ニジンスキー生涯,蒼いペガサスの時(3編

ニジンスキー生涯,魅惑のバレエダンサー,蒼いペガサスの時_No.3,輝ける脚光の人は天涯「何物かによる囚われ人」,戦争,愛の虜,牧神の存在,神との結婚,薔薇の精,牧神の午後に係る資料表,関連人物一覧,謎のトライアングル(構成の3辺)

蒼いペガサスの時ニジンスキー生涯



蒼いペガサスの時_ニジンスキー_No.3


美を追求して燃え尽きた人々_No.4_ニジンスキー編より、「蒼いペガサスの時」その3





輝ける脚光の人は、天涯「何物かによる囚われ人」でした。
ある時は戦争であり、また一時は愛の虜であり、
最終は、妄想の中、得体の知れない
怪物のようなものに苛まれています。




(注)けっしてメロドラマではありません。しかし彼のテーマにはサガが深く関与する為、驚かないで下さい。
Shooting star*_Vaslav Fomich Nijinsky
ニジンスキー&周囲相関略表:舞い落ちる後半生まで、

前々頁=No.1


1_天才少年
1900(10歳)舞踊学校入学
1908(18歳)主役抜擢
2_セルゲイ・ディアギレフとの出会い
(黄金時代到来 ~追放迄)
1909(19歳)ディアギレフの劇場へ移動
2_A_宙に静止した男
1911(21歳)『薔薇の精』脚光
1912(22歳)『牧神の午後 』
大反響とスキャンダルの嵐
2_B_事件!ニジンスキーの電撃結婚!
■篭を飛び出した小鳥

ディアギレフの隙
二人のブエノスアイレス


前=No.2
ディアギレフの怒り_楽園追放
1913(23歳):結婚・ 団から解雇追放される!
3_彷徨い人
■悲しきかなプロディースの力、事業力,
■戦争による抑留経験
 ◎自立旗揚げ失敗。
 ◎ ▼ 第一次世界大戦(1914~1918)
 1914(24歳):ハンガリーで被拘留。(露国籍の為)


4_ディアギレフの元へ復帰から、壊滅の兆し迄
1916(26歳)活躍中ながら精神に異常の兆候
・察知したディアギレフ立ち去る
5_神との結婚、シュティーングスターの時
■妻_ロモラ_それでも愛してしまった人だから
1919(29歳)1月:「神との結婚」と自称公演が最後
1919(29歳)3月:精神病院入院
6_またしても戦争!そして戦争が彼を苛む。
  妄想の中蠢いては彼を支配する「牧神サテュロス」

■逃亡、精神を患う悲壮な結末,
第二次世界大戦(1939~1945:彼約49歳~55歳)
・ナチスの虎口脱出。 潜伏、逃れ英国へ。
7_夜空に蘇れ!蒼いペガサスの時
_オチの「ペガサス」とは、何故ペガサス?かというと
謎のトライアングル(構成の3辺)
■1_戦争による抑留経験と精神、彼の病気のこと

現在頁=No.3
■2A_脳内を蠢く「牧神の存在に係る資料表」

次頁=No.4
■2B_ニジンスキーが牧神の存在を描き出す為に、
如何に努力を続け、意識がそれに囚われていたかについて
■3_馬に生まれたい発言

皆が認知するアーティスト生命は
1908(18歳)~1919(29歳),11年・輝いていた期間正味8年
■伝説の「宙に静止した美少年」
ニジンスキー: ■バレエダンサー、■振付師
1890/3/12~1950/4/8:
『ペトルーシュカ』
ニジンスキーが演じたその他の作品補足
無機質の人形が、恋をした!その悲しみを演じた彼について。


7_夜空に蘇れ!蒼いペガサスの時_謎のトライアングル(構成の3辺)の2A
ニジンスキーが牧神の存在を描き出す為に、如何に努力を続けていたかについての「資料表」
(注)以下表現について:けっして猥褻の為に記したものではありません。しかし彼のテーマにはサガが
深く関与する為、驚かないで下さい。

