★No015008 恐怖体験part08 八つ墓村…


★恐怖体験 part08


前回 「恐怖体験part5」 の続編~~~

その竹薮の奥に光る眼を見つけたのは、二つだけではなかった。
ヘッドランプを照らしたところ、緑色に光る眼は

二つ・四つ・六つ・八つ…と増えだし

やがてこちらに向って、動き始めたではないか!

”ひえぇ~~っ”

思わず手にしていたチャランボを竹刀よろしく身構えた。
勿論、クーラーボックスやバッカン(コマセ用バケツ)は投げ出して。




ヘッドランプの明かりに照らし出されたその正体は、なんと野犬であった。
正直、少しは安心した。
もし、人が這いつくばって竹薮から出てきたら、それこそ腰を抜かしていただろう。

元々は飼い犬だったのだろうが、やがて自由奔放が好きになったのだろうか?
どこの世界にも規則に拘束されるのが嫌な者がいる。
野犬と言っても見た目には、それほど凶暴性は感じられなかったが、
でもやはりそこは野生化した犬。 怖くて思わずステンレス製のチャランボを地面に叩き威嚇してみた。

”カッキィ~ン” 甲高い金属音が闇に響き、それに驚いたのか野犬は再び竹薮の奥に消えていった。


釣り場に置いていた背負い籠が数メートル上に動いていた謎はこれで解けた。
夜食の弁当を狙って出てきたようだが…、それにしても、力持ち揃いの犬どもである。

これまで数え切れないほど、この釣り場に足を運んでいるが、何処から移り住んだのだろうか?
いやっ? もしかしたら、前から居たのかもしれない。
自分が気付かなかっただけかも。



必死の思いで駐車場に戻り、肩で息をつきながら、車のガラスに映った自分の姿を見る。
額には大量の汗? それとも脂汗? 
手は硬直しており、握り締めたチャランボが離れない。そのまま袖で汗を拭った。

いや~ぁ 怖かったぁ~。

でも、本当に怖いのは、この成りをした己の姿かもしれない。

頭には、ヘッドランプを煌々と点け。
背中には、籠を背負い。
手には、ステンレスの棒をライフルのように持ち。
額には、脂汗をにじませ。
目には、妖気さえ感じる。

どこかで見覚えはないですか?



そう、それはあの「八つ墓村」の映画。
村人の皆殺しのワンシーンのようではないか・・・。

もしかしたら、駐車場の婆さんが母屋から腰を抜かさんばかりに見ていたのかも。。。
今回の恐怖体験の主役! 本当は婆さん??
その仕返しが 「恐怖体験part7」 だったのかも。。。\(〇_o)/








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