新国立劇場バレエ「マクベス」世界初演

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2023年05月05日

カテゴリ： BALLET

The National Ballet of Japan
2022/2023 SEASON
Shakespeare Double Bill
The Tragedy of Macbeth / The Dream

Fri, 5 May 2023, 14:00
OPERA PALACE

PROGRAMME
"The Tragedy of Macbeth"
New Commissioned Work by the NBJ, World Premiere

"The Dream"
Company Premiere
choreographed by Sir Frederick ASHTON

29 Apr - 6 May, 2023 ( 7 Performances )

新国立劇場バレエ団
シェイクスピア・ダブルビル
マクベス＜新国立劇場バレエ団委嘱作品・世界初演＞／夏の夜の夢＜新制作＞

2023年4月29日[土・祝]～5月6日[土]

上演時間：マクベス60分　夏の夜の夢60分

2023年5月5日（金・祝）14:00　…鑑賞日
新国立劇場　オペラパレス

『マクベス』
振付】ウィル・タケット
音楽】ジェラルディン・ミュシャ
編曲】マーティン・イェーツ
美術・衣裳】コリン・リッチモンド

『夏の夜の夢』
振付】フレデリック・アシュトン
音楽】フェリックス・メンデルスゾーン
編曲】ジョン・ランチベリー
美術・衣裳】デヴィッド・ウォーカー
照明】ジョン・B・リード

『マクベス』
マクベス：奥村康祐（30, 3, 5）
マクベス夫人：小野絢子（30, 3, 5）
バンクォー：井澤駿（全日）
マルカム：上中佑樹
マクダフ：中島駿野
フリーアンス：小野寺雄
３人の魔女：原田舞子、赤井綾乃、根岸祐衣（30, 3, 5）

『夏の夜の夢』
ティターニア：池田理沙子（30, 3, 5）
オーベロン：速水渉悟（30, 3, 5）
パック：佐野和輝（5）
ボトム：福田圭吾（30, 3, 5）

指揮】マーティン・イェーツ
東京フィルハーモニー交響楽団
東京少年少女合唱隊

『シェイクスピア・ダブルビル』✨5/5（祝）14時開演のキャスト表です📷 皆様のご来場をおまちしております＊やむを得ない理由で、変更する場合があります。🧚🧚‍♂️ pic.twitter.com/dSHWrjrtzc
— 新国立劇場バレエ団　The National Ballet of Japan (@nntt_ballet) May 5, 2023

＊＊＊

新国立劇場バレエの新制作バレエ
タケット振付「マクベス」

血も凍る惨劇が繰り広げられました。
シェークスピアの「マクベス」は、バレエという以上に俳優であることが求められる作品です。
皆さんすばらしいのですが特に主役のマクベスとレディ・マクベスの二人はホントにすごかったです。
今日は収録されてたので（記録用かもしれませんが）
是非テレビで放送して欲しいです。

欲を言えば、1幕もので展開が早すぎるので、できれば次回はもっと音楽を足して二幕ものぐらいにしてほしいです。

装置や大道具、セットも足して欲しい。

中身はほぼ原作どおりで
ヴェルディのオペラに沿った内容ですが
一つ違うのはレディが狂死した後
マクベスがそれを信じられず遺体と踊るというのがありました。
マクミランのロミジュリを髣髴とさせました。
バレエらしい付け加えで良かったと思います。

こういうすばらしい企画が日本でできるなんてさすが都さんです！
ありがたいです。

本日は主役二人のアフタートークもあって大変参考になりました。

マルカムに上中佑樹さんが抜擢されていてうれしいです。

恐怖で凍りついた気持ちを次の夏の夜の夢がほぐしてくれてありがたかったですが、アシュトンはやはり高い山だなと思いました。

主役の二人は本当に魅力的でした。
速水氏はワイルドな魅力のオーベロンで、超絶技巧を持ち前の身体能力で見事に演じ、
ティターニアは可愛らしく美しく舞台映えする華やかな魅力いっぱいで演技もすばらしかったです。

アシュトンの振付はバットゥリーなどの足技を前に後ろにまさに空気の精のようにこなさないといけない難度の超高い作品、特にパックにとっては高いレベルの超絶技巧が求められます。

＊＊＊
マクベス

魔女の精霊たちは白いふわふわの衣裳でまさに空気の精霊
女性だけではなく男性ダンサーもいる。

バンクォーとマクベスが森に来ると不思議なものを見せられる
マクベスは赤い衣装
妖精がマクベスに王冠を差し出す。
しかし王冠は奪われ、マルカムに戴冠される。

一方城で夫を待つマクベス夫人
レディマクベスも夫と同じ色の緋色の衣裳
ロングスカートは膨らませる骨組みが入っている
侍従が殿の帰還を知らせる
入ってくるマクベス
マクベスは不思議な幻影を見たと話す
夫人は夫を鼓舞する

ダンカン王がマクベスの城に到着する
息子のマルコムを後継ぎとして紹介する
（これはオペラにはないシーン）
祝宴にはマクダフ一家（マクダフと夫人、2人の小さい子供）
バンクォーとその息子、フリーアンスもいる

