December 12, 2005
XML
カテゴリ: イルカの話


すでに漁師さんと自然保護団体の関係は、コジれにコジれています。
漁師さんは、ことイルカとなると、報道関係など一切のシャットアウト。
もう一切の議論にも応じない構えです。
それだけ、今までに衝突があったんですね。
まさに、いきなり世界中からの集中砲火を浴びたわけです。
今までに気持ち悪くなるくらい感情的な議論を繰り返してきたんだと思います。

漁師さんからすれば、
「ずっと昔からの伝統で漁をしているのに何でいまさらイルカだけ」

「どんどん魚が捕れなくなって生活が苦しくなるのに、害獣のイルカを捕って何が悪い」
  これはイルカ漁をしている地域によって違います。
  イルカ漁を「生業」にしているところもあれば、
  年に数回だけやる「駆除」的もしくは「お祭&副業」的な漁のところもあります。
反対する方も、漁師さんの生活保障をできないし、
「合法」である以上、歩み寄る道はないようなんですね。

ちなみに、イルカやクジラを捕るべきでないという根拠は、
「カワイイから」というわけではなく、
繁殖率が著しく低いからです。
およそ2~3%と言われています。
100頭いて、1年に2・3頭しか増えないというコトです。


ボクはある「狩り場」でイルカの胎児が無残に転がっているのを見て、
涙が止まりませんでした …



日本人とイルカの関係を象徴するような出来事がありました…
… でもネ、残念ながらちょっと詳しいことは忘れちゃったんですよねぇ…

北海道だったと思うんですけど、

ドーン!とクジラを打っちゃったんですね。
そりゃ、ホエールウォッチャーはビックリです。
当時新聞にも載って、その「惨劇」の様子が写真で伝えられました。
二極化している日本人とイルカの関係を良く表す出来事だと思います。



一方で、ちょっとした変化を感じられたのは、
昨年、偶然見つけた伊豆新聞に載っていた記事でした。
伊東市富戸港は、イルカの追込み漁で世界的にも有名な所です。
その伊東市の「元」漁師がドルフィン・ウォッチを開始!というものでした。
簡単に言ってしまえば、「イルカは捕るより見せた方が金になる」というコトです。

ボクはネ、とりあえずそれでもいいと思うんですよね。
要するに、
「世間の意識が変わることで産業も変わっていく」というコトだと思うんです。
トヨタがいち早く「エコ」開発に手を出したのは、
「売れる」と見込んだからです。



ボクたちが理想とする自然との調和の世界って、
多分、今ボクたちがいる所からものすごく遠いんだと思うんですよね。
でも、産業革命から始まった大量生産・大量消費の流れは、
今、少しずつ、確実に、逆流し始めていると思います。
でも、まだまだ遠い。
そんな状況の中で、一つ一つに白黒つけていたら、
あまりにも遠い道のりに、みんな苦痛を感じてしまうんですよね。

それでも大丈夫な人は大丈夫だろうし、
そういう人が現れていることも「変化」の一つの現れです。
でも、結局、大丈夫な人と大丈夫じゃない人が分かれて、
「相容れない意見」として、二極化してしまいます。
どっちが正しいってワケじゃないのに、
二極化してしまって、どっちもマイノリティです。
マジョリティは「無知」です。いつの時代でも。



野生のイルカと泳ぐのだって、
理想形(?)からいえば「黒」かもしれません。商業ベースではね。
餌付けも「黒」です。
捕殺も「黒」。

でも、仮に理想形を、大昔の自然と調和していた厳しい時代とすると、
当時、捕れるものは何でも捕ってました。
じゃ、逆に捕殺は「白」なんじゃない?
そんな時代なら物が余っているわけでもなく、餌付けできるものも限られてるから、
餌付けも「白」。
泳ぐのなんて当然「白」でしょう。
でも現実問題として、今の人口と便利さを劇的に減らすワケにはいかないでしょうから、
大昔に戻ることはできません。
「じゃ、その理想形ってどんな世界なのよ?」って話ですよね。
それにょって「白」「黒」変わってくるワケですから。



結局ね、
一つ一つのことに、誰にも共通な「白」とか「黒」はないんですよ。
ただ、「考える」機会を持つことが重要なんだと思います。
「無知」でいないコトです。


屋久島への旅行が、ドラマに触発されて人気になりました。
おかげで縄文杉への山道がボロボロになってしまいました。

だからといって、縄文杉への旅行を禁止ってする必要はないと思うんですよ。
ただネ、
どうせ行くなら、業者を選びましょうね、って言いたいです。
心ある業者は、なにも縄文杉へ行かなくても
屋久島の森を体験&理解してもらうように、とプログラムを組んだりしています。

業者を選ぶということは、その業者に「一票を投じる」というコトです。
自然と関わるサービスを提供する会社すべてに言えることです。
ボクは、そういう産業が伸びてほしいと思っています。
そして、より多くの人が、単に買い物のための旅行ではなくて、
自然との関わりを考えてくれるような旅行に行ってほしいと願っています。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  December 12, 2005 08:05:27 PM
[イルカの話] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: