇子たちの目は冷たい。「…子晟、私と陛下はあなたの成婚を待ちわびてきた 子孫がいれば舅父一族を供養し、亡き彼らの魂が孤独にさまようこともない あなたの妻に難癖をつける者など、くそ食らえよっ」つづく( ;∀;)ずーしょん…やっぱり相当、拗らせてるね〜 ←そっちwそれにしてもこの手の長台詞は耳触りが合わないとキツいわ( ̄▽ ̄;)
2023.09.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第2話)第29話「偏愛される喜び」宮中での花嫁修行が決まった程少商(チォンシャオシャン)。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は早速、長秋(チョウシュウ)宮に少商の部屋まで準備し、自ら案内してくれた。思わぬ厚遇に少商は母でもここまでしてはくれないと目を丸くしたが、皇后は女将軍として戦った母では子にも厳格になるものだとかばう。実は皇后は少商が凌不疑(リンブーイー)の未婚妻であること以外にも、その生い立ちに共感していた。皇后もかつて少商と同じような境遇に身を置いたことがあり、苦労が痛いほど分かるのだという。「だから哀れに思い大切にしたくなるの、たとえ言葉が過ぎたとしても無礼には感じないわ あなたを偏愛する余(ヨ)の心が分かる?」少商は皇后がなぜ一族の王姈(ワンリン)を訴えた自分に寛大なのか納得し、思わずひざまずいた。「ありがとうございます、皇后」日も暮れた頃、長秋宮を出た少商は凌不疑と一緒に城門へ向かっていた。実は不疑は少商が皇帝と皇后の出方を見ようと王姈を訴えたことに気づいていたという。まだ幼く怖いもの知らずの少商、不疑は危険を冒さず、2人の性分が知りたいのなら自分に聞けばいいと言った。しかし少商は例え殺し合いになろうとも座して死を待ったりしないと威勢が良い。「では私について何か聞きたいことはあるか? 私は長秋宮で育った、知りたくないか?私がどんな人間なのか…」そこで不疑は少商の手を引っ張って城楼へ連れて行った。凌不疑は幼い頃、何度もここに来ては眼下に広がる世の灯火と燦爛(サンラン)と輝く星を眺めた。「心から望んでいた、この灯火のうちわずかな光でもいい、自分のものであったならと…」それは一見、簡単なことのように見えて、不疑にとってはとても難しいことだった。実は従軍したのは皇帝の恩に報いるためだったが、戦場に身を置くことで、この世の星河を守りたかったという。すると少商は目を輝かせながら話す不疑の顔をまじまじと見つめた。「…どうした?」「見たいの…その瞳に映っている星が…」少商は思わず不疑の顔をのぞき込んだ。「もっと近づけばよく見えるだろう、私の瞳に映る一番、輝く星は君だ」不疑はふいに少商を抱き寄せ、おでこにそっと口づけした。その夜、少商は床に入っても不疑のことが頭から離れず、なかなか寝付けなかった。おかげで翌朝、蓮房(リエンファン)に叩き起こされ何とか迎えの馬車に乗り込んだが、護衛の梁邱飛(リャンチゥフェイ)もあくびが止まらない。「昨夜、月を眺めながら散歩する若主公にずっと付き添っていたんだ…眠いったらないよ~」「初めて口づけすれば興奮もするだろう」梁邱起(リャンチゥチー)は阿飛も口づけすれば同じようになるとなだめた。「今後も早起きは続くぞ、未婚妻を心配する方がいるからな…」( ;∀;)<誰か~助けてくれ~いつまで続くんだ~@飛凌不疑は眠い目をこすりながら毎日、少商を送迎していた。一方、少商は厳しい掟や難しい教えに戸惑い、身が入らず一向に進歩しない。確かに典籍など幼い少商が理解するには難しく、実際に役立つわけでもなかった。そこで皇后は試しに九連環を渡してみると、少商はあっという間に解いて見せる。皇后は誰にも得手不得手があるものだと考え、少商の長所を伸ばしながら、苦手な読み書きや掟は少しずつ学ばせることにした。少商は物作りの才能を伸ばし、そのおかげで詩や典籍も楽しく学べるようになった。「皇后、実は仕掛け作り以外にも得意なことがあるんです」門で控えていた皇后の側仕え・翟(ジャイ)媪(ウバ)は皇后の悲鳴を聞いて慌てて寝殿に飛び込んだ。「程娘子!なんたることです!皇后の背中を蹴るとは!」「ぁ…これは骨開きです、これで重かった腰や背中が軽くなるんです」すると皇后は確かに身体が楽になったと喜んだ。ちょうど菓子の差し入れに来た駱済通(ルオジートン)はやり方を教えて欲しいと頼んだが、翟媪から嫁ぎ先の夫のためかとからかわれてしまう。「許されるなら程娘子のように皇后にお仕えしたいわ、そうすれば遠くへ嫁がなくて済むのに… 幸運な程娘子が羨ましい」「幸運なんて初めて言われたわ」幸運とは最も縁遠い少商、まさかこれが凌不疑に未練が残る駱済通の本音だとは知る由もなかった。その時、突然、誰かのけたたましい声が聞こえてくる。「…あれは文修君(ウェンシウジュン)だわ」駱済通の言葉に皇后と翟媪の顔から急に笑顔が消えた。↓さすがにこれはダメだろうwww文修君が王姈(ワンリン)を連れて長秋宮に乗り込んできた。少商は自分が王姈を訴えたせいだと気づいて皇后を守ろうとしたが、宣神諳は人払いしてしまう。仕方なく部屋に戻った少商、すると後をつけてきた王姈が入ってきた。相変わらず傲慢な王姈だったが、少商は平然と王姈のことが好きだという。「だって愚かだから…」少商は王姈がその愚かさゆえ、口を開けば弱みを握られるのだと呆れた。文修君は宣神諳が程娘子を可愛がるのも無理はないと嘲笑った。「夫に愛されず、息子は無能、娘は良心もないと来てる… だから慈しみを他人に注ぐしかないものね」「妹妹、わざわざ余を辱めに来たの?」すると文修君は本題に入った。実は弟の小乾安(ケンアン)王から文があり、寿春(ジュシュン)での生活が苦しいため銭を鋳造したいという。宣神諳は相談する相手が違うと断ったが、突然、文洲君が怒鳴り始めた。「乾安王一族からの恩を忘れたの?!養ってやったでしょう?!」少商と王姈は文修君の怒号に驚き、寝殿に駆けつけた。外で控えていた翟媪は言い争いになっていると話したが、皇后から誰にも中に入れないよう命じられたという。しかし少商は激しく罵倒される皇后を案じて思わず中に飛び込んだ。その時、ちょうど文修君が怒って燭台を倒し、少商は咄嗟に皇后をかばって腕に怪我をしてしまう。興奮冷めやらぬ文修君は殿門を開いて恩知らずな皇后の過去を知らしめてやると叫んだ。少商は皇后が殿門を閉めたのは文修君を守るためだと言い返し、口汚い言葉が外に漏れたらただでは済まないはずだと牽制する。「…ふん、私が死を恐れるとでも?」「では直接、陛下に文句を言って死んではいかがですか?皇后は無関係です!」すると文修君はさすが凌不疑が選んだだけあって弁の立つ娘だと鼻で笑った。「程少商、何様のつもり?!お前の夫も離縁され錯乱した女の息子 宮中で育てられて皇子だと勘違いしている」「子晟(ズーション)の功績は戦場で命を懸けて勝ち取ったもの、陛下の偏愛ではないわ 一族の権勢を笠に長秋宮で無礼を働くよりはましです!」その話をちょうど長秋宮を訪ねた文(ウェン)帝と凌不疑が聞いていた。文修君は新参者の少商の無礼に激高し、掟を教えてやると手を振り上げた。しかし皇后に腕をつかまれ止められてしまう。「鋳造権も渡さず、小娘さえ懲らしめられないと?やはりあなたは恩義を忘れた裏切り者よ!」「もうよい」そこへ皇帝が凌不疑を連れて現れた。( ๑≧ꇴ≦)まさかのアルソック皇帝皇帝はなぜそこまで執拗に皇后へ恩を着せるのか理解に苦しんだ。確かに皇后の父が亡くなった時、乾安王が夫人を哀れんで母子を引き取ったが、そもそも文修君の祖父が難に遭った時に死線を潜り抜けられたのは宣氏全族の助けのおかげ、乾安王はその時の恩を返したに過ぎない。「奏上したければなぜ車騎(シャキ)将軍を通して朝堂で訴えぬ? 長秋宮で皇后を困らせるのは、皇后がそなたに寛容だと知っているからだ 今日の皇后への不遜、行き過ぎた言動と不敬の数々はどんな罪になる?」驚いた皇后はそれとなく不疑に助けを求めた。「では文修君、お選びください、ここで陛下の処罰を待つか、私と共に皇宮を出るか」文修君は凌不疑と宮中を出たが、全く懲りていないように見えた。しかし不疑は城門への道すがら思わぬ情報を得る。「あなたのように両親の情も解さず冷酷な者には私のやり方は理解できないでしょうね? 陛下が父を孤城へ救援に行かせねば、勝利する前に父が死んだと思う?」「文修君はご存知なのか?乾安王が亡くなった理由を…」「もちろんよ」文修君の話では小越(ユエ)侯が乾安王に先んじて瘴気(ショウキ)を調査させるも、調べた兵士が死んだので報告してきたという。それでも乾安王は孤城を救おうと危険を冒して瘴気の中へ入り、結局、命を落とした。「あなたの舅父(キュウフ)を助けるために父は荒れ地で死んでいったのね 父が生きていたら今頃、天下は誰の手にあったかしら」「この件には裏がありそうだ、これ以上、利用されぬことです 小越侯と宣氏は不仲、小越侯の言葉は鵜呑みにできない それに陛下は小乾安王に義理を尽くしている、鉱山があれば困らぬはずだ 過分な望みは持たず、一方だけの言葉を信じぬように…」しかし文修君は不機嫌そうに帰ってしまう。実は小越侯は宣氏が皇帝に嫁いだせいで妹が后位を逃し、乾安王を恨んでいた。「…小越侯を見張り、調査を続けよ」三公主はちょうど馬車に乗ろうとしていた文修君母娘を見かけた。「長秋宮を追い出されたのは文修君だったのね~ 鋳造権の件で嘆願に来たとか…よほど切羽詰まっているのかしらん」「三公主こそ足元を見られませんように」すると文修君は逃げるように帰ってしまう。その様子を城楼から凌不疑が見ていた。つづく( ゚ェ゚)え?ずーしょんのママは離縁されてたのか…今さら?w
2023.09.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第1話)第28話「神像に嫁ぐ心得」自分の気持ちと向き合い、改めて凌不疑(リンブーイー)との婚姻を決めた程少商(チォンシャオシャン)。そうとは知らず、少商にこっ酷く追い返された不疑は城楼で独り、少商のために作った悪酔いしない酒をあおっていた。すると眼下で刺客から逃げ惑う韓武(ハンウー)の姿を見つける。不疑は急いで駆けつけ韓武を助けたが、刺客の最後の1人を始末しようとしたところで止められた。「生き証人にっ!」韓武は当時、小越(ユエ)侯の陣営にいた軍医を発見、接触していた。思った通り軍医は瘴気(ショウキ)を調査した将士の馬を陣営で目撃したという。瘴気を浴びて馬だけ無事とは考えられず調べを進めてみると、実は将兵たちが刀で斬られて死んでいたと分かった。恐れた軍医は名を隠して帰耕(キコウ)していたが、結局、若主公と会わせる前に殺されてしまう。「一体、何者だ?」韓武は若公主が踏みつけている刺客の覆面を外して顔を見た。その時、刺客が口に含んでいた毒針を放ち韓武の額に命中、不疑も驚いた一瞬の隙を突かれて足を斬られてしまう。しかし不疑は落ちていた剣を咄嗟に蹴り飛ばし、刺客を殺した。韓武は即死だった。刺客は身分を示す物を何も持っていなかったが、暗器の針には毒を入れる空洞があり、普通の鉄匠(テツショウ)が作れるとは思えない。「軍で使われる物だ…」当時、小越侯は瘴気が消えてから救援するよう乾安(ケンアン)王に提案していた。自軍の兵士を口封じしてまで瘴気があると主張したのは、孤城への救援を遅らせて陥落させるためだろう。「韓武が殺されたのも小越侯が察知したからだ、この先はあからさまに調査できなくなった さらに慎重を期さねば…」その夜、文(ウェン)帝は寵姫・越姮(ユエホン)の永楽宮で過ごしながら、怪我をした子晟(ズーション)を心配していた。いつも無駄口を叩かない子晟が驚くことに″落馬した″と見え見えの嘘をついたという。「6歳から自在に馬を走らせていた子晟が落馬だと? 実は負傷する前、程娘子(ニャンズー)に会っていたらしい」皇帝は怪我の原因が程娘子だと考え、自分が罰するのを恐れて子晟が程娘子をかばったのだと深読みした。「今や子晟の心には程娘子だけ…朕は排除された(ボソッ」するとは越妃はそれが若さだと懐かしんだ。かつて皇帝も首を蚊に刺されただけで、あらゆる手段を使って自分に知らせようとしたことがあったという。「でももし程娘子が何も知らないなら…子晟は負傷したかいがないですね」「( °◊° )ピコーン!なら朕が知らしめてやろう!」そこで皇帝は早速、少商と子晟を参内させることにした。「程娘子には朕と同じくらい子晟を愛おしんでもらわんとな!」参内した少商を案内してくれたのは五公主の伴読・駱済通(ルオジートン)だった。すると運悪く回廊で三公主と出くわしてしまう。「程娘子、また会ったわね、その顔で十一郎を誘惑したのね」「…誘惑とはどういう意味でしょうか?」掟を知らない少商はうっかり聞き返し、三公主を怒らせた。「口答えしたわね、誰か、頬を叩いて」「やめないか!」その声は凌不疑だった。アルソック不疑キタわ~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››三公主は少商など十一郎の妻に相応しくないと訴え、人を惑わせ、足まで怪我をさせたと非難した。許嫁に因縁をつけられた不疑は嫌悪感をあらわにし、三公主こそ倹約する皇帝と皇后を顧みず強欲だと非難する。「私も今年で齢21、少商と出会ってやっと妻帯する気になった この生涯で少商以外の誰かに心が動くことはない」すると不疑は呆然と立ちすくんでいる少商の手をつかみ、連れて行ってしまう。凌不疑の仕打ちに憤慨する三公主、実は駱済通も人知れず深く傷ついていた。凌不疑は少商が縁談を辞退するつもりだと誤解していた。しかし少商は自分が足を怪我したと知って心配してくれる。「一応、未婚妻として気遣わないと陛下の怒りを買うでしょう?」少商の物言いは相変わらず容赦ない。「あなたは熱過ぎる、修造?…違う、神像みたい、畏怖され崇められる その神像と成婚して一緒に住むのよ?誰だって躊躇するわ」「少商、妻と決めた以上、私には君しかいない 破談にしたいなら陛下に申し出よ、だが私は決して応じない」すると少商はあっけらかんと破談にするつもりはないと言った。「幼い頃から愛されず、愛することも知らない、だから下心を疑ってしまうの でもあなたは私によくしてくれたわ」「…少商、君は私の妻、私の持つ全ては君のものだ…全力で君を守る、いずれ信じてもらえる」「信じるかどうかはあなた次第ね~」そこで不疑は少商の好物の焼餅(シャオビン)を出した。「今後は好きな時に食べるといい」皇帝と皇后は皇太子夫妻を同席させ、少商と引見した。すると心配した凌不疑が現れ、一緒に話を聞くという。皇帝は不疑を静養させるつもりで呼んだが、不疑は頑として動かず、仕方なく2人に足を崩すよう促した。皇帝は少商を皇后に預け、花嫁修行させることにした。しかし少商はうつむいたまま黙ってしまう。不疑は何でも正直に言えば良いと助言したが、少商は何を思ったのか急に訴えたい人がいると言い出した。朝廷では皇帝への諫言や上奏は大ごと、一つ間違えば重罪となる。「朝廷のことは分かりません、でも凌将軍は陛下が寛大で実父も同然だと… あ、礼に適っていないのなら言いません」すると不疑が大丈夫だと答えたため、皇帝も認めざるを得なかった。「…臣女が訴えたいのは車騎将軍・王淳(ワンチュン)の娘・王姈(ワンリン)です 楼(ロウ)家の婚礼で私を中傷したからです」皇太子妃は少商の思わぬ訴えに目を白黒させた。まさかよりによって皇后の従姉妹・文修君(ウェンシウジュン)の娘を訴えるとは。文修君と言えば、ちょうど屋敷を訪ねてきた寿春(ジュシュン)の使者から鋳造権を無心されていた。かつては権勢を誇った乾安王府も皇帝の天下取りで老王が亡くなり没落、弟の小王が地盤となる寿春で不遇の日々を送っているが、それを支えているのが使者の家主である彭坤(ポンクン)だった。「天下は本来、乾安文氏のものだった、なのに我ら姉弟がかくも苦労するとは…」そこへ客人とは知らず王姈が現れた。すると使者は美しい王姈を気に入り、父親ほど歳の離れた家主に嫁がせたいという。「…お忘れなきよう、家主がなぜあんな身体になったのか 家主が瘴気も顧みずに乾安王を背負って戻ったからでは?! ずっと子宝に恵まれぬのもそれが原因です!」少商は王姈たちから大勢の前で女狐だと中傷されたと訴えた。もし自分が訴え出なければ凌将軍は女狐に惑わされたとの名折れになるという。「陛下の家は国に関わる、家が乱れれば国も危うい、国のために訴えるのです 私も根に持ちたくはありませんが、王娘子は子晟のことで絡むのをやめません」すると皇太子も確かに王姈が人目もはばからず子晟の縁談に何度も憤慨していたようだと明かした。皇帝は更なる災いを防ぐため王姈に戒めを与えると言ってくれた。少商も皇后の長秋宮に住み込むことになったが、まだ幼い少商は戸惑いを隠せない。そこで不疑は少商がようやく両親と過ごせるようになったことから、自宅から通わせてはどうかと提案した。「また別れを経験させたくありません、私が毎日、送り迎えします」「子晟自ら送迎とは…」皇帝は仕方なく許可した。「では毎日、辰時前に長秋宮に入って申時末に皇宮を出る、10日に1日が休みよ」一方、王姈は母から舅父のいる寿春へ嫁げと言われ、号泣していた。「程少商は凌不疑に嫁ぐのに、なぜ私は未開の地の年寄りに嫁ぐのですか!」しかし彭坤は乾安王一族の恩人、無下にはできない。将軍は娘をかばい婚姻に反対したが、文修君は未だ自分の境遇に納得できなかった。「我ら乾安王一族がいなければ陛下は大軍を得て戾(レイ)帝を平定できたと思う? 皇后とて我が家に身を寄せたから今日があるのよ! 我が一族が犠牲となり、残っているのはお前の舅父だけ…天下が我が家に恩があるの!」その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が皇帝の命を伝えにやって来た。気位の高い文修君は皇帝の言葉とは言え、決して宦官の前で跪こうとはしなかった。仕方なく曹常侍は程少商を辱めた王姈に父娘で自省するよう伝えたが、これに激怒した文修君は娘を引っ叩いてしまう。「横暴でも何でも良いが恥をさらすのだけは許さない!」文修君は程氏をかばった皇帝だけでなく、それを諌めない皇后への怒りが爆発した。「もし私と陛下が同族でなかったら、私が皇后だった!」つづく( ತ _ತ)文修君の金切り声でテンションが下がるわ___それにしてもずーしょん21歳なのか?!にゃおにゃおが15歳だから、せいぜい18歳くらいかと思ってたェェェェェ…( ̄◇ ̄)( ̄◇:;.:... ( ̄:;....::;.:. :::;…
2023.09.16
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第27話「本当の気持ち」凌不疑(リンブーイー)の権勢に反発しながらも聘礼(ヘイレイ)の儀を済ませた程少商(チォンシャオシャン)。すると不疑は程家も自分の家族だと言って黒甲衛(コクコウエイ)に曲陵(キョクリョウ)侯府を警固させた。「これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」(๑•̀ㅂ•́)و✧<お任せください!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)アルソック?さらに翌日は早朝から屋敷の人間が中庭に集められ、厳しい訓練が始まった。2人の兄はもちろん、堂姉・程姎(チォンヤン)や侍女まで体力作りのためだと鍛錬を強いられてしまう。凌将軍の威光に程始(チォンシー)も逆らえず、穏やかな姎姎さえ生まれて初めて反抗したくなったと嘆いた。喉が渇いても身体が冷えるからと白湯しか飲ませてもらえず、夜になっても護衛の目が光り気が休まる時がない。やがて家族は限界に達し、凌将軍の対応を嫋嫋(ニャオニャオ)独りに任せると決めた。その夜、少商は塀をよじ登って脱出、万萋萋(ワンチーチー)と酒を飲んで憂さ晴らしした。「以前は書を読めと見張られたけど、今はみんな凌不疑から隠れるのに必死でそれどころじゃない 今や阿母の代わりに凌不疑が干渉するの、母の干渉なんて凌不疑に比べたら可愛いもんだったわ 鍛錬って…ケッ!屋敷中を集めて訓練を始めたのよ?!(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ バンバン!」しかし軍生活に慣れている萋萋は確かにその病弱で非力な姿を見れば鍛えるべきだと失笑した。少商は何も指図しなかった楼垚(ロウヤオ)を懐かしみ、食事にまで口を出す凌不疑への不満が爆発する。「あの笑い話、何なの?あれは嫁がなければ一家が死ぬっていうおどしよ!凌不疑は極悪非道!」「でも…凌不疑は色々と尽くしてる…で、あんたは凌不疑が好きなの?嫌いなの?」「好きってどんな感情?」「そうね〜たとえば目を閉じても顔が浮かんでくるとか…」少商は目を閉じて考えてみたが、ふと目を開けると凌不疑の顔があった。凌不疑が泥酔した少商を背負って帰って来た。家族は凌将軍が少商を酔わせたと誤解して非難したが、聞けば少商が屋敷を抜け出して萋萋と酒を飲んでいたという。「少商だけでなく馬車で万娘子が寝ています」すると驚いた程頌児(チォンソンアル)が馬車の様子を見に行った。蕭元漪(シャオユエンイー)はいくら許嫁とは言え成婚前だと指摘、ともかく夫に少商を渡すよう頼んだ。しかし凌不疑は無理だという。「離したくないわけではなく、ご覧ください」すると不疑は両手を離してみせた。どうやら少商は凌不疑を馬だと思い込んでいる様子、しがみついて離れようとしない。「程夫人、私が運びます」一方、馬車でも泥酔した萋萋が程頌児に絡んでいた。手を焼いた程頌児は萋萋を押さえつけ、静かにさせるため口づけしてしまう。↓(*≧∀≦)ノ<ジィァ! ヒッ!(゚ロ゚ノ)(゚ロ゚ノ)ノ翌朝、少商は蓮房(リエンファン)から凌不疑におぶさって帰って来たと聞いた。すると早速、凌不疑が酔い覚ましの汁物を届けに来る。「私が酒を止めるのが気に食わなくて痛飲したのか?」そこで凌不疑は宮中の医官に生薬で作らせた桃花釀(トウカジョウ)を差し入れた。「これなら悪酔いしない、酒を飲みたい時はこれを… 自由を奪う気はない、身体を大切にして欲しいだけだ」「これは嫌い…生薬配合なら養命酒の方が好き」←とは言ってないw「もしや嫌いなのは酒ではなく私か?…少商、私は努力している、なぜ避けるのだ?」蓮房は仕方なく女公子の代わりに酔い覚ましと桃花釀を受け取り、出て行った。少商は自分たちの住む世界が違うと訴えた。「こればかりはどうにもならないわ、それにここは私の家で私の家族、あなたのものじゃない」「確かに…」不疑は幼少より軍で育ったため、命令を第一に考えるきらいがあった。決して強制したり支配するつもりはなく、ただ相談する習慣がないという。不疑には長年、家族もおらず、誰かと打ち解ける機会もなかった。「だから学びたい、私が権勢で抑圧したと言うが、私も普通の人間だ 君と普通の暮らしを送りたいと願っている」「でも私にとっては抑圧なの、桃花釀もいらない、私や家族への過剰な気遣いも不要よ そもそもあなたは普通の人じゃないし、私たちは平等じゃなかった あなたは私の気持ちも確認せず陛下に婚姻を頼んだわ、私を尊重していると言える? あなたのやり方は息が詰まるの…」すると凌不疑は何より自分のことをどう思っているのか聞いた。「私を好きか?…好きではないのか?!」しかし少商はこれまでの不満が一気に爆発してしまう。「あなたの言う″好き″とはあなたに服従して監視されることなの? 行動や食べる物も管理され、朝から一家中で鍛錬を強いられ怯えることが? それが″好き″だと言うなら私には耐えられない!永遠に望まぬ日々よ!」「では君が望む日々とは?」「それはあなたのいなぃ…(はっ!)」「それが本音か…」「嘘偽りなくね…私の家から出て行って、ここで別れてお互いに別々の道を行きましょう」「…帰るよ」蓮房は女公子に朝餉を運んだ。「あれだけ吐いたらさすがに空腹でしょう?」聞けば凌不疑は昨夜から一睡もせず少商を介抱していたという。その上、少商は一晩中、笑ったり泣いたり、しまいには凌不疑を叩くは蹴るは噛みつくはで、蓮房は激怒した凌将軍に殺されやしないかと怖かったと笑った。少商は何も覚えていなかったが、ともかく両親の部屋を訪ねることにする。すると寝殿の前に新しい履き物が置いてあった。「あ、これは女公子の足が冷えないように凌将軍が大蛇の皮で作らせたそうです 熱がこもらず、四季を通して履けるとか」程始は凌不疑に何ら非はないとかばった。そもそも人生はままならぬもの、凌不疑に嫁がなくても自分の望むまま生きて行けるとは限らない。蕭元漪は自分で応じておきながら躊躇するのは君子の所業ではないと呆れたが、ただ娘の幸せのためなら全てを捨てて縁談を断る覚悟はあると言った。「だから阿母にあなたの本音を聞かせて。凌不疑が本当に嫌いなの? この世に完璧な人間などいない、好きになっても全て意に沿うとは限らないわ 阿母と阿父さえ、ぶつかり合いながら円満な夫婦になったの 心を動かせる人に嫁げることだけで貴重なのよ?ちゃんと考えてから決めなさい」すると最後に程始は嫋嫋がどんな結論を出そうと賛成すると言った。少商は部屋に戻り、初めて凌不疑とのことを真面目に考えた。やがて日も暮れ、蝋燭に火を灯す。確かに凌不疑は不器用だが常に自分を守り、尊重してくれた。あの優しいまなざしも大きな背中も、いつの間にか少商の心の中に深く刻み込まれている。すると少商は凌不疑への本当の気持ちに気づき、部屋を飛び出して母屋へ走って行った。「阿母、阿父!決めました!…嫁ぎます!」つづく( ;∀;)やっぱり親の愛を越える愛はないのね~