ニジンスキーの「牧神の午後」関連

混迷キーワード:牧神,半獣神,Faune(ファウヌス),パン(≒パーン),サテュロス

b8.jpg
ニジンスキーの「牧神の午後」

のどかな田園風景。
牧神が居て、牧神の象徴、
半獣神の証、斑点模様。
そして彼らの証。
笛を吹く。

暖かな陽光。午後のまどろみ
から目覚めた牧神は・・・
官能的な夢を・・・。

■牧神って何?
山野と牧畜を
守る半人半獣の神
■ギリシャ神話では、パン(≒パーン)
■ローマ神話では、Faune(ファウヌス)
■半獣神って何?
牧羊神、半獣神
実は種類一杯
種類一杯&混合混乱は現代人に限らず、類似が多いことから、
昔から人々の意識の中、混じって、国柄,地域柄,時代に応じて様々。
識別困難なものもある。上半身が神か人のような形で、下半身が
なんらかの草食獣の形。山羊であったり、羊であったり、多種。
■類似&関連:
サテュロス

ニジンスキー枠内にも
追記有り
サテュロス:ギリシア神話及び、ローマ神話、共に登場の「半人半獣」精霊。
完全な神ではなく、あくまで精霊とする説と、神だが不死ではなく、時来たれば死ぬ
ものとされているものとある。上記のとおり、皆の意識はパンやファウヌスと混合状態。
サテュロスは唯一ではなく、複数居る。昔から混同視されている点有。
■下記、マラルメの詩、及び、ドビュッシーの曲にも登場しているのは ファウヌス
訳は微妙に異なり、マラルメ側は、半獣神、ドビュッシー側は牧神。
■ところが、ウィリアム・アドルフ・ブグローの絵は「ニンフと サテュロス 」。
■類似&連想:
ケンタウロス
下記ペガサスとユニコーンと異なり、「半人半馬」状態の怪獣。上半身は神ではない。
■万民的な意識上
漠然と連想するモノ
下半身が馬状のモノ
ペガサスとユニコーン
_○ユニコーン(一角獣):*頭に角が一本。
_○ペガサス:ギリシア神話のペーガソス(天馬)_翼を持つ馬
▲但し、これらは神でないのが分け目:( 美しいユニコーンデザインのアートTシャツ各種

__
■ニンフって何?
妖精、精霊,
森,自然,美,女性美・・・と、幅広く象徴として登場。
・・ニンフイメージは:下側黒枠の絵画ご参照

サテュロスは笛を吹く。ギリシャ神話表現は、パン(≒パーン)とあるから、右タイプも笛を保持したオブジェ&彫刻もある。

_
牧神は、夢の中でニンフとこうして・・・だが、現実は!
_

関連人物とキーワード、
関連事象
人物補足他
概略
1_ステファヌ・マラルメ
仏蘭西詩人
(1842/3/18~1898/9/9)
の詩「半獣神の午後」
1876年豪華本として出版
1865年から1867年の間に、舞台上演想定作品として提示されたが、却下されること2回。
1876年に、豪華本としてやっと出版された。(サガの世界だから、受け入れ難く、
芸術として理解され難く、公表はすんなりパスしなかった経緯有。)
内容:午睡から目覚めた半獣神が、ニンフ達と官能的体験について、
暖かな日差しの中、ぼんやりと自問自答。



画像は:輸入盤CDクラシック
こうなると、牧神なのか、牧羊神なのか、ファウヌス対、サテュロス
なのかと細かく言えば混乱するが、大体、半獣神的な存在である
のが解る。皆がそれぞれのイメージで、描いている。ちなみに、本来
登場するニンフは2人。しかし、ニジンスキーの振り付けは7人。
バレリーナが2人より7人のほうがバレエとして豪華だからなのか、
彼なりに7人でなければならぬ真意へのこだわりがあったか。
左画像は、 ファウヌス、OR、サテュロスと二人のニンフのイメージ
連想用にちょい近いかも系(中身もファウヌス,サテュロス少々絡み