ここの音楽は太鼓を使った、当時の音楽風のもの
スコットランドの民俗音楽？
とてもよかったです。

男性ダンサーはキルト風のスカート付きの衣裳です

マクベスは屋敷で眠るダンカン王殺害を企てる
しかしいざとなると恐ろしくてできない
このシーンが非常にすばらしかったです。

マクベス夫人は叱咤する

マクベスは天蓋付きのベッドの周りを何度も回り逡巡するがついに躍りかかって馬乗りになる
剣を突き刺す

何度も何度も二本の剣で

メッタ刺しだ

わき腹から血が

マクベスの服（白いシャツ）に血が付く

マクベス夫人は遺体の血を手に付ける

二人の共犯とマクベスに思わせるためだ

二本の剣を眠り薬を飲まされて眠り込んでいる護衛の脇に置く

白い衝立が真っ赤に染まる。

翌朝
ダンカン王が死んでいると知らされ
マクベスは寝屋に入って護衛二人を引き出し尋問もせず問答無用で刺し殺す

嘆くマルカム
マクダフは後継者を守るため連れ出す

バンクォーは二人で見た予言を思い出し疑念の目をマクベスに向ける。

マクベスは予言を思い出す
バンコーの子孫が王になるんだったよな…？

三人の刺客を呼び、バンクォー親子の殺害を命じる。

バンクォーは無残に殺され、息子のフリーアンスは逃げおおせる

祝宴
バンクォーが来ない
長い長いテーブルと長い背の椅子と短い背の椅子
椅子とテーブルは可動式で自在に動く。
王の椅子に座るマクベス
マクベスの目の前に血まみれのバンクォーが現れ、テーブルの上を自分の方に歩いてくる
マクベスにしかそのゴーストは見えない
バンクォーは首を切られているので首から下が血まみれである

ここはバンクォーを高さのある位置に出現させるということで効果抜群です！
めっちゃ怖い～～～～！
バンクォー井澤駿さんは背が高く、ハンサムで、風格があり、すばらしい演技です
NBJのプリンシパル大集合で層の厚い公演になってます。

亡霊に脅え、逃げ回るマクベス
夫人はなだめようとするが…

夫人にマクベスに呆れ果てるとか軽蔑するとか叱りつけるとかそういう表現はいっさいないです。このプロダクションはマクベス夫人を、狂信的に夫を愛する女として描いているのです。モンスターにまではしてないです。ここがバレエとオペラの立ち位置の違いを表していますね。繊細過ぎるマクベスとその夫をどこまでも愛する女の起こした惨劇…というイメージです。

マクベスが疲れ果てベッドで眠っている
マクベス夫人がそれを確認すると眠れないのかベッドの下に座り込む

マクベスは次に受けた妖精の予言…
　マクダフに気をつけろ！
　バーナムの森が動いてくるまではお前は負けない
　女から生まれたものには殺されない
これらにより

マクダフ一家を惨殺する
マクダフの妻は妊娠してた

マクダフは遠い地でマルカムと共に反撃の準備をしていたが、そこに居城が襲われた知らせが
マクダフの嘆き

マクベス夫人の従者男性と女性
マクベス夫人が夢遊病のようにさまよい歩くようになったのを観察している
血が
血が…
どうしてもとれないの。
手をすり合わせる

どうして老いたダンカンにはこんなに血があったのかしら？
マクダフには確か奥さんがおありになったわよね…？どうなさったのかしら？
（というオペラにあるシーンはもちろんないですが）

すばらしいシーンです。
怖ろしい独白に脅える従者たち

マクベスがその様子を知らされ、狂った夫人を目の当たりにするる
夫人にはマクベスは見えない
しかし最後にマクベスを抱きしめる
一瞬正気が戻ったのだ
このシーンはジゼルを彷彿とさせますね

出ていく夫人
後を追う従者

しかし…

マクベスに夫人が狂い死にしたとの知らせがもたらされる

マクベスは夫人の遺骸に取りつき、踊る
マクミランのロミジュリを思い出させるシーンです

夫人の死を確認したマクベス
もう失うものはない

そこへ敵が攻めてくる

バーナムの森が動いた！

白い木々が無数に上から降りてくる

兵士たち、マルカム、マクダフ

マクベスは一人で大勢と戦い満身創痍となるが
マクダフにとどめを刺され殺される

（マクダフは帝王切開で生まれた子、という説明はもちろんないが）

王冠をフリーアンスが運んでくる
マクダフはマルカムに戴冠する

しかし死んだマクベスとマクベス夫人が亡霊になり、真っ赤な盛装に身を包み、彼らの前を通り過ぎて仲良く手を取り合う。
マクベスの差し出した手に手を乗せるマクベス夫人。これは彼らのキメポーズ
ゾオオオオオ～～～～
暗転

息をするのも忘れ、入り込んで鑑賞した濃密な時間だった。すばらしい！ありがとうございます！！会場内はスタンディングオベーションもあった。

アフタートークに続く。

＊＊＊
夏の夜の夢

Related links：

2005年4月29日　「真夏の夜の夢」(東京バレエ団初演）
　タイターニア：斎藤友佳理　オベロン：木村和夫　パック：古川和則

2007年8月6日　フェリのさよなら公演　Day 3　Programme B
　タイターニア：ジュリー・ケント　オベロン：マルセロ・ゴメス

2007年10月26日　スティーブン・マクレー、日本で鮮烈なオベロンデビュー
　The Tokyo Ballet with guest stars　Oct 2007 at Yuport hall, Tokyo
　タイターニア：アリーナ・コジョカル　オベロン：スティーヴン・マックレー　パック：大嶋正樹

2011年5月27日　 BRB ダフニスとクロエ／真夏の夜の夢　The Dream
　タイターニア：吉田　都　オベロン：セザール・モラレス　パック：アレクサンダー・キャンベル

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