2023.09.15
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第26話「縁談ぶち壊しのすゝめ」楼何(ローハー)両家の成婚の宴。凌不疑(リンブーイー)は掟を破って女家族の宴席に乗り込み、あらぬ中傷を受ける許嫁・程少商(チォンシャオシャン)を守った。凌将軍の権勢におののいて口をつぐむ招待客たち、そんな中、袁慎(ユエンシェン)だけは独り歯ぎしりしている。しかし少商もまた何とも言いようのない苛立ちを感じていた。帰りの馬車の中、凌不疑は浮かない顔をして押し黙っている少商を訝しんだ。「なぜ黙っている?」「…今日、権勢とは何かを見たわ」少商は何を言ってもしつこく絡んでくる令嬢たちに手を焼いていたが、凌将軍は一瞥をくれるだけで容易に黙らせることができた。「権勢は嫌いか?」「だってあなたの権勢だわ」「夫婦は一心同体、成婚後、私のものは君のものだ、それが悪いと?」確かに悪いとは言わないが、そんな風に夫に従い生きて行くなら、もはやそれは程少商ではない。少商は気を紛らせるため焼餅(シャオビン)を出して食べようとした。しかし不疑が腕をつかんで止める。「もう遅い、就寝前に食べるともたれる」少商は正論でねじ伏せる不疑に反感を抱き、例え自分のためであっても束縛されるのが一番嫌いだと訴えた。そこで焼餅を持ち替えて食べようとしたが、不疑が再び腕をつかんで制し、身体に悪いと知りながらなぜ食べるのか教えて欲しいという。「全てに理由があるわけじゃない、あなたが求婚したのも同じ、その理由は何?」不疑が言葉に詰まると、護衛の梁邱起(リャンチゥチー)が車に声をかけた。「若主公、西(サイ)村から急報です」不疑はそこで車を降りたが、少商は結局、焼餅を食べる気分ではなくなった。西村へ向かった韓武(ハンウー)が約束の3日を過ぎても戻らなかった。梁邱起が調査したところ、不審者の痕跡があったという。凌不疑はその足で西村へ行くことにしたが、明日は程家で聘礼(ヘイレイ)だった。「…私に考えがある」今日は凌家と程家の聘礼の儀。程老夫人董(ドン)氏は早朝から中庭を片付け、凌家から届く聘礼品を楽しみに待っていた。すると凌家から城陽(ジョウヨウ)侯夫人淳于(チュンユー)氏の体調が悪いため訪問できないと知らせが届く。ガーン!(꒪ꇴ꒪〣)<オワタ…せっかく決まった縁談がまた壊れるかも…私の聘礼品ががが…しかし老夫人の落胆を他所に蕭元漪(シャオユエンイー)は淳于氏の仮病だと気づいていた。案の定、その頃、淳于氏は汝陽(ジョヨウ)王府で子晟(ズーション)の縁談をいかに壊すか浅知恵を絞っていた。裕昌(ユーチャン)郡主は勅命では断りようがないと落胆したが、汝陽王妃は孫のため皇帝に直談判すると意気込む。すると侍女がやって来た。何でも凌不疑は自分に父がいないと称して皇帝に婚儀の進行を嘆願、皇帝も応じたという。「老王が礼官として明日、聘礼品を届けるとか…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)<何だって!汝陽王妃はよりによって夫が礼官として程家に行くと知り激怒した。「あなたと山に入り、田を耕してどれだけ苦労したか…私なくして夫と陛下を養えたと?! 朝臣も農民上がりの頃から知っています! 陛下とて私が米一口、水一口惜しんで立派に育てたのよ! 文(ウェン)家の男どもは良心もないのね!」悍婦(カンプ)に罵られ、孫娘からは出家すると脅され、汝陽王はやむなく縁談を壊すと安請け合いした。翌日、曲陵(キョクリョウ)侯府に城陽王がやって来た。婚姻に不満が募る少商は蓮房(リエンファン)を手伝いに行かせて大工仕事で鬱憤を晴らしていたが、そこへ汝陽王が現れる。汝陽王はまさか座卓を力任せに壊しているのが女公子だとは思わず、程少商がどこにいるのか聞いた。「孫娘は昨夜、夫を奪われ泣き腫らしておった、なぜ玉の輿に乗りたがるのか聞きたくてな」「誰もが凌不疑に嫁ぐのは玉の輿だと言う、でも私はこんな不公平な婚姻、惜しくもないわ!」実はその粗暴な娘が程少商だった。程少商は驚いたことに都中の女子が慕う子晟との縁談を自ら壊そうとしていた。何でも最初から不公平な婚姻で、平等に尊重し合えないのなら独りの方がましだという。そこで汝陽王は必ずしも平等とは限らないと諭した。「私と女房は成婚して50年だが少しも話が合わん、互いに敬いも尊重もせずだ ただ長年の修行で悟った、無為に争わぬ道を追究せよと…ゆえに耐えるしかない」「王爺、離縁できないのを修行のせいにしませんように 明らかに権勢が怖いだけでは?陛下のご不興を買うと…」「そなたこそ、不公平な婚姻だと思うなら、なぜ断らぬ?」「ゥッ…私も怖いのです、権勢が…(はっ!) 王爺?!郡主を助けたいなら聘礼品を全部、持ち帰っては? 婚姻はぶち壊しになり、どちらも満足です」しかし汝陽王は自分をそそのかして破談にさせようとしても無駄だと笑った。「私も子晟の成長を見て来た、婚姻を是非、実現させてやりたい」こうして汝陽王は無事に聘礼品を届け、皇宮へ報告に向かった。(; ゚ェ゚)<…まだ耄碌(モウロク)してないわ(ボソッ汝陽王妃は縁談を壊さなかった夫に激怒した。しかし少商の話を聞いて吹っ切れたのか、汝陽王はこれから自分のために生きたいと願い、離縁するという。もはや祖母の脅しさえ効かなくなったと知った裕昌は御前で首を吊ると言い出した。これに汝陽王は激高、始めて孫娘に手を挙げてしまう。「バカもん!両親が早世し哀れに思って甘やかして来たが、不満がある度に死ぬと騒ぐとは… 自分を大切にしなければ夫に尊重されるわけがない! 凌不疑のことはあきらめよ、程少商とは雲泥の差だ、勝てぬ!」思わぬ夫の反乱に汝陽王妃は呆然となった。そこで夫に殴りかかりながら、皇帝に恩を思い出させてやるとわめき散らす。「もうたくさんだ!何かにつけ一口、食わせて救ったと言うが、天地は知っているぞ? あれは腐っだ飯、お前も食わぬ飯だった! それと引き換えに十余年の栄華を得たなら元は取れたであろう?」すると汝陽王は裕昌に別の相手に嫁ぐか出家するか、自分で選べと言い放った。一方、西村に到着した凌不疑たちは依然、韓武の消息をつかめずにいた。しかし軍医の屋敷の周りには足跡どころか馬蹄の跡もない。不疑は短時間で跡形もなく片付けられるのは軍だと気づき、韓武が残した手がかりを探すことにした。その時、やけに土が柔らかい場所を見つける。「掘れ…」すると土に埋められた包みを発見、中から折れた枝が出て来た。「長短2本ずつ…つまり韓武は無事だ」不疑は追っ手に気づいた韓武が合図を残して逃げたと知り、安堵して急いで都へ引き返すことにした。「聘礼に伺えなかった詫びに行かねば…」「若主公…その殺気では詫びというより断罪に行くような…」梁邱起が申し訳なさそうに指摘すると、梁邱飛(リャンチゥフェイ)も思わず頷いてしまう。「もっと笑ってみては?」「…お前、笑い話はあるか?」翌朝、程家の食卓はどこか殺伐としていた。程頌児(チォンソンアル)と程少宮(チォンシャオゴン)は聘礼に凌不疑が来なかったせいで嫋嫋(ニャオニャオ)の機嫌が悪いと誤解している。「私のことなんてどうせ二の次よ、だから阿母は破談を口にもしなくなった ねえ、権勢がどんなものか分かる?!知らないでしょう?!」少商は今さら母に八つ当たりし、兄たちに噛みついた。驚いた程姎(チォンヤン)は伯母なら心配で眠れず食欲もないとかばったが、蕭元漪は話を止めただけでいつもの勢いはない。その時、突然、屋敷が黒甲衛(コクコウエイ)に包囲された。程家の食卓に凌不疑が現れた。その迫力に度肝を抜かれる程家の面々、すると不疑は軍務で聘礼に間に合わなかったと謝罪する。蕭元漪は青蓯(チンツォン)に九騅(キュウスイ)堂を片付けて凌将軍の食事を用意するよう命じたが、不疑はここで一緒に食べると座った。(  ̄꒳ ̄)<皆さん、どうぞ堅苦しくならず、子晟、こう見えて気さくなんです( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ぉおうすると不疑は早速、阿飛から教えてもらった笑い話を披露した。全く面白くない上、落ちがない話、仕方なく少宮が切り出してみる。「で最後、舟に乗っていた書生はどうなったのです?」「もちろん溺死しました、わっはははは!」しかし笑ったのは不疑と梁邱飛だけだった。その時、唯一、凌不疑を恐れない強者が現れる。「アイヨー!あなたが凌家の郎君?!眉も目も鼻も口もやっぱり際立ってるわ~」老夫人は馴れ馴れしく不疑の隣に座って上機嫌、少商は目も当てられず、そっぽを向いた。「程老夫人はさすが叡智(エイチ)があります」「そう!そのエイチ~!ぶっははははは~♪」(・Д・)<…って何それ?美味しいの?少商は父や兄たちと買い物に出かけ、沢山の荷物を抱えて屋敷に戻った。すると突然、正門で門衛に止められ、包みを確認するという。困惑する少商たち、そこへ凌不疑が現れた。「少商と婚約したからには程家は私の家族です これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)VIPアルソック!見ているこっちまで息苦しくなって来たわ…やっぱりルースー上手いね~
2023.09.09
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第25話「妻のお披露目」凌不疑(リンブーイー)の母・霍君華(フォジュンホワ)は孤城での凄まじい体験から正気を失い、今も少女時代を生きていた。「もし真相を伝えたら文(ウェン)家阿兄は我らの無念を晴らしてくれるかしら?」不疑は祠堂にいる母に外套をかけ、因果は応報するもの、いずれ画策した者に罰が下ると安心させる。「悪人はまだ世にのさばっている…逃がさないで」「阿母…妻を娶ることにしました」その時、回廊から招かれざる客の声が聞こえた。「子晟(ズーション)、縁談の話を阿父が最後に知るとは…まだ私を恨んでいるのか?」凌不疑が回廊へ出ると父がいた。護衛の梁(リョウ)兄弟が止めるのも聞かず上がり込んだ城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)は、今日になって夫人・淳于(チュンユー)氏から息子が程(チォン)娘子に求婚したと聞いたという。当然、何の権勢もない曲陵(キョクリョウ)侯の娘など反対、それより家柄も血筋も良い裕昌(ユーチャン)郡主を選ぶべきだと諭した。しかし不疑はとりつく島もなく、けんもほろろに追い返されてしまう。「阿母が言ったはずだ、己の視界の中に入ってくれるなと…お見送りを」その時、突然、母が祠堂から出てきた。すると霍君華は夫の前まで歩いて来たかと思うと、いきなり凌益を引っ叩いてしまう。「何様のつもり?!基盤もない無名の輩が求婚だなんて… 私は霍氏の一人娘、お前など私の履物取りにも値しない!懲らしめてやる!」凌益は興奮した霍君華に何度も殴られ、顔を真っ赤に腫らして帰って行った。その夜、凌不疑は霍家軍伝令官・韓武(ハンウー)を祠堂に案内した。「将軍…参上しました…15年も遅れて…」←見事なジャンピング土下座!韓武は位牌の前で泣き崩れたが、孤城の真相を突き止めることで亡魂の無念を晴らせという若主公の言葉で奮起する。あれから小越(ユエ)侯の麾下(キカ)の軍医を追っていた韓武、実は行方を突き止めていた。その軍医は早々に名を変え、都の郊外にある西(サイ)村で隠居中だという。不疑は配下を一緒に行かせると言ったが、韓武は慎重を期して独りで行くと断った。「3日以内に戻ります、しかし戦況は瞬時に変化するもの 霍将軍は身近な物で隠密裏に伝達させました 例えば枝を4本折り、そのうち1本だけ短ければ危険、長短2本ずつなら無事です」すると韓武はなぜ慌てて孤城の生き残りを探しているのか聞いた。不疑は孤城陥落に裏があると踏んでいたが、実は急ぐのには別の理由があるという。「慕う者ができた、調査から戻れば結納に間に合うだろう」「成婚なさると?…めでたい!将軍もあの世でお喜びでしょう」不疑は許嫁が普通の女子ではないと教えた。「私のように過去に縛られる人間は本来は孤独の身 だがもしこの苦難の道を共に歩める人がいるなら彼女だ…試す価値はある」但倘若一路艰辛里 同行之人是她( ;∀;)やだ、そうだったの〜って…イヤイヤイヤ~何も知らずに試される方の身にもなってよwその頃、蕭元漪(シャオユエンイー)はなかなか寝付けずにいた。すると少商(シャオシャン)が吹く笛の音が聞こえて来る。まさか娘が冷徹な凌将軍より母親である自分を何万倍も恐れていようとは…。親の苦心など子に分かるはずもないが、母娘ともに強情で一歩も引かず、最も人を傷つける物言いを選び、容赦がない。蕭元漪は娘を置き去りにしたことが全ての元凶だと分かっていたが、これも因果応報なのだろう。縁談が決まった以上、あとは娘が凌将軍と仲睦まじく、共に白髪になれるよう祈るしかなかった。( ゚ェ゚)うーん、どうもママンの心情がつかみ切れない言ってることも何となく的外れなような…字幕だと端折られちゃうせいかな~明日はいよいよ楼何(ローハー)両家の成婚、袁慎(ユエンシェン)は一緒に行かないかと母を誘った。すると袁夫人梁(リャン)氏は他家の縁談など興味ないという。「では私の婚姻は?」袁慎は程家のように干渉する親を羨んだ。そこで自ら縁談相手の絵姿を持って来たが、母は息子の婚姻にも無関心、自分で決めろと冷たく突き放されてしまう。( ゚ェ゚)そうか、善見も親が仮面夫婦で屈折してたっけ…ってだからって同情するかゴルァ!w翌朝、凌不疑はまだ寝ていた少商を起こし、楼何両家の成婚の宴に同行させた。久しぶりに顔を合わせた少商と楼垚(ローヤオ)、すると早速、袁慎がからんでくる。「少商も鞍替えが早い、たった数日で新しい相手とは… 怖いもの知らずの程娘子がついに権勢に屈する日が来るとはね〜「あなたには関係ない」すると不疑は少商から袁慎を遠ざけるため、席に案内して欲しいと頼んだ。( ๑≧ꇴ≦)殴ってくれ、頼む!w楼垚は凌将軍と善見(シャンジエン)を男家族の部屋に案内することにした。そこで安成(アンセイ)君・何昭君(ハージャオジュン)が少商を女家族の宴席に連れて行くことにしたが、少し話がしたいと回廊を遠回りする。「阿垚を返してくれたこと、感謝しているわ」かつては横暴でわがままだった何昭君、しかし馮翊(ヒョウヨク)郡での壮絶な体験で人を見る目もすっかり変わったという。「今なら分かる、男は性根が良く温厚な人がいい、あなたも…多少は誠実ね」「分かればいいの…今や阿垚は私の兄長、虐げたら許さないから」「私にとって弟を除けば阿垚だけが家族、うまくやっていける、あなたと凌不疑もね」すると何昭君は喪中のため宴席には顔を出せないと断り、そこで引き返した。一方、凌不疑は何かと突っかかる袁慎を警戒した。「今後、程家の家塾は私に任せよ、もし暇で仕方がないなら仕官に推薦しよう」「必要ない、すでに恩師・皇甫儀(ホワンフーイー)が推薦してくれた」/(^o^)\オワター!凌不疑と袁慎はこれから朝堂で顔を合わせることになった。不疑は少商との成婚には祝い酒を飲んで欲しいと優位に立ったが、袁慎は少商と楼垚が破談したことを持ち出し、成婚するまで何があるか分からないと牽制する。「袁公子は程氏で師を務め、今度は私と少商の縁談を聞きつけた… まさか私の妻に邪(ヨコシマ)な思いがあるのではあるまいな?」「ふっ、程少商に男女の情など分からぬ、計算ずくなだけ 私は婚姻に打算的な者が一番嫌いだ、程少商には何の私情もない」「と言うことは標的は私だけか?」「見てみたいだけだ、腹に一物ある女を好む男がどんな末路を辿るか…」「私と少商の心は一つ、末長く添い遂げる 袁公子のごとく狭量で口さがない者にそんな日は訪れまい」「凌将軍、私は文官、あなたより長生きだ、本当に添い遂げられるとでも?」一触即発の様相となる不疑と袁慎、そこで楼垚が割って入り話を止めた。(  ̄꒳ ̄)ここで一服の清涼剤少商は宴席に到着、万萋萋(ワンチーチー)や程姎(チォンヤン)と合流した。すると早速、王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が次の縁談が決まった少商を中傷、言い争いになってしまう。破談にしたそばから婚約なんて…>(*´・ω・)(・ω・`*)ネー( ತ _ತ)<お前は皇帝から賜った縁談を断れんのかバカ!一方、凌不疑は楼犇(ロウベン)と再会、改めて仕官を勧めた。しかし楼太傅が聞きつけ、楼垚が何昭君を娶れたことが皇帝の一番の恩寵だと圧力をかける。楼犇も伯父に反発できず、仕官は望んでいないと断るしかなかった。そこへ王延姫(ワンイエンジー)がやって来る。「阿延?なぜ男客の席へ?」「程四娘子に頼まれたの、凌将軍の馬車に外套を忘れたと…」不疑は大公子夫人の目配せで少商に助けが必要だと気づいた。王姈は萋萋から凌不疑に相手にもされないと馬鹿にされ、思わず少商を女狐と蔑んだ。その時、宴の席に突然、黒甲衛(コクコウエイ)が現れ、騒然となる。すると向かいの男客の宴席から凌不疑が出て来た。「恥を知り礼儀を知るは何か教えてやろう」男の客人たちは凌将軍に守られる程娘子は幸運だと噂した。しかしそれを聞いた袁慎は急に不機嫌になり、わざと料理をひっくり返して客人の衣を汚してしまう。(  ̄꒳ ̄)ホント、器の小さいヤツw凌不疑は男女の宴席を隔てる衝立を倒し、少商を女狐と呼んだ王姈を非難した。「そう言えば先月、五皇子に2人の美女を贈られてな 君の兄長王が羨んでいたため譲ったが、数日後、君の阿父が2人を受け取ったと聞いたよ 狐媚風情と言うならこの2人に使うべきでは? 私の妻を貶めようとする前に考えたらどうだ?その2人を阿嫂と呼ぶのか、阿母と呼ぶのか…」王姈は家族の恥を晒され笑い者になった。しかし少商は黙ったまま視線を落とし、不疑と目を合わせようとしない。そこで不疑は少商の杯を持ち、堂々と妻を紹介した。「私と程娘子の婚約の件は聞き及びのはず、成婚の暁にはどうか各位の来臨を賜りたい」( ๑≧ꇴ≦)アルソックの圧が強いのよwwwつづく
2023.09.08
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第24話「一世一代の決断」長秋(チョウシュウ)宮で五公主からいきなり罰を受けそうになった程少商(チォンシャオシャン)。すると駱済通(ルオジートン)が現れ、皇帝が程娘子を宴に呼んでいるため遅れてしまうととりなした。おかげで難を逃れた少商だったが、穏やかな皇帝や皇后を思うと五公主がなぜあれほど横暴なのか分からない。実は駱済通は長水校尉・駱住(ルオジュー)の娘で数年前から五公主の伴読だった。五公主は天下平定後に生まれた末娘のため兄姉ほど苦労を知らず、裕福に育ったせいでわがままなのだという。「宮中は掟に厳しい、貴人の噂話はこの辺で…家族にも災いが降りかかるわ」「ご教示ありがとうございます、でも幸い2度と宮中に来ることはありません」駱済通は少商を宴の席に案内して下がった。隣の席にはあの意地悪な王姈(ワンリン)が座っていたが、もはや少商にとって嫌味な王姈を負かすのは朝飯前。すると思いがけず犬猿の仲の五公主と三公主が舌戦になった。少商は手持ち無沙汰で隠し持っていた焼餅(シャオビン)を食べ始めたが、五公主に見つかり、焼瓶の盗み食いとは何事かと叱責されてしまう。これに乗じて王姈は出征した両親が娘を躾けず少商はただの野生児だと蔑み、初めての参内で宮中の掟など知らないと馬鹿にした。しかし少商は怯まず、開き直ってさらに焼瓶を頬張る。「これは瓶ではなく黍(キビ)ナンです、皇帝と皇后が倹約されているのにご存じないと? 確かに公主は驕(オゴ)り高ぶる尊い娘、毎日、宮中に閉じこもっていれば見識も狭くなりましょう(うっ)何だかお腹が痛くなって来た…失礼します」少商は公主をやり込め回廊へ出た。しかし後を追いかけて来た侍女が少商の履き物を取り上げ、放り投げてしまう。少商は相手にするまいと胸を張って堂々と取りに向かったが、侍女がさらに遠くへ投げた。すると前と後ろから現れた侍女がいきなり花瓶を放り投げ、少商の足元は割れた破片だらけになってしまう。その様子を公主たちが笑いながら見ていた。少商は破片を避けて行こうとしたが、突然、背後から侍女に蹴られてしまう。「あっ!」破片の上に顔から落ちていく少商、その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、危ないところで少商を抱き留めた。( ๑≧ꇴ≦)アルソック発動!凌不疑は少商を欄干に座らせ、自ら履き物を履かせた。思わぬ援軍の登場にざわつく公主たち、しかし偶然その様子を見ていた駱済通は心中おだやかでない。実は以前、皇后は駱済通を凌不疑に嫁がせたいと明かしたことがあった。凌不疑は悔しがる公主たちを尻目に少商を自分の横の席に座らせた。三皇子は皇太子のそばに若い娘を座らせるとは何事かと呆れたが、五皇子は愛らしい少商が気に入り、自分の妾にならないかという。「五殿下、ご心配なく、少商にはもう縁談話があります」「子晟(ズーション)偽るな、楼(ルオ)家とは破談になったであろう?」「そうです、つまり私が娶れるようになったのです」(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハッ!<凌将軍、落ち着いて…少商は凌将軍の発言に思わず咳き込むと、ちょうどそこへ皇帝が両親や万(ワン)伯父たちを引き連れてやって来る。程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の姿を見つけて仰天、少商も目で父に助けを求めたが、話は意外な方向へ進んだ。凌不疑は席を立っていきなり御前で跪くと、皇帝に嘆願した。「陛下、陛下は私の親代わり、程四娘子へ縁談の申し込みを…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン@程家皇帝は意外にも早い展開に大喜びし、早速、程将軍に縁談を申し込んだ。言葉に詰まる程始、その時、蕭元漪が撤回を求めた。蕭元漪は夫と共に跪くと、若き英雄である凌将軍に娘は不釣り合いだと訴えた。「娘は幼少より躾に欠け、目も当てられません 私の帰還後も学問、練武、どれもだめで、女徳にかけ、口さがない 厳格にしたくとも目上の者に従おうとしません もし娘が他人なら、こんな嫁を程氏は決して迎えないでしょう 程氏の他の娘が陛下のご厚情を賜れば、我らは心から誇りに思います 陛下、少商は好戦的で容赦ありません もし凌将軍に嫁いだら大きな災いを起こし、程氏一家に累を及ぼすやも… 陛下、素晴らしい縁談でも少商にとっては身に余ります」程始はそもそも出征で娘の躾を疎かにした自分たちの責任だと少商をかばったが、蕭元漪は容赦無く娘を貶めた。「凌将軍は娘と出会って日も浅い、娘は聡明そうに見えて口八丁で軽率でもあります」傍観していた三皇子もさすがに驚きを隠せず、思わず口を挟んだ。「子晟に嫁がせまいとこれほど我が子を貶めるとは… 都中の女子が競って子晟に嫁ぎたがるが、程家だけが皇命に逆らってまで拒む 程夫人が悩み抜いたあげくか、子晟を恐れているからか」すると衆人の前で顔を潰された皇帝は憤慨、程始に罰を与えようとしたが、慌てて皇后と凌不疑が止めた。少商はこのままでは家族を巻き込んでしまうと焦った。「陛下、母の言うように私は問題児です、到底、従順な妻にはなれません 凌将軍、あなたは将来、私より何千倍も素敵な妻を娶れるはずです 私は強情で人の話に耳を貸さず、服従もしない、それでも妻にしたいと望みますか?」「もちろん、君にとって私がそんなに立派に見えていたとは…君とて同じ 私にとって程少商はこの都城で最も素晴らしい女子だ」不疑は少商が世間の理想の妻と違っても、自分にとっては誰より勝る女子だと訴えた。「君は純粋で果敢、感情を惜しみなく表し、唯一、自分と肩を並べて歩める女子だ この凌不疑、生涯、他の女子を娶ることはない」すると少商は一世一代の決断を下した。「臣女、厚かましくも凌将軍に応じます!」皇帝はすっかり機嫌を直し、これで誰も2人の縁談を反故にできないと釘を刺した。曲陵(キョクリョウ)侯府へ戻った少商、すると蕭元漪は勝手に縁談を承諾した娘への怒りがふつふつと沸き上がった。しかし少商は楼垚(ロウヤオ)との縁談を壊すため凌将軍を持ち出し、凌将軍が求婚すればまた不満なのかと呆れる。「不満なのは私が選んだ相手?それとも娘の私ですか?」蕭元漪は激高して机を叩いたが、程始が鎮めて代わりに説明した。実は凌不疑の実母・霍君華(フォジュンホワ)は霍翀(フォチョン)の妹として栄華を誇っていたが、哀れな末路を迎えていた。15年前、霍将軍は皇帝が危機の際、孤城で戾(レイ)帝の20万軍を足止めしたという。しかし城門が破られ霍家はほぼ全滅、霍夫人と凌不疑は行方不明になった。城陽(ジョウヨウ)侯は結局、寄宿中の母方の従妹・淳于(チュンユー)氏を後添えに迎えたが、成婚後1年も経たずに霍夫人が凌不疑を連れて戻って来たという。霍家の功績を思えば本来、離縁させるところだが、淳于氏が汝陽(ジョヨウ)王妃と昵懇(ジッコン)のためできなかった。蕭元漪は淳于氏という姑など心配の種の一つに過ぎないと言った。むしろ心配なのは凌不疑本人、楼垚と違って揺るがぬ意志を持ち、決めたことは貫くという。「あなたも強情なのに、頑固者同士で夫婦になれると思う?」確かに城陽侯府は虎穴なのだろう。しかし少商はあの時、他に選択肢などなかったと言った。「阿母は厄介な婿を拒みたいあまり、私を価値がないほどまでに貶めた でも私にも自尊心や誇りがあり、堂々と生きたい …阿母、縁談の相手が堂姉なら今日のように衆人の前で辱めましたか?」「ゥッ…姎姎(ヤンヤン)は心配する必要もない!」蕭元漪は自分でもやり過ぎだったと分かっていたが、娘に煽られやり返してしまう。そこで程始はこれも皇帝を説得するための苦肉の策だったと言い訳した。「いくら傷ついたからと言って意地になって応じるとは…」「意地じゃない、真剣に考えました」少商は例え誰に嫁ごうと母の心配が絶えないのなら、早く嫁いで憂いをなくしたいという。「嫁ぐ相手を間違えたら一生、不幸になるのよ?!」「皇命に背いて一門が没落するより私一人が不幸な方がましです …放置されたことを恨んだこともありました、でも分かったのです、私も孝行娘ではありません だからお互いに負い目はない、私を置き去りにして得た栄華を壊す必要はないわ それでは私が生まれたこと自体、滑稽に思えて来る…」少商の言葉を聞いた蕭元漪は何も言い返せなかった。「自分で決めた縁談に悔いはない、迷惑はかけません」「はお…はお!いいわ、凌不疑に嫁ぎたいなら希望を叶えましょう」つづく(´-ω-。` )おう…少商があまりに不憫で初めて挫折しそうになった…善見が出てこなかったのにwでも原作通り中身がタイムスリップ?した人だと思うと腑に落ちるわ
2023.09.02
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第23話「皇宮へ参上」療養中の凌不疑(リンブーイー)を見舞うため父と凌府を訪ねた程少商(チォンシャオシャン)。しかし広大な屋敷はいかつい黒甲衛(コクコウエイ)が警固し、殺伐とした正殿はさながら軍営のようだ。「女子の使用人もいない…」「君が女子では?」その時、ふいに凌不疑が現れ、程始(チォンシー)と少商は緊張のあまり身体を硬直させた。「…女子は君一人で十分だ」(°_°)ハイ?凌不疑は少商の来訪を喜んだが、程将軍を見ると不機嫌になった。少商は足が震えてどうにも落ち着かず、早々に引き上げようと父に目配せする。そこで程始はゆっくり静養するよう社交辞令でごまかし、娘を連れて逃げるように帰った。しかしあと少しで門というところで梁邱起(リャンチゥチー)に呼び止められてしまう。「これは女公子の落とし物ですか?半分が見つからぬため探して欲しいと…」少商は例の割れた玉佩だと気づき、仕方なく引き返した。すると父だけ黒甲衛に囲まれ、足止めされてしまう。「程将軍は怪力の持ち主で十人力だとか、教えを乞うても?」程始は自分が邪魔なのだと察し、家で用事があると断って娘を置き去りにした。(^ꇴ^)ノ″<嫋嫋(ニャオニャオ)~気をつけるんだぞ!(°_°).oO(そういう感じ?凌不疑は玉佩で少商を脅し、連れ戻した。「私が怖いのか?父親を連れて見舞いに来るとは…」少商は自分一人で来なかったことが不服なのだと気づき、うつむいてしまう。「古傷を痛めたのに見舞いも渋々か…」「…まだ痛みますか?」「武術に支障がないか聞かないのか?」「武術ができるかどうかは二の次でしょう?」凌不疑は驊(カ)県でも痛いかどうか聞いてくれたのは少商だけだったという。「君は特別だな」すると思いがけず皇太子が裕昌(ユーチャン)郡主たちを連れて見舞いにやって来た。少商はこの機に乗じて帰ろうとしたが、皇太子たちがすぐ正殿に到着し、逃げる機会を失ってしまう。袁慎(ユエンシェン)は皇太子をけしかけ、一緒に見舞いにやって来た。すると王姈(ワンリン)が皇太子に楼(ロウ)家と破談になった程四娘子だと紹介し、次の目当ては凌不疑かと毒づく。しかも自分の奴婢が程氏客桟のそばで少商と男が密会しているのを見たと辱めた。袁慎は自分のことだと思い出し、師匠の伝言を少商に託しただけで他意はないと釈明する。ただでさえ居心地が悪い中、王姈に侮辱され踏んだり蹴ったりの少商。「男女の卑猥なことしか頭にないから誰もが淫らだと思うのかしら? 袁公子とやましいことがあれば馬車にひかれて死ぬわ! 凌将軍、どうぞお大事に!失礼します!」袁慎も袁氏の栄誉に関わる流言だと憤慨、改めて説明を求めると言って帰ってしまう。不疑は少商との時間を邪魔され怒りが収まらず、王姈を節穴だと罵しり追い返した。その頃、凌府にちょうど三皇子と側近の小越(ユエ)侯が到着した。すると正門から皇太子が慌てて出て来る。「何かあったのですか?」「裕昌が子晟(ズーション)のことで傷ついてな…思い詰めるやもしれぬ」三皇子たちは皇太子を見送ったが、その間に医者らしき男が凌府へ入ったかと思うと正門が閉められてしまう。「若主公は休んだばかりのためお待ちを…」「ならば戻るとしよう、舅父が上等の薬を求めた、子晟に煎じてくれ」実はその医者は15年も行方知れずだった霍(フォ)家軍の伝令官だった。韓武(ハンウー)は凌不疑と面会、逃亡兵としてどんな罰でも受けると拝跪した。しかし逃げ回っていたわけではなく、同袍と接触すれば殺される危険があり、名を隠して市井に紛れていたという。「″凌 将 軍″…ご無事で何よりです」孤城が破られ霍家が全滅した時、韓武は救援を求め城外にいた。当時、孤城の兵器は劣悪な物にすり替えられ、抵抗するのも困難だったという。霍将軍は仕方なく伝令官を近くの越氏部曲と乾安(ケンアン)王の軍に派遣したが、結局、援軍は到着せず、孤城は陥落した。実はあの日、城外に瘴気(ショウキ)がこもり、越氏と乾安王が進軍不能となって3日遅れたという。確かに小越侯は一隊を率いて瘴気を探りに行くも全滅したと報告したが、韓武は後日、出動した戦馬が兵営にいたという目撃証言を得ていた。「瘴気に毒あらば、なぜ人は死に馬だけ無事だったのでしょうか?」妙なことはもう一つあった。瘴気が散ってから軍医たちが検視のため林に入ったが、なぜか軍医たちは全員、失踪したという。「私に軍医たちの捜索をお命じください」「許可しよう」少商と袁慎の噂は皇帝の耳にも届いていた。すると文(ウェン)帝は立ち話だけで噂になる袁公子に比べ、命を助けた子晟とはなぜ噂が立たないのかと苛立つ。( ゚ェ゚)<いやそこですか?@皇后「ようやく子晟の目に適う女子が現れたのだ、仲を取り持ちたい」そこで早速、程娘子に参内を命じ、接見することにした。翌朝、程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は少商を連れて参内することになった。凌不疑を見舞ったと思えばいきなり皇帝との謁見、蕭元漪は嫋嫋が何かやらかしたのではないかと気が気でない。そんな母の心配などどこ拭く風、少商は馬車に揺られながらこっそり持って来た焼餅(シャオビン)をつまんでいた。皇帝と皇后は正直で素直な少商を気に入った。蕭元漪は出征している十数年の間、娘の躾けが疎かになったと謝罪したが、皇后は学業が疎かになっていても賢いのかと感心する。「お褒めに感謝します、皇后ってなんて美しいのかしら…」少商は母と違ってありのままの自分を受け入れてくれる皇后を敬愛し、思わず口を滑らせた。慌てる蕭元漪だったが、皇帝はならば母と皇后ではどちらが綺麗かと聞く。「皇后!」「なかなか面白い子だ」皇帝は喜び、一家を家族の昼餉に招いた。そこへ万(ワン)将軍が参内して崇徳(スウトク)殿で待機していると知らせが来る。皇帝は程始たちも同行するよう命じ、少商は皇后の長秋(チョウシュウ)宮で休むことになった。長秋宮の偏殿、少商は普通の民家とは全く違う造りの宮殿に興味津々だった。書卓はどうやら楡(ニレ)の木で作られているらしい。「皇后は倹約しているのね…」その時、五公主がすごい剣幕で皇后の寝殿に入って行った。五公主は父皇が決めた縁談に不満があり、母を訪ねた。「父皇は越姮(ユエホン)とその子供しか眼中にない、朝廷内外でも越姮が真の皇后だと噂してるわ」「ふぁんすー(放肆)!」皇后は思わず声を荒らげ、人払いした。「誰が離間させるようあなたをそそのかしたの?」実は自由奔放な五公主は幕僚と称してお気に入りの郎君の出入りさせており、何かと噂が耳に入って来るという。皇后は縁談が決まった娘が郎君たちと往来することを叱責したが、五公主は縁談を断ると言い出した。「越姮の甥は三公主の宣(シュエン)氏駙馬にも劣ります、私には放蕩息子をあてがうなんて…」皇帝は娘を皇后の宣氏と越妃の越氏に嫁がせることで帝家の結束を強めたいと願っていた。三公主は母の寝宮を訪ね、五公主が慌てて長秋宮に駆け込んだと失笑した。自分が子晟を慕いながら父皇に命じられ泣く泣く嫁いだ以上、当然、五公主も断って良いはずがない。しかし宣氏駙馬は功績もあり清く正しい家門で人柄も立派、三公主にはもったいない相手だった。片や小越侯の息子は四六時中、花街に入り浸り、五公主でなくても嫁ぎたくないだろう。越妃は五公主に同情し、舅父の家で育った三公主が長秋宮への恨み言を吹聴されたせいで敵対するのだと分かっていた。「私の願いは静かで平穏な日々よ、騒ぎを起こさないで…でないと守ってやれないわ」五公主は凌不疑も身を固めていないと訴え、不公平だと言い出した。「実の子以上に寛容なんて…もしや凌不疑は父皇が外に作った子なのでは?!」皇后は娘の妄言に激高したが、わがままな五公主の暴言は止まらない。「霍翀(フォチョン)はたかが舅父ですよ?大勢死んでもそれは母方 自分の両親は生きているのに近づこうともせず、宮中に居座って私の両親を奪うなんて…」「お黙り!本当に罰を与えるわよ!」少商が偏殿の装飾品を見ていると、急に皇后の寝殿の門が開いて大きな声が聞こえた。<私は男子のごとく功績を立て、大事を成し遂げたいのです!婚姻を強要するなら死にます!<何ですって?!少商は何事かと様子を見てみたが、ちょうど激怒した皇后が五公主を置いてどこかへ行ってしまう。すると五公主が偏殿にいる少商に気づいた。「ちょっと!盗み聞きしたわね!…無礼者!」五公主は見知らぬ娘に罰を与えようとしたが、そこへ五公主の伴読が現れ、とりなした。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははははは~腹抱えて笑った!パパが好きだわ〜
2023.09.01
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第22話「天子のやきもき」皇帝に招待され、涂高(トコウ)山の祭典にやって来た程(チォン)家。易占に傾倒する少商(シャオシャン)の双子の兄・少宮(シャオゴン)は喧騒を離れ、独り林の中で妹の縁談を占っていた。「お?嫋嫋(ニャオニャオ)は楼垚(ロウヤオ)以上のご縁に恵まれそうだな」←( ゚д゚)おっ!そこへ突然、道に迷った班嘉(バンジア)が現れる。「すまない!山道はどこか分かるか?」少宮はせっかく並べた卦(ケ)を蹴散らされ、これで良縁がおじゃんだと落胆した。←( ๑≧ꇴ≦)えー!騎射場へやってきた少商は思いがけず楼垚と何昭君(ハージャオジュン)にかち合った。するとここぞとばかりに王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が少商たちの隣の席に移動して嫌味を言う。「破談になってもよく顔を出せるわね~」憤慨した楼垚は思わず席を立ったが、冷静な何昭君が制止し、結局、2人は静かに帰って行った。萋萋(チーチー)は少商をかばって王姈と喧嘩になり、2人は騎射で勝負することになった。もはや止める気力もない少商、すると萋萋の席に天敵の袁慎(ユエンシェン)が座る。「平素より得意満面の程娘子(ニャンズー)も意気消沈する日がきたか?」相変わらず嫌味な師匠に少商も視聴者もへき易、相手をする気分ではないと席を立ってしまう。程姎(チォンヤン)は思いがけず想い人と2人になれる好機を得たが、袁慎は少商を追いかけて行った。しかし少商が袁慎を足止めしようと企む。「あ!袁善見(シャンジエン)公子よ!」すると息女たちが一斉に袁公子を取り囲み、袁慎は身動きが取れなくなってしまう。( ತ _ತ) 本当イラつくわ〜w一方、少宮は方向音痴の班嘉を連れて騎射場へ戻ろうとしていた。やがて山道が見えると、ちょうど息女たちに追い回されている袁慎を見かける。班嘉は人が多いと怖いと訴え、息女ならなおさらだとぼやいた。しかし一行の姿が見えなくなると、独りぽつんと取り残されている息女が見える。班嘉が一目惚れしたのは姎姎だった。少商は気晴らしに馬で散策に出かけた。やがて石段を見つけて登ってみると、雁回(ガンカイ)塔という建物にたどり着く。建築に興味がある少商は見事な柱の作りに感激し、そのまま階段を登った。窓から見る景色は壮観、不思議と破談などたわいない事だと思えて来る。しかしその時、最上階から誰かの話し声が聞こえて来た。…何楼両家を縁組させた陛下は楼家に対し後ろめたいゆえ、さらに楼一族に肩入れするだろう…平素より楼太傅が東宮を笠に来て寒門出身の官吏を抑えつけていることも追求せぬ…東宮は無能だ、必ずや廃嫡を働きかけねば少商は思いがけず反太子派の密談を耳にし、慌てて戻ることにした。その時、うっかり腰牌を落とし、音を立ててしまう。「誰だ?!」少商は玉佩をあきらめ、階段を駆け降りた。すると突然、凌不疑(リンブーイー)が現れ、少商を捕まえる。不疑は咄嗟に窓から飛び出し、少商を抱えたまま片手で屋根にぶら下がった。その時、密談者たちが窓を開けて外を確認する。「この辺りから聞こえたはずだが…どこへ消えた?」「下へ行くぞ」ありがとうアルソックw凌不疑と少商は屋根によじ登り、無事に塔の中へ戻った。しかし無理をした不疑は驊(カ)県での古傷を痛めてしまう。少商は密談者の話を聞いていたが、不疑はここへ来たことも全て忘れるよう言い聞かせた。一方、萋萋と王姈の騎射勝負は萋萋の圧勝だった。「王姈、最後を射たところで負けだし、条件を下げてあげる 馬を止まらせたままで的に当ててもいいわ~ふふふ」すると王姈は矢をつがえたかと思うと、突然、萋萋の馬の足元に向かって矢を放ってしまう。驚いた馬は萋萋を乗せたまま暴走、咄嗟に馬にまたがった頌児(ソンアル)が追いついたが、止めることはできなかった。このままでは崖から転落してしまう。頌児は仕方なく萋萋に飛びつき、2人は坂道を転げ落ちた。頌児のおかげで萋萋は無事だったが、萋萋をかばった頌児は足を怪我してしまう。「阿頌!歩けなくなったら私が一生、養うから!」軍営で血を見慣れている萋萋は頌児の怪我を確認しようと衣をめくり上げたが、思いがけず下履きが破れて太ももがあらわになっていた。(; ꒪ω꒪ ;)<ぁ…( ̄▽ ̄;)<無理やり見るからだろう?一生、責任とってくれよ?凌不疑は少商が落とした玉佩を持っていた。「あ、私のです、幼名も刻まれているわ」「…弱弱(ルオルオ)?面白い幼名だな」「ルオルオ?違うわ嫋嫋(ニャオニャオ)よ」実は少商が落とした玉佩は真っ二つに割れ、不疑が拾った玉には女偏がなくなっていた。少商は玉佩を取り返そうとしたが、不疑は自分が預かると言って返してくれない。一方、文(ウェン)帝は騎射場や袁公子の騒動を聞いて憤慨していた。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は一族の娘である王姈の失態を詫びたが、越(ユエ)妃・越姮(ユエホン)は皇后の責任ではないとかばう。「そもそも大したことではありません、私たちも若い頃は色々ありましたよ?」天幕の外では王将軍、万将軍、程将軍が子供たちと一緒にひざまずいていた。その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が慌てた様子で天幕へ入って行く。「陛下!凌将軍が戻りました!しかも程四娘子と一緒です! 何でも程四娘子を命を賭して助け、古傷が再発したそうです! 程四娘子は涙を流し、凌将軍に命で償うと…」皇帝は子晟(ズーション)がまた程娘子を助けたと聞いて急に機嫌が直った。「そうかそうか…まあ今日の目的は祈祷と娯楽だ、若い頃は行き過ぎてしまうこともある」すると皇帝は嬉しそうに天幕を出ると、なぜか程始(チォンシー)だけ連れて行ってしまう。程始は訳もわからず皇帝に同行し、凌将軍の天幕へやって来た。すると驚いたことに嫋嫋が一緒にいる。不疑と少商は崖から落ちそうになったところを助けてもらったと口裏合わせしていたが、いざ皇帝を前にすると少商は言葉が出なかった。子晟の想い人に興味津々の皇帝、しかし何を聞いても子晟が口を出す。仕方なく皇帝は程父娘に子晟への恩を一瞬たりとも忘れず感謝し、その恩に報いるよう命じて帰した。ウーレイのモフモフ皇帝は子晟を宮中で静養させるつもりだったが断られた。子晟が屋敷で治療したがるのは程娘子が原因だろう。しかし見たところ程娘子は凡庸だった。すると黙って聞いていた越妃は子晟が禁欲過ぎれば心配し、ようやく想い人が現れれば凡庸だと難癖をつけると呆れ、面倒臭くなって皇帝を追い出してしまう。皇帝は仕方なく皇后の天幕を訪ねたが、慎ましやかな皇后は何を聞いても皇帝の決定に従うとしか言わなかった。「朕の苦しい心中を誰が知ろうか…まったくどいつもこいつも役に立たん!」皇帝一行は帰京した。程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は凌将軍がまた嫋嫋を助けたと聞いて動揺を隠せない。偶然にしてはあまりに不自然だが、皇帝から恩を忘れぬよう命じられた手前、挨拶に行かねばならなかった。「ここはお前が付き添っては?」「将軍、今でなければいつ父親の出番が?」家塾の講義にも身が入らない少商。やっと退屈な時間が終わって席を立ったが、袁慎に呼び止められ、独りだけ居残りになった。「人としての道理を学びなさい、婚姻を利用し自由を求めるなど、何と浅はかなのか 嫁げれば一族を逃れ、束縛されないとでも?別の者に束縛されるだけだ しかも門閥世家だぞ?楼家の件で何も学ばぬとは… そんなに急いで凌不疑に近づく必要があるのか?!」少商はとんだ言いがかりにふつふつと怒りが込み上げてきた。「誰が婚姻を利用した?いつ凌不疑に近づいたのよ?…あなたどうかしてる」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<そうだ!どうかしている!すると袁慎はあくまで学のない少商への忠告だと言い訳し、凌不疑から離れるよう説得した。その時、少宮が駆けつけ、父が呼んでいると伝える。「少商、阿父が凌将軍府へお礼に行くから一緒に来るようにって…」袁慎は口惜しさから思わず背を向けた。「両親の命では夫子も阻めないのでは?」「…程娘子は破談の傷が癒え、痛みも忘れたようだ、将来、後悔しないように」少商は激情に駆られ拳を振り上げたが、思い留まって出て行った。o(`ω´ )o<なぜ殴らなかった!殴ってくれたらすっきりしたのに!wつづく
2023.08.26