■絵画として、「二人のニンフとサテュロス」の象徴に:ウィリアム・アドルフ・ブグローの作品。




ウィリアム・アドルフ・ブグローによる「サテュロス」の描き方にご注目。神話ストーリーでは、本来、
「サテュロス」がニンフを誘惑して振られる。ところが、この絵画では、どう見ても、ニンフに誘惑されている。
これは、「サテュロス」の運命を象徴している点が、ブグローの個性。彼の感性では、「サテュロス」を、
愚か者としてでなく、哀れな犠牲者と見ているのが解る。

なぜなれば、最終「サテュロス」は、
hata生きながら全身の皮を剥がされて死ぬ!恐ろしい宿命!
拾った笛に「呪いの呪文」が篭められていた!それと知らず夢中になり身を滅ぼす。



クロード・ドビュッシー(仏蘭西作曲家
(1862/8/22~1918/3/25)
『牧神の午後への前奏曲』

ドビュッシーは、マラルメの詩に感銘。そして作曲。
牧神の象徴「パンの笛」をフルートの音色で表現。
牧神が昼寝のまどろみの中で官能的な夢想を・・・。

ぽかぽかとした日差し。午後。ぼんやり。ちょっと気だるいムード。
それらの要素、まさしく合致。
人々は、無論、この詩の根底に「性」が絡むのは知っているが、
それはあくまでぼんやりとした夢だけであって、のどかな田園風景と
暖かな陽光のロマンチックのみ期待していた率が高かった。
その為、 真意を追求したニジンスキー の振り付が大騒動へ発展。

b9.jpg
愚かしくも欲して止まぬは人の常、
結果屈して醜態を曝すも人。
人らしいからこそ、真意の美ではないのか?

ニジンスキーの振り付が、冒涜!淫!と
ブーイング騒動となる。

現れたニンフ達に誘惑を試みるも、皆逃げ去り、
牧神は絶望。ふと気がつくと、彼女達の一人が、
あわてて落としていったベールが一枚。

その時、牧神は・・・。
大熱演のニジンスキー・・・だったのだが、
責めの嵐が・・・。

ニジンスキーのバレエ『牧神の午後』



午睡から目覚めた牧神が、暢気に 葡萄 食べてたら、ニンフ達が。
誘惑試みるも、結局皆逃げ去る。失望の牧神は自ら慰めるらしき
振付。これ神話的にも大体正解の領域と思うのですが(サテュロス
とは臆病で小心者の習性有の為、快楽好きでも成功できず屈する
姿は、まさにサテュロスらしいと思うが・・・。)、やはり物議。
この大騒動の際、沈下の為にディアギレフ大奮闘。
詳しくは、 前頁=No.1 2_セルゲイ・ディアギレフとの出会い
の項内、 『牧神の午後 』大反響とスキャンダルの嵐 をご参照。
■尚、登場する笛は「パーン(上記参照)の笛」であり、
牧神様が、具体的にどちら様なのか、ファウヌスか、サテュロスか、
元祖パーンなのか、ますますミステリー。

■因みに、サテュロスは踊りと笛と快楽好き。 葡萄 と蔦で作った
花輪を頭に載せている。ニジンスキーの振付の 葡萄 、確かに絡む。
■サテュロス(唯一でなく複数居る)のひとり マルシュアースは、

