ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2009.05.22
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カテゴリ: 国際経済
世界経済の現状(7)

アメリカばかりではありません。ポンドのイギリスにユーロのEUもにたような状態にあります。RBS(スコットランド国立銀行)やUBS(スイス銀行)が何をしているかは、(4)に記しました。

本日の日経新聞は、「損失計上の先送り」と昨今の同紙にしては、珍しく歯切れの良い書き出しで、ドイツ政府の政策を酷評しています。ドイツ政府の不良資産対策が、バブル崩壊期の日本政府の対応にオアーバーラップしたからです。

銀行が抱える不良資産を、簿価の9割で受け皿会社(これをバッドバンクと呼びます)に移し、最長20年間管理するというのです。銀行は受け皿会社が発行する債券を受け取り、支払いは政府が保証する仕組みです。最終損失は原則として銀行が負担するのですが、政府が損失の1部を負担する可能性も囁かれています。

これは政府主導の損失隠しです。時価が簿価の2割とか3割に落ちている債券が9割に戻ることなど、夢の夢であり、とても期待できないことは日本の経験から明らかです。そんな保証はどこにもないのですから、これは「損失飛ばし」であり、損失の付け替えに過ぎないことは明らかです。

ところで受け皿会社に銀行が移管できるのは、有価証券だけに限られています。不良化した貸し出し債権は、移管できません。実は欧州各国は預金保護、銀行への資本の注入、銀行の債務の保証と、昨秋から様々な金融安定化策を繰り出してきました。

そこへ持ってきて、ここにきての実体経済の悪化による不良債権問題が降って来たのです。しかし、今までの対策で急激に財政事情が悪化しているために、現時点でこれ以上の財政負担に応じる余裕はなく、やむを得ず損失先送りを選択せざるをえなかった。どうやらこういうことのようです。

金融機関の抱える膨大な不良資産は、いまだ解消していません。各国の金融機関が示している見掛けの利益は、かつての日本でお馴染みの「粉飾」によるもので、決して実態を示すものではありません。粉飾のやり方が国によって違っているだけなのです。粉飾しながら、財政事情が許す範囲で、政府支援を続行する。こんなシナリオが見えているのですが、果たして、問題解決のメドが立つまで、各国の財政が破綻せずに持つのかどうか。

薄氷のシナリオが続くようです。ポンドが一番危険度が高いような気もするのですが…





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最終更新日  2009.05.22 19:20:34
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