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第21話「それぞれの選択」一族の敵を討ち、肖(シャオ)世子の首を取った何昭君(ハージャオジュン)。程少商(チォンシャオシャン)はその境遇に同情しながらも、やはり楼垚(ロウヤオ)を譲ることはできないと伝えた。しかし何昭君はもはや情愛など問題ではないという。「阿父は最期に私の頬を叩いて言ったわ ″もう何家でお前を守れる者はいない、将来の何家と幼い弟にはお前だけが頼りだ″と… 程少商、もう昔の私とは違う… 私が阿垚を好きだと思う?私だって自分の幸せを犠牲にするの 父や兄が戻ってくれるなら楼垚なんて惜しくもない!」その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、程娘子(ニャンズー)に食ってかかるなと割って入った。「ふっ、こんな憐香惜玉な十一郎(ジュウイチロウ)を見るのは初めて… 程少商、凌将軍がいるんでしょ?なのに楼垚まで奪うの?!」何昭君の怒号が響き渡り、少商は思わず身をすくませた。すると不疑は少商に自分の馬車で送ると伝え、先に車に乗せる。「安成君、父兄の忠勇に今は皆が何家姉弟を哀れむが、時は移ろうもの… 敵を作るか、善意で接するかは安成君の心がけ次第だ」アルソックw少商は馬車の中で凌将軍から馮翊(ヒョウヨク)郡の話を聞いた。馮翊郡は何将軍たちの命懸けの抵抗があり、驊(カ)県のような惨劇は免れたという。「だからと言って破談を勧めているわけではない 私の本音はひとつ…程娘子がどう選ぼうと全て正しい」すると少商はなぜ自分ばかり運が悪いのかと号泣してしまう。( ;∀;)ァァァ…にゃおにゃお…楼垚は曲陵(キョクリョウ)侯府の前で少商を待っていた。すると少商がなぜか凌将軍の馬車で帰って来る。実は少商は何昭君と一緒に肖世子の処刑に立ち会っていた。「何だって?!抗議して来る!」しかし少商が止める。「阿垚…しばらく来ないで、独りで考えたいの」楼垚は少商の背中を見送ったが、思わず呼び止めた。「少商…点心の新しい店ができたんだ、落ち着いたら食べに行こう」少商は笑顔を見せたが、うなづくだけで精一杯だった。楼垚は夜まで曲陵侯府の前に立っていたが、少商が現れることはなかった。…少商、約束しただろう?決して離れないと…程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は楼垚の一途な想いに胸を痛めたが、結局、嫋嫋(ニャオニャオ)とは縁がなかったのだろう。しかし程家には楼家との縁談をどうしても諦められない者がいた。程老夫人董(ドン)氏は先走って孫が皇太子の夫子の家に嫁ぐと言いふらし、破談に反対して楼家からの聘礼(ヘイレイ)を手放そうとしない。蕭元漪は仕方なく今日は婚姻の相談に行くだけだとごまかしたが、そこへ少商がやって来た。「阿父、阿母、大母…阿垚とは破談にします」(꒪ꇴ꒪〣)ガーン!@老太太少商は両親と共に楼家を訪ね、破談したい旨を伝えた。寝耳に水の楼垚は少商が何昭君から脅されたのだと疑ったが、少商は否定する。すると少商にまで見限られた楼垚はこれまでの鬱憤が爆発した。「誰もが大義をかざして仁義の行いや恩に報いることを説く… でも我慢を強いられるのはいつも私だけ! 私の代わりにもなれぬくせに、なぜ私だけを犠牲にするんだ? 少商、なぜ君まで私を追い詰める?」楼垚の苦しい胸の内を誰より理解しているのは少商だった。「阿垚、2人だけで話があるの」 ( ;∀;)あーやお…楼垚は激しく反発、破談にはしないと断言した。しかし少商は悲しみをこらえ、楼垚を説得する。「前に何昭君のことは嫌いだけど何将軍には可愛がられたと話してくれたわね 五公子とも親しい間柄で、弓術を教わったのでしょう?」少商は馬車の中で凌不疑から聞いた何家の壮絶な死に様を教えた。実は五公子は賊から数十の矢を受け、回収した亡骸は穴ばかりだったという。他の息子たちは馬に踏まれ、亡骸の欠けている者もいた。「今回、馮翊郡の民は驊県とは違ったそうよ 何将軍が息子5人を率いて矢面に立ったから、民を守り災いを阻むことができたの 何将軍は国のために散った、将軍の前では男女の情なんて取るに足りないことだわ」そうは言っても犠牲になるのは楼垚、少商は代われるものなら自分が代わってあげたいと涙した。「…少商、君は正しい」楼垚は驊県での辛い体験から民を守れるようになりたいと誓っておきながら、少しの我慢もできないと反省する。すると少商が未来なら変えられると励ました。「阿垚、何昭君を娶ったらただの夫ではなく、兄であり、寄る辺となる だから大切にして教え導くのよ、彼女が過ちを犯したら譲歩してはだめ、言いなりにならないで」「…また強情を押し通せば何将軍の墓前で反省させるよ」楼垚は少商と一緒に破談を決めたと報告した。安成君を娶ればこの先、十余年は何家の部曲が二房の指示に従うことになる。楼垚は大房の干渉を牽制し、もはやこれまでの怯える二房公子の面影はなかった。「程叔父、程叔母、今後は私を身内と見なしてください…少商、これからは私を兄と呼んでくれ」「はお、今後は順風満帆で、いつか外地で仕官し、高く飛べるように祈っているわ」「私も祈っている、君が良い人に出会い、共白髪となって添い遂げ、情愛を貫くと…」こうして2人は笑顔で別れた。汝陽(ジョヨウ)王妃は孫の裕昌(ユーチャン)と凌不疑の仲を取り持つため、城陽(ジョウヨウ)侯府を訪ねた。しかし城陽侯凌益(リンイー)が皇帝に上奏して息子を呼び寄せていたにもかかわらず、子晟(ズーション)は現れない。王妃と郡主は仕方なく帰ることにしたが、話題は自然と楼家の縁談話になった。裕昌はさすがに巻き込まれた程娘子に同情し、もう良縁はないだろうという。すると汝陽王妃は強情で品行が悪い程少商の心配など必要ないと冷たかった。その時、ちょうど門前に凌不疑が現れる。「皇帝が望んでまとまった楼何両家の縁談にとやかく言うのは天下の罪人だ …先日、陛下より半年の俸禄を召し上げられた、その理由をご存知か?」慌てた城陽侯妃淳于(チュンユー)氏は中で食事をしようと話題をそらしたが、不疑はそんな気分ではないと一蹴した。「皇帝を煩わせずとも今後は頻繁に会いに来るつもりだ そうだ…程娘子の縁談だが心配には及ばない、彼女の婚姻は私が責任を持つ」←唐突に何?wその頃、曲陵侯府では老夫人が楼家との破談を知って大泣きしていた。 皇帝は涂高(トコウ)山での祭典に曲陵侯と夫人、子供たちの随行を認めた。程始はちょうど嫋嫋の気晴らしになると喜んだが、少商は祭天の儀にも出ずにひとり鬱々としている。そんな少商を心配した万萋萋(ワンチーチー)は少商と程姎(チォンヤン)を騎射場に誘った。「班(バン)侯がひ孫を紹介したくて若い息女たちを招待したの でも班侯もお気の毒よね、戦乱で子も含めて一家が亡くなり、5人の孫まで失うなんて… だから唯一の子孫・班嘉(バンジア)を宝のように溺愛しているらしいわ でも身を固める年頃になって初めて遠出し、都も不案内ときてる」すると少商は何昭君と似たような境遇だと気づき、かえって気落ちしてしまう。騎射場の貴賓席には少商がお目にかかる機会などない公主たちが座っていた。唯一、天下平定後に生まれた五公主は末娘ということもあり溺愛され、天敵の王姈(ワンリン)と仲が良いという。五公主と犬猿の仲なのは越(ユエ)妃の娘・三公主。生まれてすぐ小越侯に育てられ、派手好きは萋萋と良い勝負に見えた。実は皇帝が宣(シュエン)越両族の婚姻を決め、五公主は三公主の従兄に嫁ぐことになっている。「従兄を怒らせないことね、気が短いの、屋敷の″幕僚″をどう片付けるのか考えたら?」一番、落ち着いて見えるのは二公主だった。二公主は騎射を見ないなら駙馬と囲碁でも打てと三妹を叱り、五妹をかばう。その中でただ一人、装飾品も身につけない質素な貴賓がいた。実は皇帝が天下平定前に皇太子に娶らせた太子妃だという。「実家は貧しく田舎の出身でね…」その時、程頌児(チォンソンアル)が萋萋の頭をこずいた。「口は災いの元だ、嫋嫋に皇族の秘話など吹き込むな」すると運悪く騎射場に何昭君と楼垚がやって来た。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ←思いの外、あーやおショックが響いている管理人w
2023.08.25
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第20話「火花散る婦女たち」孤城でも兵器を横流ししたと認めた雍(ヨウ)王。しかし当時、皇帝の征戦に追随した自分たち老臣の苦悩を若い凌不疑(リンブーイー)が分かるはずもないという。当時、群雄が競い情勢が見通せない中、皇帝が天下に号令をかけると誰が予想できただろう。「私はただ予防線を張り、帰郷するという退路を残しただけだ 密かに兵器を横流ししたが、まさか一度だけであの惨事を招くとは…孤城陥落は私の本意ではない 霍翀(フォチョン)は援軍が来るまで持ちこたえると思った、だが誰も現れなかった 孤城陥落の原因は私一人ではない、陛下はなぜ援軍が到着しなかったことを責めぬ?」すると雍王は急に高笑いした。いずれにせよ皇帝の性分からして凌不疑の望み通り徹底的に解明してくれるはずがないという。急に静かになった牢に梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が入った。するとはりつけにされた雍王がめった刺しにされ、すでに事切れている。若主公が自らの手で霍(フォ)家の敵を討ったのは明らかだった。廷尉府が検視すれば追及されるのは必至、しかし凌不疑は雍王が自害したと報告するよう命じる。「それから雍王が教えてくれた、当時、孤城は援軍を要請するも兵器が粗悪で数日で陥落 つまり援軍を求めた者はまだ生きているやも…2人でその者たちの行方を探せ」その夜、凌不疑は霍家の祠堂にいた。正気を失った母・霍君華(フォジュンホワ)は植木の手入れをしながら、不疑の話を聞いている。「阿母、兵器を着服した者はすでに突き止め、この手で葬り去りました、ご安心を 我ら霍家の仇は決して忘れません、いつの日か孤城の真相を突き止めます 全ての罪人たちの息の根を止める、一人残らず…」その時、君華の脳裏にふと孤城で目の当たりにした惨劇が蘇った。「…流れた血は血で贖(アガナ)う」君華は無意識に恨みを募らせ、うっかり棘のある枝を握りしめて手を切ってしまう。「血が…手当てしましょう」「いいのよ、阿狸(アーリー)、昔から血が苦手だったでしょう?手を切った時も気絶したじゃない?」「私は成長しました、戦場で敵も殺せます」「戦場?(はっ!)戦場はだめ!兵器が壊れてる!彼らを倒せないの! 彼らは誰一人来てくれなかった!」すると不疑は動揺する君華を強く抱きしめた。「大丈夫、兵器を壊した者は全員、殺しました…来なかった者も一人一人見つけ出します」祭壇に並んだ霍家兄弟の位牌、その後ろには孤城で無念の死を遂げた将士たちの位牌がずらりと並んでいた。凌不疑の私刑は皇帝の耳にもすぐ入った。不疑はすでに3時(トキ)ほどひざまずいている。「お前を甘やかしすぎた!審理前に殺すとは、君主を欺く罪だぞ?!」「雍王父子は無辜の将士と何(ハー)将軍一族を殺した、それを始末して何の罪が? 他の事案にも関わっているのです!」「死者は戻らぬ!なぜ執着する?…お前を甘やかすのも天下の民の安逸が前提なのだぞ? 戾(レイ)帝が世を乱して数十年、民は平穏な日々を待ち望んでいた それなのにまた朝堂を乱して天下を混乱に陥れると?!」「…滅相もない」頑なだった不疑はようやく自分の過ちを認め、罰として半年の食邑(ショクユウ)没収と半等級の降格を命じられた。その頃、破談問題で揺れる程(チォン)家に楼(ロウ)家から話し合いたいという旨の書簡が届いた。程家から破談にして欲しいという思惑は明らか、少商(シャオシャン)は楼太傅ではなく楼伯夫人の企みだと気づく。「はお、話を聞いてやろうじゃないの!」憤慨した蕭元漪(シャオユエンイー)は早速、嫋嫋(ニャオニャオ)を連れて楼家に出かけることにしたが、婦人の問題につき程始(チォンシー)はひとまず留守番になった。「我らが楼家と格闘になったら、止めに来くればいいわ」(; ̄▽ ̄).oO(格闘する気満々だな…@父楼家では楼伯夫人と娘の楼縭(ロウリー)が待ち構えていた。案の定、楼伯夫人は栄誉ある何家との縁談は楼垚(ロウヤオ)にとって身に余る光栄だと言いのける。母娘は楼太傅の権勢を笠に着て程家を見下し言いたい放題、しかし相手が悪かった。蕭元漪は理不尽な物言いに呆れ、けりを付けるなら外へ出ろと圧力をかける。驚いた楼伯夫人は使用人たちを呼びつけ対抗、皇太子の太傅である楼府での狼藉だと責めた。「母娘して楼府でのさばるとは…ギギギギ!いい度胸ね!」「そもそも求婚してきたのは楼家、本来なら楼太傅が謝罪に来るのが筋でしょう? 楼伯夫人が口を出すことかしら? 私たちがのさばる?…その言葉、そっくりそのままお返しするわ」楼垚は少商たちの来訪を聞いて慌てて母たちと母屋に駆けつけた。すると興奮した大夫人と楼縭が金切り声を上げる。「阿母!早くこの人たちを追い出して!程家の出入りを禁じて…」「何をしてるの?!早く追い出しておしまい!…出て行けぇぇぇぇ!」絶叫しながら程伯夫人に迫る楼伯夫人、その時、蕭元漪が思い切り楼伯夫人の横っ面を張り倒した。「今までは姻戚になる手前、顔は立ててやった 破談となった以上、この一発を境に2度と来るもんですか!足が汚れるわ!」激怒した楼縭は母の敵を討とうとしたが、すかさず少商が引っ叩いた。「阿母の出る幕でもない、あんたは私が片づける」「行くわよ」蕭元漪は引き上げることにしたが、二房たちが引き止めた。↓鼻セレブの会…少商は楼垚が足を怪我していると気づき、楼大夫人の仕業かと疑った。しかし二房夫人が否定し、実は息子が塀を乗り越えようとして落下したと教える。安堵した少商だったが、その時、ようやく楼垚を支えているのが袁慎(ユエンシェン)だと気づいた。「なぜここに?」「楼大公子とは良朋(リョウホウ)でな、弟御が負傷したと聞いて見舞いに来た」( ತ _ತ).oO(いつも騒ぎを嗅ぎつけるのね…ボソッすると板挟みとなった二房夫人はいっそ少商と何昭君(ハージャオジュン)を一緒に娶ってはどうかと持ちかけた。蕭元漪は呆然、程氏三兄弟で側室を取った者はいないと憤慨して出て行ってしまう。そこで少商は最後に楼垚の考えを聞くことにした。楼垚は絶対に昭君を娶らないと拒否、改めて少商との破談はないと断言する。( •̀㉨•́)<絶対に嫌だ!(๑•̀ㅂ•́)و✧<約束よ?( •̀㉨•́))<うん!少商は楼垚の気持ちを確認し、ひとまず帰ることにした。しかし短気な母が自分たちを置いてさっさと帰ってしまったと知る。門前で途方にくれる少商、すると思いがけず袁慎が自分の馬車で送ると言った。袁慎は馬車に揺られながら、何将軍が昭君をなぜ楼垚に嫁がせたかったのか説明した。今は昭君が何家の遺産や一族の孤児たちを管理しているが、いずれは成人した末子が引き継ぐことになる。それまでの十数年、遺産を守るためには権門の楼家に嫁ぐことが最も安全な選択だった。「だったら袁夫子、あなたはどう? あなたなら何家の財は狙わないし、才覚も学識も容貌も阿垚より何倍も勝る あなたなら何昭君もきっと…」すると袁慎は少商の無神経な提案に憤怒、急に馬車を止めて少商を降ろしてしまう。( ತ _ತ).oO(送ったり降ろしたり…マジで何なん? ←分かってないにゃおにゃお洛陽の城門、少商と楼垚は帰京した何昭君に縁談を諦めてもらうよう説得することにした。この機会を逃せば皇帝が楼垚との縁談を賜る可能性がある。すると馬車から昭君が顔を見せた。少商は大事な話があると切り出したが、昭君はこれから重大な用件があるという。「程娘子、どうしても話したいなら同行して」驚いた楼垚は少商を責めるなとかばったが、昭君は亡き父に誓って危害は加えないと安心させた。「阿垚…大人になったわね」安成君の馬車は廷尉獄の前で止まった。恐る恐る昭君の後を追って門をくぐった少商、すると中庭の執行台ですでに肖(シャオ)世子がその時を待っている。世子は見送りに来た昭君に気づき、夫婦の誼で肖家の者を善処して欲しいと頼んだ。「誼?どんな誼かしら?大兄と四兄の首を槍に刺して阿父を挑発した誼? それとも五兄を射(イ)殺し、身籠もっていた嫂嫂を突き刺した誼?!それとも乳母を惨殺した誼?! …陛下は慈悲深いわ、肖家の功績を鑑み、屍は残すつもりだった でも私が訴えたの、さらし首にして欲しいとね! 今日から肖氏は代々、首を切られた逆賊として世人に唾棄(ダキ)されるのよ!」「何だと?!」肖世子は昭君の思わぬ仕返しに激しく抵抗したが、もはやどうにもならない。すると昭君は往生際の悪い世子の顔を引っ叩いた。「急いで帰京したのはお前の首が落ちるのをこの目で見るためよ!」少商は昭君にそろそろ執行の時間だと知らせた。しかし昭君は皇帝が敵討ちを許可してくれたと明かし、執行台へ上がってしまう。「私の手で…あの世へ送ってやる!」昭君は執行人の手から剣を受け取ると、いきなり振りかぶった。驚いた少商は咄嗟に背を向けて逃げようとしたが、誰かにぶつかってしまう。「…怖くない、私がいる」少商を抱き留めたのは凌不疑だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!最後にブチギレた何昭君が全部もっていった~それにしても善見、本当イラっとするわw
2023.08.19
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第19話「急転直下」晴れて楼(ロウ)家との縁談がまとまった程少商(チォンシャオシャン)。凌不疑(リンブーイー)は想い人のために皇帝に嘆願し、少商を楼家で表彰することで花向けとした。そんな事とはつゆ知らず、少商は突如、社交場の花となり、まんざらでもない。一方、楼家二房の楼犇(ロウベン)は弟を連れて人目のない回廊へ来た。恐らくあの詔書は凌不疑が皇帝に頼んだのだろう。楼垚(ロウヤオ)はならば少商と一緒に感謝を伝えに行くと言ったが、楼犇は必要ないと止めた。「凌将軍も知られたくはないだろう、今後、将軍との往来は控えよ」↓可愛いピンク阿垚(๑´ω`๑)♡楼犇が弟を宴席に帰すと、凌不疑が現れた。実は不疑は尺素(セキソ)を交わす㭌(モウ)先生の正体が楼犇だとすでに調べをつけていたという。「やはり子晟(ズーション)は騙せぬな、ふっ」すると不疑は馮翊(ヒョウヨク)郡の地形を熟知している″㭌先生″に地図を描いて欲しいと頼んだ。「力になってくれたら今後の道は大きく開かれるだろう ただ同袍(ドウホウ)となれば往来を控えることは無理だが…」楼犇は不疑が弟との会話を聞いていたと知り、率直に弟を傷つけてまで餌に食いつくつもりはないと牽制した。しかし不疑は今夜、馮翊郡へ向かうと教え、目的は地図だけだと安心させる。楼犇は安堵して不疑を見送ったが、振り返ると伯父の姿があった。( ゚ェ゚)え?Benは不疑が少商が好きだって知ってるの?蓮房(リエンファン)は女公主に凌将軍の伝言を伝えた。何でも女公主に話があり、もし来なければ縁談をぶち壊しに行くと脅されたという。警戒しながら指定された雑木林へ向かった少商、すると木漏れ日の中でたたずむ凛々しい凌将軍の後ろ姿が見えた。凌不疑は人払いしたので誰にも見られていないと安心させた。「少しだけ話をしたくて…」少商は戸惑いの表情を浮かべていたが、不疑から嫁ぐ以外に将来、何をしたいのか聞かれると目を輝かせた。「医者を集めて医術や経験を書にまとめて人々に役立てたい 重い農具の改良も…労力を減らして、多くの収穫を見込めるわ それから鍛冶場を作って器械を設計する、何か作り出せるかも…」不疑は戦場で殺し合いに明け暮れる自分とは全く別人だと笑った。「当然です、あなたはあなた、私は私です」「そうだな、君は君、私は私だ…」すると不疑は少商と会うのは今日が最後になると伝えた。「今夜、発つ、命を賭した戦いになるだろう 程少商、楼垚と外地に行くにしても焦ってはいけない、私が陛下に頼み、安住の地を探そう」その時、ふいに風が吹いて銀杏の葉が舞い落ちてきた。しばし落ち葉を眺める2人。「思えば君の笛の音を聞けなかった」「危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう」「…やめておこう、笛は夫に聞かせると良い、安心して嫁げ 凱旋できたとしてもこの先は他人だ、会うこともない」その夜、凌府に楼大公子から地図が届いた。しかし推挙は辞退するという。凌不疑は楼太傅の横槍が入ったと分かったが、楼家二房がここまで非力だと思うと少商の行く末が心配になった。…危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう…少商の言葉を胸に馮翊郡へ出発した不疑、その頃、少商もなぜか凌将軍との別れが頭から離れず、眠れぬ夜を過ごしていた。凌不疑は呉(ウー)将軍と合流、馮翊郡を平定し、雍(ヨウ)王父子を捕らえて凱旋した。しかし一足遅く、孤軍奮闘した何(ハー)家父子は国に殉じたという。文(ウェン)帝は忠臣の死を心から悼み、朝堂は悲しみに包まれた。すると呉将軍は臨終前の何将軍から遺言を託されたと報告する。何将軍は最期まで幼い息子と娘の昭君(ジャオジュン)を案じていた。何昭君は成婚前、楼垚公子の許嫁だったが、肖(シャオ)賊が捕らわれたことで婚姻も消滅、楼家と再度、縁組したいと言い残したという。恐らく何将軍は楼垚の程家との縁談を知らなかったのだろう。朝廷は紛糾した。程家と懇意の万松柏(ワンソンバイ)は真っ先に難色を示したが、一方で何氏一族の忠勇に鑑み、何将軍の遺言に応じるべきだと訴える大臣もいる。その頃、少商は何も知らずに家塾で不貞腐れていた。楼垚が程家の家塾を辞めた。少商は師匠・袁慎(ユエンシェン)の嫌がらせだと嘆いたが、そこへ萋萋(チーチー)が駆けつける。「少商、大変よ!参内した阿父から聞いたけど馮翊郡の戦は勝利したって! でも例の何将軍一家は戦死したらしいわ」「それはお気の毒ね…でもそれが私と何の関係が?」万松柏は程始(チォンシー)たちに朝議での騒動を説明した。卓にうつぶしたままぐったりしている少商、そんな娘の姿を見た程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は憤懣やるかたない。「私は運が悪い、だから不思議だった、なぜ縁談が順調に進んだのか…(ボソッ」少商の失望は大きかったが、深く傷つきながらも冷静だった。楼家が意思表示しないのは恐らくどちらの縁談の方が得られる利益が大きいか天秤にかけているからだろう。あと一歩で自由な生活を手に入れられるはずだった楼垚、しかも望まぬ相手を娶らねばならない。「一番辛いのは阿垚よ…」その夜、楼垚は裏庭の塀を登って楼家から逃げようとしていた。しかし伯父に見つかり、焦ってはしごから落下、足を負傷してしまう。↓にゃおにゃおと視聴者の姿…_(:3 」∠)_何昭君は安成(アンセイ)君に封じられた。大局を重んじた楼太傅は結局、楼垚と昭君の縁組を決める。楼大夫人は負傷した楼垚を見舞ったが、今回ばかりは二房も黙っていなかった。いつもは怯えている仲夫人も楼家に嫁ぐなら相手が阿垚である必要はないと猛反発、王延姫(ワンイエンジー)も大夫人が自分の息子可愛さに阿垚に押し付けていると非難する。すると楼垚は重い身体を起こし、きっぱり縁談を断った。「これ以上、強いるなら婚礼の日に賓客の前で明かす 大房が縁談を押し付け、自分たちが何昭君を娶らない理由を… そうすれば皆が楼家大房のしたたかさを知るはずだ」しかし楼大夫人は程家に書状を送り、向こうから破談にさせると言い放って帰って行った。王延姫は楼垚が大夫人と堂々と渡り合う姿に驚いた。「程四娘子と出会ってから本当に変わったわ、理詰めで争えるようになるなんてね」「少商が言ったんだ、望む暮らしは自分で勝ち取ると…」楼垚は少商との婚姻を諦める気は毛頭なかった。一方、廷尉府大獄では凌不疑が侍衛を全て引き上げさせ、はりつけにされた雍王と向き合っていた。雍王は全て自分一人の責任だと訴え、息子の命だけは見逃して欲しいという。「…全て?全てとは孤城の件も含まれるのか?」もし肖世子が兵器を売っただけなら、皇帝も雍王の謀反までは信じなかったはずだ。しかし当時、孤城でも兵器が横流しされ、皇帝の義兄一家全滅を招いたとなれば話は別だろう。「陛下は絶対に許さない」「なるほどな…」雍王は息子が許尽忠(シュージンジョン)から兵器を入手したと聞いていた。「許尽忠がお前に捕らわれてから隠し通せないと覚悟していた 奴が私を裏切り孤城の件を吐かねば、半生の功績を犠牲にしてまで挙兵すると思うか?!」雍王は不疑に誘導され、うっかり先走った。実は許尽忠は審理する前に自害し、何も語っていないという。「陛下は釈明の機会を与えるために呼んだのだ、お前は許尽忠が裏切ったと疑い、挙兵した」「違う!陛下は私を殺そうとした!だから挙兵した!私は間違っていない!」「因果応報だ!」不疑は孤城での惨劇を思い出し、ふつふつと怒りが込み上げた。雍王の利益のために霍(フォ)家は全滅、孤城で無念の死を遂げた将士や離散した民を思うとやるせない。「あの日から悪夢にうなされず、安らかに眠れているか?」つづく( ๑≧ꇴ≦)うわあぁぁぁぁ〜!まさに急転直下!
2023.08.18
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第18話「想い人のために」身を以て楼(ロウ)家という虎穴を体験した程少商(チォンシャオシャン)。帰路はすでに日が落ちていた。蕭元漪(シャオユエンイー)は娘が縁談を考え直すきっかけになればと思ったが、少商はどこの家でも多かれ少なかれ揉め事はあるという。「大母や二叔母と不仲でも阿母は嫁いできたでしょう?」「比べられないわ、阿父には軍での功績があり崇められている 私はその庇護があるから君姑や弟嫁とも渡り合えるの でも楼垚(ロウヤオ)は非力よ?あなたを守れるかしら?」「夫婦は一体、一方が頼るものじゃない、阿垚は良い人です、温厚で誠実だし、都の放蕩息子とは違う 阿垚と約束したんです、外地の官職を得たら裕福でなくても自在でいられると…」その頃、楼家二房では楼犇(ロウベン)が夫人の王延姫(ワンイエンジー)から痛快な少商の話を聞いていた。「阿垚はあの妻を娶って大正解よ」楼犇は確かに弟が以前に比べて明るくなったと喜んだが、外地を目指すという楼垚の考えはやはり甘いという。しかし王延姫は世が変われば夫も頭角を表す機会があるはずだと期待した。すると楼犇は雍(ヨウ)王が皇帝に都入りを命じられたが、病と称して応じていないと話す。「政変が起きたのやも…朝廷で己を役立てる時が来たようだ 尺素(セキソ)を交わす旧友と会ってこよう」( ゚ェ゚)Ben、何者?蕭元漪もまた楼垚の仕官が難しいことを知っていた。兄の楼犇が文武両道でありながら官職に就けないのは皇帝の決めた掟があるからだという。実は世襲を打破するため寒門の才子を抜擢し、同族は全員、仕官できなくなった。楼伯夫人は当然、息子の仕官を望み、二房の前途は絶たれてしまう。しかし皮肉なことに楼太傅の2人の息子は凡庸で鳴かず飛ばずだった。程家の馬車は偶然にも警戒中の凌不疑(リンブーイー)たちに止められた。窓から顔を出した程四娘子に気づき、表情が和らぐ不疑。しかし少商が楼家との縁談で出かけていたと知ると急に顔が曇った。そこで蕭元漪は数日後に娘と楼家の婚姻を発表すると教え、凌将軍を宴に誘ってみる。すると不疑は間髪を入れず軍務が忙しいと断り、屋敷まで護送すると言った。程家の家塾の師匠は結局、袁慎(ユエンシェン)に決まった。少商は何とか逃れる手立てはないかと考えあぐねるが、楼垚は自分も善見(シャンジエン)兄の授業を受けたいと熱望する。すると二兄・頌児(ソンアル)が万(ワン)家の萋萋(チーチー)も誘ってはどうかと提案した。ピコーン!(  ̄꒳ ̄)<そうね~親友なら苦楽を共にしなくちゃ!萋萋は家塾のために高価な書卓や金の燭台、獣の皮を張った敷物を提供した。しかし豪華なのは女公子3人だけ、男たちは後ろだと追い払う。「私は真ん中ね、姎姎(ヤンヤン)妹妹は右、少商は左よ」「萋萋阿姐は豪快で気配りも凄い!男なら絶対、嫁いでいたのに~」三兄・少宮(シャオゴン)は思わず少商が嫁がなくても程家の次男が萋萋を娶ると言った。すると慌てた萋萋は頌児に嫁ぐくらいなら少商を娶るという。そこへついに少商の天敵・袁慎が現れた。袁慎の講義は退屈だった。少商はこっそり兵書を読んで終わるのを待ったが、袁慎に見つかってしまう。すると袁慎はそれで文人墨客一門の嫁になれるのかと嫌味を言った。しかし少商は民にとって何の役にも立たない講義だと一蹴、学んで何になるのかとぼやく。袁慎を敬慕する姎姎は古今の論説は無用ではないとかばったが、袁慎は歯牙にも掛けなかった。「はお、では今日から役に立つことを話そう、女公子は間もなく妻となる そこで私が夫婦の話をするついでに詩詞や歌賦(カフ)を学べば未来の夫も退屈すまい」…黄金の屋敷は残るも長門宮に情人はおらずつまり世間の夫婦も出会った時は意気投合し、その縁を分かち難く感じるものだただ結局、情はいつか消え去ってしまうでは赤の他人となるのが男女の最悪の行く末か?否、最悪なのは伴侶が仇敵となり、永遠に恨みが消えぬことだろう自分を最も傷つけたのが、あろうことか添い遂げると誓い合った夫だったとは…実はその頃、何昭君(ハージャオジュン)はまさに袁慎の語る夫婦の悲劇を体感していた。肖(シャオ)世子は何昭君を人質にして何将軍を仲間に引き入れる魂胆だったが、祝宴の当日に肝心の何昭君と何公子の姿がない。血眼になって屋敷を探した肖世子は乳母を捕らえ、妻の居場所を聞いた。「岳父が肖家と行動を共にすれば、我が父が大業を成した暁に報いてやるぞ?」「何家は忠義を貫く…賊と共謀などするものか!逆賊め!」すると乳母は殺されてしまう。何昭君は幼い弟と床下に隠れて息を潜めていたが、その時、乳母の鮮血が顔に滴り落ちた。都に軍報が届き、雍王父子は婚姻の宴で何家の子を人質に取り、何将軍に謀反を迫ったと分かった。その夜、文帝は太子、三皇子、凌不疑らを集め、雍王への対応を協議する。三皇子と小越(ユエ)侯は直ちに派兵して馮翊(ヒョウヨク)軍を平定し、見せしめにすべきと上奏した。↓( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!サプライズ!ガオハンよ!しかし皇太子と楼太傅は相手が功臣の雍王であることから、まず投降を促すよう提案する。確かに勇猛な雍王に対抗できるとすればかつての霍(フォ)家軍だけ、今の朝堂に第二の霍翀(フォチョン)はいなかった。↓あら、江澄が太子!その時、凌不疑が何将軍の長子が昨朝に戦死したと報告した。「長年、旧友と尺素を交わしてきました、旧友は各地を遊歴し、遊侠とも誼を結ぶ この知らせも誼を結ぶ遊侠が危険を冒して送ってくれました」実は何将軍は娘の婚礼のため兵を従えず、馮翊郡に向かった。雍王の野心を知り必死で立ちはだかるも多勢に無勢、長子や甥まで失ってしまう。すると不疑が援軍の要請を上奏、自ら出征したいと名乗りを上げた。皇帝は封土の地図もないことから危険だと反対したが、不疑は馮翊郡の地形を熟知する旧友なら地図を描けるという。「陛下、まず呉(ウー)将軍を救援として送り込み、私が地図を入手後に合流、共に戦います」楼太傅はこの″旧友″が誰なのか気づき、まんまとやられたと苦虫を嚙みつぶしたよう顔をした。翌日、楼家で楼垚と程少商の縁談を発表する宴が開かれた。楼伯夫人は早速、今後は自分がゆっくり掟を教えると少商を威圧、程家は先が思いやられる。宴席では少商を毛嫌いする楼縭と王姈(ワンリン)が待ち構えていた。しかし今日は自分の晴れの舞台、さすがに少商も揉め事は起こせない。その時、突然、凌不疑の来訪を知らせる前触れが聞こえた。すると蓮房(リエンファン)が駆けつけ、少商も凌将軍の詔書を共に拝聴するようにとの伝言だという。「何の詔書なの?」「分かりません」中庭にはすでに楼家と程家が揃っていた。程始は出先につき正式な礼で詔書を受けられないと謝罪、しかし凌不疑は簡素で構わないという。「陛下のお言葉を程四娘子に伝えに来た…程四娘子、詔を受けよ」少商は楼家の家族や賓客の前で表彰された。文では驊(カ)県で民を助け、武では賊の平定に協力、婦女の見本だという。何が起こったのか分からないまま詔書を受け取ることになった少商。すると立ちあがろうとした時、うっかり裳裾を踏んでつんのめってしまう。その時、咄嗟に凌不疑が少商の腕をつかんで助けた。思わぬ失態に慌てて凌将軍から離れる少商、まさか今日の表彰が不疑の真心だとは知る由もない。実は皇帝に楼家の宴の場を借りて少商を表彰したいと頼んだのは不疑だった。『賓客の前で程家を賞すれば楼家の顔も立ちましょう…』つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと!来週は「急転直下」って何?!w
2023.08.12
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第17話「虎穴に入りて」凌不疑(リンブーイー)は脱獄した樊昌(ファンチャン)を追っていた。その頃、樊昌は肖(シャオ)世子の配下に助けられ、都近くの潜伏先へ到着する。安堵する樊昌だったが、配下は口封じのためいきなり斬りかかった。しかし危ないところで凌不疑が駆けつけ救われる。「凌将軍、助けてくれ!何でも話す!」不疑はひとまず樊昌を避難させると、たった独りで賊と渡り合った。側近の梁邱飛(リャンチゥフェイ)と梁邱起(リャンチゥチー)は黙って若主公を見守った。「我々に手出しもさせぬとは…ご機嫌斜めなのか?」「…樊昌が逃げなければ程(チォン)家一行を屋敷まで送れたからな」すると邱飛はむしろ若主公の邪魔立てをした賊が不憫になった。一方、程家では珍しく蕭元漪(シャオユエンイー)が床に就ていた。程始(チォンシー)は夫婦となって二十数年、夫人が初めて寝込んだことに動揺を隠せない。「蕭氏が没落した時も気丈だったのに、たかが娘の縁談のことで倒れるとは…」手持ち無沙汰の少商(ショウショウ)は程姎(チォンヤン)に看病を交代すると声をかけたが、蕭元漪は娘を拒んだ。「やはり姎姎(ヤンヤン)はいい子ね…嫋嫋(ニャオニャオ)の縁談を先に進めるなんて私はどうかしていた 気に入った人がいたら教えなさい、必ず話をまとめてあげる」「婚姻は両親が決めるもの、私は伯母上に従います」少商は居たたまれなくなり、湯を替えてくると口実をつけて寝所を出てしまう。回廊で落ち込む少商、そこへ万松柏(ワンソンバイ)が萋萋(チーチー)を連れて母の見舞いにやって来た。( ゚ェ゚)ママン、もう何なの?少商は大好きな萋萋との再会を喜び、自分の居所で近況を報告した。しかし萋萋は少商の相手が楼垚(ロウヤオ)だと知り困惑する。楼垚と言えば何昭君(ハージャオジュン)に虐げられている姿しか思い浮かばず、おとなし過ぎないかという。「そこが好きなの、あんな従順な夫はいないわ 私が作業する時は助手になり、罰を受ければ酒を届けてくれる」「…でもそれって雑用でしょう?蓮房(リエンファン)にもできる」萋萋は夫婦なら両思いであることが大事だと言ったが、少商にはまだ男女の情が分からなかった。「遊び相手を夫にするのが一番よ!」「そうね…私も従順な夫を探す!」すると頌児(ソンアル)と少宮(シャオゴン)がやって来た。顔を合わせれば喧嘩になる頌児と萋萋。周りは2人がお似合いだと分かっていたが、萋萋は気づかない振りをしていた。すると万松柏を見送りに出た程始たちは偶然、中庭で言い争う頌児と萋萋を見かける。「…この前、狩りで鹿の筋を手に入れたの、弓の弦にして、次は負けた言い訳なしよ!」万松柏は娘が自分ではなく頌児に鹿の筋を贈ったと知り、顔をほころばせて帰って行った。しかし蕭元漪は帰京してから自由奔放な息子たちの様子を心配し、師匠を招いた方が良いと思いつく。「家塾を開き、聖賢の教えを授けないと…」程家は白鹿山から師を招くことにした。この話を知った袁慎(ユエンシェン)は自ら名乗りを上げ、早速、曲陵(キョクリョウ)侯府へ向かう。従者は仕官もせず師匠になるという主に頭を悩ませたが、ちょうど門の前に楼家の馬車が止まるのが見えた。すると楼公子が母親と降りて来る。まさに渡りに船、従者は楼家が縁談の話に来たと伝え、日を改めようと提案した。( ತ _ತ)<…戻るぞ(; ˘ω˘)<やっと諦めた…ホッ( ๑≧ꇴ≦)ノ<誰が諦めたんじゃ!もっと凛々しい衣に着替えて来る!楼垚は母を連れて程伯夫人の見舞いにやって来た。楼二房夫人は少商を気に入った様子、しかし蕭元漪は婚姻を急いでいないと反対の意をほのめかす。すると青蓯(チンツォン)が現れ、今日は吉日なのか賓客がまた訪ねて来たと報告した。程家の家塾の師匠として袁慎がやって来た。驚いた少商は父に楼垚を推薦したが、素直な楼垚は絶世の才を持つ師兄の足元にも及ばないと辞退してしまう。一方、善見(シャンジエン)を敬慕する程姎は思わぬ朗報を耳にし、密かに心を躍らせていた。( ゚ェ゚)善見、マジで何なの?文(ウェン)帝は樊昌の脱獄が実は子晟(ズーション)の罠だったと知った。樊昌を泳がせたところ肖世子の刺客と合流、殺されかけたところを捕まえたという。樊昌は肖世子から連合での謀反を持ちかけられ野心を抱いたと供述、決起したら雍(ヨウ)王が協力し、馮翊(ヒョウヨク)郡と蜀(ショク)で手を組み大事を成す約束だった。命の恩人でもある雍王の裏切りに動揺を隠せない皇帝。かつて建国の際には雍王も都入りさせて国を支えて欲しいと考えたが、本人が辞退し、隠居を申し出ていた。「だから朕は長子を都に呼んで世子に封じただけに留め、望む俸禄も与えたのだ これでも朕は寛大でなかったと?」問題の世子は驊(カ)県襲撃が失敗した後、許嫁と封地に戻って成婚していた。許嫁は驍騎(ギョウキ)将軍・何勇(ハーヨン)の娘・何昭君だという。皇帝は忠臣の何勇まで寝返ったのかと呆然、しかし不疑は恐らく何勇は何も知らずに騙されたのだと安心させた。皇帝はまず都の雍王一派を処罰するよう命じ、子晟の進言通り雍王を都へ呼ぶことにした。拝命した不疑はそこで下がったが、皇帝はふと何昭君という名をどこかで聞いたと思い出す。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は何勇の娘なら世子に惑わされ、楼家の二公子と破談になったと説明した。今や楼家二公子は程少商に縁談を申し込み、成婚も間近だという。「肖世子め!奴が誘惑などせねば楼垚が子晟の意中の者を奪わなかった! おかげで子晟は今も孤独の身ではないか!万死に値する!」←そこ?w(゚ェ゚(。_。*)コク ←内侍wその頃、程家では袁慎ほどの逸材がなぜ師匠に名乗りをあげたのか、その思惑を図りかねていた。すると夫から袁慎の様子を聞いた蕭元漪が実は袁慎の目当ても少商ではないかと気づく。驚いた程始は早速、少商を呼び、袁慎との関係を聞いた。「いつ知り合った?何度、会った?何の話をした?」「…5、6、7、8回?でもあの人とは無関係です、誓ってもいいわ あの人はずる賢い、どうせろくな魂胆じゃないわ、外から夫子を呼ぶ必要がありますか?」少商は楼垚でも教えられると訴え、未来の君姑も自分を誉めてくれたという。そこで蕭元漪は明日、一緒に楼家へ挨拶に行こうと言った。「浮かれすぎよ、楼家がどんな一族がその目で見れば分かる」( ๑≧ꇴ≦)善見の評価www楼家は名家だけあって立派な邸宅を構えていた。普通なら二房の西院は大房の東院より狭いものだが、遜色ないように見える。しかし母が言った通り、早くに主を亡くした二房は大房に全く頭が上がらないようだった。仲夫人は楼垚の兄・楼犇(ロウベン)夫人の王延姫(ワンイェンジー)を紹介したが、あきらかに大房夫人の顔色をうかがってびくびくしている。すると楼伯夫人は婚姻を認め、巫師を呼んで日取りを決めると言った。安堵した仲夫人は婚約の証しに自分が嫁ぐ時に着けていた玉を渡したが、早速、楼伯夫人が噛みつく。「それは阿犇の妻に与えると思いきや、少商に渡すとはね…少商の方が好きなのかしら?」その時、少商は楼垚から聞いた話を思い出した。「延姫阿姉、阿垚から最も貴重な証しを持っていると聞きました 夫の遊歴先で出会った際、装飾品など持たぬ夫は自ら銅鏡を作って贈ったとか 天下の玉を全て集めてもその銅鏡には敵いませんね」こうして少商は二房の面目を守った。楼垚は少商が来ていると聞いて慌ててやって来た。「少商!」嬉しそうに少商に駆け寄る楼垚、すると楼伯夫人は目上の者に挨拶するのが筋だと厳しく叱り、伯父を呼んで来いと追い出してしまう。少商は大房夫人に叱責される楼垚を見て胸が痛んだが、その時、仲夫人が少商に屋敷を案内するよう延姫に頼んだ。少商は楼垚が出会った当初、どこか物おじしていた理由が分かった。延姫の話では君舅(クンキュウ)が早世し、今の楼家の栄誉は全て伯父頼りだという。「あなたも楼家に嫁いだら肩身の狭い思いをするかも…」「ご心配なく、私は昔から甘んじる性格ではありません」そこへ運悪く楼垚の従妹・楼縭(ロウリー)が通りかかった。楼縭は天敵の少商が楼家に嫁ぐことに猛反発。散々、二房を馬鹿にして悪態をつき、少商など文人墨客の家門に合わないと蔑んだ。そこへ母が蕭元漪と仲夫人を連れて現れる。娘への暴言を聞いた蕭元漪はこの息女が楼伯夫人の愛娘かと確認した。「楼太傅は陛下の命で太子を教え導き、楼伯夫人は名門の出で礼儀を貴ぶ ならば楼娘子もその教えを受けているはずです うちの少商のように無知蒙昧ではないでしょうね…」すると面目をつぶされた楼伯夫人は激怒、思わず娘を引っ叩き、部屋で反省しろと命じた。( ๑≧ꇴ≦)あっちゃん、痛そう~つづく
2023.08.12
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第16話「親の心、子知らず」情愛談義で盛り上がった別院の夜。皇甫儀(ホワンフーイー)は子供たちから道理を説かれる始末だが、それでもなお元許嫁・桑舜華(サンシュンホワ)への未練を捨てられずにいた。翌日、県庭に戻った程少商(チォンシャオシャン)は真っ先に三叔母の部屋に向かった。「三叔母!ただいま!」桑舜華は恐らく皇甫儀が嫋嫋(ニャオニャオ)に昔話を聞かせたのだろうと察している。「あの人から何を聞いたの?」「あの人はどうしようもない、三叔母を裏切っておいてどの面下げて未練を?」「悪い人ではないの、ただ天下の男の短所を集めただけ ←三叔母w …嫋嫋、女子にとって婚姻は単に人生の通過点、成功可否も得失が伴う どんな状況やどんな人に出会っても、男のために自分を捨ててはバカを見るわ」「教えは肝に銘じます、でも安心して、阿垚(アーヤオ)とは足るを知って楽しみます!」「この子ったら」少商は楼(ロウ)家との縁談もあり、両親と一緒に帰京することになった。やさしい三叔母と離れがたい少商、しかし程止(チォンジー)はこれでようやく夫婦水入らずで過ごせると安堵している。蕭元漪(シャオユエンイー)はいつまでも別れを名残惜しむ娘の姿を見ながら、都を発つ時は振り返りもしなかったと漏らした。「おや、なぜ振り返らなかったことを知っている?」程始(チォンシー)は妻の揚げ足を取ると、娘に出発の時間だと知らせた。( ;∀;) ブワッ一方、ひと足先に帰京した凌不疑(リンブーイー)は母・霍君華(フォジュンホワ)の屋敷を訪ねた。するとちょうど前庭で崔祐(ツイヨウ)が母の相手をしている。当時の親征では先頭部隊を率いた崔侯。今回も敵情を探って戻ったところ、こうして女君の様子を見に来たらしい。実は君華は正気を失い、現在は少女の頃の記憶の中に生きていた。幼なじみの崔侯のことは覚えているが、息子である不疑のことはすっかり忘れ、甥だと思っている。そこへ招かれざる客が現れた。君華は夫である城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)を不思議そうに見つめていた。しかし急に激高し、つかみ掛かってしまう。「凌益!裏切ったわね!死ぬがいい!」不疑は咄嗟に母を引き離し、侍女に部屋で休ませるよう頼んだ。すると凌益は妻と息子を心配して来たと話し、樊昌(ファンチャン)から手を引けという。兵器の件は廷尉府が審理すべき事案の上、朝廷の功臣たちまで巻き込むことになるからだ。憤慨した崔祐は子晟(ズーション)に味方すると言ったが、凌益は相手が悪すぎると警告した。「1時前に獄が破られ、樊昌は逃走した、どう調べると?これは面倒だ」少商は家族や楼垚と共に無事、都へ到着した。しかし重罪犯の逃亡により城門では厳しい検問を実施中、長蛇の列で足止めを食らってしまう。そこで楼垚は馬を降りて少商の車に差し入れを届け、2人で楽しそうに干し果物を食べた。するとちょうど樊昌の追跡に向かう凌将軍が現れ、城門前が大きく開く。凌不疑は曲陵(キョクリョウ)侯に気づいて挨拶すると、ゆっくり少商の馬車に近づいた。「また会ったな、程四娘子」「凌将軍、傷の具合は?今日もまた軍務ですか?」「些細な傷だ、もう大事ない、傷口も痛まなくなった」そこで少商は前の馬車にいる父に将軍が賊から救ってくれたと伝えた。程始は拝礼して感謝したが、不疑は礼など無用だという。「程四娘子と私は生死を共にし、胸をはだけ治療してもらった仲、他人行儀です」すると不疑は長旅で疲れた少商を気遣い、自ら程家の馬車を城内まで誘導した。え?@父(*´・ω) (ω・`*)え?@母少商は楼垚と城門で別れ曲陵侯府に到着、兄たちや堂姉と再会を喜んだ。しかし早々に母から部屋に来いと命じられ、兄たちは嫋嫋が道中ですでに母を怒らせたと呆れる。少商はおとなしくしていたと否定したが、父も渋い顔をして早く行けと急かした。程始と蕭元漪は凌将軍と嫋嫋の関係を心配した。凌不疑と言えば皇帝が実の息子のように寵愛しており、ただ事ではない。「″胸をはだけ治療し、生死を共にした″とは?」「凌不疑が誇張しただけですよ~(ヾノ・∀・`)イヤイヤ 数回しか会ったことないし…3回、いや4回?…5…6…7…8回?か(汗」一方、文帝も子晟が程四娘子のために城門の検問を解いて自ら先導し、それから樊昌を追いかけたと報告を受けた。西巡では己の深い傷も顧みず、程四娘子の救出のため奔走したと聞いたばかりだ。「あの凌子晟がだぞ?…こたびはただ事ではない」程始と蕭元漪は明らかに凌将軍が嫋嫋を好いていると分かった。しかし少商は例え誰に好かれていようと、求婚してくれたのは楼垚だけだという。「つまり楼家との縁談は諦めないつもりなの?」「凌不疑を使ってでも楼垚に嫁がせたくないのですか?」すると蕭元漪は珍しく冷静に娘を説得した。「凌不疑を勧めているわけではない、いい婚姻を望んでいるの 力の弱い楼家二房に嫁いで楼垚が守れる?良い郎君は多いのになぜ焦るの?」程始も考え直すよう勧めた。「阿父と阿母、三叔父夫婦はお似合いの伴侶です、羨みもする でも私は運が悪い、えり好みをして阿垚を逃せば、それ以上の人は見つからないかも…」「我が子を家に残したのはこの阿母が悪い、年長者の教えも受けぬことでこんな強情な性格に育った」蕭元漪は思わずため息を漏らした。思えば汝陽(ジョヨウ)王府では大喧嘩、万(ワン)府では橋を落とし、こんな性格のまま楼家に嫁げば平穏な結婚生活など到底、送れるはずがない。 「三叔父夫婦には任せられたけれど、楼家に嫁いだら私も守ってやれないのよ?!」しかしまだ若い少商に母の気持ちなど分かるはずもない。「阿垚が外に赴任したら私も同行します、そうすれば阿母ももう苛ついたり、案ずる必要はなくなる 私も阿垚も親の支配から抜け出し、自由に飛び出せる、これが私の望む婚姻です」流石の蕭元漪も言葉を失った。「…はお、分かったわ」蕭元漪は娘に良い相手に巡り合って欲しいだけだった。しかし嫋嫋はまるで母である自分が悪いようにするとでも言いたげだったと深く傷つく。程始は娘が回り道をしないよう仕切ったとしても、婚姻の良し悪しばかりは簡単に判断できないとなだめた。「娘が嫁ぎ先で苦労するのを看過しろと?」「確かに楼家は虎穴だ、だが凌家の内情も楼家に勝るとも劣らない どうやら凌不疑は樊昌の事件を何が何でも調べるつもりだ、どれだけ敵を作ることか… 嫋嫋と関わりがなくて幸いだった、もういい、悲しむな」すると蕭元漪は珍しく夫の胸で泣いた。文帝はようやく子晟が見染めた相手に縁談があることを悔しがった。実直ゆえに敵も多くなる子晟、しかし皇帝は誰より子晟が善良だと知っている。樊昌の脱獄も本来は廷尉府の怠慢だが、朝廷は凌将軍に罪をなすりつけようと必死だった。しかし子晟のこと、必ずや期待に応え、樊昌を捕まえてくれるだろう。あの時、霍兄を信じたように…。つづく( ๑≧ꇴ≦)少商と話す時だけ表情が違う凌将軍w少商はすっかり運が悪いとすり込まれているようだけど、悪運が良いのにねw
2023.08.08