アポローンと音楽の腕を競って敗れ、
hata生きながら全身の皮を剥がされて死んだという
恐ろしい神話があり、発端は拾った笛に

篭められていた呪文 それと知らず夢中になり身を滅ぼす話。

■ニジンスキーが牧神の存在を描き出す為に、如何に努力していたかについて(詳しくは後項、及び次頁No.4)。
・■葡萄,■笛,■快楽好き,■小心者:だからこそ、問題の振り付けが必然と判断した事。■衣装(※)他にも一杯。
■衣装:これ素晴らしい。足、腿など斑点模様は、牧神≒半獣神だから、馬か牛かなんか動物の斑点イメージ。
それから、股のあたりのデザイン、こりゃなんだ?と思ってたら、これぞ神話上の「牧神」の象徴。快楽好き
の象徴として、いつでもピョン状態が彼らの姿とされている。それらを踏まえた上で、一流のデザイナーが作った。
真下枠のバクストの作品。
舞台芸術と衣装について
レオン・サモイロヴィッチ・バクスト
(1866/2/8(or同年5/10)~ 1924/12/28)



腿から足の斑点=牧神≒半獣神の証
バクストは、ロシアの(画家,挿絵画家,舞台美術家,衣裳デザイナー。
人種的にはユダヤ人。■『芸術世界』のチームの一人。
■この『芸術世界』チームには、ニジンスキーのオーナー、ディア
ギレフも居る。『芸術世界』誌の表紙絵・挿絵も描いているが、同誌
は、1904年廃刊。
■1900年代初期は、マリインスキー劇場(ニジンスキーがディアギレ
フに引き抜かれる前専属していた劇場)の舞台装置も担当している。
ニジンスキーは、マリインスキー時代に既にバクストを知っている。
この頃、彼は私塾を開設。その生徒の一人がニジンスキー。この塾
には、後の1908~ 1910年頃画家のシャガールも在籍。
■ニジンスキーがディアギレフの劇場へ移動したのは1909(19歳)。
その為、彼はディアギレフの縁で入塾したのか、マリインスキー劇場
時代に既に学んだのか、何れにせよスポーツ一本やりの子でなく
芸術学習熱心な子であり、牧神に関する知識が一般人を遥かに
超越しているが故、認識が異なっていたことが解る。

後の世、蘇った『牧神の午後』
トラブル以来、半封印状態だった『牧神の午後』。1929年、
ディアギレフの死去。バレエ・リュス解散。メンバーは世界に離散。
しかし、バレエ・リュス出身者達が、記憶を辿りつつ、1930年から、
徐々に複数のバレエ団が上演する時代到来。この頃、ニジンスキー
は命はあれど病に侵され病院を転々。運命は、死に向うのみ。
1950年死亡。

一方、何よりも、水を恐れた男、ディアギレフは、皮肉な運命。
水の都、ベニスに死すは、上記1929年。第二次世界大戦が終わった
後だというのに、57歳。まだまだこれからの年齢だった。
彼の功績は偉大だ。歪な愛だったが、彼はニジンスキーを愛した
存在にかわりない。彼の存在がなければ、ニジンスキーは埋もれて
いたかもしれない。
「妄想の中、彼を支配してやまぬ「牧神サテュロス」の呪文、生き煮えか?」というキャッチを書かせて頂いた訳について
No.1 No.2 No.3 (現在頁)< NEXT_No.4
文章解説(c)by rankten_@piyo、

関連人皆の相関図ガイド他

魅惑のニジンスキー


故:淀川長治さん

■日曜映画劇場の 「さよならっ!さよならっ!のおじさん」 こと、映画解説の超巨匠。
なぜ、そんなに皆が巨匠!と言っているかについてはこちら
■ニジンスキーの活躍も見ている世代の人物
■幼少時:ロダンが存命しており、■ずっと長い間チャップリンを見ている。
淀川氏も、ニジンスキーも、チャップリンの追いかけMAN。
チャップリンは問題作「独裁者」でナチスを風刺。ニジンスキーはロシア国籍である為、
拘留経験者。ナチスによる殺害説も一時流布された程。実際は逃亡してイギリスへ逃れていた。
幅広く相関図:チャップリンを核にニジンスキーと日本の巨匠


わくわくドキドキ!

ヘンデル&グレーテルの美味しいお菓子とグルメ、大冒険

新楽~ぅっ!なPC椅子大研究



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: