ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.01.28
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カテゴリ: 女性史
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肖像画というお答えをいただきました。確かに王家の肖像や貴公子・貴婦人の肖像画は、欧州絵画を語るときには、欠かせません。しかし、答えは別にあります。

答えの前に肖像画について一言させてください。ルネサンス期の作品は、壁画や天井画画「覆いのです。当時壁に漆喰を塗り、そこに絵の具で描いていく、フレスコ画の全盛期でした。紙や布に描くことは少なかったのです。それゆえ、肖像画が普及するのも、もう少し遅く、一般化するのは、16世紀も後半、終り近くなってからなのです。

そして、この肖像画こそが、王家の縁組に際してのお見合い写真の代わりをなすものだったのです。当然王族や大貴族の縁組は、当時の欧州の国際関係を睨んでの政略結婚でした。ですから、本人が我を張って、嫌だと言えるようなことはなかったのですが、嫌がる本人を説得する材料として用いられたのが、お相手の肖像画だったのです。「ホラお相手は、こんな美しい方ですよ」とか「姫様、どうです。イケメンの王子様ですよ」と、説得するために。

しかし、見合い写真ですら修正が可能なのですから、宮廷画家の描く肖像画が、本人そっくりと言うことは、スペイン王室お抱えのゴヤの作品の登場まで、皆無だったのです。そうです。出来上がった肖像画は、本人とは似ても似つかない別人となっていたのです。ですから、この肖像画を実物と思う人は、当時はいなかったのです。

笑えない話ですが、フランスのある王子は、スペインから迎えた迎えた花嫁が、美人とはいえないまでも、醜女ではなかったことに狂喜して、肖像画家の筆のすべりも、この程度なら許せると語ったという、有名な逸話が残っています。事情は花嫁側でも同じだったのでしょう。

ところで、答えは人形です。大きめの人形をあつらえ、その何体かの人形に当代流行の衣装を着せ、しっかりとくるみこんで、国際商業に進出している有力商人に届けてもらうのです。1530年代に後のフランス国王アンリ2世の下に嫁いだ、カトリーヌ・メディシスと、彼女にイタリアから御伴した侍女達は、この人形の伝えるイタリアンモードを楽しみにし、早速にそうした服装の真似をしたのだそうです。スペインから、イングランドに嫁いだカタリーナ姫(英語ではキャサリン)もまた、フランス宮廷経由で、そうした情報を受けていたことは、良く知られる事実でもあります。

この時期の、人形の写真がどこかにあるはずなのですが、見つけ出せずにいます。写真なしでお許しください。

明日は、男性のお洒落について、写真付きで記します。





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最終更新日  2009.01.28 13:21:51
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