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第15話「情愛談義」蕭元漪(シャオユエンイー)は嫋嫋(ニャオニャオ)と楼垚(ロウヤオ)の縁談に猛反対。母から夫婦の持つべき真の情とは程遠いと指摘された程少商(チォンシャオシャン)は、楼垚と″情愛″の書を見て研究することにした。しかし従順な妻が夫に媚びる図解を見て驚愕する。楼垚は確かに一昔前の古い考えだとなだめ、世の情愛に定論などなく、意気投合すればいいと笑った。「でも少商、程伯夫人がずっと反対しても、私と一緒になってくれるかい?」「阿垚、反対されてもあなたと肩を並べて歩くわ! でも真面目に考えないと…どう情愛を育めばいいのか」「今、私たちは情愛を育んでいるのでは?」「…そうだわ!」すると少商は使用人の符登(フードン)がかき集めてくれた書を全て書卓から投げ捨てた。蕭元漪は楼垚を好青年だと認めながらも、あの楼家二房に嫁がせるのは娘を地獄に突き落とすようなものだと嘆いた。何より年上の程姎(チォンヤン)がまだ嫁いでおらず、将来もし姎姎の嫁ぎ先が楼家より格下なら葛(ゴー)氏に恨まれるかもしれない。桑舜華(サンシュンホワ)はまたそれかとため息をついた。「言ったでしょう?雀と鷹は育て方が違うのです」すると舜華は頭ごなしに反対すれば返って意固地になると警告し、しばらく嫋嫋の好きにさせるよう助言した。「嫋嫋のこと、うまく行かなければ自ら諦めますよ」少商は楼垚と一緒に郊外の茶畑まで足を伸ばした。そこで思いがけず三叔母の元許嫁と出会う。「素晴らしい笛の音だ…女公子は舜華の姪御かな?」「程少商です、三叔母をご存知で?」「私は皇甫儀(ホワンフーイー)、いつぞやは伝言をしてくれて感謝する」聞けば2人が乗っている車も皇甫儀が足を怪我した舜華のために贈ったものだった。その時、風が吹いて山の雲行きが怪しくなってくる。皇甫儀は雨宿りする場所もないと心配する少商を見て、皇帝も滞在した別院へ一緒に行かないかと誘った。「雨なら仕方がありませんね…」楼垚は今から引き返せば雨宿りは必要ないと気づいた。しかし少商は三叔母の謎めいた過去を知る良い機会だといたずらっぽく笑う。2人はひとまず近くのあずまやへ向かったが、そこには皇甫儀の弟子で少商の天敵である袁慎(ユエンシェン)がいた。しかもなぜか凌不疑(リンブーイー)の姿がある。実は凌不疑は乱を平定した時の傷が治らず、療養中だった。「凌将軍、傷の具合は?」少商はあの時の傷だと気づいて心配そうに声をかけたが、不疑が何か言う間もなく楼垚が報告した。「凌将軍、善見(シャンジエン)兄、奇遇ですね、実は縁談を進めています、少商が未来の私の妻です!」その時、雷鳴がとどろき、ついに雨が降り始めた。↓雷の音に驚く少商を気遣う阿垚( *´꒳`* )凌不疑は自分の馬車を少商に譲り、男たちはそれぞれ馬で別院へ向かうことになった。独りで馬車に乗った少商、すると車の中に自分が凌将軍の肩から抜いた矢尻と、その時に使った″少商の弦″が置いてあることに気づく。一方、不疑は雨が止むのを待ってから驊(カ)県に戻っても城門が閉まっていると考え、すぐ程県令に知らせを出していた。少商と楼垚は別院で一夜を過ごすことになった。すると凌不疑と袁慎は何かと理由をつけて少商と楼垚の仲を引き裂こうとする。不疑は馬車を先導して別院に到着、少商は門で楼垚の到着を待つことにしたが、不疑は衣が濡れているからと侍女に世話を任せ、半ば強引に屋敷へ入らせた。一方、楼垚と遅れて到着した袁慎は色に溺れてはならないと戒め、同窓の兄に変わって学問を疎かにしていないか試験をするという。袁慎は書亭で楼垚と少商の縁談について聞き出した。すると楼垚は少商を敬慕して久しいため、驊県まで追いかけたという。「敬慕するのはあの腹黒さか?それとも抜け目のなさか?」「誤解しています、少商は知謀に長け、誰より聡明です」 少商は賊軍の手中から子晟(ズーション)兄に救われ、傷の治療までしたのです」袁慎は少商と凌不疑が知り合った理由を知り、治療の見返りに護送させたのかと疑った。「善見兄、少商があなたを怒らせた理由を知りませんが、そんなひどい娘ではない」「怒らせたうちには入らないし、親しくもない お前の兄と同窓の誼で警告しているだけだ、見せかけだけの純良さに騙されぬようにな あの女子はたちが悪い、一族と自身に害を及ぼすぞ?」( ๑≧ꇴ≦)おまえは蕭元漪か!夕餉の席に最後に現れたのは身ごしらえした少商だった。楼垚はもちろん少商の美しさに見惚れてしまう凌不疑と袁慎、すると袁慎が席を立ち、少商が楼垚の隣の席に座るのを阻止する。「こちらへ、夫子と話すのに都合が良い」少商は意地悪な袁慎を睨みつけたが、仕方なく皇甫儀の前に座った。皇甫儀は前朝の戾(レイ)帝に迫害され、仕方なく家を出て遊歴、あれから20年経った。「程四娘子、私もそなたの三叔母と同じく少商と呼んでも良いか?」「いかようにも…」すると皇甫儀は一気に杯を空け、ある世家公子の話として語り始めた。…父を早くに亡くすも傑出した才を持ち、名声を博して至る所で誉めそやされた公子その公子には幼い頃から許嫁がいたしかし許嫁は容姿が平凡で、公子は自分にそぐわないと思っていたという一方、許嫁は両親や一族から破談にするよう勧められていたしかし許嫁は信義にもとると退け、若い身空で公子の家族を世話する重責まで負ったという未来の君姑(クンコ)に難癖をつけられる日々、それでも許嫁は成婚の日まで公子の帰りを待ち続け、そのまま7年が過ぎた…少商は思わず待たせたのが間違いだったと口をはさんだ。すると凌不疑も天に道理あらば情人とは別れないという。何やら考え込んでいる楼垚、そこで袁慎は楼垚が同じことをしたら程四娘子は待つのか聞いた。相変わらず意地の悪い袁慎に怒り心頭の少商、その時、楼垚が自分なら少商を待たせないと断言する。喜んだ少商は楼垚と見つめ合い、幸せそうに笑った。…公子は帰郷の途についたその時、かつて公子の亡き父から恩を受けた腕の立つ護衛が公子を護送する役目を買って出たというしかし南下中に護衛は公子を守って命を落とした護衛は死ぬ前、一人娘を公子に託したが、その恩情が良縁を断つことになる護衛の娘は公子が帰郷後に父の生辰を祝って許嫁と成婚すると知り、毒を飲んだ公子は帰郷を延期せざるを得なかったが、何も知らない許嫁は宴の席で一昼夜、公子を待っていたという公子は許嫁の耐え難き悲しみを思い、釈明に戻った数日ほど懇願してようやく面会できたが、許嫁の口から出たのは退婚だったという公子は時が経てば許嫁も落ち着くと思って引き下がったが、やがて他の男に嫁いだという知らせが舞い込んだ『あなたが他を優先したのに、私は他に嫁いで悪い? しがらみは断つわ…これを境にあなたとの縁を切る』しかし公子はどうにも解せなかった許嫁は7年待ちながら、なぜ最後の最後で取るに足らぬことに固執したのだろうか…少商は思わず身を乗り出した。「許嫁が求めたのは公子の心、心に留めてもらいたかっただけ でも公子は薄情で、自惚(ウヌボ)れた恥知らずだった…」少商の遠慮ない批判に皇甫儀が面食らっていると、少商はさらに質問をぶつけた。「もし許嫁と護衛の娘が同時に川に落ちたらどちらを救いますか?」するとすかさず凌不疑が補足する。「程四娘子、これではどうか?許嫁は片時なら水に浮いていられるが、娘は全く泳げない 夫子だったらどちらを救うと?」「それがいいわ!」しかしまた袁慎が水を差した。「凌将軍、あなたならどちらだ?」「チッ!」少商と視聴者は思わず袁慎に舌打ちしたが、不疑は迷わず許嫁を救うと答えた。皇甫儀は護衛の娘を見殺しにして良いものかと首を傾げた。すると不疑は娘が自害したら、護衛の養子を取って昇進させ、供養を続けさせれば良いという。「仕方がないことだ、全ての者に責任は負えぬ」「その通り、阿父を守って死んだ兵は多いけれど、兵の妹や娘は阿父に嫁いだりしない」少商は意外にも凌将軍と意気投合した。「護衛の娘なんて所詮は小悪党です、凌将軍の言う通りだわ、″天に道理あらば情人とは別れない″」しかし不疑は許嫁も公子が護衛の娘に情などないと信じられなかったと指摘した。「信じ合えぬ者が夫婦になれはしない、許嫁はそれを悟り、縁談を断った 破談にしたのは己の容姿が平凡でも心は辱められないと伝えるためでしょう」その夜、少商は回廊で凌将軍と出くわした。不疑は冷えるので自分の外套を着るよう勧めたが、少商に断られてしまう。「…長き人生、正しい者と送る正しい道こそ幸…程四娘子は今の選択が正しいとお思いか?」その時、少商を探してした楼垚がやって来た。「少商?」少商は凌将軍に拝礼し、嬉しそうに楼垚の元へ走って行ってしまう。「少商、外套を持って来たよ、早く羽織って」不疑は自分の外套を握りしめながら、そっとその場を去った。つづく( ತ _ತ)いや何なん?善見、ウザいわ_w師匠も子供さえ分かる道理に気づかず、いつまで引きずるんだかwそれにしても小動物カップル可愛い〜( *´꒳`* )
2023.08.07
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第14話「私の選び方」殉職した驊(カ)県県令は二等関内侯に追封され、多くの民に見守れながら出棺した。楼垚(ロウヤオ)は程少商(チォンシャオシャン)と一緒に県令を見送りながら、自分も家門を汚さぬ父母官を目指し、2度と家族を失う子を生まないと誓う。少商も両親が自分を捨てたのではなく、民を守るために出征したと理解し、母に対する思いも変化していた。そんな2人の様子を詔書を届けにきた凌不疑(リンブーイー)が複雑な面持ちで眺めている。一方、師匠に同行した袁慎(ユエンシェン)も横道からこっそり少商を見つめていた。するといつの間にか師匠の姿がない。皇甫儀(ホワンフーイー)は夫に寄り添う桑舜華(サンシュンホワ)の姿を見て居たたまれなくなり、結局、2度と会うまいと決めて帰ることにした。そんな中、何とか生き長らえていた県令の孫娘が少商と楼垚に看取られ亡くなった。…私が持っている幸運を阿姉にあげる、きっと幸せになれる…少商は雨の中、孫娘の墓前で笛を吹いた。すると楼垚が駆けつけ、傘を差し出す。結局、阿妙(アーミャオ)も県令も助けられず、孫娘の命も守れなかったと嘆く少商。「両手を血に染めている人たちが憎い…でも私に何ができるというの?!私は非力だわ」しかし楼垚は民を奮起させ、町を立て直した少商を非力だとは思わないと励ました。何より少商に最も影響を受けた楼垚は、外地での仕官が叶った暁には少商と共に太平の地を築きたいという。「少商、君を敬慕している…これからは己の足で立ち、弱々しい自分を捨てるよ」少商と楼垚は同じ志を持つ者同士、互いに信頼し合い、同じ道を歩もうと約束した。「過去や是非は問わない、肩を並べて進むんだ」「はお」凌不疑は少商を探して程家の墓に向かった。しかしそこで思いがけず少商と楼垚の誓いを聞いてしまう。結局、不疑は引き返し、そのまま驊県をあとにした。「彼女も私に会いたがらないだろう、殺戮に明け暮れる者にはな… この両手は血で染まっている」。・゜・(ノД`)・゜・。ウーレイが失恋なんて…楼垚は早速、県丞夫婦に少商との縁談を申し込んだ。程止(チォンジー)はさすがに時期尚早だと困惑したが、楼垚はすでに兄に文を送り、母の代理を頼んだという。(; ̄▽ ̄)<普段と違って手際がよいな…すると知らせを聞いた程始(チォンシー)が馬を駆けて驊県へ駆けつけた。程始は娘の無事な姿を見て安堵した。すでに都で楼太傅と話はついていたが、まずは娘婿がどんな郎君なのか気になる。そこで程始は楼垚と2人きりで話すことにした。正直なところ程氏が名家の河東(カトウ)楼氏と釣り合うとは思えない。しかし思いがけず楼垚は少商の良さを理解している好青年だった。「夫婦になれたら私の幸であり、楼氏の幸です!」「見る目があるな!」夫からの知らせを読んだ程伯夫人・蕭元漪(シャオユエンイー)は怒り心頭だった。自分の意見を聞くと言いながらまるで事後報告、すでに曲陵(キョクリョウ)侯府には楼家から聘礼(ヘイレイ)の品が届いている。「母である私には文だけで終わり?!だいたい楼垚は二房の息子よ?!」楼氏一族は大房が強く、楼垚の父も早逝していた。夫は大房の楼太傅が楼垚の父代わりとでも思って話をつけたのだろうか。「二房がどんな立場か考えなかったのかしら?どこが良い縁談よ!」相変わらず手厳しい蕭元漪、しかし実は楼家が虎狼の巣だと知っていた。程老夫人は楼家から届いた聘礼品に大喜び、早速、金のかんざしを挿せるだけ挿してみた。すると蕭元漪が現れ、この縁談に反対なので全て送り返すという。老夫人は激怒、意地でも聘礼を返すものかと箱の上に座り込んで抵抗した。しかし蕭元漪の命令で武婢たちに羽交い締めにされ、部屋に連れて行かれてしまう。↓老太太wwwww少商は三叔母から母まで驊県に来ると聞いて度胆を抜かれた。すると舜華は本当に楼垚の求婚に応えるつもりなのかと心配する。「もっと良い人がいると考えたことはない?」「私は一番を選んだことはない、その時に合うものを選ぶの」一方、凌不疑の追撃で捕まった樊昌(ファンチャン)は自供し、死を以って謝罪したいと血書を書いた。かつては皇帝と共に敵を陥落させた樊昌、それがまさか十数年に反逆するとは皇帝も衝撃を隠しきれない。結局、情が厚い皇帝は再度、機会を与えようとしたが、凌不疑は反対した。「樊昌が家族を隠してもいないのは、暗殺に出ても一族皆殺しを恐れなかったからだ つまりこたびの暗殺が成功して朝廷が混乱し、責を逃れられると踏んだ 最初から策を講じていたのです」不疑は樊昌を都へ護送し、必ず黒幕を捕らえると進言したが、皇帝はそれよりまず傷を治せと叱った。「戦いや拷問ばかりでは娶った妻を震えさせるぞ?」すると供述書を届けた紀(ジー)大人が凌将軍も慶事かと聞いた。「何?他家にも慶事があるのか?」「楼家二房の二公子です、程娘子を追って驊県へ行き、その美談は県中に伝わりました 程将軍と楼太傅はすでに縁談を決め、聘礼を届けたとか…」皇帝は子晟(ズーション)が難しい顔をしている理由を知った。そこで子晟が下がったあと、紀大人に程始には何人、娘がいるのか尋ねる。「1人だけです」「なぜ1人なのだ!程始、使えぬヤツめ!」蕭元漪は驊県見庭に到着、するとちょうど中庭にいた少商と楼垚に噛みついた。「楼公子、どうか伯父上と母上に縁談を断るよう伝えてください これもあなたと少商のためです …今後は楼公子との仲を疑われぬよう、会うことは禁じます!」一方的にまくし立てられる少商と楼垚、仕方なく程始はひとまず楼垚を帰したが、蕭元漪の怒りは収まらない。「将軍、やってくれたわね?!」「…阿母が嫌いなのは阿垚?それとも私?なぜ邪魔するんです?」「私の娘でなければ自由に嫁いで結構!」少商は今回の生死を経て、少しは母との距離が近づいたと思っていた。しかし結局、母は何も変わらない。その夜、少商は部屋を抜け出し、こっそり楼垚と会った。「阿母はあなたを責めているわけじゃないの、私を許せないだけ、誰に嫁ごうと同じ態度よ」しかし運悪くちょうど三叔母と回廊を歩いてきた母に見つかってしまう。楼垚は自分が軽率だったと程夫人に謝罪、少商に母親と良く話し合うよう言い聞かせて帰った。桑舜華は嫋嫋(ニャオニャオ)を必死にかばった。驊県への道中では命も危うかったが、嫋嫋のおかげで生き延びることができたという。さらに嫋嫋は町の再興を助け、家を建て直したり、農具まで改造していた。しかし蕭元漪は娘の功績を認めず、運が良かったに過ぎないという。「三叔母、無駄です、阿母の目には堂姉だけ、私の小手先など認めやしません でもなぜ嫁ぐなと強いるのですか?」「嫁ぐなとは言ってない、嫁ぐ時期と相手を考えて…」「では堂姉でもこれほど反対しますか?」「姎姎(ヤンヤン)ほど心配をかけなければ反対はしないわ!」「私がいつ心配をかけましたか?!…いえ、阿母にとって私に心配する価値がありますか?」驚いた蕭元漪はならば楼垚に本当の情があるのかと聞いた。2人の馴れ初めは舜華の文で知ったが、とても夫婦の持つべき真の情とは程遠いという。少商は夫婦の情と言っても千差万別、相棒のように手を携えて生きるのもまた情だと言い返した。「何も分かっていないくせに!」「いつもそれですね、何も分かっていない… 確かに私は無知です、躾けられなかったのですから 娘を捨てておきながら、今頃、戻ってきて躾ける資格があるとでも?」「はお、では見せてもらう、あの楼垚とどうやって人生を歩むのか!」 つづく( ತ _ತ)あ___せっかく楽しかったのに、ママンのキンキン声を聞いていると滅入るわ___というか娘が戦に巻き込まれたのに、全然、心配するシーンがはないことに驚くw
2023.07.29
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第13話「再興への活力」程止(チォンジー)は新任の驊(カ)県県丞として県庭に到着した。しかし父のように慕っていた県令が城外で殉職したと知り、あやうくまた倒れそうになる。一方、文(ウェン)帝は深手を治療せず放置したままだった凌不疑(リンブーイー)に怒り心頭だった。「半日、戻るのが遅れたら命も危うかったぞ?!」このまま妻帯もせず殺し合いばかりでは看取ってくれる者もいないとぼやく皇帝。すると不疑は4年前のように裕昌(ユーチャン)郡主を娶れと強いるなら、今度は敵地まで攻め込み散り果てると脅した。「お前というヤツは!…息子同然に育てたお前が身体を粗末にするとはどういうつもりか? 朕とお前の舅父(キュウフ)は実の兄弟同然で、幼き頃から寝起きを共にした仲 だが舅父は国のため一家の命を犠牲にした 救えなかった無念から朕は霍(フォ)一族の栄誉をお前に授けたのだ、しかと生きてもらうために それがお前は妻子も持たず、戦に明け暮れ、身体を顧ぬ 母方霍氏の血脈を己の手で断つ気か?!」しかし不疑は舅父のように愛する人を娶りたいと訴えた。「城陽(ジョウヨウ)侯のごとく節操なく母を捨て、遺恨だけが残るなら独り身で構いません」( ゚ェ゚)<ウォレスフォのフォ! ←関係ないw皇帝は軍医に凌不疑の治療を任せ、梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)から事情を聞いた。すると実は子晟(ズーション)が県丞の身内の女子を救出するため、傷の手当てが遅れたと知る。「矢を抜き、治療した女子?…それは誰だ?!」「曲陵(キョクリョウ)侯・程始(チォンシー)の娘、少商(シャオション)です」皇帝は初めて聞く子晟の浮いた話に目を輝かせた。「容貌は?」↓今回の皇帝は良い人そうw一方、程止は自分が寄り道したせいで県令が犠牲になったと自分を責めていた。桑舜華(サンシュンホワ)はそんな夫の無念さを思いやったが、少商は華甲(カコウ)を超えた齢の県令がなぜ無謀にも城外へ出たのか分からない。しかし三叔母は15年前の戦で嫋嫋(ニャオニャオ)の両親が孤城へ向かったように、乱世では能ある者が責を担うのだと教えた。楼垚(ロウヤオ)は少商のそばに付き添い、何かと気配りしていた。すると少商が殉職した県令の孫娘の見舞いに行くことになり、同行する。しかし孫娘は胸を蹴られて重体、医盧(イロ)には他にも重傷で生きる希望を失った民たちがいた。県令の一族は全て城外に出て討ち死にし、孫娘が唯一の生き残りだった。「大父…父上…兄上…みんな戦いに行ってしまうの?…置いていかないで…」孫娘のうわ言を聞いた少商は自分の境遇と重なって胸が痛み、そばに付き添った。やがて孫娘は目を覚ましたが、すでに一族が亡くなったと知っている。少商は自分を納得させるかのように、家族も望んで孫娘だけ残したわけではないと慰めた。しかし孫娘は家族を責めているわけではなく、城内の民を助けるために命を落としたと理解している。「皆が大父たちを英雄だと言ってくれる…でも英雄でなくてもいい、ただ大父たちと話したいだけ」少商は思わず良ければ自分が話を聞くと申し出た。少商は孫娘の思い出話を聞きながら、ふいに涙がこぼれた。「泣かないで…」すると孫娘が兄からもらった飴糖をくれる。「食べるのが勿体ないの、だからあげる…食べたらつらくないよ?」少商は幼い頃、幼なじみたちに飴糖を奪われた時の悔しさを思い出し、何ともやるせなくなった。少商は孫娘を救うため、医者に処方箋を書いて欲しいと頼んだ。「どんなに貴重でも探し出します!一族のためにも生き延びなくては…」そこで自暴自棄になる他の患者たちにも、程一族や犠牲となった家族が救ってくれた命を大切にするよう叱咤する。すると今まで諦めていた患者たちは生きる希望を持ち、治療や薬を積極的に受け入れるようになった。↓小動物系カップル(๑´ω`๑)県庭に戻った少商は驊県を復興させるため、家屋の修理に必要な材料を書き出した。しかし楼垚は計算したところで府庫の予算では足りないという。そこで自分が持っている高価な玉やわずかな銭を寄付することにしたが、そのお陰で少商は資金を集める方法を思いついた。少商は金持ちたちが欲しがる名声に目をつけた。そこで三叔父の書斎に駆けつけ、商賈(ショウカ)から寄付を募り、見返りとして賞状や扁額を贈ろうと提案する。「数貫の扁額を贈るだけで数百貫に化けるんですよ?!」少商の話を聞いた程止は誰からそんな知恵を教わったのかと聞いたが、少商はあっけらかんと答えた。「こんな知恵、教わるまでもない」少商は得意な大工の腕を生かし、町の復興に尽力した。県令の孫娘も気力が戻り、祖父や父たちが生きていた頃の驊県をもう一度見たいという。「その頃には、少商姉がどこよりもきれいな家を作っているはず…」「きっと見られるわ」「そうさ、小妹、阿垚哥哥も少商姉と一緒に驊県を昔の姿に戻すよ」一方、療養中の凌不疑も驊県に寄付していた。梁邱飛は怪我がなければ若主公自ら渡せたと残念がり、程四娘子は数日で驊県の民心を奮い立たせたと報告する。「見事な手腕です!寄付した者は誇っていますよ? でも若公主が口止めしたため、程四娘子は一番寄付したのが誰かも知りません」しかし不疑は自分の身分を明かせば商賈たちが寄付を強いられたと誤解するため、あえて匿名にしたという。「力になれただけでいいのだ」( ˶´꒳`˵ )ふふふ、ウーレイったら ←違うw楼垚は少商の好物を探し回り、次々と差し入れた。喜んだ少商は何でも手に入る楼垚を絶賛したが、楼垚は褒められたのが初めてだという。「だって災難後でもこんなに美食を用意できる、やり手だし気配りもできるわ」「君には負ける、民を奮い立たせ寄付を募り、驊県を救ったんだ」「ふふ、あなたは見る目がある」少商は父と楼垚だけが自分を評価してくれると喜び、父と楼垚は必ず気が合うと太鼓判を押す。「君の阿父に会わせてくれるのか?! 決めたぞ!将来、父母官になって君が建築と生産を指南、私が支える!暮らしを向上できるよ!」そんな若い2人の夢を回廊で程止と舜華が聞いていた。少商は結局、一番寄付してくれた匿名の者が誰か分からなかった。自分を助けて驊県を救ってくれた恩人が気になる少商、しかし三叔母はそれが誰であろうと楼垚には及ばないと笑う。その頃、皇帝は驊県から届いた報告書を受け取っていた。県丞の程止の名を見た皇帝はふと例の四娘子のことを思い出し、奥殿で休んでいる子晟に聞こえるよう大きな声で話し始める。「…姪も実に賢いらしいな、負傷者を助け、生産の復興に励んでいるとか 婚姻の相手はいるのだろうか?そんなに聡明なら婚姻を求める者が列を成しておるな~」そこへ突然、凌不疑が現れた。「陛下、県令は子孫と殉職しました、その忠義を褒章すべきでは?」「子晟、起きたのか?w」皇帝は思った通りだとほくそ笑み、ともかく追封の詔書を届けさせると決めた。すると不疑は自分が直接、届けに行くと申し出る。「回復が早いな?(ボソッ」皇帝は子晟の嬉しそうな顔を見逃さなかった。一方、皇甫儀(ホワンフーイー)もかつての許嫁・桑舜華を心配していた。すると使用人が駆けつけ、やはり程家の一行が戦に巻き込まれていたと報告する。「しかも程家四娘子までいたとか」袁慎(ユエンシェン)は少商まで一緒だと知って動揺した。しかし凌将軍に救われ、無事に驊県に到着したという。皇甫儀はすぐ舜華に会いに行くと決め、袁慎も同行すると申し出た。「天下に女子は多いが、なぜ一人、不運なのか…」つづく
2023.07.28
