ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.01.28
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カテゴリ: 民衆の歴史
マリア信仰の形成(11)

カトリック教会が、聖母マリアの母性を強調するようになったのは、14世紀末~15世紀にかけての時期でした。それは中世の農村が、大家族中心の構成から単婚家族(現在の核家族)中心の編成。に大きく代わっていく時期に符合しています。

単婚家族であれば、生産労働のほかに家事をこなし、子どもの面倒も見る母としての女性の役割が、当然の如く大きくなります。カトリック教会はここに目をつけ、母たる女性たちの教化に全力をあげたのです。

中世後期からルネサンスにかけての時期に、女性の社会的・法的な地位は、決して高くなっていないどころか、むしろそれ以前の時期に比べて、低くなっていると指摘されています。それでも、この時期に家族内において、女性は存在感を増しています。家族、とりわけ子ども達にとっての、母としての女性の精神的役割は、この時期から大きくなっているように見えます。

カトリック教会は、この事実に着目して、ここぞとばかりに慈愛に満ちて、わが子を慈しむ聖母マリアを強調するようになったのです。ここに子を慈しむ聖母像が誕生するのです。聖母マリアは、あくまでもやさしく慈愛に満ちた存在として描かれ、さらに父たるヨセフを加えた聖家族の伝説までもが、加えられるのです。そこでは、イエスの外の子、ヨセフとマリアの夫婦の間に生まれた子ども達は、どこかに追いやられています。そしてイエス、マリア、ヨセフの3人だけの、庶民の家族でも模倣可能な、地上に降りた聖家族が描かれるのです。

聖母像と、聖家族の強調。これこそがローマカトリックが農村女性をカトリックの教えに取り込んでいく手段であり、かつ女性をして、子どもや夫を、カトリックの教えに導く強力な手段だったのです。

マリア信仰は、このような形で、カトリック世界に定着し、その後も着実に広がりを見せながら、女性信者を獲得し、さらに男性にまで、その信仰を広げて行く役割を果たしたのです。それでは、グルグル巻きに巻かれた、あの幼児たち、子ども以前の幼児たちは、いったいどうなっていたのでしょうか。次回はこの点を記して、この稿を閉じることにしたいと思います。





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最終更新日  2009.01.28 21:41:26
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