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第12話「古琴の弦」猟師小屋で眠れぬ夜を過ごす程少商(チォンシャオシャン)たち。その頃、驊(カ)県は賊軍に包囲され、民を人質に開門を迫られていた。追い詰められた県令は自分がおとりとなって敵を引きつけると決断、その間に足の速い将兵が突破して援軍を要請するよう指示する。しかし一族の男たちと官兵が一斉にひざまずき、共に戦うと嘆願した。一方、嫋嫋(ニャオニャオ)を手厳しく追い出した蕭元漪(シャオユエンイー)、しかし悪夢にうなされ、ふいに目を覚ました。「にゃおにゃお!(はっ)」気まずい蕭元漪だが、青蓯(チンツォン)は出征の時も女君がうたた寝をしては娘の名を呼んでいたと知っている。「私の前で体裁を気にしてどうします?」すると蕭元漪は娘を案じても、外の世界に出なければ本当に哀れな者や、自分たちがどうやって生きてきたかも知ることができないと話した。驊県の県令たちは城外で応戦するも全滅、固く閉ざした城門がついに破壊された。城内に一気になだれ込んだ賊軍は殺戮と強奪を繰り返し、民は逃げまどう。そんな中、勇敢にも県令の孫娘が落ちていた剣を拾い、賊の背中を突き刺した。しかし少女の力では鎧を貫通することも叶わず、敵兵に蹴り飛ばされてしまう。賊兵は剣を振り上げ少女に襲いかかったが、その時、首に矢が命中した。凌不疑(リンブーイー)率いる黒甲衛(コクコウエイ)が驊県に駆けつけた。驚いた賊軍たちは慌てて撤収、かろうじて城は陥落を免れる。不疑は倒れていた娘を抱き起こすと、少女は小さな箱を渡した。「…阿兄が新しく来た県丞?これは大父から頼まれたの」少女は祖父から書房にある赤い箱を隠し、新しい県丞へ渡すよう命じられたという。「分かった」その時、残党が矢を放った。不疑は少女をかばって咄嗟に避けたが、背中に矢を受けてしまう。深手を負った凌不疑は梁邱飛(リャンチゥフェイ)に娘を任せた。少女から預かった箱は梁邱起(リャンチゥチー)に頼んだが、実は新しい県丞が程将軍の三弟・程止(チォンジー)で、夫人と四娘子も随行していると知る。「本来なら一行は昨日、到着するはずでした 周囲には樊昌(ファンチャン)の一味もいます、もしや一行も…」驚いた不疑は自ら背中の矢を切り落とし、手当てもせず馬に飛び乗った。少商はいつの間にか眠っていた。すると激しい物音で目を覚まし、急いで外へ出る。その時、ちょうど賊軍が門を突き破ってなだれ込んで来た。「外へ伝えたか?!」「それが怖いのね?匪賊ではないから…」「あの女と同じ末路を辿ることになるぞ?」少商は阿妙(アーミャオ)が殺されたと知り、命で償わせると短剣を抜いた。それを合図に激しい戦いが始まり、少商めがけて男が馬で駆けて来る。少商は馬を避けようとして転倒し、絶体絶命。その時、凌不疑が放った長槍が賊の身体を貫通し、男は吹き飛ばされて行った。「大丈夫、私がいる!」少商は率先して負傷者を手当てした。しかし慣れない血生臭さで気分が悪くなり、思わず外へ飛び出してしまう。すると凌不疑が現れ、手巾を差し出した。「安神(アンシン)薬を含ませてある、口と鼻に当てるといい」「ありがとうございます」少商は手巾を受け取ると、行軍を遅らせないためにも負傷兵をここへ置いていくよう勧めた。「私がお世話します」「…なぜ配下だけ?私は残れないのか?」凌不疑は右肩に矢が貫通していた。少商は凌将軍が一睡もせず、手当てもしないまま救出に駆けつけてくれたと知る。しかし凌将軍の肌から突き出した矢は半寸にも満たないため、抜くには傷を開かねばならなかった。ここには難しい手当ができる者はおらず、軍医を呼ぶにも数日はかかる。その時、少商が自分に考えがあると言った。「ただうまく行くかどうか…」「うまく行く」不疑は少商を無条件で信頼した。少商は首飾りの玉を全て外してから紐をよった。「その紐は?頑丈なのか?」「普通の紐じゃないの、少商(ショウショウ)の弦よ、私の名前の由来なの」「そうであったか…ではよろしく頼む」少商は慎重に矢尻に弦を引っ掛けた。「その少商の弦は…意中の者が贈ってくれたのか?」「確かに好きな人よ…萋萋(チーチー)姉姉からもらったの」不疑は想い人ではないと知って安堵したが、矢を抜く時はさすがに激痛で顔をゆがませた。少商は見事に矢を抜いた。「手当をお願い!」すると少商は慌ててその場を離れ、今さらながら背中を向けて着替えを待つ。凌不疑は少商が落とした血まみれの弦を拾うと、早速、矢尻を調べた。「これは軍で最も新しい鉄器だな、董(ドウ)倉管が管理していたが、賊の手に渡っていたとは…」「蜀(ショク)は二心を抱き、兵器を集め、謀反を企んだ…彼らは匪賊ではなく賊軍よ」少商は思わず口を挟み、慌てて憶測だと言葉を濁した。「凌将軍、外にいる逆賊たちをどうするの?」外には形勢が不利と見て投降した賊兵たちが捕縛されていた。凌不疑は誰が武器を売ったのか聞いたが、賊兵は知らないという。「そうか…では連行して斬れ」驚いた賊兵は樊昌将軍に脅され仕方がなかったと釈明、樊昌は蜀を守ることが不満で兵器を盗用していたという。すると少商は我慢ならなくなった。「仕方がなかった?権力と財にすがったのでしょう?自業自得のくせに哀れみを乞うつもり?」しかし降卒を殺すのは不吉と言われていた。「なら私がやる、私には投降していないから…」少商は自分をかばって殺された阿妙や使用人、馬引きの敵をどうしても討ちたいと訴えた。結局、不疑は賊兵を処刑すると決めたが、少商にはこのまま残るよう説得する。「初めて見る光景だろう、悪夢を見る」「見届けたいの!」「だめだ、ここにいろ…君はよくやった」不疑は裏山で処刑を終えたが、物陰で全てを見ていた少商に気づいた。凌不疑は念のため梁邱起たちを護衛に残して戻った。少商たちも出発の準備を始めたが、そこへようやく三叔父と楼垚(ロウヤオ)が到着する。程止は嫋嫋の無事を確認すると、馬車の中で夫人と再会を果たした。実は臆病な楼垚が道中で気絶したため遅れてしまったという。「援軍を呼ぶのが遅過ぎない?」さすがに少商は呆れたが、楼垚の話では気絶したのは自分ではなく三叔父だという。聞けば三叔父は合流した楼垚から賊に遭遇したと聞いて倒れ、その後、賊に襲われ壊れた馬車を見て倒れ、さらに途中で捨ててあった荷物を見て倒れていた。結局、楼垚たちは少商たちを探して一日と一晩、山道を辿っていたという。(๑ ・᷄ὢ・᷅)<賊は君たちを包囲していたから、私たちは安全だった…(*ತ _ತ)<…三叔父ってやっぱり強運よね、かすり傷ひとつないなんて一方、凌不疑は山道で葉についた血を見つけた。「まだ乾いていない…樊昌は近くにいるな、先を探す!」不疑は手についた血を拭くため手巾を取り出したが、少商に貸したことを思い出し、大事そうにしまってしまう。すると梁邱飛は首を傾げた。「その手巾は…その~深手の身で程四娘子を救った上、なぜ大兄に護送まで?」「まだ残党がいるやもしれん、警戒しないと…」「それだけですか?」「…悪いか」不疑は阿飛の袖で血を拭くと、独りでここを守れと命じた。梁邱起は少商たちを驊県に送り届け、そこで別れた。しかし無事に到着したものの城外一帯は血の海、兵士たちの亡骸で埋め尽くされている。城内では家族を失った民の泣き叫ぶ声が響き渡っていた。少商も楼垚も乱世の現実を目の当たりにし、ただ呆然とたちすくんでしまう。つづく(; ̄▽ ̄)三叔父のオチで何とか救われた12話何しろルースーが上手い!からの颯爽とウマーで駆けてきて片手で配下を止めるウーレイ!カッコいい!それにしてもママン、まさに獅子は我が子を千尋の谷に落とすですな〜
2023.07.22
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第11話「猫を追う鼠」三叔父夫婦と一緒に驊(カ)県へ旅立った程少商(チォンシャオシャン)。程止(チォンジー)は少商の強情さに呆れながらも、男なら大成できただろうと残念がった。すると桑舜華(サンシュンホワ)は嫋嫋(ニャオニャオ)の傷を見たが、蕭元漪(シャオユエンイー)は手加減していたと教える。夫婦で出征する蕭元漪が本気で罰すれば、嫋嫋の命はなかっだろう。その時、使用人の符登(フードン)が馬車に声をかけた。「大人、夫人、後ろから馬が追ってきました、女公子に用があるそうです」少商を追いかけてきたのは楼(ロウ)家二房の次男・楼垚(ロウヤオ)だった。楼垚は程大人に挨拶し、少商が驊県に無事に到着するのを見届けたいと話した。しかし楼家は何(ハー)家と破談になったばかり、程止は誤解を招く行動だと諭したが、楼垚はやましいことはないという。その時、後ろの馬車にいた少商が楼垚と話がしたいと言った。少商は楼垚に追いかけてきた理由を聞いた。すると驚いたことに楼垚は万(ワン)家で偶然、少商が橋の木を抜き取っているところを見たという。「あの時、君が止めてくれたから私は橋に行かずに済んだ 灯会(トウエ)でも私を守ってくれたね でももう許嫁はいない、破談になったんだ、何昭君(ハージャオジュン)は来月、雍(ヨウ)王府に嫁ぐ」少商は破談になった楼垚が自分を恨み、自分の弱みを握って脅すつもりだと早合点した。しかし楼垚はそんな少商に心惹かれたと明かし、追いかけてきたという。少商は突然の告白に気が動転し、慌てて馬車を出すよう頼んだ。少商は楼垚を追い払ったが、楼垚は根気強く一行についてきた。さすがに数日後には程止が戻るよう説得することにしたが、思いがけず楼垚から仲立ちを頼まれてしまう。少商が三叔母と馬車で待っていると、三叔父の声が聞こえた。「嫋嫋?山の頂に猟師小屋がある、行軍の際に建てた臨時の軍営だ、見に行ってみるか?」喜んだ少商は戸を開けたが、三叔父と一緒に楼垚がいた。すると少商は無言で戸を閉めてしまう。「少商?大兄が昔、遊歴で清(セイ)県や驊県を通り、自ら地図も描いたんだ 君が通ると知ってこっそり持ち出した、私が案内するよ」「結構よ、どこにも行きたくない」少商は自分が従順な妻にはなれないため、優しくて何でも言うことを聞いてくれる三叔父のような夫が欲しいと言った。しかし舜華も程止に嫁ぐとは考えもしなかったという。「あの頃、私には許嫁がいたの…でも縁がなかったのね」当時、舜華の許嫁は事情があって7年も家を離れ、世界も広がり、人生で新たな節目を迎えたという。少商はその許嫁こそ伝言を頼んだ袁善見(ユエンシャンジエン)の師匠だと気づき、師匠が薄情だから弟子も義理を欠くのだと呆れた。その頃、その薄情な師匠と弟子は皇帝の西巡への同行を辞退し、驊県近くの山荘にいた。皇甫儀(ホワンフーイー)は程止が驊県県丞(ケンジョウ)の任に就くことを思い出し、桑舜華も一緒だろうかと思いを馳せる。すると袁善見はさすがにこれ以上は旧友を偲ばぬ方が良いと諫言した。「…琴と笛の音が聞こえてくるかのようだ」ちょうどその時、舜華は馬車の中で笛を吹いていた。舜華はあの時の無駄な7年があったからこそ、程止という価値のある人に気づけたという。しかし少商は昔から運のない自分なら逃した以上の人に巡り合うのは難しいと言った。「心に沿う人がいれば決して離さない、逃したら最後です …武将には絶対に嫁がない、一生びくびくして暮らすなんて勘弁」そこで琴棋書画に疎い少商は三叔母から笛を習うことにした。程止は食事をしたら引き返すよう楼垚を説得したが、楼垚はあきらめなかった根負けした程止は警戒心の強い少商も内心は愛を求めていると話し、思い続ければいつか通じると助言する。その時、休憩している武婢(ブヒ)の歌声が聞こえてきた。美しい歌声と舞を披露していたのは母の武婢・阿妙(アーミャオ)だった。すると少商は三叔母にこれこそ自分が望む暮らしだという。「山で笛を吹き、歌を合わせる…自由自在で最高だわ! 見て!大きな鷹よ!私も広大な大地を心のまま自由に飛び回りたい!」程止は旅の途中、旧友がいる清県に立ち寄ることにした。しかし高台から見たところ城外は荒れ果て、ひと目見て様子がおかしいと分かる。程止は下僕を1人だけ連れて様子を見てくると決め、舜華と嫋嫋を先に驊県に向かわせることにした。すると楼垚が命懸けで2人を守ると約束する。少商は気になることがあったが、程止は話を聞かずに出発した。舜華は程止が心配で心ここにあらずだった。そこで少商は父から三叔父が吉相ですこぶる運が良いと聞いたと話し、引き返そうと提案する。「私はずっと運に見放されているから」すると外から楼垚の声が聞こえた。実は皇帝一行がこの地を通り、羽林(ウリン)虎賁(コフン)軍や凌不疑(リンブーイー)の黒甲衛(コクコウエイ)も随行中のため安心だという。( ತ _ತ) .oO(あの死神も?しかししばらくすると馬車が急に止まった。先頭にいた武婢が馬蹄の跡を見つけた。少商と楼垚が駆けつけると、阿妙は軍がこんな小道を通るはずがないという。「大変だわ…引き返して回り道を」少商は危険を察知したが間に合わなかった。竹林から匪賊が現れ、武婢たちが応戦、その時、流れ矢に驚いた馬が暴れて車が横転し、車に残っていた舜華が巻き込まれてしまう。使い手の武婢たちは匪賊を片付けた。しかし少商は挟撃を恐れ、急いで逃げることにする。そこで楼垚の大兄が描いたという地図を受け取り、楼垚には救援を呼んで来るよう頼んだ。楼垚は後ろ髪を引かれる思いで出発、すると少商は阿妙に三叔母の手当を頼む。「女は皆、馬車に乗り、乗れなければ荷は捨てて」「でも将軍が女公子にと…」「命を優先して!」少商は地図で近くにある猟師小屋を確認、馬で誘導することにした。乗馬はあの時以来、しかし覚悟を決め、凌不疑が教えてくれた言葉を思い出す。…良馬は人の心を読む、強くなれば畏敬の念を払う…「ジィア(駕)っ!」少商は掛け声と共に馬の腹を蹴ると、一行を誘導して山の頂にある猟師小屋に避難した。猟師小屋には行軍が残していった荷が残っていた。道中で兵書を読んでいた少商は念のため仕掛けを作り、援軍が来るまでの時間稼ぎにする。すると予想以上に早く匪賊が現れた。矢倉にいた少商はぎりぎりまで敵を引きつけてから合図、その時、地面に埋まっていた紐が飛び出し、馬は足をとられて転んでしまう。しかし後方にいた匪賊が縄を切り、今度は馬を降りて走り出した。「ファンジィェン(放箭)!」少商の合図で武婢や下僕たちが一斉に矢を放ったが、あっという間に矢を使い切ってしまう。仕方なく少商は近寄れば死ぬと叫んだ。その時、煽られた匪賊の頭が馬で矢倉へ接近、少商に向かって鞭を放つ。阿妙は咄嗟に女公子を助けたが、鞭が身体に巻きつき、そのまま引きずり下ろされ、連れ去られてしまう。その夜、少商は責任を感じて眠れなかった。父と一緒に出征していた母もこんな事は日常茶飯事だったのだろうか。舜華は乱世では命はちっぽけなものだと嘆いた。嫋嫋の両親が娘を置いて孤城で戦ったのも、そんな乱世を終わらせる責を担っていたからだという。すると武婢が駆けつけ、女公子が予想した通り匪賊が負傷した仲間を救出したと報告した。「進撃も撤退も秩序があった…捨ててきた財物にも見向きもしない 匪賊じゃない…兵だわ」あの時、凌不疑は横流しした兵器が蜀(ショク)に運ばれたかもしれないと言っていた。恐らく二心を抱いた蜀は西巡中の皇帝の暗殺を決めたのだろう。そんな折に斥候隊が自分たちと遭遇、敵は発覚を恐れて口封じするつもりだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)阿垚が来たわ~!と思ったら、何この展開?! (Ŏ艸Ŏ)
2023.07.21
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第10話「意地の張り合い」凌不疑(リンブーイー)は肖(シャオ)世子の屋敷に曲者を放ち、騒ぎになったところで捜索を口実に乗り込んだ。後ろ暗い肖世子は気が気でなかったが、黒甲衛(コクコウエイ)は何も見つけられず早々に引き上げる。すると家職が凌将軍は自分たちを疑い始めたのかもしれないと警告した。「今、渡しては奴に尻尾をつかまれる、樊昌(ファンチャン)には待ってもらおう」万(ワン)家で老夫人の生辰を祝う宴が開かれた。少商(シャオシャン)も家族揃って祝いに駆けつけたが、蕭元漪(シャオユエンイー)から再び騒ぎを起こせば板打ちにすると脅されている。しかし今日は少商自ら手を出す必要がなかった。少商は腹痛を訴え、少し休むと断って萋萋(チーチー)と別れた。その間に密かに庭園の橋の下に潜り込み、柱を外しておく。一方、萋萋は令嬢たちの宴席に挨拶にやって来た。すると犬猿の中の王姈(ワンリン)もちゃっかり来ている。実は裕昌(ユーチャン)郡主を始め名家の令嬢たちは、宴に集まる凌将軍や袁(ユエン)公子ら子息たちが目当てだった。少商は橋を細工してから何食わぬ顔で萋萋を呼びに来た。すると楼縭(ロウリー)は少商を引き止め、慌てて逃げるのは十一郎を避けているせいかと揶揄する。そこへ楼垚(ロウヤオ)が現れた。楼垚は悪口をやめて伯母の席へ戻れと妹を叱ったが、王姈は楼縭をかばって楼垚が何(ハー)家から破談されると暴露してしまう。しかし少商は婚約解消などよくある話だと援護、楼垚は程四娘子に感謝した。一方、郎君たちの宴席では袁慎(ユエンシェン)たちが投壺(トウコ)で盛り上がっていた。すると珍しく凌将軍が現れる。そこで袁慎は試しに一投どうかと矢を渡した。凌不疑は玩具の矢を入れても自慢にはならないと言ったが、一瞥もせずに投げた矢は見事に壺へ入る。➰⚱️カランコロ~ン! ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<おおおお~凌不疑は令嬢たちを橋に誘き出すため、郎君たちに花でも愛でようと言って回廊へ出た。十一郎と袁公子がいると知った令嬢たちは大騒ぎ、橋の上からなら良く見えると気づいて殺到する。しかし少商は萋萋と楼垚だけ引き止めた。すると予想通り令嬢たちは家職たちの制止を振り切り、橋に登って嬉しそうに郎君たちに手を振る。少商は凌不疑と目配せ、その時が来るのを待った。「サン…R…イー!」その時、橋が崩れ落ち、令嬢たちは池に落下してしまう。子息たちは急いで助けに向かったが、気がつくと凌将軍の姿はなかった。少商の計画に綻びはなかったが、万老夫人だけは見破っていた。万松柏(ワンソンバイ)は母から橋を落としたのが嫋嫋(ニャオニャオ)だと聞いたが、到底、信じられない。しかし老夫人は嫋嫋が橋の構造を見破り、令嬢たちに報復したと気づいていた。嫋嫋はあらかじめ家職に危険を知らせる札を立てさせており、そのお陰で万家にお咎めはない。老夫人も嫋嫋を責めなかったが、ただ蕭元漪にはこの件を伝えた。「己の行動の責任を取れないなら早く手を引いて地道に暮らした方がいい」少商の計画は万老夫人の密告で程家の知るところとなった。程始(チォンシー)は妻の手前、嫋嫋に罰を与えると決めて青蓯(チンツォン)に嫋嫋を呼ぶよう命じる。嫋嫋に目をかける程止(チォンジー)と桑舜華(サンシュンホワ)は体罰に反対したが、実は程始にはある筋書きがあった。まず嫋嫋が来たら蕭元漪が雷を落とし、怒りのあまり杯を割る。その音を合図に三弟夫婦が駆けつけ、嫋嫋の命乞いをし、蕭元漪は仕方なく許すというものだ。しかし少商は今回は誰も自分を救えないと覚悟を決めていた。少商は橋を細工して鬱憤を晴らしたと認め、責任を取って罰を受けると言った。全く怯まない娘に逆上した蕭元漪は軍法で裁くと脅したが、少商は意地でも非を認めず、自ら台の上に横になってしまう。軍棍(グンコン)で打たれれば男でさえ耐えられない。しかし少商は自分で手巾を噛んだ。「阿母、存分にどうぞ!」「はお!よくぞ言ったわ、お前を服従させずして一家を従わせられる?!」すると蕭元漪は引っ込みがつかなくなり、ついに打てと命じた。中庭で隠れていた程始たちは異変に気づき、慌てて駆けつけた。すると嫋嫋は激しく打たれ、意識も朦朧としている。「やめんか!嫋嫋!」「阿…父…やっと来てくれた…」程始は哀れな娘の姿に涙し、今回ばかりは妻を厳しく責めた。これには桑舜華もさすがにやり過ぎだと非難し、すぐ医者を呼ぶ。程止はこれが自分の娘への仕打ちかと嘆き、打ち据えても子供は何も学ばないと呆れた。しかし蕭元漪は自分だけが不条理なのかと憤慨し、ちょうど驊(カ)県へ赴任する三弟に嫋嫋を連れて行けという。「この子を2度と躾ける気はないわ!」その時、少商が顔をあげた。「分かりました…阿母、二言はなしですよ」程始は嫋嫋を寝かせて母屋に戻った。しかし痛ましい姿の嫋嫋を思うと、妻の機嫌を取る気分ではない。「医者が薬を塗る時、嫋嫋は震えていたぞ?」蕭元漪の心も深く傷ついていた。素直になれず意地を張り合った母と娘、もはや2人の亀裂は修復不可能に思えた。翌日、萋萋が見舞いに来た。萋萋は少商が自分の鬱憤を晴らしてくれたと喜び、昨日は郡主たちの惨めな姿に笑いが止まらなかったという。「でも変ね~どうして阿母にバレちゃったの?」すると少商は真っ先に凌不疑の顔が思い浮かんだ。「あの死神め…協力したのに裏切るなんて…」その時、蓮房(リェンファン)が現れ、凌将軍から薬が届いたという。「軍の刑罰後に使う薬で、3日後には必ず治るそうです」「…なぜ罰のことを知っているの?」少商は凌不疑の密偵がいると気づいた。程四娘子に薬を差し入れたのは梁邱飛(リャンチゥフェイ)だった。「若主公、程四娘子は人の厚意を何だと思っているのでしょうか?薬を捨てるとは!」「肖世子の監視が必要なくなって暇なのか?」「その…つい好奇心で少しだけその場に…」凌不疑はそれより皇帝の西巡を知って黒幕が動くことを期待した。「最小限の犠牲で尻尾をつかむのだ」「じゃあこの薬は…」すると梁邱起(リャンチゥチー)が慌てて梁邱飛を連れて下がった。「自分で使え」数日後、程止と桑舜華は嫋嫋を連れて赴任先へ出発することになった。少商は父や兄たちと別れを惜しんだが、結局、母は最後まで姿を見せない。その頃、蕭元漪は旧宅に探し物があると口実をつけ外出、横道に馬車を停めてこっそり娘を見送っていた。長旅を心配して桑舜華に自分の武婢を随行させたが、青蓯はこれも娘を守るためだと分かっている。「…あの子は全く容赦がない」「女公子は女君にそっくりです、冷徹に見えて情にほだされる…」つづくやったー!・:*+.\(( °ω° ))/.:+*:・これでしばらくママを見なくて済むのね〜w
2023.07.15
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第9話「万家探訪」蜀(ショク)の堪輿(カンヨ)図を求めて万松柏(ワンソンバイ)を訪ねた凌不疑(リンブーイー)。しかし万将軍は持っていないとの一点張りで、仕方なくその夜は帰ることにした。見送りに出た万松柏は社交辞令で食事はいいのか確認したが、護衛の梁邱起(リャンチゥチー)が他家では常に断っていると遠慮する。その時、思いがけず程(チォン)家の四娘子・少商(シャオシャン)が現れた。少商は中庭で苦手な凌将軍とすれ違った。なぜ万家にいるのか分からなかったが、ちょうど外に出ていた万伯父に助けを求める。万松柏は嫋嫋(ニャオニャオ)が母親に叱られたと気づき、笑って萋萋(チーチー)なら奥にいると行かせた。すると帰ると言ったはずの凌不疑がいつの間にか戻って来る。( ̄꒳ ̄)<夜も更けた…屋敷の厨房には誰もいまい、万府の世話になるしかないな…(; ゚ェ゚)え?万老夫人は事情を聞いて少商の滞在を認めてくれた。12人の孫娘たちは嫁いで今は帰京した萋萋だけ、ちょうど良い勉学相手ができたという。萋萋は勉学より馬に乗りたいと困惑したが、少商が咄嗟に空腹だと口実をつけて逃げ出した。すると入れ違いで侍女がやって来る。実は家主が泥酔してすでに書房で休んでしまい挨拶に来れないという。「で、凌の十一郎は帰ったの?」「いいえ、客房に泊まるとのことです」万老夫人は凌不疑が酔っていないにも関わらず泊まって行くと聞いて顔色が一変した。少商は萋萋の部屋で老夫人の武勇伝を聞いた。萋萋の話では祖父が死んだ時、父はまだ10歳にも満たず、親戚たちは祖母が再嫁して祖父の商いや財産を他の男に明け渡してしまうと焦ったという。万老夫人は再嫁しないと誓いを立てたが信じてもらえず、自ら左耳を切って投げつけ、黙らせたのだった。その時、ちょうど客房へ向かっていた凌不疑が回廊を通りかかる。不疑はそこで思いがけず四娘子の結婚観を知ることになった。「まさに″君 国士の如く我を遇すれば 我 必ず国士としてこれに報う″ね~」少商は万老夫人が貧しい出の自分を軽んじることなく敬い愛してくれた夫に報いたのだと敬服したが、自分にそんな英雄が現れないことを知っていた。母が世家(セイカ)の系譜を教えようとしないのも、自分が世家の嫁になれないことを知っているからだろう。「いつか平穏な人と平穏な人生を送れれば十分よ」「甘んじて普通の人に嫁ぐの?」「そりゃそうよ、生まれた時から甘んじるしかなかったんだもの…」一方、許嫁に振り回される楼垚(ロウヤオ)は一大決心して大兄の部屋を訪ねた。しかしなかなか戸を叩くことができず、引き返そうとしたところで楼犇(ロウベン)が出て来る。…楼垚、程四娘子でさえ喧嘩する度胸があるんだぞ…楼垚は思い切って大兄に破談にしたいと訴えた。気性が激しい何昭君(ハージャオジュン)とは性格が合わず、今や彼女と肖(シャオ)世子との仲を都中が知っているという。すると楼犇は意外にもあっさり賛成した。「二房には私がいる、お前が犠牲になる必要はない、どんな選択でも支持するよ」翌朝、少商は庭園の橋を修理している家職たちを見つけた。しかしどの木を動かしても全体に影響するため、結局、新しく建て直すことになりそうだという。萋萋の話ではこの池の水は東の郊外から引いており、水路だけで1万貫も使っていた。「大母の生辰の時は王姈(ワンリン)たちに自慢するの、汝陽(ジョヨウ)王府に負けないんだから!」すると少商はある計画を思いつき、萋萋を先に馬場に行かせて橋の下を調べることにした。凌不疑は万松柏と中庭を歩きながら、改めて蜀の堪輿図を見たことがないのか聞いた。しかし万松柏はあくまで知らないという。その時、凌不疑が池にかかる橋を渡ろうとした。万松柏は慌てて危ないと止めたが、凌不疑は橋の下に誰かが隠れていると気づく。「危ない橋だったか?…では気をつけないと」萋萋が馬場で買ったばかりの馬に乗っていると、ようやく少商がやって来た。しかし侍女から母が呼んでいると言われ、萋萋は少商に馬を預けて帰ってしまう。少商は試しにおとなしい馬に乗ってみたが、突然、馬が暴れ出した。その時、凌不疑が颯爽と駆けつけ、馬にまたがり御してくれる。すると馬を降りた不疑は少商の裳裾が濡れていることに気づき、橋の下に隠れていたのが四娘子だと分かった。「良馬は人の心を読む、怖がればいじめられるぞ? 人が強くなれば畏敬の念を払う、馬を馴らす極意だ、この世も大抵、同じ道理だな…」少商は急に男が近づいて怯えただけで、馬とは関係ないと強がった。「私から近づいたとすれば…君を久しく慕うからだ、しかし君は全く興味がない」「凌将軍、あれはでたらめよ?気にしないで それに将軍も父に言ったわ?私がまるで廷尉(テイイ)府で拷問する人みたいだと…」「君は橋の下で機密を盗聴した、拷問される側だ」凌不疑は四娘子を連れて橋の下に来た。少商は何も聞いていないと否定したが、不疑は自ら事情を明かしてしまう。「陛下の命で堪輿図を探しに来た、董(ドン)倉管の事案で兵器が蜀に運ばれたやも… 陛下が西巡に向かうため堪輿図が必要なのだ、しかし万将軍は隠している」すでに老夫人の居所以外は全て探ったが見つからず、四娘子だけが頼りだという。「万一族を救うためだと言ったら信じるか? …見つけてくれたら四娘子の計画のことは黙っていよう」不疑は少商の企みを見抜き、意味ありげに橋を叩いた。「助けてくれた暁には、その計画を必ず成就させてやる」少商は派手な出で立ちで萋萋に成りすまし、老夫人の居所に忍び込んだ。しかし運悪く老夫人が戻って来てしまう。物陰に隠れて息をひそめる少商、しかし老夫人は柱の影から見える裳裾に気づいた。「萋萋や、いい年をしてかくれんぼかい?」すると老夫人はかんざしを外すので書棚の箱に入れてくれと頼んだ。少商は仕方なく帷(トバリ)の陰から手を伸ばしてかんざしを受け取ったが、突然、老夫人に手をつかまれてしまう。「いいこと?花が彫ってある黄花梨(オウカリン)の箱に入れておくれ 黒紫檀の箱には触らぬこと、阿父が″宝物″を入れているから…」老夫人は凌不疑が帰ったと聞いて胸を撫で下ろした。しかし万家一族を危機にさらした息子に激怒、折檻する。萋萋はなぜ少商が急に帰ると言い出しのか分からなかったが、少商は家が恋しくなったと嘘をつき、伯父の悲鳴を聞きながら逃げるように出て行った。程始(チォンシー)は嫋嫋を優しく迎えたが、蕭元漪(シャオユエンイー)の怒りはまだ収まっていなかった。そこで少商は凌不疑が怖くて戻ったと明かし、何でも蜀の堪輿図を探していたらしいと話題を逸らす。「偶然、聞いたのです、奪われた兵器が蜀に売られたとか何とか…」程始と蕭元漪は娘が国の機密を知っていることに呆然、決して口外してはならないと言い聞かせた。すると程始が秘密にするなら罰を帳消しにすると甘やかし、嫋嫋を逃してしまう。凌不疑たちは堪輿図を手に入れ廷尉府に戻った。しかし梁邱飛(リャンチゥフェイ)はなぜわざわざ四娘子に借りを作る必要があったのか分からない。梁邱起は若主公が自ら捜索すれば万将軍が隠蔽した罪に問われてしまうからだと教えた。そのため万老夫人は騙されたふりをして程四娘子の手を借り、贈呈したことにして難を逃れたという。それより問題は皇帝の動きで蜀の者が警戒することだった。次の一手を躊躇すれば尻尾をつかむのが難しくなるだろう。今回の皇帝の西巡は警告のためだったが、後ろ暗い者たちがそう思うとは限らない。「陛下が一網打尽にする気だと思わせればどう出るかな?」「窮鼠猫を噛み先手に出ると?」不疑はまずは慌てさせろと命じた。ある夜、肖世子の屋敷に曲者が潜入した。結局、曲者には逃げられたが、重要な物は盗まれていないと分かって安堵する。そこへ使用人が慌てて駆けつけた。「世子!凌将軍が黒甲衛(コクコウエイ)を連れ包囲を…」肖世子が急いで正門へ向かうと、凌不疑が待ち構えていた。↑悪役は顔芸ができないとねwつづく(´-ω-`)うむ…武骨な凌将軍、すっかり四娘子に嫌われてるのに分かっていないのか?でも確かに管理人も今のところ阿垚派だわw弟は土3つで兄は牛3つ…え?どうでもいいですか?w
2023.07.14
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第8話「喧嘩上等」初の社交場で意地悪な令嬢たちの洗礼を受けた程少商(チォンシャオシャン)。今度は裕昌(ユーチャン)郡主の生辰を祝う宴に連なるが、実は裕昌郡主こそ灯会(トウエ)の際、川で溺れたふりをして笑い物になったあの令嬢だった。王姈(ワンリン)が程家の娘を祝宴に招いたのも郡主の憂さを晴らすため、そこであからさまに程家の2人を侮辱する。万萋萋(ワンチーチー)は少商と程姎(チォンヤン)を守るため矢面に立ったが、令嬢たちにやり込められ言葉に詰まった。すると少商が贅沢三昧の令嬢たちを諌める。「萋萋阿姉は外征で死傷兵の家族を慰めて来た…だいたい誰が点心一つにこんな手間をかけるの? ご馳走が食べられるのは天のご加護と陛下の心血の賜物であり、前線の兵が必死で戦っているからよ 福にあやかりながら武将一門を嘲笑するなんて…」萋萋は少商の正論を聞いて胸がすく思いだった。裕昌は四娘子への怒りでわなわなしていた。しかし侍女から凌(リン)将軍が来たと聞くなり急に機嫌が直る。王姈は十一郎が来たと気づき、田舎にいた程四娘子は会ったことがないのだろうと揶揄した。宴席にいた令嬢たちは一斉に失笑したが、黙っている少商ではない。「誰かと思ったら十一郎?…私は気まずいから失礼するわ 彼は私を久しく慕っている、でも私は興味ないの」少商は大ほらを吹いて颯爽と出て行くはずだったが、目の前に見覚えのある公子が立ちふさがった。確か火事に巻き込まれた時、抱き上げて助けてくれたあの将軍だ。「あなたは…」「君を久しく思うも興味を持たれない十一郎だ」その時、王姈が十一郎に声をかけた。「凌将軍、こちらへ座ったら?」(; ゚ェ゚).oO(え?十一郎=凌将軍…って、凌不疑(リンブーイー)?!…オワタ___少商は咄嗟に腹痛を訴え、姎姎と萋萋に付き添われて出て行った。すると凌不疑も汝陽王府が武将を軽んじていると郡主を非難し、引き返してしまう。萋萋は少商が十一郎を知らずに嘘をついたと聞いて驚いた。しかし姎姎は凌不疑が嫋嫋(ニャオニャオ)を知っているようだったという。「堂姉、董(ドン)大叔父の件よ、せっかく協力したのにあの人、阿父にある事ない事言ったの」すると萋萋は郡主の想い人が凌不疑だと教えた。少商はようやく灯会での落水が凌不疑の気を引くためだったと知り、実は下僕を蹴り落としたは自分だと教える。「あなただったの?!あれから大泣きした郡主は両目が腫れ上がり、都中の笑い話になったのよ~」萋萋は吹き出したが、少商は他言しないよう頼んだ。「阿母が知ったら殺される…祝宴どころか鴻門宴になるわ」←誰が上手いこと言えとw萋萋と姎姎は弓比べに出かけた兄を探しに行った。少商は独り人目を避けて回廊から庭園を眺めていたが、偶然にも灯会の謎解きで出会った横暴な令嬢を見かける。一緒にいるのは凌不疑が調べている肖(シャオ)世子だった。どうやら肖世子は令嬢に縁談を申し込むと決めたが、令嬢は幼い頃から許嫁がいると困惑している。その様子を矢倉から不疑たちが見ていた。すると梁邱起(リャンチゥチー)が少商の姿に気づく。「あ、あそこにいるのは程四娘子では?」不疑が四娘子に視線を移すと、ちょうど袁慎(ユエンシェン)が四娘子に声をかけていた。袁慎は四娘子の協力のおかげで師匠の気も晴れたようだと感謝した。「約束通り困った時は私が助けになろう」「覚えておくわ、ともかくこれでお別れね」「誰がお別れだと?」その時、令嬢の許嫁が中庭に現れた。肖世子は慌てて引き上げたが、令嬢と許嫁は痴話喧嘩になってしまう。売り言葉に買い言葉で破談にすると啖呵を切った令嬢、すると回廊から見ている少商に気づいた。「何、見てんのよ!」相変わらず横柄な令嬢は激怒しながら立ち去り、優しそうな許嫁は丁重に謝罪して後を追う。( ๑≧ꇴ≦)<何で私だけ?ふと振り返ると袁慎は独りで柱の影に隠れていた。袁慎は少商に2人の素性を教えた。郎君は河東楼(カトウロウ)氏の二房の末子・楼垚(ロウヤオ)で、女公子は何昭君(ハージャオジュン)、驍騎(ギョウキ)将軍・何勇(ハーヨン)の娘だという。「字や書だけでなく世家の系譜なども覚えておくべきだ もし師が見つからなければ、私が推薦しよ…」(∩´-ω-)∩<アーアーキコエナイ~!知りたくもないし関係ない!もう消えて!一方、凌不疑は肖家と何家の縁談を警戒した。「この半年、蜀の官員で都を訪れた者を調べよ…先んじて手を打たねばならぬ」面倒臭い袁慎から逃げ出した少商、しかし今度は令嬢たちの罠が待っていた。王姈と楼縭(ロウリー)は泳げない程三娘子を池に落として少商をおびき寄せ、絆(ホダシ)を引っ張る。しかし少商はあっさり絆に気づいて短剣で切り、姎姎を助けた。すると王姈と楼縭が開き直って2人の前に姿を現す。「やっぱりね…こんな下衆なことを思いつくのはあなたたちだけよ」「ふん!郡主の邪魔をして十一郎を誘惑するなんて… こんなことができるのはガサツで教養もなく、親の躾がなっていない人だけよ!」その時、少商の拳が王姈の顎に命中した。激怒した王姈と楼縭は反撃、少商と取っ組み合いの喧嘩になってしまう。悲鳴を聞いた凌不疑たちも池の様子を見に来た。するとひと足先に駆けつけた袁慎と楼垚が令嬢たちの乱闘を止めている。「喧嘩したのか…さすがは程四娘子、意表をつくな~」梁邱飛(リャンチゥフェイ)は思わず感心したが、不疑はすぐ引き返した。この騒ぎは汝陽王妃の知るところとなった。王姈には一見すると傷らしい傷はなかったが、少商は鼻血を出し、目の回りが真っ赤に腫れている。「私には教養がなく、親も躾けなかったと言われました! まあ確かにそれは事実ですが…でも堂姉を池に落としたことは許せません!」しかし王妃は王姈の肩を持ち、単なる揉め事で乱暴する方が悪いという。すると蕭元漪(シャオユエンイー)が例え戯れでも命を脅かすべきではないと訴え、罰するなら必ず双方にと公正さを求めた。その時、凌不疑が現れ、自分の侍衛が庭で拾ったという絆を示す。「証拠が必要ならこれが証拠となる、それに楼家女公子の手を見ても分かるだろう 絆を引っ張り振り、擦りむいたはずだ」不疑は王妃が審理しないなら自分が廷尉府で尋問しても良いと遠回しに脅して出て行った。結局、汝陽王妃は騒ぎが大きくなることを懸念し、どちらも罰せず丸く収めてしまう。蓮房(リエンファン)は女公子の顔のあざを心配そうに冷やしていた。すると少商が顔のあざは咄嗟に自分で作ったと明かし、手加減したのですぐ治るという。「でも王娘子は違う、腰を何度もつねってやったの…今頃は痛くて眠れないはずよ」その時、青蓯(チンツォン)が女君が呼んでいると知らせた。少商が母屋にやって来た。程始(チォンシー)は顔にあざを作った娘に驚き、嫋嫋が心配で仕方がない。娘の小賢しさに呆れた蕭元漪はまず王姈に謝罪するよう命じたが、少商は自業自得だと拒否した。蕭元漪は口答えされ激怒、そこへ蓮房から知らせを聞いた兄たちが駆けつけ、母の足にしがみつく。「阿母!妹を許してください!」「邪魔よ!全員、出て行け!」するとどさくさに紛れて程始は息子たちに嫋嫋を連れて帰るよう命じた。「あれ?娘は?!」「だって全員、帰れと言っただろう?」少商は母の怒りが収まるまで家出することにした。兄たちも一緒に行くと言ってくれたが、少商はさらに母を怒らせることになると断り、蓮房と一緒に出て行ってしまう。一方、程始はへそを曲げた夫人の機嫌を直すのに必死だった。「お前も言っていた、娘は息子と違い、嫁げるだけで十分だと… だったらおのずと罰を与える基準も異なる」蕭元漪は娘が場をわきまえなかったことに腹が立ったと訴えた。汝陽王は皇帝の叔父で、あの王妃は傍若無人ときている。蕭元漪は程家のために我慢するべきだったと言ったが、程始は従姉を守ろうとした娘をかばった。「でも手を出せば攻撃されるだけよ…凌将軍が物証を示してくれたおかげで収まったけれど…」「凌将軍が?」程始はなぜ凌不疑がいたのか首を傾げた。すると蕭元漪がやけに娘の部屋が静かだと気づく。程始は嫋嫋が家出したと教えたが、蕭元漪は珍しく焦った。「外は寒いのよ?!もし凍えたら…」しかし夫の手前、慌てて冷静なふりをした。少商と蓮房が凍えながら歩いていると、偶然、袁慎が馬車で通りかかった。「程夫人が衣を与えないのか?!死にたくないなら馬車に乗れ!」蓮房は下心があるかもしれないと止めたが、少商は下心も何も袁慎には心がないから大丈夫だという。袁慎は少商に自分の外套を貸そうとしたが、それより前に蓮房が敷物を取ってかけた。少商のあざを見た袁慎は苦肉の策で己の首を絞めたのかと失笑、実は少商が自分で自分の顔を殴ったと知っている。少商は開き直り、今後は招かれても断るだけだとぼやいた。すると袁慎は困惑し、実は母が少商を招待する予定だという。「各家の令嬢と梅を鑑賞すると…」「梅?!…つまりお見合いなの?」「己の婚姻なのに、少しは恥じらったらどうだ?」娶られたくもないのに?>ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー「私だって選ぶ権利がある!膠東(コウトウ)袁氏の正妻が拳で解決するようでは困るからな!」「はいはい、ごゆっくりお選びくださ~い」少商は一応、感謝して馬車を降りることにしたが、その時、袁慎が軟膏をくれた。「…まさか顔が崩れたりしないわよね?」「崩す必要もないだろう?」「ちっ」袁慎は少商たちを曲陵(キョクリョウ)侯府の前で降ろし帰って行った。すると兄たちが駆けつけ、罰が筆写だけなので帰って来いという。しかし少商は筆写なら許さなくて構わないと反発、蓮房を兄に引き渡し、万家に身を寄せると決めた。「阿母の怒りが収まったら迎えに来て!」その頃、万府には凌不疑がいた。凌不疑は万将軍に蜀の堪輿(カンヨ)図が欲しいと頼んだが、万松柏(ワンソンバイ)は持っていない物は渡せないという。つづく( ๑≧ꇴ≦)出たっ!董家の倒れ芸www何しろルースーの細かいネタ満載で笑いが止まらなかった馬車で蓮房と一緒に腰掛けを使う所も、ちょっとしたことなんだけど上手いんだよね~もうこればっかりw
2023.07.08
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第7話「お初の社交場」程少商(チォンシャオシャン)と蕭元漪(シャオユエンイー)の確執は深まるばかり。そんな中、程家では曲陵(キョクリョウ)侯府のお披露目も兼ねて老夫人の生辰祝いが盛大に開かれた。程始(チョンシー)は兄分である万松柏(ワンソンバイ)夫妻を出迎え、早速、娘を紹介する。すると豪快な万将軍は快活な嫋嫋(ニャオニャオ)を絶賛、貴重な短剣を贈った。「阿父とは刎頚(フンケイ)の友だ、つらい仕打ちを受けたら俺に言いなさい 特に阿母が虐げた時はな…(コソッ」万勝軍は堅物の蕭元漪が苦手だったが、そんな時はきまって程始が妻をかばった。「私が学がないと笑われずに済むのも妻の教えがいいからだ」少商は母から礼儀正しくと釘を刺され、祖母の元へ行くよう命じられた。仕方なく従姉・程姎(チォンヤン)の隣に落ち着いたが、上座に陣取る祖母の下品な笄(コウガイ)を見て度肝を抜かれる。姎姎の話では金2両分も使ったらしい。( ̄◇ ̄;).oO(恥ずかしい…そこへ楼家の令嬢・楼縭(ロウリー)が友人を伴ってやって来た。王姈(ワンリン)は車騎将軍・王淳(ワンチュン)の娘で、母親が皇后の従妹だという。すると2人は少商の隣の席についたかと思うと、早速、四娘子の悪口を言い始めた。「あれが噂の四娘子よ、普段から粗暴で無礼だったから閉じ込められて社交場とは縁もなかった でも今は両親の後ろ盾がある、今後は嫌でも顔を合わせることになりそうね~」その時、招待したはずのない膠東(コウトウ)袁(ユエン)氏の袁州牧(ユエンジョウモー)家から袁慎(ユエンシェン)が祝いにやって来た。いけ好かない令嬢たちも憧れの公子の姿に目が釘付け、少商はその隙に退席してしまう。↓ルースーの顔www少商は傲慢な令嬢たちにへき易し、自分で作った鞦韆(シュウセン)で気晴らししていた。そこに突然、袁慎が現れる。「女公子、息災だったかな?」袁慎とは田(ティエン)家酒楼の謎解きで少商が繍球を投げ返したあの善見(シャンジエン)公子だった。何でも袁慎は四娘子の三叔母・桑舜華(サンシュンホワ)に伝言があり、他の者に聞かれては困るため手を借りたいという。しかし少商は袁慎の″賦(フ)″がさっぱり理解できず、一句しか覚えられないと訴えた。「いいだろう、では″懐かしい旧友へ、数言だけでも求む″と…」「分かったわ」すると少商は憮然としながら立ち去ってしまう。少商が祝宴に戻ると、姎姎は少し頬を紅潮させながら袁公子の話で持ちきりだったと教えた。程家と袁家にはゆかりがないが、大兄と袁公子の父が同門だという。「そりゃやけに遠い縁だこと、だいたい大兄はいないのに…」すると少商は袁慎が″賦″だと言っていた意味不明な言葉について聞いてみた。姎姎は幾つかの語を聞いただけで司馬相如(シバショウジョ)の″長門″だと分かり、それほど有名ではないものの世人がその豊かな詞藻(シソウ)を愛し、閨の女子に読んで聞かせるのだという。一方、肖(シャオ)世子を追う凌不疑(リンブーイー)は全焼した田家酒楼の前にいた。集めさせた灯籠は肖世子の灯籠とは違ったが、こんな騒ぎまで起こして証拠を残すはずはない。実は不疑の読み通り、懐が厳しいと嘆いていた肖世子がこの半年で急に羽振りが良くなっていた。董(ドン)倉管(ソウカン)と許尽忠(シュージンジョン)が取引したのも半年、そこで不疑は肖世子の店の評判を落として財路を断つよう指示する。「贅に慣れた者は清貧には耐えられぬ、必ずまた危険を冒す」その時、梁邱起(リャンチゥチー)が程家の馬車に気がついた。不疑はゆっくり馬車の方へ視線を動かすと、偶然にも四娘子が窓から顔を出す。少商の楽しそうな表情を見た不疑はしばし見つめていたが、そこへ配下が駆けつけた。「若主公、大変です、淳于(チュンユー)氏が屋敷に…」「戻るぞ」王姈は裕昌(ユーチャン)郡主の生辰祝いに程家の女公子を招待した。しかし名がなかったことから、蕭元漪は少商も姎姎と一緒に礼品を選びに出かけるのを許してくれる。久しぶりの外出を喜ぶ少商、すると馬車を降りたところでちょうど程家の客桟に立ち寄った袁慎と鉢合わせになった。すると袁慎は四娘子に折り入って話があると断り、裏道へ入る。「数日、待ったが女公子から返事がない、伝言を忘れたのか?」そこで袁慎は伝えてくれるなら見返りとして力を貸すと約束した。「ただし親不孝、謀反、信義に背くこと、それからそなたを娶ること以外だ」「いつ私を娶ってくれと頼んだ?!しかもあなたになんて…」「私に嫁ぎたくないと?!…実に驚いた」袁慎は返事が来ないのは自分をじらしてまた会うためだと誤解していた。「仮に私と関わりたくなければ、なぜ桑夫人に伝えないのだ?」袁慎の思わぬ指摘に少商は目が覚めた。「その通りだわ…頼まれた以上は従うべきよね、戻ったら三叔母に伝えます 礼は結構、私の怠慢を許して、今後は貸し借りなしね、これが今生の別れよ」少商は面倒を片付け、さっさと帰って行った。(  ̄꒳ ̄)<…今生の別れかどうか決めるのは私だ凌不疑の継母である城陽(ジョウヨウ)侯夫人が将軍府に現れた。淳氏は裕昌郡主の祝宴の招待状を渡しに来たが、けんもほろろに追い返されてしまう。実は淳氏は城陽侯の従妹で、不疑が幼い頃は従叔母だった。しかし不疑と母が苦難にある中、城陽侯の閨に入り込んでまんまと継室となる。不疑はそんな淳氏を憎んでいたが、梁邱飛(リャンチゥフェイ)がうっかり招待状を受け取っていた。「若公主、宴には行きますか?」「…10回、打たれてこい」一方、袁慎も自ら縁談を断り、都でも有名な儒士である楊(ヤン)司空を怒らせていた。乳母は21歳になった公子の縁談を心配していたが、袁慎は婚姻に期待などしていないという。「両親は成婚して二十余年だが口もきかぬ、成婚してもつまらぬのなら独りで良い」婚姻とは一族にとって栄誉で、女子にとっては寄る辺、ただ袁慎の目に映るのはただの妥協でしかなかった。その夜、桑舜華がひざまくらで程止(チォンジー)の髭を剃っていると嫋嫋がやって来た。程止は取り込み中だと断ったが、桑舜華が嫋嫋を入れてしまう。「私たちの間に隠し事はないから話して」そこで少商は袁善見から伝言を頼まれたが、何しろ長ったらしい″賦″だったと嘆いた。「とにかく大体の意味は″懐かしい旧友へ数言だけでも求む″と…」すると程止は袁善見が″あの者″が取った弟子だと気づいた。「数言ってどんな数言?十数年も会っていないのに…あ、思い出したわ 私が風寒にかかった時、あなたが四方で医者を探していたから…」桑舜華は笑って書卓で筆を走らせると、まず夫に見せてから嫋嫋に託した。…咳は治った、案じるなかれ…少商は何やらいわくがあると気づいて興味津々、相手はどんな人なのか聞いた。「話せば長くなるわ…」「大丈夫!時間ならあるから」少商は思わず三叔父を押しのけて座った。「″話せば長くなる″というのは話したくないってことよ」「そうなの?…分かった、でも袁善見はなぜこんな回りくどい真似をしたの?」「ある人に言ったの、本人しかり、その友や弟子しかり、2度と会わないとね 書簡や品も送るなと言ったわ、だからよ ところで袁善見とはなぜ知り合ったの?」「それは話せば長くなるの」一方、凌不疑は梁邱起と梁邱飛の報告を聞いていた。「探れたか?」「はい!程家にも郡主の招待状が届き、四娘子は礼品を選びました!」邱飛は真っ先に答えたが、不疑は怪訝そうな顔をする。「なぜ程四娘子なんだ?肖世子の話だぞ?」すると邱起が肖世子は最近、何(ハー)将軍の娘・何昭君(ハージャオジュン)と一緒だと報告した。確かに肖世子がまだ兵器を売るつもりなら他の経路を探すはず、何将軍の娘婿になれば今まで以上に手に入りやすい。何将軍と汝陽王は旧知の中、不疑は何昭君も裕昌郡主の祝いに訪れると踏んだ。「ェェェ…もう捨てました、若公主が行かないと言うから~」「阿飛、もう10回打たれろ」「そんなあぁぁぁぁ」「探し出せば免じてやる」裕昌郡主の祝宴の日、少商は母や兄たちと汝陽王府にやって来た。蕭元漪は嫋嫋と姎姎に同じ衣を着せたが、桑舜華は蕭元漪が娘に似合う衣を選び、姎姎にも同じ衣を用意して公平にしたのだと気づいている。そこへまるで歩く宝飾品のような令嬢が現れた。兄たちの話では万家の十三番目となる末娘・萋萋(チーチー)で、都の長子を自負しているという。すると兄たちを見つけた萋萋が駆けつけ、噂の妹たちに目をつけた。「ちょっと地味すぎない?…私が飾り立ててあげる!」父親に似て豪快な萋萋は自分の頭からかんざしを外して嫋嫋と姎姎の髪に挿し、郡主への祝いだった耳飾りまで譲ってしまう。「私がついてるわ!行きましょう!」その頃、郡主はあの夜、全てをぶち壊した程四娘子が到着したと侍女から聞いていた。王姈は憂さ晴らしのため招待したと明かし、郡主は高みの見物をすればいいという。すると四娘子が宴席に入ってきた。少商は郡主の姿に気づき、元宵節の夜、川で溺れていた令嬢だと思い出す。つづく( ๑≧ꇴ≦)三叔母の過去、気になるわ〜また新たなメンバーが増えて面白くなってきた!
2023.07.07
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